15/03/06 up

Trends in Darunavir Resistance-Associated Mutations and Phenotypic Resistance in Commercially Tested United States Clinical Samples between 2006 and 2012*;

Lathouwers E, Gupta S, Haddad M, Paquet A, De Meyer S, Baugh B;

AIDS Research and Human Retroviruses (Feb 2015)

アメリカの臨床医はDRVを含めPIにおける薬剤耐性についてはウイルスサブタイプをルーチンでフェノタイプ(表現型)と遺伝子型の2種で検討している。

Monogram Biosciences データベースの中の2006年1月から2012年6月までの78,843例のデータを検討するとIAS-USAが規定するDRV関連耐性変異がゼロである検体の割合が2006年の77.7%から2012年上半期には92.8%まで増加していることが明かとなった。さらに3カ所以上のDRV関連耐性変異の含まれる割合は2006年の7.5%から2.6%と減少した。

その他のPIに対する耐性をもつ検体(15,932例分)についてはDRV関連耐性変異がゼロである検体は39.9%から55%へ増えていたが、3カ所以上の変位が含まれる検体の割合は21.7%から19.2%と統計的な有意差なく変化無しであった。

この期間において2011年のIAS-USAリストによる11個それぞれのDRV関連耐性変異は減少傾向であった。

一方でPI耐性のはいっている検体での同様のDRV関連耐性変異は減少かあるいはほぼ同数であった。フェノタイプによる耐性の出現率はこれも減少(8.2%→2,3%)し、さらに他のPIに耐性をもつ検体でも同様であった。(23.9%→17.1%)

2006年にDRVが認可されて以来、有意に遺伝子型、表現型共に耐性変異の出現率が減少している。さらにDRVの表現形での耐性変異出現率は他のPIの中でも最低レベルである。

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HIV初期感染に対する5剤による強化ARTレジメンと3剤による標準治療の比較:無作為オープンラベル第Ⅲ相試験

Intensive five-drug antiretroviral therapy regimen versus standard triple-drug therapy during primary HIV-1 infection (OPTIPRIM-ANRS 147): a randomised, open-label, phase 3 trial;

Lancet Infectious Diseases (Feb 2015)

BACKGROUND

HIV初感染における早期の多剤ART(cART)開始はHIVリザーバー成立を減少させるといわれている。今回ラルテグラビル+マラビロク+標準治療薬3剤による5剤強化cARTと標準cARTとを比較し、その効果をHIVDNA量で比較した。

METHODS

この第Ⅲ相試験では、フランスで行われた。HIV初期感染(HIV WB未検出、血漿HIV-RNA陽性)で、症状があるか、CD4細胞が500/μl以下の患者を登録し、あらかじめ患者を5剤治療群と標準治療群に均等に割り付けた。5剤治療群とはラルテグラビル400mg、マラビロク150mg/1日2回+標準治療(テノフォヴィルジソプロキシルフマル酸塩300g+エムトリシタビン200g+ダルナヴィル800g/リトナヴィル100g 1日1回)、標準治療群とはテノフォヴィル300g+エムトリシタビン200g+ダルナヴィル800g/リトナヴィル100g 1日1回で、最初のエンドポイントを24ヶ月、末梢血単核球(PBMC)10(6)個中のHIVDNAコピー数の平均値で比較し、治療企図解析を行った。

FINDINGS

2010年4月26日から2011年6月13日まで110名の患者を登録し、92名ランダム割り付けし45名ずつ両レジメン治療を行った。24ヶ月の時点で、5剤cARTグループで6名(13%)、標準ART群で2名(4%)がそれぞれの治療を継続できなかった。24ヶ月の時点で、HIV-DNAロードに差はなかった(2•35 [IQR 2•05-2•50] log10 per 10(6) PBMC in the intensive cART group vs 2•25 [1•71-2•55]in the standard cART group; p=0•21)。5剤cARTグループで、7名の患者からgrade3-4の有害事象が8事象報告され、標準治療グループでは7名の患者からgrade3-4の有害事象が7事象が告された。重篤な有害事象が3事象起こり、標準cARTでは治療関連と関連する2事象(膵炎とリポジストロフィー)が認められ、5剤cARTで治療とは無関連の有害事象(自殺企図)が確認された。

INTERPRETATION

24ヶ月の時点で、5剤による強化治療は、標準治療と比較してHIVリザーバーの減少には大きな効果を示さなかった。この結果はHIV初期感染において、今後のHIVリザーバーを減少させる治療のデザインに参考にするべきである。

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Use of Boosted Protease Inhibitors Reduces Kaposi sarcoma Incidence Among Male Veterans with HIV Infection;

Kowalkowski M, Kramer J, Richardson P, Suteria I, Chiao E;

Clinical Infectious Diseases (Jan 2015)Tags: AIDS and HIV Herpes

BACKGROUND

カポジ肉腫の罹患率はcARTの広がりにより低下してきている。しかしカポジ肉腫患者におけるcARTの効果と治療期間についてはまだ不明な部分が多く、免疫再構築によって発症するカポジ肉腫についてはさらに難しい。

METHODS

1985年から2010年までの退役軍人HIVクリニカルケースレジストリーデータから後ろ向きコホート研究をおこなった。異なるcARTレジメンとカポジ肉腫の関係についてcART開始時期によって調整した多変量解析を行った。カポジ肉腫は入院患者の場合はICD9コード(176.0-9)で≥1、外来患者の場合は≥2によって定義した。 (ICD9 コードで140–239は新生物の項目になっている。) cARTについては二項目(レジメンと治療期間)でカポジ発症のリスク因子を計測した。

RESULTS

期間内に25,529名の男性患者で341例のカポジ肉腫症例が登録され、発症率は 2.02/1,000 人年であった。cART開始から年単位で層別化するとブーストされたPI(BPIs)を使用したレジメンでカポジ肉腫の発症率が3年目で減少することがわかった。(IRR=0.79; 95%CI=0.69-0.90).

BPIsの総治療月もカポジ肉腫の発生率低下に相関していました。(p=0.02). カポジ肉腫発症率は6ヶ月未満の患者と比較して12-23ヶ月のBPIsで (IRR=0.47; 95%CI=0.23-0.95)で≥36ヶ月で (IRR=0.14; 95%CI=0.02-1.00)となった。他のcARTレジメンではカポジ肉腫の発症率の低下とは相関してなかった。

CONCLUSION

カポジ肉腫の発症率の低下は潜在的なIRISの発症やその他の因子を調整した後、長期間にわたるBPIsの使用下で導かれた。将来的にはさらに新たなcARTレジメンとの関係や長期のPIベースのcARTレジメンの効果について他のコホートや前向き試験にて検討することが必要であると考える。

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Efficacy of Second-Line Antiretroviral Therapy Among People Living With HIV/AIDS in Asia:Results From the TREAT Asia HIV Observational Database;

Boettiger D, Nguyen V, Durier N, Bui H, Heng Sim B, Azwa I, Law M, Ruxrungtham K;

Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes 68 (2), 186-95 (Feb 2015)

BACKGROUND

アジア地域においてARTを受けている患者125万人のおおよそ4%がセカンドラインのARTレジメンを内服している。 患者の利益および地域の資源を最大限に利用するためにセカンドラインレジメンへの変更タイミングを最適化し、最も効果を発揮する薬剤を選択するのは重要である。

METHODS

HIV陽性患者でTREAT Asia HIV observational データベースからセカンドラインレジメンを6ヶ月以上使用した患者を登録した。セカンドラインレジメンの使用、全体のセカンドラインレジメンの割合、そしてセカンドラインのレジメンの治療失敗に関与する因子について検討した。

RESULTS

302例が適格症例であった。76.5%が男性で異性間の性的接触での感染例が71.5%であった。セカンドライン治療薬の開始時の平均年齢は39.2歳でCD4細胞数は146/mlでHIV RNAは16224copy/mlであった。2007年より前にセカンドライン治療が開始された症例が105例で2007年から2010年の間に開始された症例が147例、2010年以降が50例であった。 2006年以降はRitonavirブーストのlopinavir とatazanavirがPIとして多く使用されていた。セカンドライン治療開始後の平均経過観察期間は2.3年であった。100患者/年あたりの治療失敗と死亡の確率は8.8(95% confidence interval: 7.1 to 10.9)と1.1(95% confidence interval: 0.6 to 1.9)であった。

高齢、ベースラインのHIV RNA値が高いこと、LPVやATV以外のPIが使用されていたことが短期間でのセカンドライン治療の失敗に関与していた。

CONCLUSIONS

ウイルス量のモニタリングを密におこなってファーストライン治療の失敗を早期に知ることでそれ以降の治療薬への切り替えをすすめることがセカンドライン治療を最大限にするために重要である。

セカンドラインレジメンは十分効果があるが、治療失敗の報告がある一定数おこなわれていることからサードラインのARTが少数の患者では必要であることを示している。

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B型肝炎からみたHIV

HIV Through the Looking Glass: Insights Derived From Hepatitis B;

Rivera M, Soza A, Jazwinski A, Mi L, Kleiner D, Zhao X, Zuber C, Brust D, Hsu E, Simpson J, Hoofnagle J, Heller T;

Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes 68 (2), 123-7 (Feb 2015)

BACKGROUND

B型肝炎ウイルス(HBV)とHIVの重複感染患者では、HBVの複製がより多く、肝疾患の進行に関与しているといわれているが、その機序は完全には解明されていない。今回HIV-HBV同時感染、またはHBV単感染の患者において肝生検を行い、HBV複製マーカーとしてhepatitis B core antigen (HBcAg)の発現と、臨床的、組織的なパラメーターとの関連を調べた

METHODS

244名のHBV感染患者と、34名のHIV-HBV同時感染患者とを比較した。肝生検は炎症と線維化スコア、HBc抗原、Hbs抗原で、1変量と多変量解析を行った。

RESULTS

HBs抗原ではなくHBc抗原がHBV単独感染よりHIV-HBV同時感染のほうでより強く染色された。ALT(GPT)、炎症と線維化スコア、HBe抗原については両者で差がなかった。HBc抗原染色は、HIV感染者においてHBVDNAとHBe抗原の修復過程と関連していた。CD4陽性細胞数、HIVRNAレベルはHBc抗原染色の濃淡とは関連がなかった。HBVDNAレベルはHIV同時感染でより高値で、HBc抗原染色と関連があった。

CONCLUSIONS

HIVがコントロールされているHIV-HBV同時感染患者において、HBc抗原がHBVのウイルス複製と関連があるとすると、HIV感染によるわずかな免疫能の欠陥が、HBV複製を助長し有害な肝障害を引き起こす可能性があると考えられる。

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The prevalence of sexually transmitted infections among migrant female patients in Italy;

Laganà A, Gavagni V, Musubao J, Pizzo A;

International Journal of Gynecology & Obstetrics 128 (2), 165-8 (Feb 2015)

OBJECTIVE

移民でイタリアに入国した女性のいくつかの性行為感染症の罹患率について評価した。

METHODS

2003年1月1日から2013年12月31日までのイタリアのメッシーナにある外来診療所の単一施設の前向き観察研究である。参加者は子宮頚部のスメア検査をうけ、細胞異型がみられた女性についてはHPVのPCRとハイブリダイゼーション法でチェックし、HBV、HCV、HIV、梅毒は妊婦について全例スクリーニングでおこなった。

RESULTS

全部で724例がエントリーされた。320例 (44.2%)は妊婦であった。年齢は平均で 33.1±9.8yearsであった。細胞異型は76例 (10.5%)でみられた。 46例が経過観察されそのうちの32 例が(69.6%) HPVが検出された。妊婦の内9例 (2.8%)でHBV感染がみられ、3例 (0.9%)でHCV感染がみられた。そして1例 (0.3%)がHIV感染が判明した。梅毒は見られなかった。

CONCLUSION

メッシーナにおける移民女性のSTIの有病率は非移民女性と同様であった。

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分娩後に診断されたHIV関連肺高血圧症

Human immunodeficiency virus-associated pulmonary arterial hypertension diagnosed postpartum;

Newman T, Cafardi J, Warshak C;

Obstetrics & Gynecology 125 (1), 193-5 (Jan 2015)

BACKGROUND.

HIVウイルスは明らかな肺高血圧症のリスクファクターといわれているが、さらに妊娠による生理的変化が加わるとき母体の死亡率増加のリスクにつながる。

CASE

37歳のHIV陽性女性が、早期破水後の絨毛羊膜炎と胎位異常のため妊娠27週で帝王切開術を行った。分娩後HIV関連肺高血圧症と診断され、シルデナフィル(肺高血圧治療薬;PDE5阻害) と、アンブリセンタン(肺高血圧症治療薬;エンドセリンETA受容体遮断薬)で治療され回復した。

CONCLUSION

HIV患者の肺高血圧症は、HIVに感染している妊婦に起こりうる重篤な合併症である。肺高血圧症の発症自体稀であり、また妊娠と共通の症状もあり、たびたび診断が混乱する(遅れる)。肺高血圧症の可能性を認識し、迅速な診断と適切な治療が臨床的結果の改善に必要である。

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HIVと呼吸器疾患における、気道の微生物組織分布の多様性について(特に真菌)

Topographical Diversity of the Respiratory Tract Mycobiome and Alteration in HIV and Lung Disease;

Cui L, Lucht L, Tipton L, Rogers M, Fitch A, Kessinger C, Camp D, Kingsley L, Leo N, Greenblatt R, Fong S, Stone S, Dermand J, Kleerup E, Huang L, Morris A, Ghedin E;

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (Jan 2015)

Rationale

マイクロビオームの研究は今まで主に細菌について行われてきたが、真菌についてはあまり解析されていない。真菌は生体内や体表面に常在しているが、宿主に深刻な影響を及ぼすこともある。真菌のマイクロビオームと、呼吸器疾患との関係について、現在あまりわかっていない。

Methods:

56名中HIV非感染者は24名、HIV感染者は32名、HIV感染者のうちCOPDに罹患していない患者は22名、HIV+COPD10名であった。56名に対し、口腔内洗浄液(OW)、誘発喀痰(IS)、肺胞洗浄液(BAL)を採取した。リボゾームDNAの18サブユニットとスペーサー領域(ITS)のシーケンスを行い、上記検体における常在真菌について分子系統解析を行った(ubiquity-ubiquity plots, random forest, logistic regression, metastats)。

Results:

OW、IS、BALのマイクロビオームで多くの真菌が共通していたが、それぞれのグループで、異なる特徴も認められた。OW、ISではカンジダが多くみられたが、BALでは39種類の真菌種が、OWより大量に不均合にみられた。BALで検出された真菌はHIV感染患者とCOPDがある場合とで異なっていて、ニューモシスチスイロベチーについては両グループで多く発現していた。他の真菌についてもHIVとCOPD患者では異なっていることが明らかになった。

Conclusions:

この研究では比較的大きいグループで気道のマイクロビオームが調査された。ニューモシスチスがHIV感染者とCOPD患者群の肺で過剰発現していて、真菌のコミュニティーの変化が呼吸器障害をもつ患者、もしくはHIVでみられることが明らかになった。

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Long-Term Efficacy and Safety of Tenofovir Disoproxil Fumarate in HIV-1 Infected Adolescents Failing Antiretroviral Therapy: The Final Results of Study GS-US-104-0321;

Negra M, De Carvalho A, De Aquino M, Pinto J, Da Silva M, Andreatta K, Graham B, Liu Y, Quirk E;

Pediatric Infectious Disease Journal (Jan 2015)

BACKGROUND:

12歳からの若年者に対するTDFの長期使用成績についての報告は限定的である。プラセボコントコロールによる二重盲検無作為化割り付け試験GS-US-104-0321(321スタディ)のオープンラベル形式に変更後に延長した長期経過観察の結果を報告する。

METHODS:

12歳から17歳までのHIV感染患者にTDF300mgないしプラセボで24から48週にわたって検討した研究で治療失敗した症例にたいしてオープンラベルでTDFと最適化したバックランドレジメンに変更してシングルアームで経過観察した。そしてHIV-1 RNA量とBMDを含む安全性を検討した。

RESULTS:

81症例がエントリーされTDFが平均96週使用された。死亡例はなく、忍容性と安全性についてみても中断を要するような症例はなかった。

144週目、HIV-RNAが50コピー以下になった症例はそれぞれ30.4%(TDFに割り付けられHIV-1 RNAのベースライン1000コピー以上であった23例中7例。)、41.7%(HIV-1 RNAが1000以下でプラセボからTDFにスイッチされた12例中5例。)そして0%(プラセボ群として割り付けられHIV RNAが1000コピーのためTDFに変更された2例では0)であった。TDF耐性ウイルスについては1例でみられただけであった。144週目でeGFRの平均低下は38.1 mL/min/1.73 m2 (n=25)であった。

脊柱のBMDは+12.7%の増加(n=26)でトータルボディBMDは+4.32%の増加(n=26)、身長と年齢で調整したZ-スコアは+0.457が脊椎で+0.152がトータルボディであった。

81例中5例で4%以上のBMDの低下があった。

CONCLUSIONS:

最適なアドヒアランスということではなかったが、ウイルス学的失敗や耐性誘導はまれであった、TDFは忍容性もよく青年期の治療薬として考慮してよい。

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A novel ritonavir paediatric powder formulation is bioequivalent to ritonavir oral solution with a similar food effect;

Salem A, Chiu Y, Valdes J, Nilius A, Klein C;

Antiviral Therapy (Jan 2015)

BACKGROUND

小児用の液状製剤のRTVからアルコールとプロピレングリコールを除去した新たなRTVの粉末状製剤が開発された。二つの臨床試験が粉末状製剤と液剤での食事の影響と手段での生物学的利用効率の同等性を比較する目的で検討された。

METHODS

Study 1 は無作為化し部分的にクロスオーバーして4期にわたって48症例で検討された。液体製剤を中等度の脂肪を含む食事(moderate-fat conditions)と一緒に服用する群と、粉末製剤を水だけで(powder formulation in water)服用する群、中等度ないし高度の脂肪を含む食事と粉末をチョコレートミルクと一緒に服用する群あるいはプディングと一緒にして中等度の脂肪食で服用する群にわけた。

Study 2は無作為化しクロスオーバーしてやはり4期にわけて24症例で検討した。

液体製剤群と粉末製剤を水で服用する群、幼児も飲めるようにしたもの??(infant formula)とアップルソースで服用する群にわけた。そしてすべての患者は中等度の脂肪食を摂取した。 幾何学的最小自乗法で)90%CIで評価した。

RESULTS

RTVの粉末製剤を水で内服する群は液体製剤と同等の生物学的利用率であった。チョコレートミルク、アップルソース、プディング、infant fomulaで水と同等であった。食事との関係では中等度の脂肪で25-40%、高脂肪食では35-50% RTVの血中濃度が低下した。

CONCLUSIONS

新しい粉末タイプのRTVは現在市販の液体製剤と互いに同じ食事条件では中等度の脂肪食摂取時で同等の生物学的利用率であった。さまざまな内服条件でも生物学的利用率においてマイナスの影響はでなかったのでさまざまな内服法で利用できる可能性がある。

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Skeletal health in adults with HIV infection;

Bolland M, Grey A, Reid I;

Lancet Diabetes & Endocrinology 3 (1), 63-74 (Jan 2015)

HIV感染症、その治療あるいはその両者に関連する骨への影響に関する懸念が高まってきた。

横断研究によればHIV感染者では非感染者に比較して骨密度は3-5%低いが、HIV感染者は平均して非感染者より5kg体重が軽い。この体重差が骨密度の差に表れるとすれば少なすぎて臨床的には有意な差は見られない。

長期的な観察によれば治療導入後のBMDの2-4%の低下は導入初期1から2年の間にみられるがその後、BMDは長期的には増加して安定する。

TDFがはいっているかいないかでBMDの低下が大きく影響される。HIV感染者はコントロール群より少し骨折のリスクが高いが、そのリスクはこれまで知られている骨折のリスク因子を調整することで低下する。

これらの結果からHIV感染者における骨の健康のためには一般向けガイドラインにそって対応することが必要であると考える。

一般的に効果的な抗レトロウイルス薬治療と低栄養をさけることはHIV感染症患者の骨への影響をマネージメントする最も重要な二つの要素である。

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HIV感染女性の早期閉経の指標(予測因子)についての前向きコホート研究

Predictors of early menopause in HIV-infected women: a prospective cohort study;

Calvet G, Grinsztejn B, Quintana M, Derrico M, Jalil E, Cytryn A, Cvandrade A, Moreira R, Alves M, Veloso V, Friedman R;

American Journal of Obstetrics and Gynecology (Dec 2014)

OBJECTIVE

この研究はブラジル、リオ・デ・ジャネイロにおけるHIV感染女性の自然閉経の年齢と、その指標についてのコホート研究である。

STUDY DESIGN

30歳以上のHIV感染女性患者を対象とした。閉経の定義を最終月経から1年以上経過しているとし、また早期閉経の定義を45歳以下での閉経として、 コックス比例ハザードモデル(生存にかかわる多変数の効果を調べる回帰モデル)にて解析を行った。

RESULTS

計667名の女性がエントリーされ、ベースラインの平均年齢は34.9歳(interquartile range(IQR): 30.9-40.5歳)であった。507名(76%)が閉経前であり、667名中160名(24%)が観察期間内に閉経した。閉経した160名のうち、36名(24%)が早期閉経であった。自然閉経の平均年齢は48歳(IQR:45-50歳)。11歳未満の初経(hazard ratio (HR): 2.03; 95% confidence interval信頼区間(CI): 1.23-3.37)、観察期間内の喫煙(HR: 1.59; 95% CI: 1.08-2.33)、慢性HCV感染(HR: 2.53; 95% CI: 1.27-5.07)、CD4 細胞数<50 cells/mm(3) (HR: 3.07; 95% CI: 1.07-8.80)がより早い年齢(45歳よりももっと早い年齢?)での閉経と関連があった。また上記の早期閉経(45歳以下)への関与はさらに大きいものであった(11歳未満の初経/HR: 2.7; 95% CI: 1.23-5.94)、喫煙/HR: 3.00; 95% CI: 1.39-6.45、慢性HCV感染症/HR: 6.26; 95% CI: 2.12-18.52、 CD4陽性細胞数<50 cells/mm(3)/HR: 6.64; 95% CI: 1.91-23.20)。

CONCLUSIONS

早期閉経はHIV感染女性でしばしばみられる。初経年齢、喫煙は一般女性でも早期閉経のリスクと考えられているが、HIV感染女性ではそれらに加えHIV関連の免疫不全(CD4陽性細胞数)、慢性のHCV感染も早期閉経の指標と考えられる。早期閉経は罹病率や死亡率の増加にもつながり、HIV感染女性においても十分なマネージメントが重要である。

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Acceptability of early anti-retroviral therapy among HIV-infected people in Anhui province in China;

Zhang Q, Tang Z, Sun H, Cheng P, Qin Q, Fan Y, Huang F;

AIDS Care 1-6 (Nov 2014)

中国安徽省におけるHIV感染者で、早期ART治療に対する患者の認容性(acceptability)について調査を行った。

2012年9月~2013年12月までの期間、安徽省の11都市で横断研究を行った。各疾病管理予防センターに、CD4細胞カウントテストやHIVカウンセリングを受けに来ている患者を対象にアンケート調査(面談インタビュー形式)を行い、多重ロジスティック解析で、早期ARTに対する認容性への影響する事象を調査した。計287名のHIV患者がサーベイに参加、早期ARTの認容性は65.2%で、早期ARTの認容性(の低下)と関連が認められたのが以下の事項であった。CD4陽性T細胞数が350 cells/ µL から 550 cells/ µL(above 750 cells/ µL vs. 350 cells/ µL to 550 cells/ µL: OR = 0.144, P<0.001)、HIVと診断がついてからの年数が1年未満(1 year to 5 years vs.<1 year: OR = 0.418, P = 0.005; above 5 years vs.<1 year: OR = 0.160, P<0.001)、HIV感染確定後の性行為があること (yes vs. no: OR = 2.342, P = 0.005)であった。

結果として、今回のスタディで多くのHIV患者が早期ARTを認容していが、安徽省でのHIV感染者率は高く、早期ARTに対する意識、より高い認容性、HIV予防のための早期ARTのアドヒアランスを保つことが重要である。

中国でのHIV事情:中国では約46万人のHIV感染者がおり、65%が異性間感染である。そこで感染拡大防止のためにもARTを広めることが必要(中国では薬がfree charge)。

中国のガイドラインだと、CD4陽性細胞が<350cells/μLで治療開始、ここで意味する早期ARTはCD4≧350で治療を導入するということだそうです。(WHOはCD4陽性細胞が350から500での治療開始を推奨。)

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Serum free light chains in patients with HIV infection: their association with markers of disease severity and antiretroviral use;

Zemlin A, Ipp H, Rensburg M, Germishuys J, Esser M, Olivier M, Erasmus R;

Journal of Clinical Pathology (Dec 2014)

AIM:血清中の遊離L鎖 の計測は単クローン性γ-グロブリン血症の経過観察に用いられており、異常なグロブリンの比率はある種の疾患のリスクと関連している。B細胞の機能異常はHIVによってもたらされたり、HIV患者のB細胞性リンパ腫発症リスクであると知られている。

今回はHIV感染が遊離L鎖の値と関連するかどうかおよびそれがARTによってどのように変化するか検討した。

METHODS:

κおよびλ鎖レベルならびにその比率を366名のHIV陽性者で測定しCD4数、ウイルス量、IgG値、アルブミン量そしてARTの有無で検討した。

RESULTS:

66%が女性そのうち66%がアフリカ系黒人で、26%はethnic系の混血、8%は白人あるいは不明、その他の人種であった。89%はART施行されていた。κ鎖の値は5.59から357.0 mg/L の範囲で平均値は19.6 mg/Lであった。λ鎖の値は9.28から286 mg/L で平均が22.3 mg/Lであった。両者はいずれもVLとIgG値に正の相関があり、CD4数とアルブミン値は負の相関が見られた。比率についてはIgGとの相関がみられただけであった。ART施行中の患者は有意にL鎖の値が低かったが比率についてはARTの有無では差がなかった。

CONCLUSIONS:

今回の検討では血清中のL鎖は HIV感染症の疾患の重症度に相関することが示された。それはART未施行での進行するB細胞の機能異常を示していると考えられる。L鎖の比率について特に有意な差は見られなかった。

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Alcohol use disorders and associated factors among people living with HIV who are attending services in south west Ethiopia;

Soboka M, Tesfaye M, Feyissa G, Hanlon C;

BMC Research Notes 7 (1), 828 (Nov 2014)

Background

高所得国(先進国)におけるアルコール使用障害のあるHIV感染者は、抗HIV薬治療に対するアドヒアランスが悪く、HIV関連事象(抗HIV薬への毒性の問題や肝障害、HIV感染のリスクのある行為)の悪化と関連があるといわれているが、サブサハラ地域(サハラ砂漠より南の地域)のHIV関連サービスを受けている人々でのアルコール使用障害の実態についてはあまり知られていない。

Methods:

ジンマ大学病院において、HIVサービスを受けているPLHIVの患者に対し横断研究を行った。

AUDIT(The World Health Organization's Alcohol Use Disorders Identification Tool)というのは飲酒習慣スクリーニングテストで、飲酒の重症度(有害、危険、アルコール依存)を評価するテストで、飲酒の重症度や、AUDと他の要素との関連をロジスティック回帰分析で調査した。

Results

HIVケアを受けている人々のうち、AUDの全体の有病率は32.6%、うち危険飲酒32.6%、有害飲酒2.8%、依存飲酒5.1%であった。抗HIV治療を受けている群と、未治療群AUD罹患率は有意差が認められなかった(32.6% vs 38.6%)。AUDは女性で26.0%、男性で44.1%に認められた。男性であること、喫煙歴、精神的なストレスはAUDと関連が認められた。

Conclusion

今回のエチオピアでの一施設サーベイで、AUD罹患率が高い場合、HIVケアにおいてAUDに対し積極的な介入が必要であるということを示している。

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Adherence to Hepatitis A virus vaccination in HIV-infected men who have sex with men;

Kourkounti S, Paparizos V, Leuow K, Paparizou E, Antoniou C;

International Journal of STD & AIDS (Nov 2014)

HIV感染患者においてはA型肝炎のワクチンは重要であるが、接種率はとても低いのが現状である。2007年から2012年にかけてギリシャのアテネにおいて912例のHIV感染者に対してA型肝炎ワクチンの接種について検討した。

2回のA型肝炎ワクチンが推奨される適格症例569例についてワクチン接種日を記したリマインダーカードを配布した。適格患者569名中354名、62.2%が2回のワクチンを接種した。

ワクチンをスケジュールどおりに接種した患者は接種できなかった患者にくらべて、ギリシャ人の割合いが高く、より高齢でHIV RNAが検出限界以下の人が多く、CD4数の最低値は低いが、現在のCD4陽性細胞数は高かった。

多変量解析では国籍(country of origin)(p = 0.024; OR = 2.712; 95% CI, 1.139-6.457)、CD4数(p < 0.001)、最低CD4数(p < 0.001)がワクチン接種の完遂率に直接相関していた。

今回の検討ではHAVワクチンの接種完遂率は以前報告されているものより高かった。

ワクチン接種完遂率は多くのHIV感染症のパラメータと相関していてHIV診療やワクチンに対する診察医の興味がワクチン接種完遂率向上に大切であることが示された。

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FcγRIIa and FcγRIIIa Genetic Polymorphisms Do Not Predict HIV-1 Disease Progression in Kenyan Women;

Weis J, McClelland S, Jaoko W, Mandaliya K, Overbaugh J, Graham S;

AIDS Research and Human Retroviruses (Oct 2014)

FcγレセプターIIaとIIIaの遺伝子多型がHIV-1の疾患進行に影響を与えるが、それぞれの報告は一定していない。我々はこの遺伝子多型と疾患の進行についての関係を明らかにすることを目的としてケニヤのモンバサのHIV-1感染者のコホートを検討した。

検討内容はFcγレセプターIIaとIIIaのいずれの遺伝子多型もみられない場合のセットポイントのウイルス量、ウイルス量の増加、CD4数の減少、病気の進行(CD4数が200以下になるまでの期間、死亡、治療開始)である。

検討の結果、Fcγレセプターの遺伝子多型はウイルス量のコントロールや疾患の進行には今回の集団では関係がなさそうであった。

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High Cellular Iron Levels Are Associated with Increased HIV Infection and Replication;

Chang H, Bayeva M, Taiwo B, Palella F, Hope T, Ardehali H;

AIDS Research and Human Retroviruses (Oct 2014)

Abstract

HIVは流行性の疾患であり多くの細胞および全身性の因子がその感染性や複製を変化させていることが知られている。

以前の研究ではHIV感染者には貧血がよくみられるとされていた。しかし、血清鉄の上昇もまたAIDS患者においてART導入前にはよくみられる。このような鉄とウイルス感染の関係はよくわかっていない。

この問題について我々はCD4陽性細胞の中の鉄のレベルについて検討し細胞内の鉄濃度の高さがHIVの感染性と複製に関連していることがわかった。

加えてHIVの感染だけで細胞内の鉄レベルが上昇することと、いくつかの抗HIV薬によってHIVの感染とは無関係に細胞内鉄濃度が上がることがわかった。

最後にHIV感染はARTに関わらず血清鉄の上昇に関連していることをしめした。

この結果から鉄とHIV感染の関係によって鉄のホメオスターシスはHIVの治療ターゲットになり得ることを示唆する。

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Occult hepatitis B virus infection among Mexican human immunodeficiency virus-1-infected patients;

Alvarez-Muñoz M, Maldonado-Rodriguez A, Rojas-Montes O, Torres-Ibarra R, Gutierrez-Escolano F, Vazquez-Rosales G, Gomez A, Muñoz O, Torres J, Lira R;

World Journal of Gastroenterology 20 (37), 13530-7 (Oct 2014)

AIM メキシコにおけるHIV陽性患者におけるHBs抗原陰性の潜在性HBV感染症(OHBI)の頻度を明らかにすること。

METHODS

HIV陽性のOHBI49例を調査した。B型肝炎ウイルスDNAはC遺伝子をnested PCR法でS遺伝子およびX遺伝子領域についてリアルタイムPCR法で検出した。

顕在性とOHBIとの相関についてはPearson's χ (2) および Fisher's 検定によって検討した。

RESULTS

今回検討した49例のHIV感染合併HBs抗原陰性のグループにおいて49%がOHBIであった。OHBIは有意にHIV-1 RNA量に相関し [odds ratio (OR) = 8.75; P = 0.001; 95%CI: 2.26-33.79] かつ抗HIV療法にHBVに対する感受性のある薬剤(lamivudine, tenofovir or emtricitabine)を使用していることにも相関していた。(OR = 0.25; P = 0.05; 95%CI: 0.08-1.05).

CONCLUSION 49例の検討からメキシコにおけるOHBIの頻度は高かった。HIV RNAが検出されるほどOHBIの頻度高く、抗HBV活性のある薬剤を含むART施行患者では頻度が低い。

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Dyslipidemia and Cardiovascular Risk in Human Immunodeficiency Virus Infection;

Kelesidis T, Currier J;

Endocrinology and Metabolism Clinics of North America 43 (3), 665-684 (Sep 2014)

HIV患者にみられるアテローム性動脈硬化症の病態はよくわかっておらずまた、多因子が関与していると考えられる。アテローム生成の前兆や血中の脂質は心血管疾患のリスクになる。両者は質的、量的な評価ができる。

脂質異常症がアテローム硬化症の進行に重要で、HIV患者での脂質異常症が増加することや、脂質異常の進行の原因について全身性の免疫活性化といった点から心血管疾患のリスクに結びつく脂質異常症についてレビューします。

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Human Immunodeficiency Virus and Coinfection with Hepatitis B and C;

Petty L, Steinbeck J, Pursell K, Jensen D;

Infectious Disease Clinics of North America 28 (3), 477-499 (Sep 2014)

HIV感染者にはHBVやHCVとの合併感染がその感染経路の類似性からよくみられる。

HIVは肝障害の進行をはやめその結果として慢性肝炎の有病率ならびに死亡率を高めることはよく知られている。しかし、肝炎がHIVの直接の作用かどうかについてはよく知られていない。

ウイルス性肝炎の治療はアウトカムの改善をもたらすのですべてのHIV感染症患者は肝炎の治療を行うべきである。

そして治療薬の選択に注意を払わない場合にHIVの治療を併行して行わずにHBVの治療を行うのは両ウイルスの耐性化を来すため危険である。

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The HIV care cascade and antiretroviral therapy in female sex workers:

implications for HIV prevention;

Mountain E, Pickles M, Mishra S, Vickerman P, Alary M, Boily M; Expert Review of Anti-infective Therapy 1-17 (Aug 2014)

ARTによるウイルスの抑制の達成とその価値(免疫力の改善のこと?)をしっかりと受けるためにHIV感染者がHIV感染を知ること、そしてHIVケアに継続的につながっていること、そして治療を実際に継続することが重要である。

売春を行う女性(FSWs)の間にHIV感染が広がっていることはHIV感染全体の広がりのキーとなる状況であり、ARTを施行しているHIV感染したFSWsが増えてHIVケアにつながることでFSWsからのHIV感染に関して非常に多くの人口にたいしてインパクトを与えることができる。

今回の総説ではFSWにHIVケアをどうつなげていくかを示しHIVケアとFSWsにARTを行うことによる一般人口へのHIV感染に与えるインパクトについて解説しさらに、FSWsにHIV感染することを予防するためのARTとHIVケアの方策についても議論する。

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