10/02/24配信分

Health Canada Approves Darunavir for Children, Adolescents With HIV

NEW YORK -- February 9, 2010 --

 カナダにおいて、6〜18歳のHIV患者においてリトナビルと他の抗レトロウイルス薬との組み合わせによるダルナビル(プリジスタ)の1日2回投与が認可された。

 「HIVとともに成長する際には、子供の身体的健康や社会的、情緒的、認知的発達に影響を与える。」「今まで成人より治療法の選択肢が少なかった若年患者に対し、我々が併用療法の一部としてこれでダルナビルを投与可能になったことは、励まされる。」と Christos Karatzios博士(Infectious Disease, Montreal Children's Hospital,Montreal, Quebec)は述べた。

 この子供に対するダルナビル認可は、既治療の小児HIV-1感染者に対するダルナビル治療の非盲検第2相試験(DELPHI)の結果に基づいたものである。

 この研究では6〜18歳の小児及び青年で治療歴のあるHIV患者に対し、他の抗レトロウイルス薬と組み合わせたダルナビル1日2回投与の薬物動態、安全性、認容性と有効性が評価された。

ウイルス学的有効性は24週時点で評価され、血漿中のHIV-1 RNA量がベースラインに比べ少なくとも1 log10(10分の1)に減ったものと定義された。

24週時点において、74%の患者がこの(上記)基準を達成した。ウイルス量検出感度以下(HIV-1 RNA<50 copies/mL)を達成した小児患者は50%であった。ベースラインに比べたCD4陽性細胞数の増加は平均117cells/mm3であった。

2%以上に発生したような一般的な副反応は嘔吐(12.5%に発生)、下痢(11.3%)、及び腹痛(10%)であった。小児患者における副反応の頻度や重症度は成人で観察されたものと同等であった。

SOURCE: Johnson&Johnson

ジダノシンの使用による重篤な肝機能障害についてのFDAからの警告

FDA Warns of Serious Liver Disorder Associated With Use of Didanosine

2010年1月29日

 米国食品医薬品局(FDA)は医療従事者に対し、ジダノシンdidanosine(ヴァイデックスVidex、ヴァイデックスEC)による非硬化性の門脈圧亢進症という、稀ではあるが、重篤な肝合併症について警告している。

 FDAはFDAの副作用報告システム(Adverse Event Reporting System:AERS) に有害事象として報告された非硬化性の門脈圧亢進症の症例に注目しはじめている。

これらのレポートに基づき、FDAはジダノシンの医薬品表示について、この薬剤の適正な使用を保証するため、非硬化性門脈圧亢進症についての情報を含むように改訂している。

FDAは特定のHIV患者に対するジダノシンの臨床的有用性はその危険性を上回っていると考えている。しかし、内科医と患者との間で個々に検討されたうえでこの薬剤は使わなければならない。

医療従事者への追加情報:

ジダノシン使用は非硬化性門脈圧亢進症の進行につながることがあるので注意が必要である。

ジダノシン使用による臨床的有用性と、非硬化性門脈圧亢進症も含め、危険性について患者に説明してください。門脈圧亢進と食道静脈瘤の進行についてモニターを続ける必要があります。

ジダノシン使用時は、ほかにも乳酸アシドーシスや脂肪肝を伴う肝腫大に注意してください。

ハイドレアやリバビリンといった抗レトロウイルス薬と併用することがあるジダノシンは肝毒性の進行に関連している可能性がある。

Data Samary

 FDAのジダノシンの医薬品表示の改訂は、非硬化性門脈圧亢進の進行についての発売後調査に基づいている。

ジダノシン単独、または他の抗ウイルス薬との併用時には、他に、乳酸アシドーシスや脂肪肝を伴う肝腫大、肝不全などの副作用の報告がある。

ジダノシン使用による非硬化性門脈圧亢進症の症例は42例であった。

・26例が男性、14例が女性、2例は性別が明記されていなかった。

・年齢は10歳から66歳。

・非硬化性門脈圧亢進が進行するまでのジダノシンの使用期間は数か月から数年。

・非硬化性の門脈圧亢進の確定は、原因にかかわらず肝生検により決定した。

このレポートには介入治療についても記載されている

・食道静脈瘤の結紮が8症例。

・経頚静脈的肝内門脈静脈シャント形成術が3症例。

・肝移植が3症例。

42症例中、4例が死亡。この4患者の死因は

・食道静脈瘤からの出血が2症例。

・肝不全の進行が1症例。

・多臓器不全・脳出血・敗血症・乳酸アシドーシスが1症例。

 完治したと報告されているのは、肝移植を受けた3症例のみであった。

 原因を発売後調査から決定するのは困難である。

しかし、多数の症例報告に基づき、アルコール性肝硬変、C型肝炎など、ほかの門脈圧亢進の原因は除外し、FDAはジダノシンの使用と非硬化性門脈圧亢進に関連があると結論付けている。

SOURCE:US Food and Drug Administration

Acyclovir and Transmission of HIV-1 from Persons Infected with HIV-1 and HSV-2.

N Engl J Med. 2010 Jan 20.

Celum C, Wald A, Lingappa JR, Magaret AS, Wang RS, Mugo N, Mujugira A, Baeten JM, Mullins JI, Hughes JP, Bukusi EA, Cohen CR, Katabira E, Ronald A, Kiarie J, Farquhar C, Stewart GJ, Makhema J, Essex M, Were E, Fife KH, de Bruyn G, Gray GE, McIntyre JA, Manongi R, Kapiga S, Coetzee D, Allen S, Inambao M, Kayitenkore K, Karita E, Kanweka W, Delany S, Rees H, Vwalika B, Stevens W, Campbell MS, Thomas KK, Coombs RW, Morrow R, Whittington WL, McElrath MJ, Barnes L, Ridzon R, Corey L; the Partners in Prevention HSV/HIV Transmission Study Team.

背 景

 ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染者のほとんどは単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)にも感染しているが,この HSV-2 は再活性化することが多く,血漿中および性器中の HIV-1 量の上昇と関連している.

HSV-2 を抑制する治療は,HSV-2 の再活性化の頻度を低下させるだけでなく HIV-1 量も減少させる.このことは,HSV-2 の抑制が HIV-1 の伝播リスクを低下させる可能性を示唆している.

方 法

 無作為化プラセボ対照試験において,カップルの片方だけが HIV-1 血清反応陽性(CD4 数 250 個/mm3 以上)で,HSV-2 にも感染しており,登録時に抗ウイルス治療を受けていなかったカップルを対象に,HSV-2 に対する治療(アシクロビル 400 mg を 1 日 2 回経口投与)を行った.

エンドポイントは,HIV-1 未感染パートナーへの HIV-1 の伝播とした.感染ウイルスの同定により伝播の関係を検討した.

結 果

 アフリカの 14 地域で 3,408 組のカップルを登録した.HIV-1 既感染パートナーの 68%は女性で,ベースラインの CD4 数の中央値は 462 個/mm3 であった.無作為化後に発生した 132 例の HIV-1 感染(発生率 2.7 例/100 人年)のうち,84 例はウイルス遺伝子の塩基配列決定によりカップル内の伝播であることが示され,うち 41 例はアシクロビル群,43 例はプラセボ群であった(アシクロビルのハザード比 0.92,95%信頼区間 [CI] 0.60〜1.41,P=0.69).

アシクロビルにより,HIV-1 の平均血漿中濃度は 0.25 log10 コピー/mm 低下し(95% CI 0.22〜0.29,P<0.001),HSV-2 陽性の性器潰瘍の発症は 73%減少した(リスク比 0.27,95% CI 0.20〜0.36,P<0.001).

24 ヵ月間この試験への参加を継続したのは,HIV-1 既感染パートナーの 92%,HIV-1 未感染パートナーの 84%であった.処方された試験薬の服薬遵守率は 96%であった.アシクロビルに関連する重篤な有害事象はみられなかった.

結 論

 アシクロビルの連日投与によって,血漿中 HIV-1 RNA 量は 0.25 log10 コピー/mm 減少し,HSV-2 による性器潰瘍の発症は 73%低下したものの,HIV-1 の伝播リスクは低下しなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00194519)

より長い母乳栄養が、HIV陽性の母親・子供に最もよい

Longer Breastfeeding Best for HIV-Positive Mothers, Children

2010年1月14日

 ザンビアでの新たな研究が、HIV陽性の母親から生まれたHIV陰性の乳児の早期の授乳の躊躇は良いというよりは、害をもたらすことになることを示唆している。

2010年2月号のClinical Infectious Diseaseに掲載された、この研究結果によれば、18か月以前に授乳を止めると、子供たちの死亡率の増加につながるとのことである。

 研究者たちの最初の仮説は、間違っていたことが証明されたが、生後4か月までで、子供にとって授乳が彼らの生存に不可欠である重要な発達点を超えるというものであった。

4か月で授乳を止めても、6か月から24か月まで、さらにはより長く授乳をした場合とくらべ、致死率は減少せず、この期間の離乳でHIV感染から乳児を守るのにも重要な役割を果たすと考えられていた。

 これらのことは、HIVに感染していない母親の場合と同じである。

より長期の授乳は強力な致死性感染症を予防するのに重要である。

とくに低資源環境(low resource settings)でそう考えられている。

しかしながら、出生後のHIV感染を予防するため、HIVに感染している母親は抗レトロウイルス薬を飲まなくてはならない。

 「我々の研究結果は、近年のWHOのHIV母子感染予防のガイドラインの変更について裏付けるものだ。」と論文の著者のLouise Kuhn博士(Columbia大学、New York)は言う。

「新ガイドラインは、母子間のHIV垂直感染の予防のため、授乳期間中の抗レトロウイルス薬の使用を推奨している。」

 この研究のため、ZambiaのLusakaにおいて、958人のHIV陽性のHIV陽性の母親とその子供たちを募集し、出生後から生後24か月まで経過観察した。ランダムに選んだ半分の母子では、4か月で授乳を中断し、残り半分は授乳を継続した。

 749人の未感染の子供たちの致死率は、12か月の時点で9.4%、24か月で13.6%であった。

 プロトコールで推奨されている生後4〜5か月での離乳では、死亡率は2.03倍になる。生後6〜11か月では3.54倍、12〜18か月での離乳は4.22倍に増加する。

ソース:Infectious Disease Society of America

Study Finds Increased Presence, Severity of Coronary Artery Plaques in HIV-Positive Men

BOSTON January 7, 2010

 2010年1月に出版されたthe journal AIDS誌に掲載された研究によれば、冠危険因子が最低限である若い男性がHIVに長期間感染していることにより、同様の冠危険因子を有するHIV陰性男性に比べ、冠動脈にアテローム性動脈硬化性プラーク(いくつかの重篤な動脈閉塞を含めて)が有意に多くなっていることが明らかになった。

 これはHIV患者個々に対して冠動脈プラークを見極めるためにCT血管造影を施行した初めての研究である。

「HIV患者個々において、誰一人として心疾患の症状がないのにも関わらず冠動脈閉塞性病変は存在しており、また対照群ではそのような病変は全く存在しなかったことに我々は特に驚いた。」「古典的および非古典的冠危険因子のどちらもHIV感染患者のアテローム性動脈硬化性疾患に寄与するようである。」と筆頭著者Janet Lo(MD,Program in Nutritional Metabolism, Department of Medicine, Massachusetts General Hospital, Boston, Massachusetts.)は述べた。

 以前のいくつかの研究ではHIV陽性患者において心筋梗塞と他の心血管イベントの発生が増加することを見出しているが、それがコレステロールの上昇や喫煙のような危険因子によるものなのか、HIVに関連する免疫機構の影響なのかは明らかでなかった。

 最新の研究では、心血管疾患症状のない18〜55歳の男性110人(うちHIV陽性者78人)が登録された。

両群とも古典的冠危険因子は少なかった。

HIV陽性登録者は長期間の感染であり、概して健康的で、大多数は抗レトロウイルス治療を受けていた。

詳細な面接と医師による検査の後、登録者は標準的な64スライスCTを用いた冠動脈CTとCT血管造影の検査を受けた。

 標準スキャンでは、HIV感染登録者において、以前の研究に基づくと6歳高年齢の男性と同等の冠動脈石灰化水準であった。

CT血管造影では、対照群の34%、HIV感染患者群の59%に冠動脈のアテローム性硬化を認めた。

HIV陽性群の5例では危機的な冠動脈狭窄(1箇所以上において70%以上の狭窄)が認められ、対照群では一人も認めなかった。

これらの患者は全て、さらなる精査加療のため循環器科へ紹介された。

 「我々の結果は、HIV感染の早期から冠危険因子を減らす取り組みの必要性を強調し、またHIV長期感染患者では症状がなく、冠危険因子が少ない例でも重大な冠動脈疾患を有しているかも知れないことを、医療従事者や介助者は理解すべきである。」「我々はまた、アテローム性動脈硬化の程度とHIV感染期間や炎症・免疫因子との興味深い関連を見出した。これからの研究では、これらの非古典的冠危険因子の役割を明らかにし、これらの患者における最良の予防および治療法を発見することが必要である。」とLo博士は述べた。

SOURCE: Massachusetts General Hospital

HIV-1初期治療におけるアバカビル‐ラミブジン対テノホビル‐エムトリシタビンの比較

Abacavir-lamivudine versus tenofovir-emtricitabine for initial HIV-1 therapy.

N.Engl.J.Med 2009,Dec 3;361(23)2230-40

背景:

一定容量のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs)と非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤またはリトナビル(プロテアーゼ阻害剤のブースト)の投与はHIV-1感染患者の初期治療として推奨されている。

しかし、どのNRTIの組み合わせがより効果的で安全かは明らかでない。

方法:

適格な1858人の患者での無作為化二重盲検試験で、HIV-1感染の初期治療として、アバカビル-ラミブジン(ABC/3TC;エプジコム)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩-エムトリシタビン(TDF/FTC;ツルバダ)、エファビレンツ(EFV;ストックリン)、アタザナビル(ATV;レイアタッツ)とリトナビル(RTV;ノービア)(アタザナビルのブーストとして)の4つの1日1回投与の抗レトロウイルス薬のレジメンを比較した。

効果判定(エンドポイント)はウイルス学的失敗virologic failure(16週から24週でHIV-1 RNAが1000コピー/ml以上、または24週以降で200コピー/ml以上と定義)とした。

結果:

データおよび安全性モニタリング委員会による中間報告では、スクリーニング時点でHIV-1 RNAが100000コピー/ml以上の患者で、NRTIの組み合わせによる明らかな差を認めた。

797人の100000コピー以上の患者の、フォローアップ期間の中央値は60週で、ウイルス学的失敗virologic failureになるまでの期間は、ABC-3TCでTDF-FTCの群より有意に短かった(ハザード率hazard ratioは2.33、95%信頼区間は1.46〜3.72、P<0.001)。

ABC-3TC群では57例(14%)が、TDF-FTC群では26例(7%)がウイルス学的失敗virologic failureになった。

最初の副作用が出るまでの期間も、ABC-3TC群で短かった(P<0.001)。48週目時点までのCD4細胞数の変化については、各群に有意な差はなかった。

結論:

HIV-1 RNA 100000コピー以上の患者では、ウイルス学的失敗virologic failureになるまでの期間も、副作用発現までの期間も無作為にTDF-FTCを投与された群より、ABC-3TCを投与された群の方が短かった。

(臨床治験機構ナンバーClinicalTrials.gov noumber NCT00118898)

2009年マサチューセッツ医学界Massachusetts Medical Society

Directly Observed Antiretroviral Therapy Offers No Benefit Over Self-Administered Treatment for Patients With HIV

ニューヨークにて 2009年11月30日

 医療従事者もしくはそれ以外の人がHIV患者の薬剤嚥下を見守る、直接監視下の抗レトロウイルス療法は、国の豊かさに関わらず、自己投与のみの治療と比べてさらなる効果は認めない。これらはThe Lancetにまずオンラインで公表(www.thelancet.com)された、次号で出版される論文の結論である。

 直接監視下治療は結核においてWHOの基本的治療法であるが、費用がかかり、またこの治療法にはそれほど効果がないという懸念が増してきている。HIVの抗レトロウイルス治療は生涯続くことから、費用対効果についての関心はより大きく、この方法については利益の明確な根拠が必要とされた。

 Nathan Ford(南アフリカ、ケープタウン、Me'decins Sans Frontie`res)らは、米国における高率危険者(麻薬使用者、ホームレスや囚人)や南アフリカで様々な設定で行われた以前の無作為化臨床試験の多変量解析を行った。

一次的なアウトカムは試験完了時のウイルス抑制の程度とした。

 最終的に10種類の試験、1,862名のHIV感染患者を含む解析から、著者らはこの2つの治療法に統計学的有意差を認めなかった。

著者らは、「我々の研究は、自己投与法による抗レトロウイルス療法を受けているHIV患者に対し、直接監視法はウイルスをさらに抑制する効果はないことを示している。

直接監視法はアドヒアランスの悪化リスクのある集団やその他の母集団に対しても、アドヒアランス改善を促す有効な介入法である可能性が予想されていたにも関わらず、我々はこの方法を支持する決定的な根拠は見出せなかった。」と述べた。

 彼らは「直接監視法は自己投与法に加えて効果を得ることはないようであり、全体集団においてはアドヒアランスの補助を試みるこのような方法は疑問である。」との結論を述べた。

 共著者のJulie E. Myers博士とSimon J.Tsiouris博士(Mailman School of Public Health, Columbia University, New York City, New York)は、「直接監視法は患者全体集団のアドヒアランスを向上させるには適さないかも知れないという結論は妥当である。

さらなる調査が予定されるかも知れないが、全体集団への介入をこれ以上広く、全世界にわたって行うことは現実的でない。」と述べた。

SOURCE: The Lancet

抗レトロウイルス薬治療中のHIV患者の認知機能障害について(ISDAによる報告)

Neurocognitive Issues Plague HIV-Infected Patients Taking Antiretroviral Therapy: Presented at IDSA

By Ed Susman フィラデルフィア、2009年11月1日

 認知機能障害はしばしば未治療のHIV患者にみられるが、第47回アメリカ感染症学会(ISDA)定期総会の研究者の報告によれば、HAARTを受けている一部の患者にも見られるようだ。

「HAARTの導入でHIVに関連する認知症は50%程度減少した。」とワシントン大医学部のAbayomi Agbebi博士は言う。

「しかし、HAARTですべての患者の認知機能障害が改善したわけではない。」

Agbebi博士とその同僚は、2008年にワシントン大学HIVクリニックに通院した患者の横断的研究で、793人の患者のうち182人、実に23%のHIV患者が認知機能障害であると発見した。

外来で抗レトロウイルス薬による治療を受けているのにもかかわらずだ。

「HAARTを行う時代になっても、HIVに関連した認知機能障害の有病率は依然として高い。」Agbebi博士は10月30日のポスタープレゼンテーションで報告している。

 この研究チームは、認知機能障害に関連する因子の多変量解析を行った。そして、高齢(40歳以上)、低い教育レベル(大学レベルの教育を受けていない人々と定義)の2つが認知機能障害に有意に関連(P<0.5)していると発見した。

「大学相当の教育を受けた人々では、認知機能障害の有病率が低い。」Agbebi博士は言う。「加齢は認知機能障害の明らかな危険因子である。HIVの年齢層を考えると、HIV関連認知機能障害の加齢による影響について、より一層の調査が必要である。」

 また、性別、人種、C型肝炎の合併、大量飲酒、CD4陽性細胞数、抗レトロウイルス薬のレジメン、中枢神経系に作用の強い抗ウイルス薬の使用の有無については、有意な差が見られなかったと報告している。

「複数の研究で、何種類かの抗レトロウイルス薬が髄液中で高濃度に達すると報告されている。」Agbebi博士は述べている。「今回の結果に基づけば、抗レトロウイルス薬の髄液中濃度はレジメンの決定には影響しないといえる。」博士は、髄液中で抗レトロウイルス薬が高濃度になった際の影響は、まだ議論の余地があると付け加えている。

この研究のため、Bristol-Myers Squibbからの援助を受けた。

【Presentation title:HIV Associated Neurocognitive Impairment Remains Prevalent in Era of HAART, Abstract 351】

抗レトロウイルス薬既治療患者は144週HIV抑制状態を維持する。

Antiretroviral-Experienced Patients Maintain HIV Suppression Through 144 Weeks: Presented at IDSA

 認知機能障害はしばしば未治療のHIV患者にみられるが、第47回アメリカ感染症学会(ISDA)定期総会の研究者の報告によれば、HAARTを受けている一部の患者にも見られるようだ。

 「HAARTの導入でHIVに関連する認知症は50%程度減少した。」とワシントン大医学部のAbayomi Agbebi博士は言う。「しかし、HAARTですべての患者の認知機能障害が改善したわけではない。」

Agbebi博士とその同僚は、2008年にワシントン大学HIVクリニックに通院した患者の横断的研究で、793人の患者のうち182人、実に23%のHIV患者が認知機能障害であると発見した。

外来で抗レトロウイルス薬による治療を受けているのにもかかわらずだ。

「HAARTを行う時代になっても、HIVに関連した認知機能障害の有病率は依然として高い。」Agbebi博士は10月30日のポスタープレゼンテーションで報告している。

 この研究チームは、認知機能障害に関連する因子の多変量解析を行った。そして、高齢(40歳以上)、低い教育レベル(大学レベルの教育を受けていない人々と定義)の2つが認知機能障害に有意に関連(P<0.5)していると発見した。

「大学相当の教育を受けた人々では、認知機能障害の有病率が低い。」Agbebi博士は言う。「加齢は認知機能障害の明らかな危険因子である。HIVの年齢層を考えると、HIV関連認知機能障害の加齢による影響について、より一層の調査が必要である。」

 また、性別、人種、C型肝炎の合併、大量飲酒、CD4陽性細胞数、抗レトロウイルス薬のレジメン、中枢神経系に作用の強い抗ウイルス薬の使用の有無については、有意な差が見られなかったと報告している。

「複数の研究で、何種類かの抗レトロウイルス薬が髄液中で高濃度に達すると報告されている。」Agbebi博士は述べている。「今回の結果に基づけば、抗レトロウイルス薬の髄液中濃度はレジメンの決定には影響しないといえる。」

博士は、髄液中で抗レトロウイルス薬が高濃度になった際の影響は、まだ議論の余地があると付け加えている。

この研究のため、Bristol-Myers Squibbからの援助を受けた。

【Presentation title:HIV Associated Neurocognitive Impairment Remains Prevalent in Era of HAART, Abstract 351】

アタザナビルによるHIV患者の治療において性差は認めない:IDSAでの発表

No Gender Differences Seen With Atazanavir Treatment for HIV Infection: Presented at IDSA

2009年11月1日、フィラデルフィアにて、Ed Susmanによる発表

 第47回米国感染症学会年次会議において、蛋白合成阻害薬のアタザナビルを単独で(ブーストせず)投与した際にはHIV治療のアウトカムに性別間の差は認めないと、演者は発表した。

「米国のHIV感染患者における女性の割り合いは近年、着実に増えている。」「2007年には米国で女性のHIV感染者は104,560人と推定され、抗ウイルス療法への反応における性差の可能性を評価する必要性が認識された。」とKathleen Squires博士(ペンシルべニア州フィラデルフィア Thomas Jefferson大学)が10月30日に発表した。

Squires博士は、抗レトロウイルス治療を受けている女性では治療による有害事象の影響をより受けやすい可能性があるという発表がすでにあることを説明した。

彼女らのチームはブーストなしのアタザナビル治療に関する4つの研究のデータを集め、アタザナビルを含む治療を受けた787例中に286例の女性患者を見出した。

 

 400コピー/mlから検出される方法を用いて、アタザナビルを投与された女性患者の約80%がウイルス検出感度以下を達成し、男性では85%であった。

脂質代謝における変化は男女間でほぼ同等であった。

総コレステロールは男性で8mg/dl上昇し、女性では4mg/dl上昇した。LDLコレステロールは男性で14mg/dl上昇し、女性では平均10mg/dl上昇した。

HDLコレステロールは男女とも6mg/dl上昇した。

中性脂肪値は男性で6mg/dl低下し、女性では12mg/dl低下した。

CD4陽性細胞数も4つの研究それぞれにおいて、男性女性で同等であった。

 「全体的にこれらの研究では、ブーストされないアタザナビル治療において、男女とも同等の安全性と認容性の結果を示していた。」とSquires博士は結論づけた。

 これらの研究はブリストルマイヤーズスクイブによって出資された。

Presentation title:

Safety and Efficacy of Unboosted Atazanavir (ATV)-Based Regimens in Treatment-Nai"ve Patients by Gender. Abstract 275

N Engl J Med. 2009 Nov 19.

Vaccination with ALVAC and AIDSVAX to Prevent HIV-1 Infection in Thailand.

Rerks-Ngarm S, Pitisuttithum P, Nitayaphan S, Kaewkungwal J, Chiu J, Paris R, Premsri N, Namwat C, de Souza M, Adams E, Benenson M, Gurunathan S,Tartaglia J, McNeil JG, Francis DP, Stablein D, Birx DL, Chunsuttiwat S,Khamboonruang C, Thongcharoen P, Robb ML, Michael NL, Kunasol P, Kim JH; the MOPH--TAVEG Investigators.

From the Department of Disease Control, Ministry of Public Health,Nonthaburi (S.R.-N., R.P., C.N., S.C., C.K., P.T., P.K.); Vaccine Trials Center (P.P.) and Data Management Unit (J.K.), Faculty of Tropical Medicine, Mahidol University, Bangkok; Thai Component(S.N.) and U.S. Army Medical Component (J.C., R.P., M.S., M.B.), Armed Forces Research Institute of Medical Sciences, Bangkok - all in Thailand; the Division of AIDS, National Institutes of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Bethesda, MD (E.A.); Sanofi Pasteur, Swiftwater, PA (S.G., J.T., J.G.M.); Global Solutions for Infectious Diseases, South San Francisco, CA (D.P.F.); the Emmes Corporation, Rockville, MD (D.S.); the Global AIDS Program, Centers for Disease Control and Prevention, Atlanta (D.L.B.); U.S. Military HIV Research Program, Walter Reed Army Institute of Research, Rockville, MD (M.L.R., N.L.M., J.H.K.); and U.S. Army Medical Materiel Development Activity, Ft.Detrick, MD (J.H.K.). This article (10.1056/NEJMoa0908492) was published on October 20, 2009, and was last updated on November 19, 2009, at NEJM.org.

背景:

HIV感染症に対する安全で有効なワクチンの開発は流行抑制の重要な手段である。

方法:

多施設共同、無作為化割り付けによる二重盲検プラセボ対照臨床試験によりプライミング用のcanarypox vector vaccine (ALVAC-HIV [vCP1521])とブースター用の組み替え型糖タンパク質120個で構成されたワクチン(AIDSVAX B/E)の評価を行った。

このワクチンとプラセボは年齢がRayong および Chon Buri両行政区で18歳から30歳の16,402人の健康な男女に接種された。

接種者はHIV感染に関しては異性間の性的接触について6ヶ月ごとに3年間にわたって経過を観察され一次エンドポイントはHIV感染およびワクチン後6ヶ月での早期のHIVウイルス血症の確認である。

結果:

intention-to-treat解析(脱落者も含める解析)において16,402例はワクチン群においてHIV感染抑制効果が26.4%と計算された。 (95% 信頼区間 [CI], -4.0 to 47.9; P=0.08)

per-protocol解析(完遂者のみの解析)では12,542例が解析対象となり、ワクチンの効果は26.2% (95% CI,-13.3 to 51.9; P=0.16)であった。

修正intention-to-treat 解析(エントリー時からすでにHIV感染が証明されていた症例7例を除いた解析)で16,395例を対象として計算するとワクチンの有効性は 31.2%(95% CI, 1.1 to 52.1; P=0.04)となった。

ワクチンHIVに感染した患者においてウイルス量の程度やCD4数には影響を与えなかった。

結論:

今回のALVAC-HIV とAIDSVAX B/Eワクチンの組み合わせはヘテロセクシャルな集団に対してHIV感染抑制効果をしめすが感染後のウイルス量やCD4数には影響を与えないことが示された。

しかしワクチンの効果は弱くさらなる研究の必要性を訴えることになった。

PMID: 19843557 [PubMed - as supplied by publisher]

抗HIV薬であるマラビロックは関節リウマチの徴候や症状を改善しない:ACR/ARHPによる報告

HIV Drug, Maraviroc, Does Not Improve Signs, Symptoms of RA: Presented at ACR/ARHP

2009年10月18日、フィラデルフィア、Liz Meszaros

 アメリカリウマチ学会(Amerian vollege of Rheumatology:ACR)、アメリカリウマチ医療関係者協会(Association of Rheumatology Health Psofessionals:ARHP)の2009年度学会における中間報告によれば、メトトレキサートによる加療中の活動性のリウマチ患者において、マラビロックは関節リウマチの徴候・症状を改善しないとのことだ。

 マラビロックは、ヒトケモカインレセプター5(human chemokine receptor 5:CCR-5)拮抗薬で、CCR-5指向性HIV患者の治療に承認されている。

リウマチ患者では、32塩基対の欠失によるCCR-5非機能性受容体が存在することで、疾患の発症や重症度が減少するとみられている。

今回の12週間の研究で、マラビロックは、メトトレキサートによる治療中のリウマチ患者において、安全で効果的かどうか評価された。

安全性・薬物動態の研究において、マラビロックは非常に耐性があり、メトトレキサートとの薬物相互作用もないと判明した。

実証実験は、多施設無作為化二重盲検(プラセボ対照)であった。被験者は最低12週にわたり週10mg〜25mgのメトトレキサート投与を受けており、少なくとも6か所の関節痛・関節腫脹があり、CRP 7mg/L以上の110人であった。

では、最大の解析集団(FASのことです)で解析したとき、ACR20における改善率では、600mgを分2で内服した群(n=77)で27.27%、プラセボ群(n=33)で18.18%と明らかな差が認められた(P=0.155)。

ACR50とACR70では改善率に差がなかった。

CRPを含むACRスケールの改善はみられなかった。

中間報告の現時点で、この研究は終了した。

「CCR-5の選択的アンタゴニストであるマラビロックは、メトトレキサート治療中の活動性のリウマチ患者の徴候や症候を改善しない。そして、治療的な効果も得られない。」と、主研究者のDona Fleishakerは10月18日のプレゼンテーションで述べている。

一方で、マラビロックは安全で、16項目での安全性・薬物動態調査ではとても安全であった。有害事象の大半が軽度から中等度であった。多かったのは、便秘(7.8%)、嘔気(5.2%)、倦怠感(5.2%)、尿路感染(3.9%)、呼吸器感染(2.9%)であった。

Fleishaker医師は「抗HIV薬は、肝毒性という『black box』をもっている。我々は肝転移酵素の数値に大変興味がある」と述べている。いかなるレベルにおいても、肝転移酵素の上昇はみられなかった。

「今回の安全性・薬物動態調査の結果から、マラビロックは安全で、メトトレキサートと併用した際も薬物相互作用にはつながらないと示された。」とFleishaker医師は結論付けた。

[Presentation title: A Phase 2 Study to Assess the Efficacy and Safety of Maraviroc, a CCR-5 Antagonist in the Treatment of Rheumatoid Arthritis. Abstract 397]

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