15/12/25 up

Factors associated with polypharmacy and the prescription of multiple medications among persons living with HIV (PLWH) compared to non-PLWH;

Moore H, Mao L, Oramasionwu C;

AIDS Care 1-6 (Nov 2015)

HIV感染者(PLWH:Persons living with HIV)はおそらくARTによって多種の薬剤を内服(polypharmacy)することになるリスクを有している。(ここでは5種以上と定義)

Polypharmacyによる潜在的懸念としては、薬物相互作用、薬剤の有害事象、錠剤数増加および治療関連の経費の上昇が含まれる。本報告の目的は米国の外来患者クリニックでのPLWHにおけるARV以外の薬剤とHIV非感染者での薬剤とを比較することである。

2006年から2010年までのNational Hospital Ambulatory Medical Care Survey(病院外来調査)による横断的データを利用して検討した。PLWHの来院者はICD-9のコードで把握した。18歳以下の患者は除外した。性別、年齢、人種、加入している保険の種別、ならびに合併症として高血圧、糖尿病、脂質代謝異常について収集した。多重ロジスティック解析にて5剤以上の薬剤を処方されているかどうかに関連する因子について有意差を検定した。

総数 7,360,000のPLWHの医療機関の受診を検討した。 18歳から29歳が13%で30から49 歳が55% 、50歳以上は32%であった。そして対照として374,626,000のnon-PLWHのデータ (18-29歳が18% 30-49歳が32%、 50歳以上が; 32%)と比較した。

高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症についてはPLWH、 non-PLWH ともに50歳以上で頻度が高かった。 (p < .001 全対象者に対して). 2006年には, PLWH において5剤以上の処方された患者は 16% であったが2010年には35%と倍になっていた。また、non-PLWH では24% から32%に増えただけであった。

PLWHにおいては年齢が高くなることが5剤以上の処方に関連していた。 ( [aOR] = 2.538, 95% CI; 1.31-4.918 and aOR = 2.703, 95% CI; 1.678-4.354)non-PLWHでも年齢が高くなると増加していた。 (aOR = 2.546, 95% CI; 2.235-2.9 and aOR = 5.208, 95% CI; 4.486-6.047)

PLWHではnon-PLWHより5剤以上の処方が多いことがわかったが、高齢者と若年者による差についてはさらなる追加の研究が必要と考える。

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唾液中に分泌されるEBウイルス(EBV)とサイトメガロウイルス(CMV)のDNAは、MSMの患者において長期HIV-RNA検出と関連がある。

Epstein-Barr and cytomegalovirus DNA salivary shedding correlate with long-term plasma HIV RNA detection in HIV-infected men who have sex with men.

J Med Virol. 2015 Dec 4. doi: 10.1002/jmv.24441.

Abstract

この研究では、男性間性的接触者でHIV陽性患者について、サイトメガロウイルス(CMV)とEBウイルス(EBV)DNAが、唾液中に排出されるかどうか、そしてウイルス免疫学的なパラメーターと、長期間(24か月)の血漿HIV-RNAの検出がヘルペスウイルス複製の予測因子になるかどうか、評価することを目的としている。

HIV陽性でMSMの患者193名を対象とした(平均CD4陽性細胞607、平均最低CD4陽性細胞値333))。 血漿HIV—RNA(pHIV)を唾液サンプリングの24か月前から計測し、ウイルスコントロール良好群(successfully suppressed (SS))、コントロール不良群(not suppressed (NS))とに分けた。EBVのウイルス量は、高ウイルス量(high viral load (HVL))、もしくは中程度ウイルス量(intermediate (IVL))、低ウイルス量(low (LVL))に分け、CMVは陽性か、陰性化で分けた。

HIVコントロール不良群では、どちらのヘルペスウイルス(CMV、EBV)ともにコントロール良好群に比べ検出頻度が高かった。反対にHIVコントロール良好群では検出頻度が低かった。EBVが高ウイルス量検出されたのは、HIVコントロール不良群でより多くみられた。 EBVウイルス量が多く、かつHIVコントロール不良群の平均血漿HIVウイルス量は、43820コピーとEBV量が低~中等度の患者に比較して明らかに多かった。CMV検出は、EBVの検出量と関連があった。HIVウイルス量コントロール不良群では、唾液中EBV検出量が、HIVコントロール良好群と比べ多かった。さらにHIVコントロール不良群かつEBVウイルス量が高い症例では、血漿HIVウイルス量がEBVウイルス低ウイルス量群や中程度ウイルス量群と比較して多い傾向であった。

結果より、血漿HIV量が良くコントロールされている症例は、唾液中のEBウイルス複製が少なく、ヘルペスウイルス関連の癌のリスクを減らすことができるかもしれない。  

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Asymptomatic anal sexually transmitted infections in HIV-positive men attending anal cancer screening;

Fuchs W, Kreuter A, Hellmich M, Potthoff A, Swoboda J, Brockmeyer N, Wieland U;

British Journal of Dermatology (Nov 2015)

BACKGROUND

HIV陽性のMSMは肛門の粘膜異形成と性行為感染症のリスクが高まる。

OBJECTIVES

クラミジア(CT)、淋菌(NG)、性感染症の尿道炎原因菌の1種である」マイコプラズマ・ゲニタリウム(MG)、そして梅毒の陽性率についてHIV陽性MSMで肛門がんのスクリーニングプルグラム(ACS)に登録している患者について検討した。 METHODS 2012年から2014年にかけて503例の肛門粘膜スワブ852検体が採取された。細胞診とPCRでHPV、CT、NGそしてMGについて検討した。梅毒は血清学的検査で検討した。STIのリスク因子は多重ロジスティック解析で検討した。

RESULTS

20.7% (104/503)でHPV以外のSTIが見られた。CTは10.9%、NGが8.9%、MGが4.2%であった。早期の梅毒は4.6%で、既往としては今回検討したHIV(+)MSMでは44.5%で陽性であった。18例(3.6%)で二つ以上のSTIのエピソードがあった。STIの既往のある127例中90.6%が無症状であった。年齢と肛門のHPV感染および肛門細胞診の異常そして梅毒の既往がSTIのリスク因子であった。

CONCLUSIONS

ACSプログラムに登録しているHIV(+)MSMにおいて肛門のSTIは頻度が高くほとんどが無症状であった。ACSプログラムにSTIのスクリーニングを取り入れる必要がある。

This article is protected by copyright. All rights reserved.  

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HIV治療中の患者で、リルピビリンベースのレジメへ変更した際の効果と安全性について(コホート研究)

Efficacy and safety of a switch to rilpivirine-based regimens in treatment-experienced HIV-1-infected patients: a cohort study.

Antivir Ther. 2015 Nov 13.

Abstract

BACKGROUND:

リルピビリン(RPV)は一日1回内服可能な第二世代のNNRTIで、初回治療患者では、抗ウイルス活性においてエファビレンツに非劣性である。しかし治療経験のある患者に対してはデータが限られている。そこで治療によりウイルス量が良くコントロールされている患者で、RPVベースのレジメへ変更した場合の効果と安全性を評価した。

METHODS:

2012年9月から2013年6月まで、ARTを受け、血中HIV-RNA量が50コピー以下にコントロールされた患者で、RPVベースのレジメへ変更した患者について、後ろ向き観察、単施設コホート研究を行った。最初のエンドポイントはレジメ変更後12か月の時点で、FDA が定義したSnapshot アルゴリズム解析を用いて、HIV-RNA量が50コピー以下に抑えられている患者の比率とした。

RESULTS:

計281名の患者がこの研究に参加し、97%がRPV/TDF/FTCの併用療法であった。12か月の時点でウイルス学的成功が59%、12か月以降データを追った限りで72%まで増えた。16名の患者(6%)がウイルス学的失敗を経験した。治療前のジェノタイプでM184V/I耐性変があった場合と、RPVベースのレジメへ変更前にthird agent としてNNRTI以外の薬剤を使用していた場合であった。RPVベースのレジメは、最終的に耐容性を示したが、23名(8%)の症例で有害事象のため治療継続が困難であった。有害事象のほとんどが、精神神経病学的な有害事象であった。リルピビリンへの変更は、脂質異常と有意な関連があったが、その改善の程度については中程度であった。

CONCLUSIONS:

ARTによりHIVがコントロールされている患者では、RPVベースのレジメへの変更する際ウイルス学的失敗を避けるため、以前にウイルス学的失敗がない、またNRTIsやNNRTIの耐性変異がない場合に考えられるべきである。

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Effect of abacavir on sustained virologic response to HCV treatment in HIV/HCV co-infected patients, Cohere in Eurocoord;

Hepatitis C- working group for COHERE in Eurocoord , Smit C, Arends J, Peters L, Montforte A, Dabis F, Zangerle R, Daikos G, Mussini C, Mallolas J, de Wit S, Zinkernagel A, Cosin J, Chene G, Raben D, Rockstroh J;

BMC Infectious Diseases 15 498 (2015)

BACKGROUND

HV/HCV共感染患者においてABCはHCV治療に対して否定的な結果が報告されている。今回我々はヨーロッパ各国にまたがる大規模コホートとの連携でHIV/HCV共感染患者に対するpegIFN+RBVの反応について検討した。

METHODS

COHEREコホートに登録された16歳以上のHIV/HCV共感染患者でpegIFNα—2aないし2bとRBVの併用で治療した患者について検討した。ロジスティック回帰検定でABCとHCVのSVR到達との関係を解析した。

RESULTS

総数1309例でHCVの治療が行われ、そのうち490例(37%)でSVRに到達していた。ABCを含むレジメンと最も使用頻度が高かったTDF/FTCを含むレジメンとの間で統計学的な有意差は認められなかった。多因子解析ではブーストPIを使用した群でNNRTIを使用した群よりSVR到達が低い傾向があった。(OR: 0.61, 95 % CI: 0.41-0.91)

バックボーンレジメンにおいてはAZT + 3TC(0.45 (0.24-0.82)およびd4t + 3TC(0.45 (0.24-0.82)においてSVRの到達が低い傾向がみられれた。

CONCLUSION

今回の大規模ヨーロッパコホート研究ではABCによるC型肝炎治療にたいする影響は認められなかった。d4TやAZTの使用はHCVの治療においてSVR到達率が低くなる可能性があった。

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HIV患者では、心膜脂肪蓄積は心筋内脂質含有量の増加とARTの期間の長さと関連している。

Journal of Cardiovascular Magnetic Resonance 17 (1), 91 (2015)

Diaz-Zamudio M, Dey D, LaBounty T, Nelson M, Fan Z, Szczepaniak L, Hsieh B, Rajani R, Berman D, Li D, Dharmakumar R, Hardy W, Conte A;

Journal of Cardiovascular Magnetic Resonance 17 (1), 91 (2015)

Abstract

BACKGROUND:

この研究では、HIV患者でHAARTの使用が、心膜脂肪蓄積と心筋内脂質の含有量の変化と関連があるのかどうかを心血管核磁気共鳴法(cardiovascular magnetic resonance (CMR))により計測し、調査することを目的とする。

METHODS:

このプロスペクティブケースコントロール研究では、HAARTを受けている27名のHIV陽性患者(男性)と22名のコントロール群(男性)とで、年齢、人種、BMIをマッチさせ比較した。被験者全員に、心膜の脂肪をCMRで計測し(左主幹冠動脈起始部と右室自由壁)、心筋内脂質含有量(心室中隔での脂質/水分%)を磁気共鳴法magnetic resonance spectroscopy (MRS))で計測した。計測はすべて、経験のある検査技師が、臨床的な情報なしに2回行った。2サンプルのt検定、スピアマンの順位相関係数またはピアソンの積率相関係数、多変量ロジスティック回帰にて統計的な解析を行った。

RESULTS:

左主幹冠動脈起始部での心膜脂肪量はHIV陽性群で高かった(33.4 cm(3) vs. 27.4 cm(3), p = 0.03)。年齢で調整した多変量解析では、フレミングリスクスコア(FRS)、ウエスト/ヒップ比、心膜周囲脂肪はHIV陽性の状態と関連していたHIV陽性、コントロール群どちらも、心膜周囲脂肪量は、心筋内脂質含有量とFRSに関連していた。HIV陽性群では、心膜周囲脂肪は脂質集積(lipo-accumulation)している患者で優位に高く、またHIV感染とHAARTの期間に関連していた。

CONCLUSIONS:

心膜周囲脂肪はHAART5年以上のHIV感染患者で増加しており、HAART関連の脂質集積とHIV感染期間が長期である患者であった。 これらのグループの患者で、心膜周囲脂肪の増加が、心血管イベントのリスクと関連があるか、さらなる調査が必要である。 Framingham risk score:マサチューセッツ州フラミンガム地区で実施された数十年にわたる研究(NHLBI's Framingham Heart Study, a predominantly Caucasian population in Massachusetts, USA)に基づくもので、年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、喫煙の有無からリスクスコア合計を求め、相当する心血管10年リスクを評価するもの。

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Effects of cigarette smoking and nicotine dependence on adherence to antiretroviral therapy among HIV-positive patients in Vietnam;

Nguyen N, Tran B, Hwang L, Markham C, Swartz M, Vidrine J, Phan H, Latkin C, Vidrine D;

Source: AIDS Care 1-6 (Oct 2015)

喫煙はHIV感染者の服薬アドヒアランスの低下の傾向を示す指標になることが徐々に知られてきた。 今回の報告ではベトナムにおいて喫煙とニコチン依存そしてARTのアドヒアランスの関係を探ることを目的とした。1050名のHIV患者の横断的研究は首都ハノイと郊外のナムディンの2カ所で2013年1月から9月まで行われた。

100刻みのVASによって直近30日のアドヒアランスを測定し、喫煙歴とニコチン依存(Fagerstrom Test)については登録者の自己申告で収集した。 多重ロジスティック解析によって現時点での喫煙とニコチン依存がARTの非アドヒアランスとの相関をチェックした。

VASのカットポイントとして適正なアドヒアランスを95に設定してARTの非アドヒアランスをチェックすると30.9%の症例でVASの値が95以下になっていた。そしてニコチン依存度が高まると非アドヒアランスがより顕著 (OR = 1.1, 95%CI = 1.0-1.2 per unit increase) になっていた。 そして女性であること(OR = 1.70, 95%CI = 1.19-2.42)、ナムディンでARTを受けていること (OR = 1.6, 95%CI = 1.1-2.4)そして不安事項があること (OR = 1.6, 95% CI = 1.2-2.1)がよりARTの非アドヒアランスに相関度が高かった。さらに現在喫煙している患者で現在の苦痛(current pain)が存在するとはより非アドヒアランスと相関が高かった(OR = 1.9, 95%CI = 1.2-3.1)。

逆にアドヒアランスの維持は配偶者ないしパートナーの存在(OR = 0.5, 95%CI = 0.3-0.7)および高校以上の教育を受けていること(OR = 0.4, 95%CI = 0.1-1.0)が相関していた。

ART中のアドヒアランスが維持されていない状態では、HIV患者の現在の喫煙状況とニコチン依存をスクリーニングすることは患者のアドヒアランスの改善に役立つであろう。そして女性とメンタルヘルスの問題を抱えていてそして郊外においてARTを受けている患者ではより努力を払う必要がある。

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HIV感染患者での軽度~中等度うつ症状に対するミノサイクリンの治療的効果について

Therapeutic effects of minocycline on mild-to-moderate depression in HIV patients: a double-blind, placebo-controlled, randomized trial.

Emadi-Kouchak H1, Mohammadinejad P, Asadollahi-Amin A, Rasoulinejad M, Zeinoddini A, Yalda A, Akhondzadeh S.

Int Clin Psychopharmacol. 2015 Oct 13.

Abstract

HIV感染患者ではうつ病(うつ症状)のリスクが高くなる。本研究目的は、うつ症状を持つHIV感染患者に対する、ミノサイクリンの抗うつ作用効果の安全性と効果を明らかにすることである。軽度~中等度のうつ症状をもち、ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Depression Rating Scale (HDRS))で18点までのHIV感染患者、46名を対象に、並行、無作為抽出、二重盲検、プラセボコントロール研究を行い、ミノサイクリン100㎎ 1日2回とプラセボ群で6週間比較を行った。対象患者をベースライン、3週目と6週目にHDRSで評価した。繰り返し計測した一般線形モデルでは、時間×治療の相互作用が、HDRSスコアへ影響していた。有害事象については両グループで差はなかった。重度有害事象の報告もなかった。HIV感染患者の軽度~中等度うつ症状に対し、ミノサイクリン100㎎ 1日2回内服は、安全かつ効果的と考えられた。

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Towards depersonalized abacavir therapy: chemical modification eliminates HLA-B*57 : 01-restricted CD8+ T-cell activation;

Naisbitt D, Yang E, Alhaidari M, Berry N, Lawrenson A, Farrell J, Martin P, Strebel K, Owen A, Pye M, French N, Clarke S, O'Neill P, Park B;

AIDS (Sep 2015)

OBJECTIVE:

ABC暴露はHLA-B5701によるT細胞依存性過敏反応と関連している。 T細胞を活性化するためにABCは直接的に内因性のHLA-B5701分子と結合して抗原提示細胞の表面に表出する。我々のグループはABCの構造改変物が抗ウイルス活性を維持しながらHLA-B5701に結合せず、T細胞を活性化しないかどうか確認した。

DESIGN:

HLA-B5701を持っている被験者からサンプルを提供してもらう実験室レベルの研究で、研究者は核酸構造やモデルデータについて知らされない形での研究である。

METHODS:

16,6アミノ酸の構造改変をしたABCが合成し、コンピュータシミュレーションによりHLAB5701への結合能を予測した。HLA-B5701との結合能やT細胞の活性化について検討するためにABCに反応するCD8クローンを継代した。

抗ウイルス活性とT細胞の増殖抑制能を検討した。

RESULTS:

MHC-クラスI拘束性CD8クローンはHLA-B5701によりABCと細胞表面に結合しIFN-gを産生し増殖した。いくつかの化合物では抗ウイルス活性は残るものの細胞増殖については抑制的に働かなかったが、抗原に誘発性のT細胞の反応についてはそれぞれかなり異なる結果がみられた。 通常のABCとN-propyl ABCではT細胞の活性化能は同じであったが、非常に構造的には近いN-isopropyl、 N-methyl isopropyl ABCではT細胞活性がなかった。ABCとHLA-B5701の結合については薬剤と蛋白との結合能がT細胞の活性化と用量依存的な相関が見られた。

CONCLUSION:

今回の結果から抗ウイルス活性を維持したままT細胞活性化のないABCを合成できる可能性が示された。コンピュータ予測モデルは個別化された薬剤による治療法による安全な抗ウイルス薬の開発ツールとなる。

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HIV未治療患者でのドラビリン単剤による無作為、二重盲検、プラセボコントロール、短期間治療について

A randomized, double-blind, placebo-controlled, short-term monotherapy study of doravirine in treatment-naïve HIV-infected patients.

AIDS. 2015 Sep 13.

Abstract

OBJECTIVE:

新しいNNRTIであるドラビリンの抗ウイルス効果、薬物動態、安全性について、HIV感染の男性患者において評価する。

DESIGN:

二重盲検、無作為抽出、2パネル研究、用量漸増試験。

METHODS:

18名の患者でドラビリン(パネルA:25㎎、パネルB:200㎎)、もしくはマッチングしたプラセボ群を一日1回、7日間内服投与し、継時的に調査した。血液サンプルを連日採取し、HIVRNAレベルとドラビリンの薬物動態を測定した。

RESULTS:

プラセボ群とドラビリン内服群とを比較すると、7日間内服後24時間時点でのHIVRNA量(log10 copies/ml)低下の平均(ベースラインからの差の平均)は、ドラビリン25㎎内服群で-1.37、ドラビリン200㎎内服群で-1.26であった。ウイルスのブレイクスルーした患者はいなかった。Tmax中央値における平均AUC(0-24h)、Cmax、C24hの増加は濃度比率より少なかった(濃度の差ほど違いはなかった?)。定常状態には3-5日目に達した。定常状態で、AUC0-24 h,、Cmax,、C24 hの蓄積率(day 7/day 1)は1.2-1.6であった。実効的(effective)半減期(10⁻16h)を計算すると、HIV非感染者と同等であった。有害事象は報告数が限られており、一過性もしくは軽度から中等度のものであった。C型肝炎の新規初感染患者の1症例で重症な肝酵素の上昇が認められたが、おそらく薬剤との関連はないと判断された。

CONCLUSION:

ドラビリン単剤による治療は、どちらの治療量でも抗ウイルス効果が得られ、ウイルス耐性もなく、耐容性も十分であった。HIV感染患者におけるドラビリンの薬物動態は、前研究で調査された非感染患者と同等であった。

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Hepatitis C virus coinfection independently increases the risk of cardiovascular disease in HIV-positive patients.

J Viral Hepat. 2015 Sep 21. doi: 10.1111/jvh.12447.

Fernández-Montero JV1, Barreiro P2, de Mendoza C3, Labarga P4, Soriano V2.

Abstract

HIV感染患者はARTの奏効にかかわらず心血管系疾患のリスクがあるといわれている。同様に慢性HCV感染患者も心血管系病変を含む肝疾患以外の合併症と関連を指摘されている。しかしHIV/HCV重複感染患者における心血管系疾患のリスクは調査されていない。

2004年以降、HIV感染患者を含む大規模コホートで、HCV重複感染の心血管系イベントについての影響について後ろ向き研究が行われている。心筋梗塞、狭心症、失神、またはそれらによる死亡を追跡調査終了点とした。

HIVのみの感染者567名、HCVのみ感染70名、HIV/HCV重複感染499名、計1136名の患者で解析を行った。平均年齢は42.7歳、79%が男性、静注薬物使用者が46%であった。平均追跡調査期間は79.4±21か月で、3名が心血管系疾患のため死亡し、29名で冠動脈虚血(狭心症、心筋梗塞)や失神を認めた。

HIV/HCV重複感染では、心血管系疾患のイベントや死亡した症例が他の単一感染より多くみられた(HIV/HCV:HIV=4%:1.2%、HIV/HCV:HCV=4%:1.4%)。統計学的に調整すると、HIV患者では、ウイルス学的パラメーターと、以前から言われている心血管系疾患のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、高LDL血症など)、高血圧は心血管系イベントあるいは死亡と関連していた。

HIV感染患者では慢性C型肝炎と高血圧が心血管系病変のリスク増加と関連があった。よってHIV感染者にとって肝硬変のステージングにかかわらず慢性C型肝炎の治療が重要になってくる。

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