11/09/08 配信分

HIV感染者に不明熱で発症した多中心性Castleman病の55歳男性

Multicentric Castleman's disease as a cause for unclear febrile episodes in a 55-year-old HIV-infected man; Lederer H, Achermann Y, Tinguely M, Stenner F, Fehr J; Infection (Aug 2011)

Source: Infection

発熱と倦怠感を訴えたHIV感染男性で多中心性Castleman病(MCD)の診断に苦慮した症例を提示する。確立した治療プロトコールがないことから、リツキシマブ、エトポシド、バルガンシクロビルによる新しい治療アルゴリズムを選んだ。この治療により寛解に至った。我々は免疫抑制状態の不明熱の原因としてのMCDについても治療の進歩が必要と考える。

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Major but differential decline in the incidence of Staphylococcus aureus bacteraemia in HIV-infected individuals from 1995 to 2007: a nationwide cohort study(*);

Larsen M, Harboe Z, Ladelund S, Skov R, Gerstoft J, Pedersen C, Larsen C, Obel N, Kronborg G, Benfield T; HIV Medicine (Aug 2011)

Source: HIV Med

OBJECTIVES:

ブドウ球菌の菌血症(bacteremia)の発症率(IRs)はHIV感染者で高いことが知られている、しかしHAART時代にはいっても同じ傾向が続いているのかどうかはわからない。

METHODS:

1995年1月1日から2007年12月31日までの期間でオランダのHIV感染者 (n=4871)において一般のコントロール(n=92 116)と年齢や性別を調整してコホートとしてエントリーしてブドウ球菌の菌血症(SAB)をすべてチェックした。IRsとリスク因子はtime-updated Poisson regression analysisで解析した。

RESULTS:

329エピソード284例でSABを経験し132例はHIV感染者で152例がコントロール群であった。[crude IR ratio (IRR) 24.2; 95% confidence interval (CI) 19.5-30.0, for HIV-infected vs. non-HIV-infected individuals]. 全期間を通してみるとIRはHIV感染者で低下傾向がしめされた。 (IRR 0.40). 静注薬物使用者では発生率が高く、発生率の低下もすくなかった。MSMによるHIV感染者がもっともIRの低下率が大きかった。HIV感染者において、直近のCD4数が100以下の場合が単独でSABの危険が高い(IRR 10.2)因子であった。加えてHIV transmittedグループがSABのリスクにはなっていた。MSMは低いCD4数やHIV感染判明時にAIDSである場合に院内のSABの発生に関係していた。

CONCLUSIONS:

今回の研究期間においてHIV感染者においてはSABの発生率が低下していることが示された。しかし依然としてHIV非感染者よりは高い発生率であり、HIV感染者においても静注薬使用者はMSMに比べてより高く、低いCD4数もSABのリスク因子であることが示された。

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NVP徐放剤1日1回投与の有効性と安全性、HIV-1感染患者の初回治療におけるNVP即効剤1日2回投与との比較

Efficacy and safety of nevirapine extended-release once daily versus nevirapine immediate-release twice-daily in treatment-naive HIV-1-infected patients; Gathe J, Andrade-Villanueva J, Santiago S, Horban A, Nelson M, Cahn P, Bogner J, Spencer D, Podzamczer D, Yong CL, Nguyen T, Zhang W, Drulak M, Quinson AM; Antiviral Therapy 16 (5), 759-69 (2011)

Source: Antiviral Ther

BACKGROUND; この研究(VERxVE)は新規NVP徐放剤(NVP XR)1日1回投与とNVP即効剤1日2回投与の、有効性と安全性を初回治療患者で比較した。

METHODS; ランダム化2重盲検並行群間比較試験をHIV-1感染患者(治療前VL≧1000 copy/ml、男性; 50<CD4/mm3<400、女性; 50<CD4/mm3<250)に行った。患者は治療前VL≧100000 copy/ml、VL<100000 copy/mlで2層に層別化されNVP XR群(400mg 1回投与)、NVP IR群(200mg 2回投与)にランダムに割り付けられた。いずれの群も併用薬としてTDF 300mg、FTC 200mg 1日1回投与を使用した。主要評価項目は48週を通したウイルス学的効果の継続(VL<50 copy/ml)でTLOVRアルゴリズムにて評価した。NVP XR群とNVP IR群の差における95%信頼区間の下限値が-10%以内である場合に臨床効果が非劣勢であると想定した。治療前VLで調整しコクラン検定で解析を行った。

RESULTS; 1011名が割り付けられ治療が行われた。48週でのウイルス学的治療効果はNVP XR群で81.0%(409/505)、NVP IR群で75.9%(384/506)あった。調整後でも4.9%、NVP XR群に優勢であり(95%信頼区間 -0.1~10.0%)、NVP IR群に対する非劣勢が証明された。2次評価項目でも、NVP XR群での安全性プロフィールはNVP IR群と同様で、数値上、治療関連有害事象はより少ない結果であった。

CONCLUSIONS; NVP XRはTDF、FTCとの併用において、NVP IRに対して有効性の点で非劣勢が認められ、同様の安全性プロフィールを示し、1日1回投与という利便性を有しているといえる。この研究は臨床研究番号: NCT00561925として登録されている。

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ロピナビル/リトナビルに関連する脂質の上昇はロピナビルやリトナビルの血中濃度とは関係しない

英題:The lopinavir/ritonavir-associated rise in lipids is not related to lopinavir or ritonavir plasma concentration

著者:Bierman WF, van Vonderen MG, Veldkamp AI, Burger DM, Danner SA, Reiss P, van Agtmael MA

雑誌:Antiviral Therapy 16 (5), 647-55 (2011)

背景:

ロピナビル/リトナビルを含む抗レトロウイルス治療を開始した後のロピナビル血中濃度と脂質上昇の程度の関連は明らかになっていない。この研究の目的は2つの患者集団における薬物血中濃度と脂質変化の関連を特定することである。

方法:

まず、外来患者集団において、ロピナビル/リトナビル開始後2週間以上経過した時点で、脂質変化割合とロピナビル血中濃度の相関関係を分析した。次に、ネビラピン+ロピナビル/リトナビル(533/133mg 1日2回)群とジドブジン/ラミブジン+ロピナビル/リトナビル(400/100mg 1日2回)群との比較試験に参加した未治療患者集団において、脂質変化とロピナビルおよびリトナビル血漿中濃度の相関関係を分析した。

結果:

ロピナビル血漿中濃度を測定した215人中外来患者82人では、ロピナビル/リトナビル開始後522日(中央値)の時点で、単変量解析でも交絡因子を調整した多変量解析でも、ロピナビル濃度と脂質変化の有意な相関関係は認められなかった。比較試験に参加した40人では、治療開始後24カ月LDLコレステロールの上昇割合の平均[95%CI]はネビラピン/ロピナビル/リトナビル群(29.4% [16.8-43.3])の方がジドブジン/ラミブジン/ロピナビル/リトナビル群(6.8% [-7.3-23.1])よりも大きかった。しかし、LDLコレステロールの上昇割合はロピナビルおよびリトナビルの濃度比とは相関しなかった(r=-0.25; P-0.17 とr=-0.06; P=0.75)。多変量回帰分析にロピナビルまたはリトナビルの濃度を加えても、LDLコレステロールの変化と無作為治療の関係は変化しなかった。

結論:

HIVの外来患者集団でもロピナビル/リトナビルを含む比較試験の患者集団でも、ロピナビル/リトナビルを含む治療開始後の脂質の変化とロピナビルおよびリトナビル濃度の関連は見つけられなかった。

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抗レトロウイルス併用療法開始されたHIV陽性患者の疾患進行と死亡における薬物使用歴の影響

The effect of injecting drug use history on disease progression and death among HIV-positive individuals initiating combination antiretroviral therapy: collaborative cohort analysis;

Murray M, Hogg R, Lima V, May M, Moore D, Abgrall S, Bruyand M, D'Arminio Monforte A, Tural C, Gill M, Harris R, Reiss P, Justice A, Kirk O, Saag M, Smith C, Weber R, Rockstroh J, Khaykin P, Sterne J, for the Antiretroviral Therapy Cohort Collaboration (ART-CC);HIV Medicine(2011年8月)

Source: HIV Med

背景:

我々は、疾患進行と死因が併用抗レトロウイルス療法(cART)を開始した際に麻薬常用者(IDUs)と非IDUsの間で異なるかどうか調べた。

方法:

ART Cohort Collaborationは、cART開始後患者とcART未使用の成人患者においてのコホート研究からデータを併合する。我々は、IDUsと非IDUsの間で死亡とAIDSのハザード比を推定するために、Coxモデルを使用した。特定の死因の累積発生率は、競合リスクを考慮に入れる方法を用いて算出し比較した。

結果:

6269名のIDUsと37 774名の非IDUsに関するデータが分析された。非IDUsと比較して、IDUsは、CD4細胞数<200/μLでcARTをした例もしくは、AIDS発症前の治療開始例の割合が少なかった。死亡率は、非IDUsでよりIDUsで高かった(それぞれ100人年2.08対1.04;P < 0.001)。CD4細胞数の低いベースライン、HIVウイルス量がより高いベースライン、AIDS発症、cART開始まで期間が遅いことは両群で病期の進行に関連していた。しかし、AIDSと死亡によるベースラインCD4細胞数の逆の相関が、IDUsでより非IDUsで強くみられた。各要因での死亡リスクをみると、IDUsにおいて、特に肝臓関連疾患と暴力と非AIDS感染が非IDUsより高かった。

結論:

薬物濫用の直接的な影響からの肝臓関連死亡がIDUsで過剰な死亡率の多くを説明するように見えるが一方で、他の多くの要因による死亡の危険性も高い。そして、それは患者個人のHIV治療以前の可能性がある。

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