11/06/17 配信分

European Surveillance of Antimicrobial Consumption (ESAC): systemic antiviral use in Europe;

Adriaenssens N, Coenen S, Kroes AC, Versporten A, Vankerckhoven V, Muller A, Blix HS, Goossens H, on behalf of the ESAC Project Group; Journal of Antimicrobial Chemotherapy Online (May 2011)

背景:

ヨーロッパにおける抗ウイルス薬の使用状況について評価する。

方法:

European Surveillance of Antimicrobial Consumption (ESAC; www.esac.ua.ac.be)(ヨーロッパ抗菌薬消費サーベイランス)は解剖治療化学分類法(ATC)と一日使用量に基づく測定(DDD)、そして 外来と入院を合わせた総使用量 (ATC J05)といった指標で実際に使用された薬剤について1000人あたりの使用量として標準化(DID)して2008年におけるデータを集計しDDD (WHO ATC/DDD2010年版に発表した。抗ウイルス薬は主たる適応によって分類した。

結果:

Belgium, Croatia, Denmark, Estonia, Finland, France, Hungary, Italy, Luxembourg, Russia, Slovenia and Swedenといった国々においては入院、外来も含めた総使用量が、Austria, the Netherlands, Portugal and Norwayでは外来のデータのみが集計された。 薬剤の総使用量はDIDで3.53のフランスが最高で0.32のクロアチアが最低であった。 ほとんどの国で使用されている抗ウイルス薬は50%以上がHIV/AIDS関連の薬剤であった。薬剤の総量やスペクトラムの範囲は国によって大きな違いがあった。

結論:

今回の結果はヨーロッパ各国における抗ウイルス薬の消費はたとえば外来患者における抗菌薬と抗真菌薬との違いと同じくらいに国によって大きな違いがあることを示した。そしてその違いの多くの部分がHIV/AIDS関連薬に起因していた。  今回の結果から薬剤の使用の多様性についての理解のためにさらなる検討が必要であることがわかった。ESACデータは、抗ウイルス薬の処方量やガイドラインの遵守状況などの評価を容易にします。

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「HIV感染患者と非感染患者において、心血管リスクバイオマーカーでみると、ペグ化インターフェロンαとリバビリンによるC型肝炎治療が抗アテローム生成効果を誘導する」

英題:Treatment for hepatitis C virus with pegylated interferon-α plus ribavirin induces anti-atherogenic effects on cardiovascular risk biomarkers in HIVinfected and -uninfected patients ;

著者名:Masiá M, Robledano C et al

雑誌名:Journal of Antimicrobial Chemotherapy

目的:

我々は、HCV単独感染患者およびHCV/HIV重複感染患者におけるいくつかの検査マーカーを連続して測定することで、心血管病リスクにおけるペグ化インターフェロンαとリバビリンによるC型肝炎治療の影響を調査した。

方法:

長期的な研究の中で、炎症、凝固、酸化ストレスについてのバイオマーカーが治療中および治療後に測定された。

結果:

56人の患者が含まれ、32人(57.1%)がHCV/HIV重複感染、24人(42.9%)がHCV単独感染であった。ベースラインにおける比較では、HCV治療中に細胞外基質分解酵素9(p<0.001)、細胞間接着分子1(ICAM-1)(p=0.01)、酸化LDL(p=0.002)の濃度の著明な低下が認められた。対照的に、血管細胞接着分子1(VCAM-1)、単球走化性蛋白質1、フィブリノゲンは治療中に増加した。治療終了後、ICAM-1、VCAM-1、腫瘍壊死因子α(TNF-α)は、ウイルス学的な奏功が持続している患者に限り、ベースラインと比べ著しく低かった。トランスアミナーゼとHCV-RNAのベースラインからの減少は、治療終了6か月後のICAM-1濃度の減少と正の相関を示していた。バイオマーカーの変化はHIV感染患者と非感染患者で類似していた。

結論:

HCV治療は行くすかの心血管リスクバイオマーカーで異なる変化を誘導し、抗アテローム生成効果を示すが、抗アテローム生成効果は治療後もウイルス学的応答が持続している患者にのみ持続する。

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HIV感染患者の慢性腎臓疾患の危険因子(ヨーロッパでの症例対照研究)

Risk factors for chronic kidney disease among human immunodeficiency virus-infected patients: A European case control study; Di Biagio A, Rosso R, Vitale F, Cardinale F, Sormani MP, Secondo G, Stefano LD, Viscoli C; Clinical Nephrology 75 (6), 518-23 (Jun 2011)

目的:

腎機能障害はヒト免疫不全ウィルス(HIV)感染患者においてよく見られる合併症で、直接的なウイルス性の障害、合併症または薬剤毒性が影響している。本研究の目的は、現在のヨーロッパの患者コホートで腎障害の断面相関を評価することであった。

方法:

5ヵ月間750人のHIV感染成人のコホートから、症例対照研究を行った。蛋白尿(試験紙法で+)、もしくは、クレアチニンクリアランス(<60ml/分)の低下、<60ml/分/1.73m2の推定糸球体濾過値(eGFR)の低下で腎障害と判断した。症例群と対照群の特徴を分析し、多変量ロジスティック回帰モデルで比較した。

結果:

スクリーニング検査106例の患者の約50%は、腎機能障害であった。このことから55例を110人の年齢と性がマッチした対照と比較した。平均eGFRは、症例群で90.7(4.8)ml/分/1.73m2、対照群は106.1(2.3)ml/分/1.73m2(p=0.001)であった。症例群では、より長期のHIV感染、より多くの薬剤によるレジメンでの治療、抗レトロウイルス療法へのより長い曝露、後天性免疫不全症候群(AIDS)とC型肝炎ウイルス(HCV)感染診断からより長期間であった。ロジスティック多変量モデルにおいて、腎障害はHIV感染症のより長い既知の持続期間(OR 2.88、95%CI:1.28 - 6.46、p = 0.01)、AIDS発症(OR 1.09 95%CI:1.03 - 1.16、p = 0.002)女性(OR 2.01、95%CI:0.96 - 4.18、p = 0.06)、そして、HCV共感染(OR 2.12、95%CI:0.99 - 4.52、p = 0.05)が関与していた。

結論:

期間、抗レトロウイルス療法とHCV共感染は、腎機能障害の頻度を上昇させた。

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結核性髄膜炎における抗レトロウイルス薬開始のタイミング

Timing of Initiation of Antiretroviral Therapy in Human Immunodeficiency Virus (HIV)-Associated Tuberculous Meningitis; Trk ME, Yen NT, Chau TT, Mai NT, Phu NH, Mai PP, Dung NT, Chau NV, Bang ND, Tien NA, Minh NH, Hien NQ, Thai PV, Dong DT, Anh do TT, Thoa NT, Hai NN, Lan NN, Lan NT, Quy HT, Dung NH, Hien TT, Chinh NT, Simmons CP, de Jong M, Wolbers M, Farrar JJ; Clinical Infectious Diseases 52 (11), 1374-83 (Jun 2011)

Source: Clin Infect Dis

Background:

HIV感染者における結核性髄膜炎発症時の抗レトロウイルス薬開始のタイミングについては不明である。

Methods:

HIV関連結核性髄膜炎患者に対して早期および延期したタイミングの2群間での無作為化二重盲検試験を計画し死亡のリスクを比較した。抗HIV薬は3TC,AZT、EFVの3者で登録時に開始する群と2ヶ月後に開始する群とに無作為化した。抗結核薬についてはすべての患者が標準療法を行い、デキサメサゾン追加とバクタの予防内服を行い、経過観察を12ヶ月行った。  ITT、各プロトコール別、事前の分類ごとに解析を行った。

Results:

253例を登録し127例が早期治療群、126例が延期群に分けられた。 それぞれの群で76例と70例が9ヶ月以内に死亡し、早期ART開始群の9ヶ月死亡率はハザード比として有意差はなかった([HR], 1.12; 95% confidence interval [CI], .81-1.55; P = .50)。あらたなエイズイベントの発症についても有意差がなかった(HR, 1.16; 95% CI, .87-1.55; P = .31)。 グレード3から4の有害事象の発症についても両群で差はなく早期開始群で90%、延期群で89%の患者で発現した。しかしグレード4だけでみると早期開始群で有意に多かった (102 例と87例でP = .04)。

Conclusions:

HIV関連結核性髄膜炎患者に対して早期にART開始することでも死亡率は改善せず、グレード4の有害事象がより高い確率で発生することが判明し治療開始は延期した方がよいことが示唆された。

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HIV/HCV重複感染患者におけるFIB4/肝臓硬度と肝機能パラメータ間の相関

Correlation between FIB4, liver stiffness and metabolic parameters in patients with HIV and hepatitis C virus co-infection; Bruno R, Sacchi P, Cima S, Maiocchi L, Patruno SF, Klersy C, Barbarini G, Camma C, Filice G; Digestive and Liver Disease (May 2011)

背景と目的:

肝硬変の評価は、肝機能障害がしばしばみられるHIV/HCV重複感染患者で重要である。本研究の目的は、2つの非侵襲性肝硬変の評価方法である、肝臓の硬度測定とFIB4の関連を分析し、肝機能パラメータとそれらの相関を調べることであった。

方法:

この研究は単一施設での横断研究である。全患者が、生化学およびウィルス学的検査、FIB4スコア、HOMAとtransient elastography(肝硬度の評価検査)を受けた。

結果:

75例の患者を評価した。肝臓の硬度は、FIB4と明らかに相関した(R=0.62;p < 0.0001)。ROC曲線分析によってFIB4高値となる肝臓硬度のカットオフ値は10.1kPaと算出された。ROC曲線下の面積は0.78(95%CI 0.78-0.94、感度83.3%、特異性80.7%)であった。肝臓硬度は、HOMAスコアと明らかに相関した(R=0.31;p=0.006)。

結論:

2つの非侵襲的評価方法は、HIV/HCV重複感染患者での肝機能評価に有用であった。

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Safety and exposure of once-daily ritonavir-boosted atazanavir in HIV-infected pregnant women;

Conradie F, Zorrilla C, Josipovic D, Botes M, Osiyemi O, Vandeloise E, Eley T, Child M, Bertz R, Hu W, Wirtz V, McGrath D; HIV Medicine (May 2011)

Source: HIV Med

OBJECTIVE:

妊娠中に使用できる抗HIV薬は限定的である。今回の研究の目的は妊婦に対してATV/rtvを含むレジメンの安全性と有効性および最適な用量を決めることである。

METHODS:

オープンラベル非無作為化試験でHIV感染妊婦に対して1日1回300/100 mg (n=20)か400/100 mg (n=21)に分け、1日2回のAZT (300 mg)と3TC (150 mg)で妊娠第3期で組み合わせた。薬力学的なパラメータとして最高血中濃度 (C(max) ),と内服24時間後の最低(トラフ)血中濃度 (C(min) ) とAUC (AUC(τ) )を計測し過去の非妊娠患者の(300/100 mg atazanavir/RTV)内服におけるデータ(n=23)と比較した。

RESULTS:

内服開始時にはすべての母親はHIV RNA<50 copies/mLですべての胎児(6ヶ月)はHIV DNAが陰性であった。妊娠第3期のatazanavir/RTV 300/100 mg のAUC(τ)は過去のデータと比較して21% 低かった。しかしトラフ濃度は同様であった。atazanavir/RTV 400/100 mgでは過去の300/100 mgデータより39%高かったがAUCは同様であった。400/100 mg 群で 62%の患者で総ビリルビンが正常値の2.5倍より上昇したが300/100 mg 群では それが30%であった。 ATVの認容性はよく、予測不能の有害事象は見られなかった。

CONCLUSIONS:

今回の検討でatazanavir/RTV 300/100 mgとAZT/3TCのレジメンではATZのC(min)は非妊娠患者の過去のデータと同様であった。HIV RNAはすべての母親で低下しており母子間のHIV感染も予防できた。薬力学的には妊娠後期でも用量の調節が必要なく、安全性や有効性が示された。

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HIV陽性の女性の第1トリメスターにおける子宮動脈ドップラー検査

First trimester maternal uterine artery Doppler examination in HIV-positive women; Savvidou M, Samuel M, Akolekar R, Poulton M, Nicolaides K; HIV Medicine (May 2011)

目的:

本研究の目的は、妊娠11週0日~13週6日の間の子宮動脈のpulsatility index(拍動の状況のスコア)を評価することで、妊婦のHIV感染症の影響、治療の有無の影響、胎盤への影響を評価することであった。

方法:

76人のHIV陽性の第一トリメスターの妊婦に子宮動脈ドップラー検査を行ったコホート内症例対照研究であった。患者は、30人のHIV陰性の女性と適合し比較した。子宮動脈のpulsatility indexは母体、胎児の状態に合わせて数値化し、その値は対照群の中央値(MoM)の倍数として比較した。

結果:

76人のHIV陽性の女性の間で、33人(43.4%)は検査時に抗レトロウイルス薬の投与を受けていた。このうち、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTIs)とプロテアーゼ阻害薬の投与を14人(42.4%)が、NRTIとNNRTIの投与を18人(54.5%)が、単剤での治療を1名(3.1%)がうけていた。HIV陰性の女性と比較して、HIV陽性の女性は、より体重が重く(P < 0.01)、アフリカ系(P < 0.01)で、非喫煙者(P=0.01)で、以前に低出生体重児の分娩をしていた(P < 0.01)。子宮動脈のpulsatility indexは、症例と対照群の間に統計学的に差がなかった。[1.07;四分位数間領域(IQR)0.85-1.24MoM対0.99;IQR 0.81-1.20MoM;P= 0.28]また、HIV陽性妊婦の中で、抗レトロウイルス治療を受けている群と、受けていない群でも差がなかった(P=0.12)。

結論:

通常妊娠のHIV陽性の女性は、妊娠の第一トリメスターでは正常な胎盤灌流であった。

第一トリメスター:妊娠の前期3か月のこと(12週までを指す)

Pulsatility index:動脈の血流をドップラー派で計測し、得られた下図の数値からindex化したもの。血管抵抗の指標、すなわち血流の指標として用いられる。(脈圧を平均圧で割ったもの)

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「抗レトロウイルス薬の予防投与と口唇口蓋裂のリスク:FDA AERSデータベースでの先行的な単回の検出」

Anti-Retroviral Prophylaxis and the Risk of Cleft Lip and Palate: Preliminary Signal Detection in the FDA AERS Database; Cartsos V, Palaska PK, Zavras AI; Cleft Palate-Craniofacial Journal (May 2011)

Source: Cleft Palate Craniofac J

Abstract

目的:抗レトロウイルス薬の予防投与は母親から出生児へのHIV垂直感染の予防に効果的であるとされてきた。医学的、公衆衛生学的な利益がリスクを上回るので、我々の研究の目的は抗レトロウイルス薬と口唇口蓋裂の関係を調査することである。

方法:我々はFDAの有害事象報告システムAERS(Medwatch program)から5年分のデータを分析し、reportingオッズ比(ROR)と95%信頼区間(CI)を測定した。

結果:最も影響が強い薬剤はエファビレンツROR 196(95%CI: 86-447)、ラミブジンROR 60.2(95%CI: 14.25-148)、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン併用 ROR 59.3、ネルフィナビル ROR 50.5であり、次いでネビラピン、ロピナビル/リトナビル併用、ラミブジン/ジドブジンの順であった。

結論:口唇口蓋裂の複数の原因がある中で、抗レトロウイルス薬予防投与の相対的な安全性と、この先天異常を起こす誘因となるかもしれない特異的な状況や潜在的な相乗作用を評価するには、さらなる研究が必要である。

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Clinical Features and Outcome in HIV-Associated Multicentric Castleman's Disease;

Bower M, Newsom-Davis T, Naresh K, Merchant S, Lee B, Gazzard B, Stebbing J, Nelson M; Journal of Clinical Oncology (JCO) (May 2011)

Source: J Clin Oncol

目的:

HIV感染に関連して発症した多中心性キャッスルマン病(MCD)の臨床的な予後、治療効果、再発率を検証する。

方法:

前向き検討としてデータベースを構築し61例のHIV陽性患者で組織的に確定診断が得られたMCD患者を登録した。平均観察期間は4.2年で2003年からは新たに診断されたMCD49例はリツキサンを含む化学療法レジメンの症例が14例、含まない症例が35例であった。

結果:

MCDと診断された人の、61例中55例(90%)は臨床的な診断基準によってattackと診断され、4例(7%)は組織的にリンパ腫を併発し、1例は治療後2年後にリンパ腫を発症した。

 リンパ腫の発症率は28/1000人・年であった。リツキサンを含むレジメンでの2年全生存率は94%(95% CI, 87% to 100%)であった。5年生存は90% (95% CI, 81% to 100%)で、リツキサン導入前のレジメンで治療した12例では2年、5年生存率はそれぞれ42% (95% CI, 14% to 70%) と33% (95% CI, 6% to 60%)であった。 (log-rank P<.001).

 リツキサン併用治療を受けた症例49例中4例が死亡した。3例がMCDの診断後10日以内に死亡し、MCDの病勢は落ち着いていたが、リンパ腫により1例が死亡した。

 臨床的に病勢はコントロールされている46例中8例が組織学的に再発と診断された。再発の平均期間は2年で,それらの全症例で再治療が奏功した。

 2年および5年間の無増悪生存率はリツキサンを含むレジメンで治療された49症例全例においてそれぞれ85% (95% CI, 74% to 95%)と 61% (95% CI, 40% to 82%)であった。

結論:

HIV関連MCDは再発が限定的な疾患であるが、近年のリツキサンの導入により劇的に予後が改善しており全体の生存率も高いレベルとなった。

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化学物質関連障害をもつHIV感染患者におけるプロテアーゼ阻害薬とエファビレンツの治療薬物モニタリング

原題:Therapeutic Drug Monitoring of Protease Inhibitors and Efavirenz in HIV-Infected Individuals With Active Substance-Related Disorders;Therapeutic Drug Monitoring (May 2011)

背景:

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した化学物質関連障害(SRDs:アルコールや薬物の乱用で生じる依存症)患者で、長期に渡る治療期間で目標とされた抗ウイルス薬血漿濃度を達成することは、多くの因子(薬物アドヒアランス、B型肝炎またはC型肝炎ウイルスの共感染、薬物相互作用など)により困難である。これらの因子を調査するための1つのアプローチは、治療の間、治療薬血中濃度モニタリングを実行することである。本研究の目的は、SRDがある患者とない患者でエファビレンツ(EFV)とプロテアーゼ阻害薬薬の薬物動態学を比較するために、治療薬物モニタリングを利用することであった。

方法:

国立研究所(National Institute)の薬物乱用基準に基づいて、SRDがある場合(n=129)と無い場合(n=146)の抗レトロウイルス療法を受けているHIV-1感染患者を対象に、多施設横断の非盲検研究を行った。プロテアーゼ阻害薬かEFVベースの抗レトロウイルス療法を6ヵ月以上受けていた275人の被験者は、4箇所のHIV治療総合施設で、それぞれSRDの有無について等しい分布で登録された。対象期間の間患者は、通院の前後にアドヒアランスの重要性に関して指導を受けた。人口統計学とルーチンの臨床検査を記録した。

結果:

275例の患者の間で47%は、少なくとも1つの物質が原因で化学物質関連障害を持っていた。開始時点で、SRD群と非SRD群で、人種、性別、年齢、CD4陽性細胞数について有意差はみられなかった。SRD群患者は、開始時のHIV-RNA血漿濃度>75コピー/mlの頻度が非SRD群と比較して有意に多かった(40%対28%(P = 0.044))。ロジスティック回帰分析モデルにより、HIV RNA血漿濃度とアフリカ系アメリカ人種の間に有意に相関があることが明らかとなった(P = 0.017)。SRD群では、EFVまたはプロテアーゼ阻害薬のトラフ濃度が、望まれる範囲よりも有意に低かった(23%対9%(P = 0.048))。有意に低いトラフ濃度は、アタザナビル(0.290対0.976μg/mL)またはロピナビル(3.75対5.30μg/mL)を受けているSRD群患者にみられた。

結論:

今回の薬物動態学のデータにより、HIV感染患者の長期の抗レトロウイルス療法の間、SRDの有無によってウイルス量の抑制に影響が出る可能性が示唆された。また、これらの所見から、SRDを有する患者で抗ウイルス薬の血中濃度を低下させる個々の因子を特定するため、より集中的な薬物動態学の評価を伴った、無作為な調査が更に必要と考えられた。

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HIV感染症・抗レトロウイルス療法による近位尿細管性機能障害のリスクの増加

Dauchy FA, Lawson-Ayayi S, de La Faille R, Bonnet F, Rigothier C, Mehsen N, Miremont-Salame G, Cazanave C, Greib C, Dabis F, Dupon M;Kidney International(2011年5月)

出典:Kidney Int.

ヒト免疫不全ウィルス(HIV)感染での腎機能障害はよくみられる。我々は、HIV感染症に合併した近位尿細管機能障害(PRTD)の有病率を推定するために、Aquitaineコホート(ルーチンでHIV-1感染患者を診療している病院に拠点を置いたコホート)内で、399例の患者を用いた横断面解析を行った。

これらの患者は、年齢中央値、HIV診断からの期間、AIDSの段階、CD4細胞数中央値において、社会人口統計学的に3080名の全患者コホートと差がなかった。256の所定のテノホビル(TDF)で、抗レトロウイルス療法は352例の患者が受けており、256例はテノホビル(TDF)による治療を受けていた。

325例はHIVウイルス量が検出感度以下であった。そして、26例はPRTDにより診断された。多変量解析では、PRTDとの有意な独立関連は、年齢(オッズ比:5年ごとに1.28上昇)、アタザナビルによる治療(オッズ比:1年の投与ごとに1.28上昇)とテノホビルによる治療(オッズ比:1年の投与ごとに1.23上昇)で見られた。

5年以上TDFを持続投与されていた患者では、治療が現在も継続されていた場合(オッズ比 5.22)か、中止された場合(オッズ比 11.49)で、PRTDがTDF暴露と有意に関係していた。このように、TDFおよび/またはアタザナビルの投与量が累積することで、PRTDリスクの増加、HIV患者における可逆性についての懸念と関連していた。

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Source: Mycoses

「ケニヤのAIDS患者における脳脊髄液から検出されたCryptococcus neoformansの抗真菌薬感受性」

Antifungal susceptibilities of Cryptococcus neoformans cerebrospinal fluid isolates from AIDS patients in Kenya; Mdodo R, Moser SA, Jaoko W, Baddley J, Pappas P, Kempf MC, Aban I, Odera S, Jolly P; Mycoses (May 2011)

Cryptococcus neoformansのフルコナゾル(FLC)に対する低感受性はアフリカの臨床家の間で関心のある事項である。FLC耐性の出現は最近ケニヤで報告されたが、それがどこまで広がっているかはわかっていない。したがって、ケニヤにおけるさらなる抗真菌薬感受性の研究が必要とされている。

この研究の目的は、ケニヤのAIDS患者におけるC. neoformansの抗真菌薬感受性を測定することである。抗真菌薬感受性は、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)のM27-A3文書に基づき、FLC、アンホテリシンB(AMB)、ボリコナゾル(VOR)、ラブコナゾル(RAV)、フルシトシン(5-FC)に対して、C. neoformans 67検体でブロス微量希釈法を用いて測定された。分離菌は血清型の同定のためI-カナバリン グリシン ブロモチモールブルー培養液で培養された。分離菌の6%はC. neoformans var. gattii血清型BまたはCと同定され、94%はC. neoformans var. neoformansと同定された。検査されたすべての分離菌はAMB、VOR、RAV(100%)に感受性であり、FLC(97%)、5-FC(90%)に対しても高い感受性が認められた。3%がFLCに対して用量依存性感性(dose-dependent)であり、10%が5-FCに対して中間型(intermediate)であったのみであった。

これらの結果はFLC、AMBといったケニヤでクリプトコッカス髄膜炎の治療に使用されている抗真菌薬に対する偶発的なC. neoformansの感受性の高さを実証している。