13/05/10 up

IL28RA polymorphism is associated with early hepatitis C virus (HCV) treatment failure in human immunodeficiency virus-/HCV-coinfected patients;

Jiménez-Sousa MA, Berenguer J, Rallón N, Guzmán-Fulgencio M, López JC, Soriano V, Fernández-Rodríguez A, Cosín J, Restrepo C, García-Álvarez M, Miralles P, Benito JM, Resino S;

Source: Journal of Viral Hepatitis 20 (5), 358-66 (May 2013)

HCV/HIV共感染者のPEG IFN+リバビリンによるHCV治療の反応性の悪さに関連するkeyとなる要素がわかることは重要である。

今回、291例についてHCV治療における早期のウイルス学的反応(EVR)についてレトロスペクティブに検討した。IL-28BとIL-28RAの多型性をGoldenGate(®) アッセイを用いた。

好ましくない遺伝子型としてはIL-28Bのrs12980275 AG/GG と rs8099917 GT/GGおよびIL-28RAのrs10903035 Gが初期の治療失敗に相関していた。

しかし、 最終的には全体でrs12980275 AG/GG genotype とrs10903035 G のみが治療失敗と相関していた。 (前者でOR = 4.15 (95% CI = 1.64-10.54) 後者でOR = 2.00 (95% CI = 1.19-3.36) で、GT1と4を比較するとそれぞれ(OR = 5.07 (95% CI = 1.81-14.22) と OR = 2.03 (95% CI = 1.13-3.66) であった。

続いて、決定木(decision tree)はrs12980275 AG/GG と rs10903035 AG/GG の症例とGT1/4の遺伝子型でもHCV-RNA≥ 500.000 IU/mLの際に治療失敗が37.1%から65.5%に増悪することを示している。

対照的に失敗が37.1%から11.9%へ減少するのは遺伝子型としてrs12980275 AA と rs10903035 AA が示された時であり患者全体のなかで78.4%をしめ、AUROCは0.802 ± 0.028であった。

GT3患者についてみるとGCGCA ハプロタイプ(すべて好ましくない遺伝子配列)は早期の治療失敗と関連していたがIL28B の多型とは関連なかった。

結論としてIL-28RAの遺伝子多型は早期の治療失敗と相関しているが、IL28BのSNPとは独立していた。

IL-28BとIL-28RAの遺伝子多型を組み合わせて検討することでHCVの治療開始前に早期治療失敗を予測する有効な手段となるだろう。

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「コビシスタット:HIV感染症治療における新規のブースター」

原題:A New Boost for the Treatment of Human Immunodeficiency Virus Infection;

著者:Shah BM, Schafer JJ, Priano J, Squires KE;

出典:Pharmacotherapy (Mar 2013)

HIV感染症の治療にあたり、薬物動態学的増強因子(ブースター)としてリトナビルが一般的に使用されるが、服用する錠剤が増える他に、副作用や薬物相互作用などが問題となる。

コビシスタットは、チトクロームP450 3A(CYP3A)の働きを選択的に阻害する新しいブースターであり、エルビテグラビル、第二世代のインテグラーゼ阻害薬とプロテアーゼ阻害薬のためのブースターとして研究されてきた。

臨床試験の結果、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビンとテノホビルの配合錠として、未治療患者の治療薬として承認された(訳注:わが国でも2013年3月25日、日本国内製造販売承認を取得した。商品名:スタリビルド配合錠)。さらに、プロテアーゼ阻害薬をコビシスタットによりブーストした際の有効性と安全性に関する研究が進行中である。

コビシスタットは耐用性に優れ、他の薬剤との併用により、より簡潔な投与計画が可能となるなど、抗レトロウイルスにおける有用なブースターとなる可能性がある。

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Stability of hepatitis C virus (HCV) RNA levels among interferon-naïve HIV/HCV-coinfected individuals treated with combination antiretroviral therapy;

Grint D, Peters L, Reekie J, Soriano V, Kirk O, Knysz B, Suetnov O, Lazzarin A, Ledergerber B, Rockstroh J, Mocroft A, EuroSIDA in EuroCoord;

Source: HIV Medicine (Mar 2013)

OBJECTIVES:

C型肝炎ウイルスの感染症は慢性肝疾患の大きな要因の一つである。HCV RNA高値は治療の反応性が悪いことと相関している。今回の研究報告は慢性のHCV/HIV共感染患者のHCV RNAレベルの自然経過を検討したものである。

METHODS:

HIV/HCV共感染患者においてHCV RNAの自然経過を観察するためにMixed modelsを使用した。

RESULTS:

1541例を登録した。白人91%、男性73%、南ヨーロッパ出身者35%、中央から西ヨーロッパ出身者23%でHCV genotype 1 が58%であった。経過観察の中央値は5年で[四分位範囲(IQR) 2.8 to 8.3 years]あった。 cARTを施行していない患者は、HCV RNA レベルは平均で年27.6%上昇していた。 [95% confidence interval (CI) 6.1-53.5%; P = 0.0098].  cART施行中の患者はHCV RNA レベルが安定し平均で年 2.6% の上昇であった。 (95% CI -1.1 to 6.5%; P =0.17). ベースラインのHCV RNA レベルはHCV genotype 1感染者がHCV genotypes 2,3, 4の感染者より25.5% 高かった。(95% CI 8.8 to 39.1%; P = 0.0044)   HIV-1 RNA copies/mL が1ログ(log)上昇するのは%で表すと10.9% の上昇で表せる。(95% CI 2.3 to 20.2%; P = 0.012)

CONCLUSIONS:

HCV RNA レベルはcART導入していない患者では有意に上昇し、cART導入患者ではHCV RNAレベルはずっと安定していることが示された。

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ネビラピンの新しい剤型の検討;1日2回から1回投与へ

原題:Considerations on the New Nevirapine: Switching Patients from Twice-Daily to Once-Daily

著者:Ward D, Slim J

出典: Journal of the International Association of Physicians in AIDS Care (Feb 2013)

ネビラピン(NVP)は、最初に承認された非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)で、HIV未治療患者の治療や、他のNNRTIあるいはプロテアーゼ阻害剤からの変更にあたり選択される。NNRTIは耐性変異の遺伝的バリアが低いため、1日1回投与が可能な製剤による服薬アドヒアランスの改善は、とりわけNNRTIをベースとするレジメンでは、ウイルス量のコントロールを維持する上で重要である。

NVPの新しい徐放性剤(NVP XR)は、未治療患者を対象としたVERxVE試験、治療経験例を対象としたTRANxITIONなどの無作為試験の結果、臨床における非劣勢が証明された。これらの試験で、従来のNVP製剤で状態が安定していた症例では、徐放性剤への変更は安全に行われた。

NVP XRは、アドヒアランスの改善を通し、ウイルス耐性変異の出現、ウイルス学的治療失敗、さらに耐性ウイルスの拡散、等のリスク低減に有用な選択肢と考えられる。

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Isolating Cognitive and Neurologic HIV Effects in Substance-Dependent, Confounded Cohorts: A Pilot Study;

Byrd DA, Robinson-Papp J, Mindt MR, Mintz L, Elliott K, Lighty Q, Morgello S;

Source: Journal of the International Neuropsychological Society 1-11 (Feb 2013)

薬物使用者における認知機能に与えるHIV感染症の影響について診断が可能かどうか報告者により方法論がことなることからさまざまな矛盾も指摘されるなど議論がある。

今回の報告では小規模であるが十分に検討された研究によりHIV感染が神経認知機能に与える影響について慢性的な薬物使用者において検討した。

30例のHIV非感染の薬物使用者は30例のHIV感染状態の薬物使用者と背景を一致させるようにreadingレベルやmethadonの治療歴も考慮して抽出された。

結果はreadingレベルやmethadonの維持療法、尿中薬物陽性の有無が神経認知機能に影響していた。さらにHIV感染の有無はこれらの要素を考慮した上で有意に学習や処理速度に関する異常の予測因子として作用していることが明らかにされた。

HIV陽性群は免疫機能とは無関係に認知機能の低下に関連して有意に神経学的な運動障害を示すことも明らか(p<.05)となった。

今回の結果は検討しているグループの臨床的あるいは人口統計学的状況など、さらなる注意を要することを示している。

また、方法論をしっかりと適正に検討すれば過去並びに現在の薬物使用者のHIV感染における認知機能におよぼす悪影響について小規模の研究デザインでも結果が得られることが示された。

(JINS, 2013, 19, 1-11)

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米国におけるMSMの性行動について;2002年と2006-10年での傾向

原題:Temporal Trends in Sexual Behavior among Men Who Have Sex with Men in the United States, 2002 to 2006-10;

著者:Leichliter JS, Haderxhanaj LT, Chesson HW, Aral SO;

出典:Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes (Mar 2013)

米国で、MSM間の性行動における傾向については、不明な点が多い。性的にアクティブなMSMの性行動を比較するために、2002と2006-10のNational Survey of Family Growthのデータを用いて調査した。

特に若いMSMの間で、最近の男性パートナーの平均の数は、2002年の2.9から2006-10の2.1(p=.027)にかなり減少した。他の性的な危険行動は変わらなかったか、経時的に減少した。我々の調査結果では性行動のリスクが減少している一方で、HIVと梅毒がMSMの間で増加していることから、個人レベルでの調査を含め、他の要因をも調査する必要がある。

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Advances in the diagnosis and treatment of tuberculous meningitis;

Thwaites GE;

Source: Current Opinion in Neurology (Mar 2013)

PURPOSE OF REVIEW:結核性髄膜炎の早期診断と治療は生命予後を改善させるが近年の診断用検査では感度が低くさらに治療薬選択も完全ではない。今回の総説では過去2年にわたる結核性髄膜炎の診断と治療の進歩について記述した。

RECENT FINDINGS: Ziehl-Neelsen 染色の変法、IGRA、結核抗原の確認検査はすべて新たな結核性髄膜炎の発症を示す検査である。 HIV関連の結核性髄膜炎はとくに予後に影響を与えますが、最適な抗レトロウイルス療法開始のタイミングや免疫再構築症候群についての予測因子が明らかになってきています。

異なるキノロン同士でPK-PD理論にしたがって結核性髄膜炎の治療成績が比較された。この中でRFPの高用量静注が予後を改善することが示唆された。

また限定的ではあるが、補助的にステロイドを使用する場合にアスピリンがその作用を増強する可能性がしめされ、eicosanoid合成に関与する遺伝子多型をしらべることでこの増強作用の有無を調べることができる可能性がある。

SUMMARY: 結核性髄膜炎の予後を改善させるためにはまだまだ多くの問題が残されているが、治療分野において重要な発見があった。近い将来ガイドラインが変更されるかもしれないが、よりよい診断法の確立がに早急に必要である。

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ロピナビル/リトナビルのリキッド製剤とエトラビリンの恒常的な薬物動態~HIV非感染ボランティアを対象とした単独、併用について

原題:Steady-State Pharmacokinetics of Etravirine and Lopinavir/Ritonavir Melt Extrusion Formulation, Alone and in Combination, in Healthy HIV-Negative Volunteers;

著者:Schöller-Gyüre M, Kakuda TN, Witek J, Akuma SH, Smedt GD, Spittaels K, Vyncke V, Hoetelmans RM;

出典:Journal of Clinical Pharmacology 53 (2), 202-10 (Feb 2013)

背景:

非核酸系逆転写酵素阻害薬であるエトラビリン(商品名インテレンス)とロピナビル/リトナビル(商品名カレトラ)のソフトゲル剤の同時服用は、臨床上問題にならない程度の両薬剤の暴露量の変化をもたらすことが、これまで報告されている。今回の研究では、カレトラのリキッド剤とインテレンスとの相互作用について調査した。

方法:

16名の非HIV感染者を無作為にレジメンA→BあるいはB→Aの順番に割り付け、薬物動態と安全性、認容性を調査した(レジメンA:インテレンス 200mg 2回/日x8日、レジメンB:カレトラ 400/100mg 2回/日x16日、第9-16日にはインテレンスを併用)。

結果:

インテレンスの暴露量は35%の低下を認めた。一方、カレトラの暴露量は低下していたが、より少ない範囲(<13%)にとどまっていた。6例で頭痛の訴えがあり、1例でグレード3の中性脂肪増加が認められた。

結論:

カレトラはインテレンス代謝を、他のプロテアーゼ阻害剤と同等に誘導した。両者を短期間併用した場合の認容性は高く、有害事象の発生率に増加はみられなかった。

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High incidence of treatment-induced and vaccine-escape hepatitis B virus mutants among HIV-hepatitis B infected patients;

Lacombe K, Boyd A, Lavocat F, Pichoud C, Gozlan J, Miailhes P, Lascoux-Combe C, Vernet G, Girard PM, Zoulim F;

Source: Hepatology (Mar 2013)

抗HBV活性をもつ核酸アナログはpolおよびS遺伝子に対して治療抵抗性ならびにワクチンエスケープ変異を誘導する選択圧をかけている。これらの変異の発現率はHIVとHBVに対して効果のある治療をおこなっている患者においては全く不明である。

171例のHIV,HBV共感染者で3年間12ヶ月に一回HBV DNAをチェックし、HBV DNAが陽性であった検体についてHBVの遺伝子配列をDNAチップで検討した。

ロジスティックおよびコックス比例ハザードモデルによってそれぞれベースラインと比較検討したが、特にS-遺伝子についてリスク因子の検討をした。

HBV-DNA レベルが>190 IU/mLの症例についてはおおよそベースライン測定時で91.8%であったが36ヶ月の時点では全症例の40.3%に低下し(p<0.001)た。

その間, lamivudine (LAM) あるいはemtricitabine (FTC)使用は71.9%であまり変化がなく、tenofovir (TDF)使用がMonth-0=17.5%からMonth-36=66.7%と増加していた。(p<0.001).

最も大きな変異の増加はL-nucleoside関連pol遺伝子と抗ウイルス関連S遺伝子の変異で経過観察終了時に17.5%であった。alkyl phosphonate関連pol遺伝子変異は7.4%、免疫関連S遺伝子変異は6.4%と続いた。D-Cyclopentane関連pol遺伝子変異は2.4%であった。

このL-nucleoside関連pol遺伝子と抗ウイルス関連S遺伝子変異は有意にLAM療法と関連(adjusted-HR=4.61, 95%CI=1.36-15.56)していた。しかしTDF使用の場合は逆相関 (adjusted-HR/month=0.94, 95%CI=0.89-0.98)していた。さらにTDFの使用期間は有意に免疫関連S-遺伝子変異の減少と相関 (HR/month=0.88, 95%CI=0.79-0.98) していた。

変異が存在する症例でも劇症肝炎や肝不全、肝臓がんといった重大な肝臓関連の有害事象はみられなかった。

Conclusion: 核酸アナログ暴露によるワクチン耐性変異は頻回にみられ経過とともに確実に増加していた。強力な抗ウイルス効果をもつTDFは変異の発生を抑えるが他の薬剤を使用した場合は限定的であることが今回の検討で示された。

公衆衛生学的に耐性ウイルスの伝搬について示すことが必要である。 (HEPATOLOGY 2013.)

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非応答HIV感染青年におけるB型肝炎予防接種の二倍量再投与

Double-Dose Hepatitis B Revaccination in Nonresponsive HIV-Infected Adolescents;

Bunupuradah T, Ananworanich J, Puthanakit T;

Source: Journal of the International Association of Physicians in AIDS Care (Feb 2013)

非応答性のHIV感染患者におけるB型肝炎ウイルスワクチン(HBVV)の最適な量のレジメンに関するコンセンサスはない。

HBVVの二倍容量(DDHBVV)は非応答性のHIV感染成人においてHBVVへの免疫原生を増強しうる。

標準量のHBVV再接種での応答に失敗したHIV感染青年においてDDHBVVの抗原性について評価した。

CD4数200以上でHBVV再接種後にB型肝炎表面抗体の防御抗体(抗HBs抗体)のないHIV感染青年に0.1.2月にDDHBVVを行った。

HBVV量は18歳未満の青年では20μg、18歳以上の青年では40μgである。Anti-HBs価をDDHBVV投与後1.2.3カ月で測定した。

抗HBs抗体10mIU/ml以上で防御できると考えられている。

7人の青年が登録され、平均の年齢は15.4歳、CD4数は775 /mm3であり、HIV-RNAコピー数は全員50コピー未満であった。

抗HBs抗体がついた青年の割合は1.2カ月で86%、3か月で100%であった。

抗HBs抗体の幾何平均はベースライン時1.1、DDHBVV初回投与後1カ月で101.6、2か月で137.1、3か月で355.9であった。

Grade3.4の有害事象は報告されなかった。DDHBVVは標準量HBVV再投与で非応答であるHIV感染青年におけるオプションの一つです。

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