11/03/09 配信分

Antiretroviral therapy CNS penetration and HIV-1-associated CNS disease;

Garvey L, Winston A, Walsh J, Post F, Porter K, Gazzard B, Fisher M, Leen C, Pillay D, Hill T, Johnson M, Gilson R, Anderson J, Easterbrook P, Bansi L, Orkin C, Ainsworth J, Palfreeman A, Gompels M, Phillips AN, Sabin CA, For the UK Collaborative HIV Cohort (CHIC) Study;

Neurology 76 (8), 693-700 (Feb 2011)

背景: 中枢神経系合併症に対してことなる抗HIV薬レジメンで生存率が異なるかどうかは不明である。今回の研究の目的はCNSへの移行によって中枢神経系合併症の発症頻度や死亡率がことなるかどうかを確認することである。今回の試験はUK Collaborative HIV Cohort (CHIC) Studyと名付けた。

方法:以前にCNS diseaseを指摘されたことがない成人で1996年から2008年までにcARTが始まった患者(22,356名)を対象とした。そして最初と最新のcART CNS penetration effectiveness(CPE)を計算した。

中枢神経系合併症としてはHIV脳症 (HIVe)、進行性多巣性白質脳症 (PML)、中枢神経トキソプラズマ症 (TOXO)クリプトコッカス髄膜炎(CRYPTO)である。 罹患率と生存率はCPEスコアで階層化された。多変量ポアソン回帰解析によって独立した因子の抽出を試みた。

結果: ART導入時のCPE中央値(四分位範囲)は1996年から1997年の7(5-8)から増加し2000年から2001年には9 (8-10) in 2000-2001となり2006年から2008年では6 (7-8)とわずかに減少した。性別、HIVの感染経路、人種による違いがCPEスコアに見られた。251例で中枢神経系合併症が見られ、内訳はHIVe 80; TOXO 59; CRYPTO 56; PML 54であった。中枢神経合併症はCPE scores ≦4で頻度が増加し≧10で減少した。しかしこれらの違いは有意差が見られなかった。治療開始時と最新のcART CPEが≦4である場合は独立した死亡の危険因子であった。

結論: cATR開始時の臨床症状によって抗ウイルス薬の選択およびCPEスコアが変化する。ただ今回の検討は後ろ向きであるので結果の解釈には注意が必要です。

四分位数 (quartiles) と 四分位範囲 (interquartile range)

四分位数は、分布の左側からの相対頻度の合計値(累積相対頻度)が 25%、50%、75% になる値であり、各々 第1、第2、第3四分位数と呼ばれます。また、第2四分位数は中央値(median)と同じ。

四分位範囲は、分布中央部の 50% 部分が持っている広がり

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血清25(OH)ビタミンD3低値は慢性肝炎を合併したHIV/HCV共感染患者における肝硬変の重症度に相関する

Low 25-OH vitamin D serum levels correlate with severe fibrosis in HIV-HCV co-infected patients with chronic hepatitis

Terrier B, Carrat F, Geri G, Pol S, Piroth L, Halfon P, Poynard T, Souberbielle JC, Cacoub P; Journal of Hepatology (Feb 2011)

背景:C型肝炎ウイルス(HCV)単独感染患者の最近の研究では、25-OHビタミンD3[25(OH)D3]の血清濃度低値と肝線維化の重症化、治療に対するウイルスの抵抗性との相関関係が示されている。HIVHCV 共感染の患者でのデータは不足している。

方法:80%以上がインターフェロン(IFN)さらにリバビリン治療を受けた189人のHIVHCV 共感染患者について、血清25(OH)ビタミンD濃度を測定した。血清25(OH)ビタミンD3濃度、慢性C型肝炎の状況、抗ウイルス治療に対するHCVウイルス学的反応、HIV感染における状況について、相関関係を分析した。

結果:血清25(OH)ビタミンD3濃度の平均は18.95±9.8ng/mlで、162名の患者は(その85%)は、30ng/mlであった。血清25(OH)ビタミンD3値は、組織学的な繊維化を評価するMetavirスコアと、かなり相関していた(r=-0.16;P=0.027)。重度の線維症(Metavir F3/F4)患者は、血清25(OH)ビタミンD3値がF2とF1患者と比較して低かった(16.2±10.0(F3/4)対18.9±8.5(F2)と20.9±11.1ng/mL(F1)、それぞれP=0.06)。多変量解析では、25(OH)ビタミンD低値は、重度の肝硬変(P=0.04)と冬機関(P=0.0002)と独立して相関していた。Fibrotest(R)による評価でも、25(OH)ビタミンD3の血清濃度は肝線維化(r=-0.22;P=0.008)、血清α2-マクログロブリン濃度(r=-0.23;P=0.006)ともかなり相関があるようであった。対照的に、25(OH)ビタミンD3値とIFN治療の反応性の間に相関関係はみられなかった。[OR 0.98(0.95-1.01);P=0.22]。25(OH)ビタミンD3値とHIV関連の免疫不全マーカーの間でも関連はみられなかった。

結論:HIVHCV共感染患者では、血清25(OH)ビタミンD3低値は重度の肝硬変と相関していた。対照的に、治療に対するHCVウイルス学的反応や、免疫不全の重症度には関連しない。

Source: Vaccine

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様々な免疫状態のHIV感染児における三価不活化インフルエンザワクチンに対する血清反応

Serological response to trivalent inactive influenza vaccine in HIV-infected children with different immunologic status; Kosalaraksa P, Srirompotong U, Newman RW, Lumbiganon P, Wood JM; Vaccine (Feb 2011)

HIV感染児に対しては、インフルエンザワクチンを接種することが勧められている。生後6カ月から18歳までのインフルエンザワクチン未接種のHIV感染児127人と非感染児21人がインフルエンザ三価不活化ワクチンを受ける対象として登録された。HIV感染グループでは、ワクチン接種後の免疫反応(幾何平均力価、抗体陽転(セロコンバーション)、抗体保有率)はワクチン接種前の免疫状態と相関していた。免疫抑制のないHIV感染児では、血清反応は非感染児に匹敵するものであった。中等度から重度に免疫能が低下しているHIV感染児では、2倍量の三価不活化ワクチンを接種することでより大きな血清反応を得ることができるため、2倍量のワクチンが推奨されるべきである。

 

ブラジル北東部における、HIV陽性患者のヘリコバクターピロリ菌の低感染率について

Low prevalence of H. pylori Infection in HIV-Positive Patients in the Northeast of Brazil

BMC Gastroenterology 2011, 11:13doi:10.1186/1471-230X-11-13 Published:19 February 2011 Abstract (provisional)

背景:この研究はブラジル北東部で行われ、HIV感染患者におけるヘリコバクターピロリ菌(H.ピロリ菌)感染率と胃炎との関係を調査したものである。 方法:消化不良症状があり上部消化管内視鏡検査を行った113名のHIV陽性者と、同年齢の141名のHIV陰性の患者に対し調査を行った。H.ピロリの感染状態については、ウレアーゼ試験と組織診断で評価した。 結果:H.ピロリ菌の感染率はHIV感染患者において著明に低かった(HIV感染者37.2% vs HIV非感染者75.2%)。H.ピロリ菌の状態や、性別、年齢、HIVウイルス量、抗レトロウイルス治療の有無、抗菌薬使用の有無に有意な差は認められなかった。H.ピロリ菌の感染率はCD4陽性細胞数が200/mm3以下の患者でより低率であったが、しかし有意差はなかった。慢性活動性前庭部胃炎はHIV感染患者の87.6%で認められ、コントロール群では80.1%であった。H.ピロリ菌感染は、両グループにおいて幽門部の慢性活動性胃炎と関連性が認められたが、HIV感染者群ではH.ピロリ菌感染と胃体部慢性活動性胃炎に関連は認められなかった。 結論:今回の研究で、HIV陽性患者は陰性患者に比べH.ピロリ菌感染率が著しく低いことが証明された。しかし胃体部炎に関してはHIV陽性患者に多く認められ、H.ピロリ菌感染とは異なる機序の存在が示唆された。

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Atazanavir Plus Ritonavir or Efavirenz as Part of a 3-Drug Regimen for Initial Treatment of HIV Type-1: A Randomized Trial;

Source: Ann Intern Med

Daar ES, Tierney C, Fischl MA, Sax PE, Mollan K, Budhathoki C, Godfrey C, Jahed NC, Myers L, Katzenstein D, Farajallah A, Rooney JF, Pappa KA, Woodward WC, Patterson K, Bolivar H, Benson CA, Collier AC, for the AIDS Clinical Trials Group Study A5202 Team; Annals of Internal Medicine (Feb 2011)

背景: HIV-1の初回治療における1日1回レジメンを比較したデータは少ない。

目的:ATV/rtvあるいはEFVを含むレジメンでのウイルス学的失敗までの期間およびgrade3から4の兆候や症状、検査値異常の出現、認容性を比較した。

方法: 無作為化された臨床試験を2005年9月から2007年11月の間、平均観察期間138週で行った。レジメンは中央のコンピュータで決定しセンターの薬剤師以外は内容を知らない盲検化した上で100000コピー以上と以下で階層化して比較をこなった。 (ClinicalTrials.gov registration number: NCT00118898).

試験場所: アメリカとプエルトリコの59施設(AIDS臨床試験グループ)

対象: 初回治療患者

介入: オープンラベルでATV/rtvあるいはefavirenzを abacavir-lamivudine あるいはtenofovir disoproxil fumarate (DF)-emtricitabineに組み合わせた。

評価項目: 一次評価項目はウイルス学的失敗までの期間および安全性そして認容性である。副次評価項目は50コピー以下の検出限界までコントロールした患者の割合、耐性の出現、 CD4数の変化、Ccr、脂質レベルである。

結果: EPZをバックグランドにATV/rtv(463例)、efavirenz(465例)エントリーしそれぞれ322例(70%)と324例 (70%)が経過観察を終了した。そしてTVDをバックグランドとしてATV/rtv群が465例EFV群が464例でこれもそれぞれ342例 (74%)と343例 (74%)が観察を終了した。一時的な治療効果はどの群も有差なかった。ウイルス学的失敗までの期間はEPZ群間でHR 1.13 (95% CI, 0.82 to 1.56) となりTVD群間では 1.01 (CI, 0.70 to 1.46)であった。しかし信頼区間はどれもあらかじめ指定された基準を上回らなかったがEPZ群間の安全性において P = 0.048、認容性でP <0.001ということで差がみられた。しかしTVD群間の比較ではそれが見られなかった。

除外項目: 今回の試験ではHLA-B*5701を持った患者や耐性についてはエントリー時に対象から除外している。ATV/rtvかEFVかについてはオープンラベルで割り付けており、NRTIのEPZとTVDについては100000コピー以上で割り付けを盲検化しなかった。 高ウイルス量の群では32%の患者が薬剤の変更ないし3剤目の薬剤の追加があった。

結論: ATV/rtvとEFVはウイルス学的な治療効果はEPZでもTVDと組み合わせても同等であった。

Primary Funding Source: The National Institutes of Health.

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二重盲検DNAワクチン接種、治療中断試験におけるHIV感染患者における特異的免疫反応

Amplified antigen-specific immune responses in HIV-1 infected individuals in a double blind DNA immunization and therapy interruption trial;

Gudmundsdotter L, Wahren B, Haller BK, Boberg A, Edba¨ck U, Bernasconi D, Butto` S, Gaines H, Imami N, Gotch F, Lori F, Lisziewicz J, Sandstro¨m E, Hejdeman B; Vaccine (Feb 2011)

HIV-1感染症患者の免疫治療は、免疫能を改善、増大し、ウィルス量を減らして、それによって抗レトロウイルス薬による治療(cART)なしで過ごすことを目的としている。

cART中の12人のHIV-1感染患者に、水酸化尿素(ハイドロウレア)の添加の有り、もしくは無しの二群として、何種類かのHIV-1サブタイプの遺伝子を乗せたDNAプラスミド、もしくはプラセボを皮下注で投与し免疫反応を惹起した。HIVに特有のCD8+ T細胞反応の平均効果(純利益)は、非予防接種群と比較して、HIV DNAワクチン投与群でより高かった(p<0.05)。ワクチンによって誘発された免疫反応は、ウィルス複製に直接的な影響を及ぼさなかった。プラセボ群を含むすべての患者において、最終的な治療中断(STI)の後のウィルス量は、cART開始時と比較し、より低値であった。CD4数の底値は、STI後のウィルス力価に強く影響するようだ。6回のワクチン接種またはプラセボ投与の後、患者は中央値15か月cARTを控えることができた。

この研究では、HIV DNAワクチン接種で、治療中断と比較してHIVに特有の免疫反応がより広くより強く誘導することができることを示した。患者数が少ないが、この研究は、HIVワクチン有効性を見出せば、安全に十分なモニター下のSTIが機能するかもしれないことを示した。

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蓮華座のHIV患者における自然発症の顆上大腿骨折;

原題:Spontaneous Supracondylar Femoral Fracture in an HIV Patient in Lotus Position;

出典: Journal of Clinical Densitometry 14 (1), 74-6 (2011 Jan-Mar)

骨疾患は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に慢性感染している患者で認められる。今回、58歳の修道士が瞑想中に自然発生した顆上大腿骨折の症例が報告された。患者のHIV感染症は、多剤併用抗ウイルス療法により制御されていた。3年前に二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)によって骨粗鬆症と診断されてから、ビタミンDとカルシウム製剤が追加されていた。骨折時に、患者はリセドロン酸(商品名アクトネル)を毎週35mgに加え、連日1000mgのカルシウムと400IUのビタミンDを使用していた。

HIV患者にとってDXAは、骨折のリスクを低下させる目的で、ルーチンの使用を考慮されるべきである。

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顕微鏡観察による結核と薬剤感受性の迅速診断について

Am J Respir Crit Care Med. 2011 Feb 4. [Epub ahead of print] Rapid Diagnosis of Tuberculosis and Multidrug Resistance by the Microscopic-Observation Drug-Susceptibility Assay.

Shah NS, Moodley P, Babaria P, Moodley S, Ramtahal M, Richardson J, Heysell S, Li X, Moll A, Friedland G, Sturm AW, Gandhi N. Tugela Ferry Care and Research Collaboration (TF CARES), Tugela Ferry, South Africa; Albert Einstein College of Medicine and Montefiore Medical Center, New York, New York, United States.

Abstract

根拠:適切な結核診断が限られていることもあり、HIV感染結核患者の死亡率は高い。顕微鏡観察による薬剤感受性検査は、結核および多剤耐性結核の簡便かつ迅速な検査方法である。

目的:HIV感染有病率が高い環境において、顕微鏡観察による薬剤感受性テスト(MODS)を評価するため

方法:南アフリカ郊外の外来患者と入院患者より、成人の持続結核感染が疑われた患者に対し前向き診断精度研究を行った。喀痰を採取し、塗沫標本顕微鏡検査、Middlwbrook寒天培地培養(Middlebrook 7H11)と液体培養(MGIT)、そしてMODSを行った。薬剤感受性検査(DST)は間接1%比率法とMODSにて行った。結核検出の標準試験はMiddlebrookもしくはMGIT培地での発育にて確認を行った。

測定と主な結果:534名の結核が疑われる患者に対し調査を行い、388名(73%)がHIV陽性、平均CD4陽性細胞数は、161個/mm3 (IQR: 72-307)であった。標準培養で結核と診断されたのは113名(21%)であった。MODSの感度は85%(95% CI: 78-92%)、特異度は97%(CI: 95-99%)であった。MODSの成績はHIV感染の有無によって差は認められなかった。(HIV陽性の患者では感度88%、特異度97%、非HIV感染者では感度90%、特異度100%)。多剤耐性結核(11名)のMODSは、感度100%(1-sided CI: 68-100%)、特異度94%(CI: 82-98%)であった。多剤耐性結核の培養陽性までの平均時間は、MODSで7日(IQR: 6-9)、比率法では70日間(IQR: 49-96)であった。

結論:HIV感染結核疑いのある患者において、結核と多剤耐性結核の迅速診断に関するMODSの感度と特異度は高い。結核や多剤耐性結核、また結核感染疑いによる高死亡率を考えると、MODSはHIV有病率が高い地域や、発展途上地域において用いるべきだと考えられる。

Source: AIDS

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HIV-1感染患者におけるHDLコレステロール量と10年後の心血管リスク

High-density lipoprotein levels and 10-year cardiovascular risk in HIV-1-infected patients; Cotter AG, Satchell CS, O'halloran JA, Feeney ER, Sabin CA, Mallon PW; AIDS (Feb 2011)

我々は、HIV-1感染患者におけるHDLコレステロール(HDL-c)の心血管病(CVD)に対する貢献度を決定することを目指した。心血管病の危険因子が心血管病リスクに与える影響を評価した。HDL-c濃度が20%または40%上昇したと仮定して、心血管リスクの程度を再分類した。加齢を除くと、HDL-cが最も心血管リスクに寄与していた。HDL-cが20%上昇した患者6人と40%上昇した患者12人がより低い心血管病リスクグループに再分類された。この集団では、HDL-cは喫煙やコレステロールや収縮期血圧や性別よりも心血管リスクに貢献していた。

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