10/03/17配信分

Use of Hormonal Contraception Does Not Accelerate HIV DiseaseProgression: Presented at CROI

By Ed Susman

SAN FRANCISCO February 19, 2010

研究者は今回の第17回CROIでホルモン薬を使用して避妊を行っているHIV感染女性においてHIV感染の危険が増えないことを報告した。

「ウガンダの女性を対象とした観察研究でホルモン薬による避妊はAIDSへの進行や死亡の予防に関与しているかどうか検証した。」とボルチモアのJohns Hopkins School of Public HealthのChelsea Polis博士がコメントした。

博士は自身の研究でホルモン薬による避妊を行っている女性は避妊を行っていない女性に比してAIDSや死亡のリスクが32%低い(P = .03)ことがわかった。

ホルモン薬による避妊の有無とホルモン薬を使用しない器具による避妊法との比較ではハザード比で30%のリスク低下がみられた。

博士の研究の支援をしたWHOの結論としては多くの避妊法がHIV感染女性には安全であるということであった。

今回の研究はウガンダのRakai地区625例の10年以上にもわたる観察研究で1年単位の情報を得ながら正確なHIV感染時期やAIDSへの進行を同定した。

避妊は平均4.45年AIDSへの進行や死亡を遅くしていた。(P = .03)  すべての結果は社会、経済的な側面や前年に複数の性的なパートナーが関与し、そしてハザード比はその他すべての要素を調整して二つのグループを分けているが、今回のような観察研究ですべてを説明することはできないことを警告している。

さらに、今回の検討では自身でホルモン薬による避妊を選択した患者がCD4数を基準とした健康状態がよりすぐれているというエビデンスも得られなかったし、症状出現やCD4数低下のためにホルモン薬を中止したというエビデンスも得られなかった。

[Presentation title: Effect of Hormonal Contraceptive Use on Time to AIDS orDeath in Female HIV Seroconverters in Rakai, Uganda.Abstract 152]

Antiretroviral Therapy Can Reduce Risk of HIV Transmission to Uninfected Sexual Partners: Presented at CROI

By Ed Susman

SAN FRANCISCO February 19, 2010

第17回レトロウイルス日和見感染会議(CROI)の発表で、性的に活発なHIV患者は抗レトロウイルス療法(ART)を受けることによって、非感染のパートナーへの感染伝播の危険を劇的に減らすことができることが示された。

性的パートナーとの間の感染リスクはARTを受けていない場合は2.23%、ARTを受けている場合は0.39%で、92%の減少であった。

「治療に伴う血中及び生殖器のウイルス量の消退は感染伝播を相殺する作用があるだろうと期待されてきた。」とDeborah Donnell博士(Fred Hutchinson Cancer Research Center, Seattle, Washington)は2月19日の口頭発表で述べた。

この研究はアフリカの7カ国で実施された、片方がHIVに感染しているカップル3408組に対するアシクロビルのHIV伝染予防効果を調べた無作為化臨床試験である「HSV及びHIVのパートナーへの伝染予防に関する研究」の結果から解析された。

この研究ではパートナーの一人のみHIVに感染していることが確認された。HIV感染パートナーにアシクロビル投与を無作為に割り付け、臨床試験の一次江kんどポイントとしてHIVの伝染を減らすということに関しては失敗した。しかしながらDonnell博士らはデータを綿密に吟味し、試験期間中にARTを受けることによる何らかの効果を見出そうとした。

研究開始時点で、HIV感染パートナーは各国のART開始に関するガイドラインに一人も合致していなかったが、10%の患者(約半数はCD4陽性T細胞数が200cells/mm3を下まわったことによって)が試験期間中に治療を開始された。

全ての非感染パートナーは3ヶ月毎にHIV検査を受け、各カップルは無料のコンドーム配布と強力なカウンセリングを受けた。にもかかわらず、初期非感染パートナーの103名が、カップル間の感染伝播を示唆する、パートナーと同一遺伝子配列のHIV感染を起こした。

「CD4細胞数が200を下まわったときに抗レトロウイルス療法を開始することにより、治療によるその患者の大きな利益とともに、パートナーにも多大な利益がある。」とDonnell博士は述べた。

患者がARTを開始された後の伝染はおそらく1例のみであった。その患者は3ヶ月毎の検査の間にウイルスに感染したようではあるが、最初に検査陽性となったのはパートナーのART開始後(わずか)18日後のことであった(ART開始前の感染と思われる)。

CD4陽性細胞数が200cells/mlを超える患者では、感染率は2%でかなり一貫していた。CD4細胞が350cells/mlより多く残っている場合、感染の発生は半減した。しかしCD4数が最低のときには感染率が最高になるので、治療による感染リスク減少効果はこれらの集団において最高となる。 CD4陽性細胞数が200cells/ml未満のときの年間感染率8.9%がARTによって0%に減少した。

[Presentation title: ART and Risk of Heterosexual HIV-1 Transmission in HIV-1 Serodiscordant African Couples: A Multinational Prospective Study. Abstract 136]

Investigative GS-9350 Shows Similar Boosting Efficacy, Safety to Ritonavir: Presented at CROI

By Ed Susman

SAN FRANCISCO February 19, 2010

第17回レトロウイルスと日和見感染症学会(CROI)において4種の薬剤のコンビネーションの安全性と効果について報告があった。

これが認可されるとインテグラーゼ阻害剤を中心にした一日一回内服の薬剤となる。

New Englandの Community Research Initiative であるCalvin Cohen医師がコメントした。Cohen医師はこの錠剤を"The Quad."と名付けた。これはelvitegravirとemtricitabine、 tenofovir、そしてGS-9350の4つがミックスされている。GS-9350は直接抗HIV作用をもっていないが、rtvと同様のブースト作用をもっている。

現在、二つの第二相プロスペクティブ二重盲検試験が進行中で、the Quad tablet (n = 48)とEFV+TVD、(n=23)およびTVD+ATV+rtv100mg(n=29)あるいはTVD+ATV+  GS-9350 150 mg (n = 50)の4つの群にわけている。

最初の研究 (study 236-0104)では、治療開始から24週後The quad群の90%、その他の群の83%が検出限界以下(<50copy/ml)にウイルス量を下げた。ただこの試験では効果については検討するデザインにはなっていない。(症例数の不足?のため)

二つ目の研究(study 216-0105)では、治療開始後24週でrtv boostレジメンで29症例中86%が検出限界以下に到達し、新しいブースターであるGS-9350を使用した50症例では84%が同様に検出限界以下に到達していた。有害事象は同様かまたは少ない傾向にあることが示されていると付け加えている。

Cohen医師はこの新しい組み合わせの治療は血清Creを少々(およそ0.14から0.18mg/dl)上昇させるためさらなる検討が必要であるとコメントした。今後の検討で今回の血清Creの上昇が、腎機能障害患者に対する適応をきめるものになるかもしれないと付け加えた。

今回の研究はGilead Sciences社の資金提供により行われた。

[Presentation title: Single-tablet, Fixed-Dose Regimen of Elvitegravir/Emtricitabine /Tenofovir Disoproxil Fumarate/GS-9350 Achieves a High Rate of Virologic Suppression and GS-9350 Is an Effective Booster. Abstract 58LB]

過去にHIV治療を受けた患者においても、TBR-652は早期にウイルス量を減少させる(CROIの報告)

Investigative TBR-652 Rapidly Reduces Viral Load in HIV Treatment-Experienced Patients: Presented at CROI

Ed Susmanによる報告 2010年2月18日、サンフランシスコ

早期臨床治験において、CCR2阻害剤であるTBR-652が劇的に患者のHIVウイルス量を減少させる、と第17回レトロウイルスと日和見感染症に関する会議Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections(CROI)で報告された。

ウイルス量を約1.8log10まで減らすのに加え、「この薬は安全で、短期間の使用でよく認容性をしめす。」Calvin Cohen博士(Community Research Initiative of New England、Harvard医学校、ボストン、マサチューセッツ州)は2月17日に報告した。「この治験の参加者には、薬 物相互作用による中止、重篤な副作用、死亡報告もない。」

二重盲検の,容量決定治験である第2相治験において、HIV患者を、プラセボ、TBR-652の25mg、50mg、75mg、100mg、150mgを1日1回経口投与で10日間治療した。HIV量は11日目、15日目、25日目、40日目に測定した。

Cohen博士はこの薬剤投与を10日で中止しても、この薬剤の半減期は35〜40時間と証明されており、ウイルス量は15日目まで減少し続けると述べている。ウイルス量は40日目で投与開始時の量までもどる。

副作用のない状態でHIVウイルス量を減少させることができれば、「TBR-652はブーストなしの、1日1回の経口投与のCCR5阻害薬として治験を行う根拠になる」ということをcohen博士は述べている。

この研究に参加している患者はすべてCD4陽性細胞が250cells/mm3以上で、ウイルス量は5000copy/ml以上である。CCR5指向性ウイルスに感染していることも分かっている。抗ウイルスでの治療を受けていた場合、少なくとも6週間は期間をあけている。この研究に参加した患者のほとんどは男性で、平均年齢は約41歳であった。

Cohen博士は、TBR-652がCXCR-4指向性の疾患の患者にどのような影響を与えるかということについてのデータはない、と述べている。

実験段階で、患者の共受容体の変化はいっさいみられていない。彼は述べている。「抵抗性の兆候もない。」

この研究の資金はTobira社により提供された。

[Presentation title: Safety and Efficacy of TBR 652, a CCR5 Antagonist, in HIV-1-Infected, ART-Experienced, CCR5 Antagonist-Naive Patients. Abstract 53]

Raltegravir Remains Beneficial in HIV Treatment-Naive Patients After 192 Weeks of Treatment: Presented at CROI

By Ed Susman −2010年2月18日、サンフランシスコでの発表−

この第17回レトロウイルス・日和見感染学会(CROI)において発表された、192週時点の研究資料によれば、ラルテグラビルによる治療はエファビレンツを基本とした治療と同等のウイルス増殖制御効果があることが分かった。

 

「ラルテグラビルとエファビレンツはどちらも約74%の患者においてウイルスを50copies/dl以下に抑制した。」「これらの患者間で4年後の効果としては差は認めないが、副作用の面からはラルテグラビルが支持されるようだ。」とEduardo Gotuzzo博士(Hospital Nacional Cayetano Heredia, Lima, Peru)は2月17日の彼のポスター発表にて発言した。

 

この研究において抗レトロウイルス療法を受けていない患者は全てテノホビルとラミブジンも内服した。

エファビレンツ群38名ではLDLコレステロールが8.9mg/dl増加したことに比較し、ラルテグラビル群160名では、LDLコレステロールの増加は約0.3mg/dlであった。エファビレンツ群では中性脂肪が177.2mg/dl増加したが、ラルテグラビル群では10.9mg/dlの増加であった。

CD4陽性細胞数は192週時点において、baselineよりラルテグラビル群で295、エファビレンツ群で274と両群とも上昇を維持した。

薬剤関連の有害事象はラルテグラビル群の55%、エファビレンツ群の76%に報告された。一方、悪夢や精神障害などを含めた神経学的な有害事象の大半は治療開始後48週以内に起こり、192週間でこのようなイベントはラルテグラビル群の38%、エファビレンツ群の635(63%?)に報告された。悪性腫瘍はラルテグラビル群の2.5%、エファビレンツ群の2.6%に発生した。

この研究は本来、ラルテグラビルの用量を4種類設定していたが、全ての用量群で同等の効果のようであり、治療開始後48週からは400mg1日2回投与に統一された。

この試験の患者の約80%は男性で平均年齢は36歳であった。約68%の患者が非白人であった。約35%の患者が試験登録時点でAIDS関連定義疾患の罹患歴があった。

この研究はMerck & Co.によって出資された。

[Presentation title: Sustained Antiretroviral Efficacy of Raltegravir After 192 Weeks of Combination ART in Treatment-Naive HIV-1 Infected Patients. Abstract 514]

Treating Herpes in Co-Infected HIV Patients Could Delay HIV Disease Progression

NEW YORK   February 15, 2010

Lancetのオンラインで最初に報告され今後、雑誌でも発表されるが、HIVとHSV2の合併感染患者においてaciclovirがHIVの進行を遅らせることが示された。HSV2低下が血漿HIV濃度を低下させることが示されたが、それがHIVの進行も遅らせるかどうかは不明である。

今回、ワシントン大学Jairam Lingappa医師らが、多施設、二重盲検試験にてヘテロセクシャルのアフリカ系黒人でHIVとHSV2の合併感染患者3381例においてaciclovir使用下でHSV2を低下させることでHIVの進行を抑制するか検討した。

患者はaciclovir 400 mg1日2回とプラセボに1:1で分けて24ヶ月まで経過観察した。 選択基準としてはCD4細胞数が250以上でHAART未施行であることとした。AciclovirのHIV進行へ効果についてはCD4数が200以下になるまで、 HAART開始あるいは外傷以外での死亡をエンドポイントとしそれまでの期間とした。また、CD4数350以下もエンドポイントとして考慮することと した。

今回の検討ではaciclovir群284例がエンドポイントに到達しプラセボ群は324例がエンドポイントへ到達したことからaciclovir群はプラセボ群に比して16%HIVの進行リスクを抑制したことが明らかにされた。

この中でCD4数350以上と350未満への低下について検討するとaciclovirは19%のリスク低下を導いた。

近年の報告では性器ヘルペスに対してaciclovirによる治療が行われてもHIVの伝搬に関しては減少させないことがわかってきているが、HIVの疾患進行速度を減少させることに関しては大きなエビデンスが得られた。

抗レトロウイルス治療のほうがより大きな効果をHIVの疾患進行を遅らせるという意味ではもっていると思う。しかし、aciclivirはHAARTをまだ受けていない患者にさらなる付加効果を個人にもたらすかもしれない。

今回CD4数250以上でHAARTを受けていないHIV、HSV2合併感染患者に対するaciclovirがHIVの病期進行に対してある程度遅らせることを示したが、今後も同様の研究によりHAARTの適応のない患者におけるHSV治療の効果について検討する必要があるがこの方法はHIV感染者の健康状態をより長く安定させるための一つの手段になり得る。

続いて適応や費用対効果の検証を行う必要がある一方で、開発国の低から中所得の患者層において何度も性器ヘルペスを繰り返す場合や重度の性器ヘルペスを発症する場合にこのaciclovirによる治療を広げていくべきではないかと考える。

SOURCE: The Lancet

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