12/11/07 up

Management of Difficult Multidrug-Resistant Tuberculosis and Extensively Drug-Resistant Tuberculosis: Update 2012;

Chang KC, Yew WW;

Source: Respirology (Sep 2012)

多剤耐性結核菌(MDR Tbc)は少なくともINHとRFPの耐性がみられるものとして定義される。 超多剤耐性結核菌(XDR Tbc)はMDR Tbcの定義に加えてキノロン耐性と少なくとも2ndラインにはいっている静注薬に対して耐性を獲得したものと定義されている。

不十分な治療と診断の遅れと不適切な治療の悪循環そして貧困、HIV感染症、および空気感染対策の軽視が原因となってMDRおよびXDR結核菌は世界中に広がっている。

耐性結核菌の割合の高い地域においてこれまで治療を受けていない患者に伝搬が広がっていてすでにハイリスク患者だけの対策ではコントロールできない状況である。

耐性結核の治療は困難で非常に費用がかかる。 迅速な予防対策の実施と対策戦略なしでは耐性結核菌の制御は難しく世界における結核コントロール戦略を無効にしてしまう。もちろん予防戦略には正確で迅速な診断が含まれている。

結核はDOTS戦略を用いて、空気感染対策を施行しつつ、HIV感染者の結核発病を防ぐために予防対策を施行し最適な抗HIV薬治療を行う。

耐性結核菌感染と判明した場合は新世代のキノロン薬であるLVFXと高用量INH、LZDそしてPZAをvitroでの抗菌力をみながら最適な組み合わせで内服管理を行いつつ可能であれば外科的治療も検討する。

免疫療法もまた将来適応できる可能性はある。

新たな診断法、薬剤、ワクチン開発も必要であるがこういった科学的なアプローチだけでは制圧は難しい。正しいDOTS戦略で貧困やHIVの問題に対しても対策をとらなければならない。

Respirology © 2012 Asian Pacific Society of Respirology.

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ボセプレビルとラルテグラビルとの間の薬物相互作用

原題:Lack of a clinically significant drug-drug interaction in healthy volunteers between the HCV protease inhibitor boceprevir and the HIV integrase inhibitor raltegravir

著者:de Kanter CT, Blonk MI, Colbers AP, Schouwenberg BJ, Burger DM;

引用元:Clinical Infectious Diseases (Sep 2012)

背景

HIV/HCV重複感染患者は、抗HIV薬と抗HCV薬の両方を使用する可能性がある。ボセプレビル(HCVプロテアーゼ阻害剤)と、抗レトロウイルス薬(エファビレンツ、ブーストされたHIVプロテアーゼ阻害剤など)との間には、薬物間相互作用があると示されてきた。これらの薬剤の併用は避けるべきである。本研究では、ボセプレビルとラルテグラビル(HIVインテグラーゼ抑制薬)の間の薬物相互作用を調査した。

方法

24名の健常ボランティアを対象とした、非盲検、無作為の第1相試験を行った。すべての被験者は、ボセプレビル800mgを8時間毎、10日の間投与され、10日目のラルテグラビル400mgの単回投与を受けた。その後のウオッシュアウト期間を経て、38日目にラルテグラビル400mgの単回投与うける群と、ラルテグラビルとその後ボセプレビル10日間の処方を受ける群に、無作為に割り付けられた。血液サンプルの採取により、薬物動態・薬力学のパラメータを算出した。

結果

ラルテグラビル単独使用群とラルテグラビル、ボセプレビル併用群のAUC平均(95%信頼区間)は4.27(3.22-5.66)対4.04(3.09-5.28)mg*h/L、C(最大)の平均(95%信頼区間)は1.06(0.76-1.49)、0.93(0.70-1.23)mg/Lであった。両者の比率は、AUC: 1.04(0.88-1.22)(0-12時間)、最高血中濃度: 1.11(0.91-1.36)であった。ボセプレビルのAUC(0-8時間)、C(最大)とC(8時間)の平均(95%CI)はそれぞれ、5.45(5.11-5.81)mg*h/L、1.88(1.72-2.06)mg/L、0.09(0.07-0.11)mg/Lであった。

結論

臨床的に重要な薬物相互作用は認められず、ラルテグラビルは、ボセプレビルを含む併用HIV/HCV治療に推薦できる。

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高齢HIV患者におけるAIDS抗レトロウイルス治療(ART)の遵守と薬物相互作用について

Antiretroviral therapy adherence and drug-drug interactions in the aging HIV population; Nachega JB, Hsu AJ, Uthman OA, Spinewine A, Pham PA;

Source: AIDS 26 Suppl 1 S39-53 (Jul 2012)

米国内では2015年にはHIV患者の半数以上が50歳以上になると推定されている。この高齢化に伴い、心血管、代謝、消化器、泌尿生殖器及び精神障害を含む非AIDS関連併存症の頻度が高くなる。結果として、高齢HIV患者は多剤になること、高い薬剤の負担により医学的管理は複雑なものになるため、ART遵守の低下につながる。ARTの遵守は一般的には若年者と比較すると高齢者の方が優れているが、高齢者の認知障害によって遵守が損なわれることがあり、悪い治療結果につながることもある。実用的な監視ツールは遵守を向上させ、ウイルス量の抑制率を高めることができる。

抗レトロウイルス治療薬のいくつかはシトクロームP450アイソザイムの阻害および/または誘導をきたすため、高齢HIV患者の併存症に対しての治療に使われる多くの薬剤の代謝に影響を与える。併存症に対する多剤内服とARTの組み合わせで、重篤な薬物相互作用(薬物毒性の増悪、低いART遵守、薬物効果の喪失、ウイルス学的ブレークスルー)の可能性を大幅に増大させる。臨床医が一般的な薬物相互作用を認知すること、薬物相互プログラムの使用を増やすことにより高齢HIV患者における有害な可能性のある組み合わせの同時投与を防ぐことができる。 ART遵守に対してうまく介入すること、薬物相互作用の研究が高齢HIV患者に必要とされる。

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Rilpivirine, a novel non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor for the management of HIV-1 infection: a systematic review;

Schafer JJ, Short WR;

Source: Antiviral Therapy (Jul 2012)

Rilpivirine (RPV)は第二世代のNNRTIである。第一世代のNNRTIに対する変異をもつHIVに対しても活性をもっている。RPV は食事とともに内服する一日一回製剤でTDF/FTCとの併用で使用されている。

二つの第3層試験の結果、EFVとの比較で同様の安全性と有効性が証明された。 しかし、副次的な解析で治療開始時のHIV RNA量が10万コピーを超える場合においては検出限界以下までウイルスの抑制が得られにくいことが示された。

通常みられる変異はE138KでM184Iとの組み合わせでよく出現する。 そしてE138K変異により他のNNRTIが耐性を獲得してしまうので今後のNNRTI選択を限定的なものにしてしまう。

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ヨーロッパ地域におけるHIV感染患者における腎代替療法:腎移植後のアウトカム

Renal Replacement Therapy in Patients With HIV Infection in a European Region:

Outcomes Following Renal Transplantation; Mazuecos A, Rodriguez Benot A, Moreno A, Burgos D, Aguera M, Garcia Alvarez T, Hernandez D, Navarro D, Castro P;

Source: Transplantation Proceedings 44 (7), 2053-6 (Sep 2012)

INTRODUCTION:

HIV感染症の予後は、末期腎不全(ESRD)の患者においても劇的に改善されている。従って、HIV感染はもはや腎移植の絶対禁忌ではなくなっている。

METHODS:

アンダルシアの腎患者のレジストリからのデータを使用して、2011年9月に腎代替療法(RRT)を受けているHIV患者の特徴を分析した横断研究が行われた。高活性抗レトロウイルス治療の時代に腎臓移植を受けた患者を分析した後ろ向きコホート研究も行われた。

RESULTS:

2011年9月アンダルシアにおいて、8744人の患者が腎代替療法RRTを行なっており、そのうち、48人(有病率は0.54パーセント)がHIV感染していた。

代替療法の様式はHIV陰性患者-陽性患者間で非常に異なっていた:陰性-陽性それぞれ腎移植49.2%-16.7%、血液透析46.8%-81.3%、腹膜透析4%-2%であった。

最も頻度の高い末期腎不全の病因は、糸球体腎炎であった(37.5%)。27人(56.3%)がC型肝炎重複感染であった。3人(7.5%)だけが、腎移植を待機していた。

2001年から2011年9月まで10人のHIV感染患者が腎移植を受けた(追跡期間中央値40.5ヶ月)。初期の免疫抑制療法は、寛解導入療法なしでtacrolimus やmycophenolateが含まれていた。 2人の患者のみ急性拒絶反応をきたした。(both borderline and corticosensitive.) すべての患者が生存しており、移植臓器の生着率は移植後1年目、3年目では100%であった。

我々は移植を行なった患者や待機患者(計12人)と除外されて移植が行われない患者との間での人口統計および併存疾患の変数を比較した。唯一ESRDの病因において違いが認められた。(除外患者においては糸球体腎炎の発生率が高い)

CONCLUSIONS:

腎移植は、正しく選択されたHIV感染患者においては安全です。HIV患者において、腎移植の待機リスト上の患者数は非常に少ない。これは、高い併存疾患を反映しているのかもしれないが、これらの患者がまだ移植のための体系的な評価をされていない可能性がある。

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高用量リバビリン療法と通常用量リバビリン+IFNα併用のHIV合併C型肝炎治療に対する比較

Comparison of High Ribavirin Induction versus Standard Ribavirin Dosing, plus Peginterferon-α for the Treatment of Chronic Hepatitis C in HIV-Infected Patients: The PERICO Trial;

Labarga P, Barreiro P, da Silva A, Guardiola JM, Rubio R, Aguirrebengoa K, Miralles P, Portu J, Téllez MJ, Morano L, Castro A, Pineda JA, Terrón A, Hernández-Quero J, Mariño A, Ríos MJ, Echeverría S, Asensi V, Vispo E, Soriano V, on behalf of PERICO Study Group;

Source: Journal of Infectious Diseases (Jul 2012)

【Background】

Ribavirin (RBV)の使用はHIV合併C型肝炎治療において効果を最大化するとされている。

【Methods】

HIV/HCVの合併患者においてIFN使用歴のない患者を無作為にpeginterferon-α2a 180 µg/dayにRBV 標準量 (1,000 or 1,200 mg/day if<or ≥75 Kg)あるいは高用量RBV (2,000 mg/day)をerythropoietin β 450 IU/Kg/weekの皮下注射と併用する群に分けて治療開始から最初の4週間継続しその後は両群ともに標準量の RBVで治療終了まで経過観察することとした。早期治療中止の基準は12週ないし24週でウイルス学的効果が出現した場合とした。

【Results】

357例を登録した。登録時に患者背景には差はなかった。良好なウイルス学的効果が得られた症例数(160/357例、45%)については高用量導入群72/169 (43%)と標準量群88/188 (47%)において有意差はみられなかった。

4週目時点でHCV-RNAが検出限界以下に抑えられた確率は29% vs 25%であった。平均RBVトラフ血中濃度は 2.48 および2.14 µg/mLで平均のHb低下については(エリスロポエチンを追加する)高用量RBV導入群の方がRBV標準量群より少なかった。(-1.7 vs -2.3 mg/dL; p<0.005) 

治療を中断した症例は治療反応性がなかった症例が91例(25%)で有害事象による中断が29例(8%)であった。

HCVの再出現が34例 (10%)で見られた。単因子解析と多因子解析をおこなって オッズ比と信頼区間、P値を検討したところ(OR [95% CI], p) HCV genotypes 2/3であること (10.3 [2.08-50.2], 0.004)、 IL28B CC変異を持つこと(2.92 [1.33-6.41], 0.007)、 肝繊維化が進行していないこと (2.27 [1.06-5.01], 0.03)、そしてRVR(速やかにウイルス学的効果で現れる) であること(40.3 (5.1-314.1],<0.001)がSVR(持続的にウイルス学的効果つづく)の予測因子であった。

【Conclusion】

HIV/HCV の共感染患者に対してRBVの高用量を初期4週間エリスロポエチンとの併用で導入することでSVR率は改善しなかった。事前にRBVの副作用を見越してエリスロポイエチンを追加しても血中のRBVの赤血球での吸収が増加するため増量投与の効果が打ち消されてしまう可能性がある。

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母子感染予防投与を受けたHIV/HBV重複感染妊婦におけるラミブジン耐性B型肝炎ウイルス変異;

原題: Emergence of lamivudine resistance hepatitis B virus mutations in pregnant women infected with HBV and HIV receiving antiretroviral prophylaxis for the prevention of mother-to-infant transmission in Malawi;

著者: Galluzzo C, Liotta G, Andreotti M, Luhanga R, Jere H, Mancinelli S, Maulidi M, Sagno JB, Pirillo M, Erba F, Amici R, Ceffa S, Marazzi MC, Vella S, Palombi L, Giuliano M;

出典: Journal of Medical Virology 84 (10), 1553-7 (Oct 2012)

HIV/HBV重複感染は、サハラ以南のアフリカでよく見られる。本研究の目的は、ラミブジンを含む3剤によるHIV母子感染の予防投与が、ラミブジンのHBV突然変異の発現と相関しているかどうか、確認することであった。

本研究は、マラウィにおける21例の妊娠したHIV/HBV重複感染女性が対象となった。これらの症例は治療開始基準(CD4+<350/mm3)を満たした場合、妊娠25週から分娩後6ヵ月まで、ラミブジンとネビラピンに加えてジドブジンまたはスタブジンによる治療を受けた。HBV-DNAは、ロシュCOBAS分析法を用いて決定された。耐性変異は、Trugene分析(シーメンスDiagnostics)によって評価された。

試験開始時に、症例の33%はHBe抗原陽性で、HBV-DNA>104 IU/mLであった。CD4陽性細胞数の中央値は237個/mm3、HIV RNAの中央値は3.8log10 copies/mLであった。中央値259日の治療の後、HBV-DNAは21例の患者のうち9例(42.8%)で検出可能だった。うち3例において、HBV-DNA濃度は>104IU/mLであった。HBV耐性変異が認められた症例は6例(28.6%)であった(5例のM204I変異5例、L180M+M204I/V変異1例)。耐性ウイルスをもつ症例は、そうでない症例に比べてHBV-DNA濃度が有意に高値であった(1.1×107 IU/mL対20.8 IU/mL(P=0.022))。ALTとASTの数値は、野生型ウイルスを持っている場合とと比較して、耐性ウイルスを持つ女性でより高かった。

今回の対象となった患者群で、ラミブジン耐性は高い確率で認められた。

今回のHBV耐性の存在が、肝疾患に有意な影響を及ぼすかどうかについては、追跡調査によって明らかになるであろう。

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HIV患者において、ritonavir-boosted atazanavir(ATV/r)を含んだ抗レトロウイルス療法を行なった場合、他のプロテアーゼ阻害薬を含んだ治療より、腎結石の発生率が高い。

High incidence of renal stones in HIV-infected patients on ritonavir-boosted atazanavir than in those on other protease inhibitors-containing antiretroviral therapy;

Hamada Y, Nishijima T, Watanabe K, Komatsu H, Tsukada K, Teruya K, Gatanaga H, Kikuchi Y, Oka S;

Source: Clinical Infectious Diseases (Jul 2012)

Background:

ATV/r使用における腎結石の発生率に関する情報が少ない。

Methods:

ある単一の施設研究において、ATV/rを含んだ抗レトロウイルス療法と他のプロテアーゼ阻害薬(PIs)を含んだ治療が行われたHIV感染患者間での腎結石の発生率の比較が行われた。ATR/rの影響は単変量および多変量Coxハザードモデルにより推定した。薬剤以外の可能性のある危険因子は単変量解析で評価され、可能性が高いと見られたものは多変量解析に入れられた。

Results:

腎結石と診断されたのはATV/r 群(n=465)で31人(23.7人/1000人)、他のPIs群(n=775)で4人(2.2人/1000人)であった。ATV/rの使用は単変量解析、多変量解析においても腎結石と著しく関連していた(調整HR10.44;95%CI,3.685-29.59;p<0.001)。ATV/rはベースライン変数の中央値によって層別化したすべてのサブグループにおいても腎結石の重大なリスクのままであった。ATV/r治療を行い腎結石を発症した31人において、ATV/r開始から診断までの期間の中央値は24.5ヶ月(四分位範囲14.7-34.6ヶ月)であった。腎結石の診断にもかかわらず18人の患者でATV/rが継続され、そのうち6人が再発した。ATV/rを中止した患者においては観察期間内(250.6人*月)に再発はなかった。

Conclusion:

ATV/rによる治療は他のPIsによる治療に比べて腎結石の発生率が大幅に高かった。腎結石の診断後のATV/rの継続は再発率の高さに関係している。腎結石を発症した患者において、ATV/rから他の抗レトロウイルス薬に変更することは当然である。

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スイスHIVコホート研究におけるC型肝炎ウイルス感染

原題: Hepatitis C Virus Infections in the Swiss HIV Cohort Study:A Rapidly Evolving Epidemic;

著者: Wandeler G, Gsponer T, Bregenzer A, G?nthard HF, Clerc O, Calmy A, St?ckle M, Bernasconi E, Furrer H, Rauch A, the Swiss HIV Cohort Study;

出典: Clinical Infectious Diseases (Aug 2012)

背景

C型肝炎ウイルス(HCV)感染は、HIV感染患者で罹患率と死亡率に大きな影響を及ぼす。我々は、調査と予防を最適化するために、スイスHIVコホート研究(SHCS)で、異なるHIVの感染ルート群で、HCV発生率における傾向を評価した。

方法

HCV感染発生率は、ルーチンのHCVスクリーニングがスイスHIVコホート研究で導入された1998年から、2011年までで評価された。HCVが陰性で、少なくとも一回は再検査が行われている症例が対象となった。HCV感染症の発症率を、男性同性愛者(men who have sex with men:MSM)、注射薬物使用者(Injection Drug Users:IDU)と異性愛者(heterosexuals:HET)との間で比較した。さらに、男性同性愛者におけるHCV抗体陽転の予測因子を調査した。

結果

男性同性愛者 4,629例、注射薬物使用者 2,678例、異性愛者 4,530例を対象にHCV感染を検査したところ、それぞれ3,333(72%)、123(5%)と3,078(68%)で、試験開始時および血清学的追跡調査で、HCVは陰性であった。それぞれ、男性同性愛者:23,707人年、注射薬物使用者:733人年、異性愛者:20752人年、の観察期間で、HCV抗体が陽転化したのは、それぞれ101例(3%)、41例(33%)と25例(1%)であった。男性同性愛者のHCV感染症の発症率は、1998年時点で100人年当たり0.23(95%CI:0.08-0.54)であったものが、2011年の時点では4.09(95%信頼区間:2.57-6.18)と増加した。発症率は注射薬物使用者で減少しており、異性愛者で100py当たり1以下にとどまっていた。男性同性愛者において、コンドーム使用の不徹底(ハザード比:2.09、信頼区間1.33-3.29)と梅毒の既往(ハザード比:2.11、信頼区間1.39-3.20)が、HCV抗体陽転の予測因子であった。

結論

スイスHIVコホート研究におけるHCV発生率は、注射薬物使用者では減少、異性愛者では不変であったが、男性同性愛者では13年間で18倍に増加した。これらの観察結果から、HIVに感染している男性同性愛者におけるHCV調査と予防が必要と考えられた。

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The role of raltegravir in the treatment of HIV-2 infections: evidence from a case series;

Peterson K, Ruelle J, Vekemans M, Siegal FP, Deayton JR, Colebunders R;

Source: Antiviral Therapy (Aug 2012)

Raltegravirを含むレジメンで治療を行った5名のHIV-2感染患者について提示する(4名は抗レトロウイルス薬既治療、1名は未治療)。ウイルス量とCD4陽性細胞数を監視し、全例で治療への反応性が認められた。感受性のある他の薬剤との併用を行い、臨床におけるHIV-2感染患者へのraltegravirの有効性が証明された。

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HIV-2感染病の進行と可溶性CD14と炎症性バイオマーカーの関連

Association of Soluble CD14 and Inflammatory Biomarkers with HIV-2 Disease Progression;

Thiébaut R, Charpentier C, Damond F, Taieb A, Antoine R, Capeau J, Chêne G, Collin G, Matheron S, Descamps D, Brun-Vézinet F, the French ANRS HIV-2 CO5 Cohort;

Source: Clinical Infectious Diseases (Aug 2012)

Background.:

HIV-2感染はHIV-1感染よりもゆっくり進行する特徴がある。高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)、インターロイキン-6(IL-6)および可溶性CD14(sCD14の)などの炎症マーカーが、HIV-2患者の間での病気の進行を予測することができるかどうか分かっていない。

Methods:

HIV-2 French cohort ANRS CO5に登録されている71人の患者、384の検体を使用し縦断レトロスペクティブ分析、中央値で8年間経過を追った。バイオマーカーは、ELISAアッセイにより測定した。ベースラインは、初めて測定できた時のものとした。疾患の進行は、死亡、HIV関連イベントでCDC分類でB/C期、CD4値が350未満、HIV-2RNAが検出、の発生によって定義した。統計分析には、Coxモデルと混合モデルを使用した。

Results.

ベースライン時、75%の患者は無症状であり、34%の患者が治療を受けた。30%の患者で、HIV-2 RVAが検出され、CD4中央値は415/μlであった。3種類のバイオマーカーはお互いに正に関連していた。調整後の分析で、sCD14がhsCRPとIL-6の変動を説明する主要なマーカーであった(P<0.001)。CD4低値、高齢、病期進行例は高sCD14と関連していた。未調整の分析のみバイオマーカーとHIV-2RNAが相関していた。ベースライン時に、中央値(hsCRP1.38mg/L、IL-6 1.97pg/ml)、最高四分位数(sCD14 1.74μg/ml)より多い患者は、疾患進行の高リスクであった(all P<0.003)。CD4数調整後、sCD14のみ疾患進行に大きく関連したままであった(HR=3.59; P=0.004)。

Conclusions.

HIV-2感染患者のこのコホート研究において、sCD14が単独でhsCRP、IL-6、CD4数よりも疾患進行を予測するよいバイオマーカーであるということを示した。

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Cytomegalovirus-induced cutaneous microangiopathy manifesting as lower limb ischemia in a human immunodeficiency virus-infected patient;

Molina-Ruiz AM, Luque R, Zulueta T, Bernabeu J, Requena L;

Source: Journal of Cutaneous Pathology 9999 (9999), (Jul 2012)

サイトメガロウイルスによる皮膚感染症はまれであり、しばしば臨床的にも組織学的にも診断に苦慮する。報告では対処法が様々に記載されており、特に免疫不全患者では顕著である。こういった患者にはサイトメガロによる血栓の存在が記されており、直接的な内皮細胞の障害や凝固因子の活性化、抗リン脂質抗体の産生といったさまざまな機序が考察されている。我々はHIV感染女性で全身性のCMV感染症で下肢遠位部の虚血性病変が出現した症例を報告する。日和見患者におけるCMV感染症および抗リン脂質抗体産生と血栓生成の病理について考察した。

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抗レトロウイルス療法を受けていないHIV感染小児における鉄の状態と貧血の罹患率

著者:Kosalaraksa P, Bunupuradah T, Saphonn V, Wiangnon S, Hansudewechakul R, Vibol U, Kanchanawanit S, Ngampiyaskul C, Wongsawat J, Luesomboon W, Lumbiganon P, Sopa B, Apornpong T, Chuenyam T, Cooper DA, Ruxruthgam K, Ananworanich J, Puthanakit T;

出典:AIDS Research and Human Retroviruses (Jun 2012)

背景

貧血はHIV感染小児に普通にみられる、そして、鉄欠乏が一般的な原因であると考えられる。本研究では、HIVが進行していないタイおよびカンボジアの感染小児で、貧血(サラセミア)の罹患率と根底にある鉄の状態を調査した。研究の目的は、日常的に鉄を補充する必要性を決定することである。

方法

抗レトロウイルス(ARV)未使用のHIVに感染したアジアの小児(1-12歳)で、CD4が15-24%、CDCの基準でAかBに分類され、ヘモグロビン(Hb)が7.5 g/dL未満の症例が対象となった。鉄、血清フェリチン、Hb、CRPを調査した。貧血はHbの値で、5歳の小児では<11.0g/dL、5-12歳の小児では<11.5g/dLとして定義した。

結果

我々は299人の小児を登録した、57.9%は女性だった、そして、平均(SD)年齢は6.3(2.9)歳であった。平均(SD)CD4%とHIV RNAはそれぞれ、20%(4.6)と4.6(0.6)log10copies/mlであった。平均(SD)Hbと血清フェリチンはそれぞれ、11.2(1.1)g/dLと78.3(76.4)μg/Lであった。 全体の鉄欠乏性貧血(IDA)有病率は、2.7%であった。サラセミア形質は、増加した血清フェリチン濃度と関連しなかった。 148例(50%)の小児が貧血を有したが、大部分は軽症であった。これらのうち、69例(46.6%)にサラセミア形質が、62例(41.8%)は、慢性疾患による貧血を、9例(6.1%)は、サラセミア病が、3例(2.0%)は、鉄欠乏性貧血が、そして、5例(3.4%)にはIDAとサラセミア形質があった。サラセミア形質は、増加した血清フェリチン濃度と相関しなかった。

結論

軽度の貧血は、ARVナイーヴなタイおよびカンボジアの小児に普通にみられる。ただし、鉄欠乏性貧血有病率は低く、大多数の症例は慢性疾患による貧血に起因する。 鉄欠乏性貧血の検査による裏づけの無い場合、HIV感染小児における鉄分のルーチンの処方は、特にサラセミアの罹患率が高く鉄欠乏性貧血の罹患率が低い地域では、推奨されない。

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Etravirine: a review of its use in the management of treatment-experienced patients with HIV-1 infection;

Croxtall JD;

Source: Drugs 72 (6), 847-69 (Apr 2012)

Etravirineは経口新世代NNRTIである。治療経験のある成人患者において、他の抗レトロウイルス薬(ARV)に耐性を持ち、ウイルス増殖が認められるHIV-1感染症に対して承認されている。米国ではetravirineは他のARVとの併用で用いなければならない。一方欧州では、boosted protease inhibitorを含んだARVとの併用療法で用いるとされている。EtravirineはNNRTIに耐性を示す複数の株に対しても、HIV-1野生株と同様に、in-vitroで有効な活性を示している。さらに、第一世代のNNRTIに比べ高い薬剤耐性バリアを有することが知られている。Efavirenzやnevirapineでは一つの変異がウイルス学的効果に影響を及ぼすのに対し、etravirineの耐性プロファイルはより複雑である。ウイルス学的効果の予測についても、加重遺伝子型スコアを用いて計算することが示されている。重要なことは、最も高頻度のNNRTI耐性遺伝子であるK103Nは、単独ではetravirineの効果に影響を与えないということである。ウイルス増殖が認められる(HIV-1 RNA>5000 copies/mL) 既治療HIV-1感染成人患者に行われた二つの独立したランダム化臨床試験において、最適なバックグラウンド治療(OBT)群にetravirineを追加することで、ウイルス学的効果の格段の改善を認めた。さらに48週と96週の統合解析では、etravieine+OBT療法で持続的なウイルス抑制が得られた。初期ウイルス量、CD4陽性細胞数、HIV-1サブタイプ、バックグラウンドARVにおける解析でも、etravirine+OBT群でより高いウイルス学的効果が観察された。96週時点で、治療前に比し、免疫学的効果の点でもetravirine+OBT群で大きな改善が認められた。96週までOBTの一剤として用いた場合、etravirineは十分な忍容性を示した。プラセボに対し、より高頻度に認められた唯一の治療関連有害反応は紅斑であった。 ウイルス増殖の認められる既治療HIV-1感染患者において、OBTレジメンにetravirineを追加することで、ウイルス学的・免疫学的効果の改善が期待され、有効で忍容性の高い治療法と考えられる。

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Tenofovir関連の蛋白尿

Tenofovir associated proteinuria; Kelly MD, Gibson A, Bartlett H, Rowling D, Patten J;

Source: AIDS (Aug 2012)

蛋白尿は、一年以上テノホビルを投与された153人の患者のうちの27%で観察された。このコホートにおいて、プロテアーゼ阻害薬の併用とtenofovirの累積暴露量が、独立して蛋白尿に関連していた。 蛋白尿のためにtenofovirを中止した12人中11人は、ほかの薬剤の変更なく蛋白尿は改善した。臨床医は、tenofovirはHIV患者において可逆性の蛋白尿を起こしうることに注意が必要である。

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Early versus delayed initiation of antiretroviral therapy for Indian HIV-Infected individuals with tuberculosis on antituberculosis treatment;

Sinha S, Shekhar RC, Singh G, Shah N, Ahmad H, Kumar N, Sharma SK, Samantaray JC, Ranjan S, Ekka M, Sreenivas V, Mitsuyasu RT;

Source: BMC Infectious Diseases 12 (1), 168 (Jul 2012)

ABSTRACT:

BACKGROUND:

結核を発症したART未施行のHIV感染症患者において結核治療開始後のARTについて死亡率や、HIVの進行、そして有害事象を最低にする最適な開始時期についてはまだ確立していない。

METHODS:

インドのニューデリーを中心に All India Institute of Medical Sciencesの会員施設において無作為、非盲検での他施設共同臨床試験を計画し、HIV感染症患者で結核を発症した症例を無作為に結核治療開始後2から4週にARTを開始する群と8から12週でARTを開始する群の2群にわけてその後12ヶ月経過を観察した。登録患者は結核薬をDOTSを用いて治療を継続し、ARTはd4TあるいはAZTに、3TCとEFVを組み合わせた。一次エンドポイントは死亡およびARTの失敗による明かなHIVの進行とした。

FINDINGS:

150例がエントリーされ、結核治療開始後88例は2から4週でのART開始(early ART群)、62例は8から12週でARTが開始(delayed ART群)された。  死亡率は両群ともに有意差はみられなかったが、ARTの失敗率ではearly ART群で16%であったのにくらべdelayed ART群で31%で有意な差(p= 0.045)が見られた。 Kaplan Meier法によりDPFSを検討すると12ヶ月時点でearly ART群で79%、delayed ART群では64%であった。(p= 0.05) 有害事象の発現率は同様であった。 Interpretation: 結核とHIVの合併感染症患者においては早期にARTを開始した方がdisease progressionの確率が低下し忍容性もよいことが示された。

Clinical trial registry number CTRI/2011/12/002260.

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HIV感染者の大規模アフェレーシスと造血幹細胞移植後のTリンパ球摂動

T-lymphocyte perturbation following large-scale apheresis and hematopoietic stem cell transplantation in HIV-infected individuals;

Savkovic B, Macpherson JL, Zaunders J, Kelleher AD, Knop AE, Pond S, Evans L, Symonds G, Murray JM;

Source: Clinical Immunology 144 (2), 159-71 (Aug 2012)

顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)と2つの大規模のTリンパ球摂動投与後の解析と数理モデルが報告されている。74人の HIV-1陽性で抗レトロウイルス薬治療された患者に、第II相臨床試験において遺伝子導入または偽形質導入したCD34 +造血幹細胞(HSC)を注入した。

T細胞数は、4つのフェーズで検討した。1)定常状態の間、2)G-CSF投与後の末梢血で増加する時期、3)アフェレーシス後の枯渇期4)HSC注入後の再構成期。 本解析で、しっかりしたHAARTが行われているHIV患者において、初めて直接CD4陽性T細胞の分布と輸送を見積もっている。そして、末梢血中のCD4陽性T細胞は末梢血に輸送されるCD4陽性T細胞のプールの5.5%であることを示された。

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Simplification to dual antiretroviral therapy including a ritonavir-boosted protease inhibitor in treatment-experienced HIV-1-infected patients;

Burgos J, Crespo M, Falcó V, Curran A, Navarro J, Imaz A, Domingo P, Podzamczer D, Mateo MG, Villar S, Van den Eynde E, Ribera E, Pahissa A;

Source: Journal of Antimicrobial Chemotherapy Online (Jun 2012)

OBJECTIVES:

既治療患者に対してブーストしたPIを含む2剤治療の効果について評価すること METHODS: 後方視的解析でスペインの3施設において、HIV-1RNA量が50コピー以下に低下した患者でブーストPIを含む2剤に減量して経過観察した131例を解析した。ウイルス学的治療失敗は50コピー以上に増加した場合とした。治療失敗なく経過観察しえた症例についてはITT解析によって治療失敗までの期間を調査して評価した

RESULTS:

患者の臨床的特徴の中央値を示す、治療経験年数14年で5種類のARTレジメン、10種類の薬剤の使用経験があり、24週にわたって検出限界以下をキープしCD4数は522/mlであった。  2剤への減量の理由についてはNRTIの有害事象(46.6%)、lamivudine/emtricitabineの耐性(16.8%)、 PI2剤+enfuvirtide あるいはtipranavir 使用下での治療単純化(20.6%)、そしてその他の複雑なレジメンからの単純化(16.0%)であった。  使用されたPIはDarunavir (58.0%), lopinavir (16.8%) or atazanavir (13.0%)でtenofovir (50.4%), raltegravir (22.1%) あるいはetravirine (12.2%)が組み合わされた。  経過観察の終了時(中央値14ヶ月)で90.1%の患者で治療失敗がなかった。さらに24週、48週、96週ではそれぞれ93.6% (95% CI, 89.3-97.9), 90.9% (95% CI, 84.9-95.9) そして87.4% (95% CI, 80.7-94.1)であった。 一方で2例(1.5%)がウイルス学的失敗を経験し、11例(8.4%)が有害事象により治療継続ができなかったか、経過観察ができなくなった。 CONCLUSIONS: 治療経験者でも選ばれた患者であれば、レジメンを単純化することは有害事象をへらし患者のQOLを改善するために有用である。

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Antiretroviral Treatment of Adult HIV Infection: 2012 Recommendations of the International Antiviral Society-USA Panel;

Thompson MA, Aberg JA, Hoy JF, Telenti A, Benson C, Cahn P, Eron JJ, Günthard HF, Hammer SM, Reiss P, Richman DD, Rizzardini G, Thomas DL, Jacobsen DM, Volberding PA;

Source: Journal of the American Medical Association (JAMA) 308 (4), 387-402 (Jul 2012)

CONTEXT

HIV感染症治療としてのARTに関して、最近の2年間で新たな知見や薬剤レジメンがガイドラインにアップデートされリソースの豊富な地域では利用できるようになっている。

OBJECTIVE

成人におけるHIV感染症治療のARTレジメンや検査所見の経過観察のツールとしての現在の推奨を提示すること。つまり、いつ治療を開始するかどんな薬剤を選択するか、治療の反応や有害事象、特に考慮しなければならない点、そして治療失敗時の対応についてという内容を含むガイドラインの策定。 DATA SOURCES, STUDY SELECTION, AND DATA EXTRACTION データはIASの委員が最近2年間における学会の抄録や論文報告を検索してレビューし、各委員がさまざまなエビデンスを検証した中で全委員のコンセンサスによって新たな推奨を提唱した。

DATA SYNTHESIS

HIV感染している成人に対する推奨治療について: CD4数の減少と症状の関係についてのエビデンスの質や推奨度の強さは向上している。推奨される初期治療薬としては2種類のNRTI(tenofovir/emtricitabine or abacavir/lamivudine) に加えてNNRTI (efavirenz)あるいはrtvブーストした (atazanavir or darunavir)あるいはインテグラーゼ阻害薬(raltegravir)を使用する。 その他の選択薬としては患者それぞれの症状や危険因子と検討して選択すること。CD4陽性細胞数とHIV-1 RNAレベルについてはモニタリングするべきで、治療継続性やアドヒアランス、薬剤耐性そしてquality-of-care indicatorsについても併せて検討するべき。  薬剤変更についてはウイルス学的、免疫学的あるいは臨床的にそして有害事象あるいは忍容性を検討して決定する。  確実な治療失敗は正確にそして多くの因子について検討されなければならない。

CONCLUSION

新しい推奨内容はすべての患者のCD4細胞数によって治療のオプションが変わり、治療の開始時期も変更になり、クリプトコッカスや結核の合併の有無によってARTのタイミングや薬剤の内容も検討しなければならない。

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Presence of High-Risk Human Papillomavirus Genotype and Human Immunodeficiency Virus DNA in Anal High-Grade and Low-Grade Squamous Intraepithelial Lesions;

Shiramizu B, Liang CY, Agsalda-Garcia M, Nagata I, Milne C, Zhu X, Killeen J, Berry JM, Goodman M;

Source: AIDS Research and Human Retroviruses (Jul 2012)

HIV-1感染者はHPVを原因とする肛門癌の危険性があるが、HIVとHPVの関係についてはまだ不明瞭である。近年、抗レトロウイルス治療にも関わらずHIV-DNAが持続する場合、HIV感染症の増悪とHIV関連合併症が引き起こされることが報告されている。我々はこうした観点から、肛門部の軽度及び高度扁平上皮内病変(LGSIL/HGSIL)と高リスクHPV遺伝子型、そしてHIV-DNA copy数について関連性を調査した。

高リスクHPV遺伝子型と高HIV-DNA copy数はいずれもLGSIL/HGSILと関連が認められた(high-risk HPV genotypes: OR 3.73; 95% CI 1.08-12.91; p=0.04, HIV-DNA: OR per 100 HIV DNA copies 1.13; 95% CI 1.01-1.27; p=0.04)。LGSIL/HGSIL発症予測について考慮すると、HIV-DNA copy数については有意な関連がみられたが(OR per 100 HIV DNA copies: 1.09; 95% CI: 0.96 - 1.23, p=0.04))、高リスクHPV遺伝子型では認められなかった(OR: 2.30, p=0.28)。CD4最低値やHIV-RNA量で調整を加えても、これらの結果には変化が認められなかった。LGSIL/HGSIL発症にかかわるHPVとHIV-DNAとの関連についてはさらなる調査が必要と考えられる。

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EBウイルス感染とHIV関連びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のB細胞発癌性マーカーの発現;

Epstein-Barr virus infection and expression of B-cell oncogenic markers in HIV-related diffuse large B-cell lymphoma;

Chao C, Silverberg MJ, Martinez-Maza O, Chi M, Abrams DI, Haque R, Zha HD, McGuire M, Xu L, Said JW;

Source: Clinical Cancer Research (Jun 2012)

Background:

HIV感染者にEBVを介するリンパ腫は広く認められている。しかし、EBVがどのように予後に影響を与えるかはあまり知られていない。我々は、EBV感染がHIV関連びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の特定のB細胞発癌性マーカーの発現に関連しているという仮説の検討と、EBV感染を検出することが予後予測に有用であるかを検討した。

Study Design:

Kaiser Permanente Californiaの中で1996-2007年にHIV関連DLBCLと診断された症例を確認した。免疫組織学染色を行い、細胞周期調節因子、B細胞アクチベーター、抗アポトーシス蛋白など選択マーカーの発現を分析した。EBV感染はEBV RNAのin situハイブリダイゼーションによって確定した。EBVとマーカーの発現の間の相関は、スピアマンの相関係数を用いて検討した。EBV感染同定の予後予測の有用性は、国際予後指標(IPI)を多変量Coxモデルで調整し検討した。受信者動作特性(ROC)解析を使用し、モデルの差別の改善を判断した。

RESULTS:

70のHIV関連DLBCL症例(31%EBV+)が含まれていた。EBV+腫瘍はBLIMP1とCD30の発現の増加、およびBCL6とLMO2の発現低下と関連していた。EBV+腫瘍は独立して2年間の全死亡率の上昇と関連していた。[ハザード比= 3.3(95%CI:1.6-6.6)] 予測モデルのIPIにEBV感染を取り込むと、ROC曲線下面積は、改善モデルの差別化を実証した。[0.65対0.74(IPIのみ)]

CONCLUSION:

我々の結果は、EBV感染がNF-κB経路に関与しているいくつかの腫瘍マーカーの発現と関連していたことを示唆しており、EBV感染を検出することは、HIV関連DLBCLの予後予測に有用性を持っている可能性がある。

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