10/04/14配信分

Starting HAART With High CD4 Counts Reduces Incidence of Squamous Cell Anal Cancer: Presented at CROI

By Ed Susman

SAN FRANCISCO February 22, 2010

CD4数が200を下回る前に抗ウイルス薬治療を開始された患者は肛門癌のリスクが有意に低下することが報告された。第17回CROIで報告された。

「これまでにHAARTを受けた既往のある患者における肛門癌の発生率は高率ではあるが、それでもCD4数が200以下になって再び治療をが行われた患者やアドヒアランスのよい患者では肛門癌のリスクが次第に低下する。 CD4数が高い段階で抗ウイルス治療を導入し最大限のアドヒアランスが維持できると、潜在性の肛門癌のリスクは低下する。」とヒューストンのBaylor大学のElizabeth Chiao医師がコメントした。

Chiao医師らは1987年から2007年にわたるVeterans Affairs Immunologic Case Registryにおける後方視的な検討を行った。同データベースは退役軍人におけるHIV診断や血液検査、処方歴が含まれている。

36,788症例を今回の検討でpick upし、20,085例が少なくとも1回以上抗ウイルス薬が処方されていた。

抗ウイルス薬を受けたことがある症例で肛門癌のリスクは1.91/1000人年で受けたことがない症例では1.25/1000人年であった(P < .05)。

さらに今回の結果の詳細を検討したところ、CD4数が200以下で治療が開始になった症例とアドヒアランスが40%以下の症例ではCD4数が高い状態で治療開始した群やアドヒアランスが81%から100%の群と比較して肛門癌のリスクが有意に上昇していた。(P = .003).

今回はHAARTのレジメンとして2NRTI+PI or NNRTIの中から決め、アドヒアランスは治療開始からの累積で計算された。

今回のエントリー患者の98%以上が男性で90%以上が年齢30歳前後だった。

[Presentation title: The Effect of HAART on the Incidence of Squamous Cell Cancer of the Anus. Abstract 767]

HIV感染者のアテローム性動脈硬化において、抗レトロウイルス薬は頸動脈の変化と関連していなかった(CROIでの発表)

原題:Antiretrovirals Unrelated to Changes in Carotid Artery Atherosclerosis in Patients With HIV:

サンフランシスコ ― 2010年2月22日 ―

第17回CROIで、1000人以上のHIV感染患者において、頸動脈の粥状硬化と抗ウイルス薬との間に関連性は特に認められなかった、とするメタアナリシス結果が発表された。

「抗レトロウイルス療法は、従来の危険因子を含まない脳血管障害に、有意にかかわらなかった」と、(カナダの)オンタリオ州・ハミルトンにあるマックマスター大学、Adefowope Odueyungbo博士は2月17日のポスター発表会場で語った。一方で博士は「総頸動脈の調査によって、抗レトロウイルス治療と末梢の頸動脈疾患との関係を除外できない」ことに言及した。

HIV感染者は生涯にわたって内服を続けなくてはならないため、医師にとって、一般的な集団に共通に見られる疾患に対するリスクが懸念される。 「抗レトロウイルス療法と循環器疾患との関連性を調べるうえで、 頸動脈エコーのような手技は助けとなるものの、これまでの報告結果は一致していなかった」。起こりうる関連性を調べる上で、博士と同僚は患者個人レベルのメタ解析(individual-patient meta-analysis)を企画した。

彼らは1032名のHIVに感染した成人(女性が233名)を、北アメリカとヨーロッパにおける3つのコホート研究から抽出し、頸動脈における壁厚の変化を評価した。対象となった患者は、種々の抗レトロウイルス療法を受けていた;プロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル、アンプレナビル、インジナビル、ネルフィナビル)、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(アバカビル、ジドブジン、スタブジン、ザルシタビン、ジダノシン、ラミブジン)、非核酸系逆転写酵素阻害剤(デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン) 3つのスタディにおいて、総頸動脈の厚さは平均で0.56 - 0.63mmであった。また平均年齢、血圧、HDLとLDLコレステロールは、スタディ間で大きな違いは無かった。多変量解析において、男性、高齢、LDL高値、喫煙、リトナビル服用期間が総頸動脈の厚さと有意に関連していた。

(Ed Susman)

演題:[Abstract 705]An Individual-Patient Meta-analysis to Study the Association Between Anti-retrovirals and Atherosclerosis.

Newer HIV Antiretroviral Regimens Produce Few Cases of Lipoatrophy:Presented at CROI

By Ed Susman

SAN FRANCISCO February 21, 2010

非核酸系逆転写酵素阻害薬のエファビレンツや蛋白合成阻害薬のアタザナビルを基本とした長期間の抗HIV治療法は、四肢の脂肪萎縮をほとんど起こさないようであることが、この第17回CROIにて発表された。

 

2月18日に発表されたAIDS臨床試験グループの研究において、これらの新たなHIV治療法は脂肪萎縮を避けることが示された。

主試験の被験者1800名のうち、269名の個々の結果を吟味し、四肢の脂肪と骨密度に関するサブ解析が行われた。アタザナビルとエファビレンツ に加え、テノホビル、エムトリシタビン、アバカビル、ラミブジンを含む治療法に関しても調査された。

「我々は、全ての治療法において四肢及び体幹部両方の脂肪の増加を見出した。」「古い治療法で多く認められたように、我々は脂肪萎縮や体幹部脂肪の消失を心配していたが、体幹部の脂肪が増えるのは良いことだ。」とGrace McComsey博士(Case Western Reserve University, Cleveland,Ohio)は述べた。

患者らは2次元X線吸収スキャンにて骨塩密度と四肢・体幹の脂肪という2項目について、研究開始時点とその後も頻回に検査を受けた。

「我々は治療開始後1年間で骨塩密度の減少を発見した。」「彼らはいずれの治療法を受けても骨障害を起こしたが、いくつかの治療法はより悪かった。テノホビル/エムトリシタビンを含む治療法はアバカビルとラミブジンの治療法よりも骨に関して悪い結果であった。」とMcComsey博士は述べた。

96週時点において、アバカビル治療群の寛骨の骨塩密度が2.5%減少したのに対し、テノホビル群では4%の減少であった(P=0.025)。「臨床家にとって、これは骨病変を患う危険がより高い患者へのテーラー治療のために重要なことである。」

McComsey博士はまた、腰椎においては、蛋白合成阻害薬による治療を受けた患者の方が非核酸系RI薬よりも骨塩密度が減少したことを見出した。「しかし臀部では同等であった。全ての治療法は骨病変を起こし得るが、いくつかの治療法は他よりも悪いということが分かる。」と彼女は述べた。

研究者らは脂肪分布を調べ、McComsey博士は「これらの新たな抗レトロウイルス薬はよほどの脂肪萎縮は起こさないということが分かり、とても勇気づけられた。」と記した。

「体幹部の脂肪蓄積に関して、我々は全ての治療法において優意な蓄積を認めた。」「これらのいくつかは我々は健康回復と思っている。我々は体幹部の脂肪に関しては、蛋白合成酵素阻害薬がより悪いと考えた。」

[Presentation title: Bone and Limb Fat Outcomes of ACTG A5224s, a Substudy of ACTG A5202: A Prospective, Randomized, Partially Blinded Phase III Trial of ABC/3TC or TDF/FTC With EFV or ATV/r for Initial Treatment of HIV-1 Infection. Abstract 106LB]

カプサイシンパッチはHIV関連多発神経障害を緩和しない(CROIでの報告)

Capsaicin Patch Fails to Ease HIV-Associated Polyneuropathy:Presented at CROI

Ed Susmanによる報告

サンフランシスコ・2010年2月21日。

カプサイシンパッチー単神経障害による痛みの緩和に承認されているーは、プラセボと比べ、HIV関連遠位感覚神経障害の症状を緩和するわけではないと、第17回レトロウイルスと日和見感染症に関する会議(CROI)で報告された。

2月18日のポスターセッションで、カプサイシンパッチは、ペインスコアを29.5%減少させたが、二重盲検で無作為化するためのごく微量のカプサイシンを含んだプラセボ用パッチでは、24.6%のペインスコアの減少が見られたと発表された(有意差なし P=0.10)。この意外なプラセボの効能により、カプサイシンパッチがHIV関連神経障害への適応を得る機会がうしなわれた、とDavid Clifford博士(ワシントン大学、セントルイス、ミズーリ州)は述べた。彼は、この発見が期待されていた第2相試験を頓挫させたという。

カプサイシン、トウガラシの辛みのもとであるこの成分は侵害神経線維の受容体に働く。長期にわたる投与でこれらの神経の軸索を消し去り、痛みの神経伝達をブロックする。このレセプターの再生には数カ月かかるため、この8%のカプサイシン濃度のパッチが神経痛に効果的と考えられていた、とClifford博士はいう。

この研究で、HIV関連遠位感覚神経障害の患者を、カプサイシンパッチ使用群(n=332)と0.04%カプサイシン濃度のプラセボ用パッチ使用群(n=162)にランダムに振り分けた。 患者は、パッチ使用30分後と60分後に神経障害から来る痛みの改善の度合いについての質問に答えた。両群とも、パッチを痛みのある部位全体に貼付した。両群とも、治療直前の60分間、4%リドカインクリームを塗布した。

30分間での比較ではは、8%カプサイシンパッチによる治療は、0.04%カプサイシン含有パッチより、ペインスコアの改善効果があった(-26.1%vs-19.1%;P=0.1032)。60分での比較では、効果に差はなかった(-32.8%vs-30.1%;P=0.5125)。

97%、少なくとも90%というほとんど患者がカプサイシン治療に認容性がみられた。Clifford博士は、HIVj関連遠位感覚神経障害については、十分な治療がないままの状態である、と述べた。 この研究の資金はNeurogesXにより提供された。

[Presentation title: A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Controlled Study of NGX-4010, a High-Concentration Capsaicin Patch, for the Treatment of Painful HIV-Associated Distal Sensory Polyneuropathy. Abstract 411]

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