15/08/25 up

The ASSURE study: HIV-1 suppression is maintained with bone and renal biomarker improvement 48 weeks after ritonavir discontinuation and randomized switch to abacavir/lamivudine + atazanavir;

Wohl D, Bhatti L, Small C, Edelstein H, Zhao H, Margolis D, DeJesus E, Weinberg W, Ross L, Shaefer M;

HIV Medicine (Jul 2015)

OBJECTIVES

HIV治療ガイドラインは抗HIV薬を使用してウイルス量がコントロールされている患者においてレジメンをスイッチしたり単純化することを支持しており、リトナビルの中断は忍容性を向上させたり長期の有害事象をへらす効果があるかもしれない。

今回はオープンラベルの多施設非劣性検証試験で過去にウイルス学的失敗の既往がなく、ATV/r+TDF/FTCの治療を6ヶ月以上おこなってウイルス量が75コピー以下に低下している患者を登録して検討した。

METHODS

登録患者は治療継続群とABC/3TC + ATV群に1:2に割り付けられる。研究の目的はHIV RNAが50コピー以下にコントロールされる割合い、有害事象、脂質代謝、炎症、凝固異常、骨、腎それぞれのマーカーの変化である。

RESULTS

48週後 ABC/3TC + ATV 群の76%(152/199)の患者がTDF/FTC + ATV/r群では79%(77/97)がHIV-1 RNA < 50 copies/mL(P = 0.564)で有効性については非劣性が証明された。他の効果判定項目においても同様の結果であった。あらたなgrade2から4の有害事象の発生は高脂血症を除いて両群ともに45%であった。高脂血症についてはgrade3から4の有害事象の発生頻度がTDF/FTC + ATV/rの36%に対してABC/3TC + ATVでは19%と有意に低値であった。空腹時の脂質レベルについてはほぼ安定していたがHDLはABC/3TC + ATV群で軽度に上昇した。骨や腎のマーカーについてはABC/3TC + ATV群において登録時から48週後で有意に改善した。炎症マーカーや凝固系マーカーについては経過中有意な変化はなかった。

CONCLUSIONS

TDF/FTC + ATV/rを継続する群とABC/3TC + ATVに変更した群の48週にわたる観察においてウイルス抑制効果は同等で中等度から高度の高脂血症の発現割合いは有意に低値で、骨や腎のマーカーはの改善がみられた。

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Maraviroc Pharmacokinetics in HIV-1 Infected Pregnant Women;

HIV感染妊婦におけるマラビロクの薬物動態について

Colbers A, Best B, Schalkwijk S, Wang J, Stek A, Hidalgo Tenorio C, Hawkins D, Taylor G, Kreitchmann R, Burchett S, Haberl A, Kabamba K, van Kasteren M, Smith E, Capparelli E, Burger D, Mirochnick M, PANNA network and the IMPAACT 1026s study team ;

Clinical Infectious Diseases (Jul 2015)

OBJECTIVE

HIVに感染している妊婦について、妊娠中と産後のマラビロクの薬物動態について明らかにする

METHODS

マラビロク投与を受けているHIV感染症の妊婦について、妊娠第3期と出産約2週間後のマラビロクの薬物動態(12時間)を測定した。 臍帯血サンプルは出産時に母体のサンプルと同時に採取した。データは二つの異なるスタディネットワークから集めた。

RESULTS

18名のHIV感染症妊婦についてマラビロクの血中濃度を測定した。12名(67%)の妊婦がマラビロク150mg 1日2回+PIのレジメン、2名(11%)がマラビロク300mg 1日2回でPI併用なしのレジメン、4名(22%)は他のレジメンであった。妊娠第3期/産後のマラビロクAUC平均(比)は0.72、Cmaxは0.7であった。1名のみ妊娠第3期も産後も、マラビロクのトラフ値が推奨トラフ値(50ng/mL)を下まわっていた。マラビロクの平均臍帯血/母体血中濃度比は0.33であった。出産直前のウイルス量は、13名の妊婦(76%)で50コピー以下であり、出生児全員がHIV陰性であった。

CONCLUSIONS

結論として、妊娠中のマラビロク曝露(血中濃度)は、AUC、Cmaxともに約30%前後低下した。トラフ値は15%ほど減少したが、目標トラフ値よりは高値であった。したがって妊娠中でも成人通常投与量で充分であると思われる。

International Maternal Pediatric Adolescent AIDS Clinical Trials (IMPAACT) Network' P1026s Protocol Study on pharmacokinetics of newly developed antiretroviral agents in HIV-infected pregnant women (PANNA) Network

どちらも妊娠中に安全に抗HIV薬を使用できるよう、妊娠中の薬物動態や安全性について研究しているスタディ

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Early syphilis affects markers of HIV infection;

早期梅毒のHIV感染マーカーに対する影響について

Kotsafti O, Paparizos V, Kourkounti S, Chatziioannou A, Nicolaidou E, Kapsimali V, Antoniou C;

International Journal of STD & AIDS (Jun 2015)

OBJECTIVE

早期梅毒が、HIV感染のマーカー(CD4 T細胞とHIVウイルス量)に及ぼす影響について明らかにする

METHODS

160名のHIV陽性患者(うち111名はARTが開始されており、49名はARTを受けていない)についてレトロスペクティブに研究を行った。早期梅毒の診断は、A. Syngros'Hospital of Dermatology and Venereology.のHIV/AIDS診療部門でフォローされているHIV感染患者で行った。血液検査は早期梅毒診断時、同様に診断前と診断後12週間目に行い、CD4陽性細胞数と、HIVウイルス量を計測した。

RESULTS

梅毒感染は両方のグループでCD4細胞数に悪影響を及ぼしていて、ARTを受けている患者の84.6%(99/111)、ARTを受けていない患者の79.5%(39/49)でCD4陽性細胞が減少した。梅毒の治療後、CD4陽性細胞数はほとんどの患者で、特にARTを受けている患者でもとのレベルに戻った。

HIVウイルス量については、軽度、または一時的にウイルス量が上昇した。ARTを受けている患者の27%でウイルス量が増加し、ARTを受けていない患者群では71.4%でウイルス量が上昇した。ART施行中の患者で、ウイルス量増加の程度は軽度であったが(41-14,000 copies/ml)、4-5%の患者(5/111)では梅毒治療後もウイルス量の改善は認めなかった。さらにこれらの患者で薬剤耐性変異が確認された。

CONCLUSIONS

早期梅毒はHIV感染症の経過を進行させたり複雑化する可能性がある。梅毒の早期診断、治療は感染関連の合併症を予防する可能性がある。結果として、梅毒やその他の性行為感染症を予防することは、HIV感染患者にとって重要である。

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Predictors of progression to AIDS and mortality post-HIV infection: a long-term retrospective cohort study;

Poorolajal J, Molaeipoor L, Mohraz M, Mahjub H, Ardekani M, Mirzapour P, Golchehregan H;

AIDS Care 1-8 (Jul 2015)

今回の研究は高から中所得国(high-middle-income country)でのHIVの病勢の進行や死亡に影響する因子をよりよく理解するために行われた。

2004年4月から2014年3月までの期間の登録患者をベースとしたコホート研究としてテヘランで計画された。

Behavioral Diseases Counseling Centers にカルテが残っている2473例のHIV感染者を登録した。研究の目的は①HIV感染の診断からエイズ進行までの期間、②AIDS診断からAIDS死亡までの期間とした。

1年後、5年後、10年度でのHIV感染の診断からエイズへの進行はそれぞれ45%、69.9%、90.4%であった。そしてエイズ関連死亡については1年後17.2%、5年後30.3%、10年後39.2%であった。さらにエイズ関連死亡に相関する因子は男性であること(P = 0.022)、年齢の増加(P = 0.001)、教育レベルが低いこと(P = 0.001)、そしてCD4細胞数が低いこと(P = 0.001)であった。さらにエイズ関連の死亡率については男性であること(P = 0.010)、結核の合併感染(P = 0.001)、そして抗レトロウイルス療法(P = 0.001)であった。

今回の結果はAIDSへの進行そしてエイズ関連死亡はいくつかの調整可能(CD4数、抗レトロウイルス療法、結核の合併、教育レベル?)なあるいは調整不可能な因子(年齢、性別)と相関していることが明らかとなった。

今回かなりの割合でHIV陽性患者は自身の感染に気づいておらず診断が遅すぎることを示した。この診断に気づいていないという事実は他者への感染伝搬の機会を与えることを意味する。

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Survival Improved With Early Initiation of ART in HIV-Infected Adults With Tuberculosis and Immune System Compromise: Presented at IAS

By Thomas S. May

VANCOUVER -- July 21, 2015 –HIV感染症と結核の合併感染患者においてCD4数が相対的に低い場合には早期にARTを導入することで生存率が改善することが、IAS2015で報告された。(International AIDS Society Conference on HIV Pathogenesis, Treatment and Prevention)

「これまでの研究ではHIV感染と結核の合併においてARTは結核の治療が完了するまでART開始を送らせるべきでないことはあきらかにされていた。しかし、これらの研究はしっかりと調整されたメタアナリシスがおこなわれることなく系統的に行われた者ではなかった。」とピッツバーグ大学の公衆衛生学Jean B. Nachega博士はコメントした。

HIV感染者において新たに結核の診断をうけた成人においてARTの最適な開始時期をあきらかにするためにNachega博士らのグループは1980年10月1日から2014年9月30日までの8個のRCT(総登録症例4,563例)によるシステマティックレビューおよびメタアナリシスを計画した。これらの報告はPubMedおよびEmbase、Cochrane CentralそしてClinicaltrials.govで検索した。

これらの解析ではARTを結核治療開始から2週間以内でARTを導入した場合とそれ以上の経過で治療を導入した場合での全死亡率はCD4陽性細胞数が50 cells/mm3以下の状況おいて3つの報告で相対危険度は [RR] = 0.66; 95% confidence interval [CI], 0.49-0.89; P = .007であった。しかし、この早期ART導入による死亡率改善効果はCD4陽性細胞数が50 cells/mm3以上の場合にはRR = 0.89; 95% CI, 0.54-1.46; P = .64となり有意ではなくなった。また、早期のART導入で時に致死的となる結核のIRIS発症率が2倍高まった(5 trials: RR = 2.19; 95% CI, 1.77-2.70; P = .00001)。

早期ART、後期ART導入による重篤な有害事象の発症による全死亡率に差はみられず、ARTのアドヒアランスにも有意差はなかった。

「今回の結果は重度の免疫機能不全の状態では早期にARTを導入するというガイドラインの記述をサポートするものである。」Nachega博士は結論付けた。

二つの治療レジメンによる錠剤数の多さを考慮するとCD4陽性細胞数が高い場合には結核の治療終了までARTを導入しないのは容認されるかもしれない。

早期のHIV治療導入は生存以外にもさまざまな臨床的、公衆衛生的な利点をもたらすかもしれない。実際、早期の治療により炎症をおさえて合併症を減少させたり、性行為による感染を減少させる効果が期待できるかもしれない。

[Presentation title: Optimal Timing of Initiation of Antiretroviral Therapy in HIV-Infected Adults With Newly Diagnosed Pulmonary Tuberculosis: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomised Controlled Trials. Abstract MOPEB165]

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Pharmacokinetics of Raltegravir in HIV-infected Patients on Rifampicin-Based Antitubercular Therapy;

Taburet A, Sauvageon H, Grinsztejn B, Assuied A, Veloso V, Pilotto J, De Castro N, Grondin C, Fagard C, Molina J;

Clinical Infectious Diseases (Jun 2015)

BACKGROUND

リファンピシン(RFP)はラルテグラビル(RAL)の分解を担うUGT1A1を誘導することでRALの血中濃度の低下に関与しいている。今回、我々はANRS 12 180 Reflate TB trial に登録のあったRFPを含む抗結核療法を行っているHIV感染患者においてRAL の薬剤濃度を検討した。

METHODS

RFP10mg/kg/dで開始後にRAL+TDF+3TCによるARTを内服し、arm1(21例)ではRAL400mgBIDでarm 2(16例)では最初に800mgBIDで開始しその後400mgBIDとし、RFPを中止してから4週後まで継続した。

血中濃度サンプルはperiod1としてRFPとの併用を開始して4週後、period2としてRFP中止後4週後ならびにarm2においてはRALの投与量を減量した時にperiod3としていずれもで内服12時間後のトラフ値として採取した。

RESULTS

arm 1においては、 the geometric mean ratio (GMR)はperiod 1と period 2の間でAUC0-12が0.94 (90% confidence interval (CI): 0.64 to 1.37) で、内服12時間後の実測血中濃度C12は0.69 (90% CI: 0.42-1.13)であった。arm 2においてはperiod1と2の間で、それぞれ0.75 (90% CI: 0.48 to 1.17)と1.10 (90% CI: 0.61-2.00)でperiod1と3の間では1.10( 90 % CI : 0.78 to 1.55 )と1.68 (90% CI: 0.88-3.23)であった。

CONCLUSION

RAL倍量投与でRFPの酵素誘導を補償はしたが、標準用量でもAUC0-12 およびC12 の低下はごく少量であった。さらなるHIV/TB合併患者での検討が容認されると考える。

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Efficacy of and risk of bleeding during pegylated interferon plus ribavirin treatment in HIV/HCV-coinfected patients with pretreatment thrombocytopenia.

HIV・HCV重複感染患者で血小板減少症のある患者における、ペグインターフェロンとリバビリン治療の効果と出血リスクについて

Abstract

この研究では、HIV・HCV重複感染患者で、治療前の血小板数によってペグインターフェロン/リバビリン治療の効果や出血のリスクがどうなるか評価を行った。スペインのプロスペクティブコホートにエントリーされている274名の代償期肝硬変、HCV/HIV重複感染でペグインターフェロン/リバビリン治療を初回導入した患者を対象に研究を行った。重症な出血イベントの頻度と、ウイルスの持続陰性化率(SVR)を、治療前の血小板数7万以下、7万以上で比較した。61名(22%)の患者が血小板数7万以下であった。血小板数が7万以下のグループの平均血小板数は5.8万、血小板数7万以上のグループでの平均血小板数は12.9万であった。血小板7万以下のグループのうち、17名(28%)、血小板7万以上のグループで71名(33%)の患者がSVRに達した。血小板7万以下のグループで、2名(3.2%)のみ重症な出血イベント(食道静脈瘤破裂)が認められた。HIV/HCV重複感染で血小板数が低い群でもペグインターフェロン/リバビリン治療の効果は大きな差が無かった。治療関連の重大な出血性イベントの発生率は、血小板低下群でも低かった。

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Low tetanus, diphtheria and acellular pertussis (Tdap) vaccination coverage among HIV infected individuals in Austria;

Grabmeier-Pfistershammer K, Herkner H, Touzeau-Roemer V, Rieger A, Burgmann H, Poeppl W;

Vaccine (Jun 2015)

現行の成人HIV患者管理ガイドラインにはワクチンにより防御できる疾患について、そのワクチンプログラムに関する項目がある。

この試みは特に免疫的に弱者であるHIV患者群においてワクチン免疫に関する不十分な知識のために効果が見えにくくなっている。

今回の検討ではオーストリアの700例を超えるHIV患者の百日咳、ジフテリア、破傷風の血清抗体価の解析を行った。患者はオーストリアHIVコホートに性別、年齢、感染リスク行動ならびにHIVの進行マーカーが登録されている。全体で73.6%の患者がHAARTによりウイルスは抑制され、平均CD4陽性細胞数は603個/μlであった。ジフテリアの血清抗体については84%が陽性で、破傷風は51%、百日咳は1%であった。移住者はさらに破傷風の血清抗体価が低い傾向(OR 0.30 (CI 0.21 to 0.43)) であった。

CDCによるHIV疾患分類が高い群ほどジフテリアの血清抗体価陽性が増えて (OR 1.42 (CI 1.02 to 1.98))おりCD4数の最低値が<200個/μl の群では百日咳の血清抗体上昇と相関(OR 12.2, 95% CI 1.2 to 121)していた。 免疫状態が良好な血清抗体価が陰性の患者においてほとんどすべてのワクチン接種が可能である。CD4陽性細胞数が200個/μl以上であればこの3種の抗体価の内の少なくとも一種で抗体価が陰性の患者の95%がTdapの接種が可能である。このアプローチによりワクチンによる防御可能な疾患のリスクを大きく減らすことが可能である。

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An observational study of comorbidity and healthcare utilisation among HIV-positive patients aged 50 years and over;

50歳以上のHIV感染症患者における、他疾患によるヘルスケアの利用に関する観察研究

Patel R, Moore T, Cooper V, McArdle C, Perry N, Cheek E, Gainsborough N, Fisher M;

International Journal of STD & AIDS (Jun 2015)

BACKGROUND

50歳以上のHIV感染患者は年々増加傾向にある。今回HIV感染症以外の疾患の有病率、リスクファクター、ヘルスケアの利用率について調べた。

METHODS

南東イングランドで、HIV専門のクリニックを外来受診したHIV感染患者について横断観察研究を行った。50歳以上の患者に対しアンケートを行い、対象者の属性、HIV以外の疾患、服薬、ライフスタイルやヘルスケアの利用率について調査を行った。

RESULTS

回答率は67%であった。299名の参加者のうち、84%が1つ以上の疾患をもち、61%が2つ以上の疾患を持っていた。抗コレステロール血症、性機能不全、高血圧症、うつが主な疾患であった。多変量解析では、運動、喫煙、レクリエーショナルドラッグの使用、アルコールなどのライフスタイルがコントロールされている場合、年齢、HIV陽性となってからの年数、抗レトロウイルス療法の期間が、他疾患有病率と相関していた。HIV以外のヘルスケアサービスの利用は、他疾患の有望率の増加、長期のHIV罹病期間、レクリエーションドラッグの利用と関連していた。

CONCLUSIONS

50歳以上のHIV感染患者は、大部分2つ以上のHIV以外の疾患に罹患していた。そしてこれらは多剤投与、HIV以外での受診の増加と関連があった。高齢化していくHIV感染患者が必要とする、適正なサービスの発展のために、さらにヘルスケアの質、安全性、患者の利便性などを調査することが必要である。

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