17/03/03 up

Switching From Tenofovir Disoproxil Fumarate to Tenofovir Alafenamide Improves BMD in Patients With HIV: Presented at CROI

Alaei A, Alaei K, Waye K, Tracy M, Nalbandyan M, Mutlu E, Cetin M;

Source: DGNews By Alex Morrisson

SEATTLE, Wash -- February 18, 2017 –

骨密度が低い状態のHIV感染症患者はTDFからTAFに変更することで改善するかもしれないということが第24回CROIにおいて報告された。

「骨密度が低いHIV陽性患者はTAFを含む内服レジメンに変更後96週において腰椎と股関節の骨密度が2.5%上昇した。」とメリーランド州ボルチモアのJohns Hopkins 大学のTodd Brown医師が報告している。

この研究ではベースラインのチェックで骨密度の低下を指摘された77%の患者がTAFに変更後96週の経過観察後には骨粗鬆症の状態から改善はしなかったが、残りの23%(86例)は骨粗鬆症から改善した。(しかし依然としてosteopaenic;骨量減少状態ではある。)

何例かは骨密度が5%以上の改善があった。内訳は27%の症例が≥5%の腰椎骨密度の改善、16%は少なくとも5%の骨密度の改善が股関節で見られた。

「TDFからTAFへの変更はこれらの骨折リスクの高い群において骨密度を改善させる重要な戦略である。」とBrown医師はコメントした。

今回の研究ではGileadサイエンス社の109試験と112試験でTDFを使用してHIVが抑制されている症例をEVG/cobi/TAF/FTCへ変更するというものであった。変更された1117例中で214例はDEXAによって有意に骨密度が低い状態と診断されていた。

研究者らはベースラインの尿中リン排泄の減少あるいは骨代謝(turnover)の上昇がみられるHIV感染症患者で骨密度が低い症例はTDFに関連している可能性があり、TAFへの変更でもっとも利益を得られるかもしれないとまとめていた。

[Presentation title: Switching from TDF to TAF in HIV-Infected Adults with Low BMD: a Pooled Analysis. Abstract 683]

低炎症レベルと関連したHIVレジメンへのadherence

Adherence to HIV Regimen Associated With Lower Inflammation Levels : Presented at CROI

Source: DGNews

SEATTLE, Wash -- February 18, 2017 –

抗レトロウイルス療法レジメンへのアドヒアランスが維持されているHIV感染患者はウイルス抑制よりもさらに多くの有効性を得られるかもしれないことが、第24回CROIで発表された。

「地方のウガンダでは、よりアドヒアランスが高いことは早期の抗レトロウイルス療法によってウイルス抑制が達成されたHIV感染患者における炎症、凝固、免疫活性のバイオマーカーがより低いことと関連している」と2月14日にColorad大学 のJose Castillo-Mancillaが報告した。

Dr. Castillo-Mancillaは全体モデルでは6つの炎症性バイオマーカーの減少がみられたと解説した。研究の基準を満たした247患者中アドヒアランス10%毎にIL-6が14.69%減少した (P< .0001)。 調査されたその他のバイオマーカーについても同様の結果であった。

・251患者中アドヒアランス10%ごとに相関してD-dimer活性が10.5%減少した (P = .017) 。

・250患者中アドヒアランス10%ごとに相関してKT比が2.95%減少した (P = .07)。

・251患者中アドヒアランス10%ごとに相関してsCD14 が2.66%減少した(P = .0278) 。

・184患者中アドヒアランス10%ごとに相関して%HLA-DR/CD38/CD8 が1.21%減少した(P = .0563)。

・251患者中アドヒアランス10%ごとに相関してsCD163が1.09%減少した(P = .1187)。

Dr. Castillo-Mancillaはメカニズムとして、準最適なアドヒアランスであると臨床的に有効な検査閾値以下での残存ウイルスの複製を引き起こし、持続性の炎症を起こす可能性があると説明した。

アドヒアランスはthe Medication Event Monitoring System (MEMS)を使用して測定され、ふたの開封について6カ月以上にわたり観測/処方の毎日の平均が算出された。アドヒアランスの中間値は88%であった。

解析は治療開始6か月後ウイルス力価が400 copies/mm3感度以下に達した患者に制限され、ベースラインと6か月後の受診でバイオマーカーが評価された。

研究者は、慢性的なウイルス抑制の間、より低いウイルス力価とともにこの関連が維持されるのか、またはウイルス学的に抑制された個人での抗レトロウイルス療法のアドヒアランス強化が残存した免疫反応を減少させるのかは不明であると締めくくった。

[Presentation title: Greater ART Adherence is Associated With Less Inflammation in HIV-Suppressed Ugandans. Abstract 675]

アメリカのHIV感染退役軍人の免疫学的および感染症による肺がんリスク

Immunological and infectious risk factors for lung cancer in US veterans with HIV: a longitudinal cohort study;

Sigel K, Wisnivesky J, Crothers K, Gordon K, Brown S, Rimland D, Rodriguez-Barradas M, Gibert C, Goetz M, Bedimo R, Park L, Dubrow R; Lancet HIV 4 (2), e67-e73 (Feb 2017)

Source: Lancet HIV

SBACKGROUND

SHIV感染は肺がんの独立した危険因子とされているが免疫機能と肺がんの発症リスクについてHIV感染者での長期の縦断的研究は少ない。

SMETHODS

S今回、退役軍人HIVコホート研究での登録患者について1998年1月1日から2012年12月31日までの期間で最短でも3年の経過観察ができた症例において癌登録データを使用して肺がんの診断確定例をピックアップした。

Sそれぞれの患者の初期登録データはHIV感染のケアがはじまった日からか1998年1月1日からであった。肺がん診断までに3年未満の経過観察期間しかとれなかった患者および必要検査が足りない症例は研究から除外した。

SCox回帰モデルをもちいて対象者の診断まで時間の差と検査データ(CD4陽性細胞数、CD8陽性細胞数、CD4/8比、HIV RNA量、肺炎)、そして肺がんのリスクとの相関を検討した。検討の際には年齢、人種、喫煙、C型肝炎の有無、飲酒、薬物依存およびCOPD罹患の既往と職業的肺疾患の有無について調整した。

SFINDINGS

S21,666例の登録HIV患者から277例の肺がん診断例を特定した。単因子解析で、それぞれの時間の経過において12ヶ月の時間差があった場合と24ヶ月の場合においてリスクについて検討するとCD4陽性細胞数が低いこと(p trend=0·001)、CD4/8比が低いこと(p trend=0·001)、HIV RNA量が高いこと(p trend=0·004)が有意差を示し、肺炎のエピソードがあることが12ヶ月の時間差のある群でのみ有意差がみられた(p trend=0·0004)。

S多因子解析で調整した検討ではCD4/8比の低いこと(p trends 0·003)と肺炎の既往(p trends 0·004)に有意差があった

SINTERPRETATION

S今回の我々の大規模コホート検討ではART時代にはいって免疫活性化機能の異常と慢性炎症がHIV感染症患者における肺がんのリスクであることを明らかにした。このデータにより肺がんの高リスク集団として予防対策の対象とすることが可能である。

SFUNDING US National Institutes of Health.

HIV感染患者におけるスタチン:潜在的な有益性と臨床使用

Statins in HIV-Infected Patients: Potential Beneficial Effects and Clinical Use;

Bernal E, Masiá M, Marín I, Gutiérrez F;AIDS Reviews 19 (2), (Feb 2017)

Source: AIDS Rev

HIV感染患者は冠血管疾患のリスクが増加しており、喫煙や脂質異常などの従来の冠血管疾患リスク因子とHIV感染と関連した持続する慢性炎症や抗レトロウイルス療法の副反応などとの相互作用の結果と考えられている。一般人口においてはスタチンの投与は冠血管疾患関連死亡を減少させることと関連しており、これらの薬剤は高所得国ではもっとも一般的な治療である。

スタチンの有効性はコレステロール値の低下を越えて、抗炎症効果、抗血栓効果、抗酸化作用、免疫調節作用、血管拡張作用などがあり、血管内皮機能の改善も示されている。一般人口でのスタチンの広範囲使用にもかかわらず、コホート研究ではこれらの薬剤はHIV感染患者では十分に活用されておらず、おそらく臨床家による安全性への懸念や抗ウイルス療法中の患者への臨床予後評価に対するデータが限られていることによるものと考えられる。この論文では最も重要なHIV感染患者におけるスタチンの臨床試験についてレビューとアップデートを行い、その副反応や相互作用について述べ、抗アテローム性動脈硬化作用や多面的な効果について論議する。最終的にはHIV感染患者においてスタチンの臨床的使用を推奨する。

低ナトリウム血症がHIV感染症の疾患重症度のマーカーになる

Hyponatremia is a marker of disease severity in HIV-infected patients: a retrospective cohort study;

Braconnier P, Delforge M, Garjau M, Wissing K, De Wit S; BMC Infectious Diseases 17 (1), 98 (Jan 2017)

Source: BMC Infect Dis

BACKGROUND

低ナトリウム血症はプレART時代にはHIV感染症患者の56%にみられるという報告もあるくらいよく見られる電解質異常であった。いくつかの研究で低ナトリウム血症の合併は死亡リスクの増加と相関していると示されている。

我々は最近のART時代における低ナトリウム血症の頻度と死亡率との相関を明らかにすることを目的として検討した。

METHODS

単施設の後方視的コホート研究。ベルギーのブリュッセルにあるSt Pierre 大学病院で1998年1月1日から2013年12月31日までの1196例の新たに診断された症例とART未導入のHIV患者について検討した。

低ナトリウム血症の定義はベースラインの値が135mmol/l以下とした。死亡率についても検討した。

RESULTS

177例(14.8%)で中央値132.0mmol/l(IQR130.0-134.0 mmol/l)の低ナトリウム血症がみられた。低ナトリウム血症はナトリウム血が正常な患者に比しでCD4陽性細胞の低値と相関(207.5 ± 197.7/μl vs 400.4 ± 277.0/μl; P < 0.0001)し、 AIDSの発症者も多かった (50.3% vs 12.4%; P < 0.0001) 。初診時に入院していた患者は有意に低ナトリウム血症を合併している割合いが高かった (72.3% vs 20.0%; P < 0.0001)。

低ナトリウム血症の患者は経過中に最初の入院までの期間が有意に短かく (2.0 IQR [0.0-12.0] months vs 13.0 IQR [2.0-29.0]months; P = 0.001) 、入院率自体も高かった(785/1000 patient-years, 95% CI 725-845 vs 370/1000 patient-years, 95% CI 352-388; P < 0.0001]。死亡率は28.3/1000 patient-years (95% CI 18.15-42.16)が低ナトリウム血症合併患者で9.33/1000 patient-years (95% CI 6.63-12.75) がナトリウム正常例であった。3年生存率は85.8% ± 3.0% が低ナトリウム血症合併患者で96.3% ± 0.7%がナトリウム正常患者で有意な差がみられた (log-rank P < 0.0001)。しかし、Coxモデルによる多因子解析ではAIDS発症率、CD4陽性細胞数が,<350/μlである確率、HCV合併率といったもので調整すると低ナトリウム血症は死亡の予想リスクとしては有意ではなかった。 (hazard ratio: 1.03, 95% CI 0.54-1.97; P = 0.935).

CONCLUSIONS

低ナトリウム血症はHIV感染症患者の重症度を測るマーカーになるが死亡の独立したリスクではなかった。HIV感染症患者で血清のナトリウム値が低い場合には慎重な経過観察によって状態の改善に有用かもしれない。

HIV reservoirにおけるHIV持続性のメカニズム

Mechanisms of HIV persistence in HIV reservoirs;

Mzingwane M, Tiemessen C; Reviews in Medical Virology (Jan 2017)

Source: Rev Med Virol

ART療法中患者のウイルス血症持続につながるHIV reservoirの形成と維持は、高活性ART療法時代においてなお最大の難問である。

細胞性reservoirは休息中のメモリーCD4+リンパ球を含み、主要なHIV reservoirとして関与し、その半滅期は約44か月である。

一方血漿においてはHIVの半滅期は6時間以下である。何人かの患者の不変なHIVクローンからなる持続したウイルス血症では、循環中の休息CD4+T細胞の中には同定されず、ほかの残存源の可能性が示唆された。

そのような細胞が潜伏するいくつかの解剖学的reservoirとして脳や中枢神経系、消化管、消化管関連リンパ組織やそのほかのリンパ臓器、生殖管などが含まれる。

免疫細胞やそのほかのHIV感受性細胞は、解剖学的reservoirにおいて異なった構成で生じ、ある場所においては準最適な薬剤濃度となるが、可変性で薬剤浸透性が低くなることがあり、治療の間に低レベルの複製やウイルス血症の持続を促進する要因と考えられる。

複製能のあるウイルスが潜伏しているHIV感染CD4+T細胞、HIVの細胞間拡散、慢性免疫活動によるHIV感染T細胞の恒常的増殖は、潜在的に、高活性ART治療中の持続性HIVウイルス血症のさらなる推進力となっている。

Qualitative insights into implementation, processes, and outcomes of a randomized trial on peer support and HIV care engagement in Rakai, Uganda;

Monroe A, Nakigozi G, Ddaaki W, Bazaale J, Gray R, Wawer M, Reynolds S, Kennedy C, Chang L; BMC Infectious Diseases 17 (1), 54 (Jan 2017)

Source: BMC Infect Dis

BACKGROUND

ART未導入のHIV感染患者はケアと組み合わせて予防介入を行うことで利益を得ることができる。コミュニティベースでのピアサポートは重要なHIVのサービスの中でも効果的なアプローチかもしれない。

METHODS

ART導入前にピアサポートを行う効果を検討する無作為化試験後に試験の実施および経過そして結果についてより深く理解するために質的評価を行う。

最終的に75例が登録された。試験登録者、ピアサポート者、クリニックのスタッフによって41例には詳細なインタビューと6回のグループディスカッションが行われた。

担当者の変更による動機づけ情報および行動スキルモデルは半構造化面接として扱い、さらに集団指導に焦点を当てている。インタビュー記事についてはテーマ毎に分類した。

RESULTS

登録症例が語る内容は一般的に理論モデルと一致し、ピアサポートによって情報が整理され動機づけ、行動スキルが改善しART前のケアとの結びつきの増強につながった。さらにピアサポート提供者がどのように健康メッセージに再度焦点を当てるか、複雑な健康情報について自身によりよい理解をもたらすのかを記述していた。ピアサポート提供者も登録症例がサポートネットワークや薬剤内服やクリニックを予約することを思い出し健康システムにつながるように誘導することを助ける。何人かのピアサポート提供者はクライアントと彼ら、彼女たちの家族やコミュニティ、健康システムとの橋渡しをするような一般的な患者との関係を超えるような働きをした。質的検討ではピアサポートによって患者のケアへの到達が改善し、ST合剤の使用や安全な水の供給装置の使用が改善するなど妥当と考えられる結果が得られた。

 

しかしART導入への不十分なメッセージ、ART開始後のケアの継続性の欠如やまれであるが守秘義務違反そして構造的な問題が含まれていた。

CONCLUSIONS

今回の検討でピアサポートがサポートを受けた患者に目に見える情報の提供や量的に評価可能な介入として提供できるといった大きな支援効果を示した。

研究の結果はいくつかの地域での将来のART前ピアサポートプログラムの改善にむけた取り組みの必要性を示唆する。

座りがちな生活を送っているcART治療中患者における早歩きのpilot study:可溶性、細胞性炎症マーカーへの有効性

A pilot study of brisk walking in sedentary combination antiretroviral treatement (cART)- treated patients: benefit on soluble and cell inflammatory markers;

Bonato M, Galli L, Passeri L, Longo V, Pavei G, Bossolasco S, Bertocchi C, Cernuschi M, Balconi G, Merati G, Lazzarin A, La Torre A, Cinque P; BMC Infectious Diseases 17 (1), 61 (Jan 2017)

Source: BMC Infect Dis

BACKGROUND

慢性HIV感染は低レベルの炎症や慢性疾患、死亡率のリスク増加と関連している。目的はHIV感染治療患者における代謝や炎症マーカーへの中等度強度の運動の効果を評価することである。

METHODS

座りがちな生活を送っているcART治療中の代謝性合併症のある患者におけるpilot study で、60分間の早歩きが週3回含まれ、さらに30分間のサーキットトレーニングあるか(strength-walk group )ないか(walk group)で 12週間のプロトコルが行われた。ベースラインと12週後(W12)に形態計測とDEXA、血中脂質、糖、血漿高感度CRP(hsCRP)、IL-6 、D-dimer、IL-18、可溶性CD14、CD4+、CD8+T細胞におけるCD38とHLA-DRを含んだ評価が行われた。

RESULTS

49人が対象となり、35人(71%)がプログラムを完遂した。21人がwalk、14人がstrength-walk groupであった。 12週時点でBMI、腹囲、ヒップ周り、総コレステロールについて対象者すべてとwalking groupで有意な改善が認められた。LDLコレステロールの改善は両トレーニング群でみられた。すべてのグループで、hsCRP、IL-6、D-dimer、IL-18、CD8+/CD38+/HLA-DR+ 細胞の有意な減少がみられた。hsCRP や CD8+/CD38+/HLA-DR+細胞は有意に両トレーニンググループで減少していたが、IL-6 とD-dimerはwalk groupでだけ有意な減少がみられた。

CONCLUSIONS

早歩きは強度のある運動をしてもしなくても、慢性HIV感染において脂質プロファイルや炎症マーカーを改善するかもしれない。

TRIAL REGISTRATION ACTRN12615001258549, registered 17 November 2015,'retrospectively registered'Web address of trial: http://www.ANZCTR.org.au/ACTRN12615001258549.aspx.

Immediate initiation of cART is associated with lower levels of cerebrospinal fluid YKL-40, a marker of microglial activation, in HIV-1 infection;

Peluso M, Valcour V, Phanuphak N, Ananworanich J, Fletcher J, Chalermchai T, Krebs S, Robb M, Hellmuth J, Gisslén M, Zetterberg H, Spudich S, RV254SEARCH 010, RV304SEARCH 013, and SEARCH 011 Study Teams ; AIDS 31 (2), 247-252 (Jan 2017)

Source: AIDS

OBJECTIVE

急性期および慢性期のHIV感染症においてマイクログリア細胞の活性化を示すユニークなバイオマーカーである脊髄液のYKL-40の動向を把握し、治療導入によるこのマーカーの値の変化を検討した。

DESIGN

HIV感染患者を初診時(ベースライン)と経過観察時の2群に分けた横断研究

METHODS

急性期感染(AHI)33例および慢性期(CHI) 34例について治療導入前の脊髄液と血液検体を採取しさらにcART導入後に再度同様の検体を採取して値を比較する。

AHI登録者で6ヶ月後に検体採取した症例が24例、慢性期で1年後に検体を採取できたのが10例であった。

Mann-Whitneyテストとスピアマンの順位相関係数について計算した。

RESULTS

ベースラインのYKL-40の値の中央値はCHIでAHIより有意に高かった。(96844 vs 80754 ng/l; P = 0.011). 治療後の経過観察時でもCHI群の方がAHI群よりやはり高い状態であった。(87414 vs 66130 ng/l; P = 0.003). CHI症例を未治療で観察した場合にはネオプテリン(r = 0.51, P = 0.0025)、CXCモチーフケモカインリガンド10(r = 0.44, P = 0.011)さらにニューロフィラメント軽鎖(r = 0.56, P = 0.0008)がそれぞれYKL-40の値と相関があった。

CONCLUSIONS

今回の研究はHIVの神経病理について理解するために脊髄液中のYKL-40の動向を感染患者の治療前後で検討した最初のものである。今回の結果はHIV感染症の早期の時点で予後予測因子となる可能性あるいは慢性期の治療導入の決定因子となる可能性を示唆している。

YKL-40特定の種類のがんや炎症性疾患 の患者において血中濃度の上昇がみられることのある物質。Th2 type活動と関連したり、微小血管および大血管疾患と関連性との関連も示唆され、プラーク破裂予告マーカーともいわれている。

tenofovir DF 使用中HIV感染患者でのrandomized controlled trialにおけるブーストしないatazanavirの有効性と安全性

Efficacy and safety of "unboosting" atazanavir in a randomized controlled trial among HIV-infected patients receiving tenofovir DF; Harris M, Ganase B, Watson B, Hull M, Guillemi S, Zhang W, Saeedi R, Harrigan P; HIV Clinical Trials 1-9 (Jan 2017)

Source: HIV Clin Trials

OBJECTIVES

ATV/ritonavir (r)、tenofovir disoproxil fumarate (TDF)による治療中のHIV感染患者におけるブーストしないatazanavir (ATV)へのスイッチについて有効性と安全性を評価すること

METHODS

ATV/r 、TDFレジメン治療を受けており、スクリーニング時のウイルス力価(VL) が<40 copies/mLで、3か月以上<150 copies/mLが維持されている HIV感染成人が、バックボーンのTDFは維持されたままの状態で、ATV/r 300/100 mg 連日 (control)またはATV 400 mg dailyへ変更 (switch)群に無作為化された。主要転帰は48週時の治療失敗(レジメンの変更またはVL > 200 copies/mL 連続2回)のない対象者の割合とした。

RESULTS

55人の対象者(46人が男性、年齢中間値47歳)がそれぞれ25人ずつ無作為化された。48週時点で治療成功はcontrol群で76%、switch群で92%であった(ITT, p = 0.25)。 9週時点でのATVのトラフはcontrol群(中間値 438 ng/mL)がswitch群(中間値124 ng/mL)より高く(p = 0.003)、48週時点での総ビリルビン値も同様な結果であった(中間値それぞれ 38 μmol/L 、28 μmol/L; p = 0.02)。eGFR はcontrol群で減少がみられたが(p = 0.007)、switch群では変化がみられなかった。48週時点でeGFRはSwitch群(中間値 96 mL/min)でcontrol 群 (中間値 85 mL/min)より高かったが(p = 0.035)、空腹時血糖やCRP、脂質パラメーターは両群とも同様であった。

CONCLUSIONS

ATV/rからブーストしないATVへスイッチすることは、TDFを含むレジメン治療を受けているウイルス学的に抑制された患者を選択した場合、安全で有効性があり、ビリルビン値や腎機能においても良好な効果がみられるかもしれない。

Types of Myocardial Infarction Among Human Immunodeficiency Virus-Infected Individuals in the United States.

Crane HM et. al.JAMA Cardiol. 2017 Jan 4. doi: 10.1001/jamacardio.2016.5139.

Source: JAMA Cardiol

Abstract

Importance

 心筋梗塞のユニバーサルディフィニション第2版は心筋梗塞を二つのタイプに分けている。タイプ1心筋梗塞は動脈硬化による血管破綻から血流の途絶が生じるもので、タイプ2は高度の低血圧による血流不全により酸素供給と酸素需要の不均衡により発症するものである。タイプ2心筋梗塞は一般人口においてまれな病態であるが、HIV感染患者ではその頻度は全く不明である。

Objectives

 心筋梗塞の分類のために、タイプ別、タイプ2の原因、そして人口統計学的、臨床症状特徴の比較をHIV感染患者においてタイプ1と2の心筋梗塞で行った。

Design, Setting, and Participants

 今回の縦断的研究は1996年1月1日から2014年3月1日までの間で6つの施設でHIVの加療を受けている患者で診断名と心筋バイオマーカーの記録とをデータリポジトリから心筋梗塞の可能性がある症例を特定した。

 医師の記録、心電図、経過、臨床検査値を匿名化処置によりサイトを構築した。2名の専門医がそれぞれのイベントを評価し心筋梗塞疑いからタイプ1,タイプ2梗塞を診断基準でカテゴリー分類しそしてタイプ2梗塞の原因を特定した。

Main Outcomes and Measures

 タイプ1,タイプ2梗塞の発症頻度、人口統計学的、臨床症状の特徴そしてタイプ2梗塞の原因とした。

Results

 571例(年齢中央値 49歳、 4分散範囲 43-55)430例が男性で141例が女性で確診ならびに疑診例で288例(50.4%)がタイプ2であった。タイプ1は283例(49.6%)であった。 冠血管治療(冠動脈バイパス術も含む)を受けた総数は362例で、そのうちタイプ1を解析したところ79例であった。セプシスあるいは菌血症が100例(34.7%)で最近のコカインの使用あるいは他の違法薬物使用例が39例(13.5%)でこれらがタイプ2梗塞の最もよく見られる原因であった。

 タイプ2梗塞はタイプ1梗塞で冠血管治療をうけた群に比べて40歳以下である割合いが高く(47例/288例 vs 32例/362例)、CD4陽性細胞数(中央値230 vs 383)、脂質レベル(167 vs 190mg/dl)、Franinghamリスクスコア167 vs 190)は低かった。

Conclusions and Relevance

 HIV感染患者の心筋梗塞の半数がタイプ2梗塞でその原因としては種々の臨床条件がみられた。それらはセプシスあるいは菌血症、コカインあるいは他の違法薬物の使用等だった。人口統計学的特徴や心血管疾患リスク因子もタイプ別に異なったことはHIV感染者個々の将来の心筋梗塞のリスクを理解し予防や治療に結びつける必要があることを示唆している。

抗HCV治療に対する反応はHCV/HIV陽性患者における死亡率の予測となるか?

Is Response to Anti-HCV Treatment Predictive of Mortality in HCV/HIV Positive Patients?;

Peters L, Cozzi-Lepri A, Hepatitis C Working Group for the Collaboration of Observational HIV Research Europe (COHERE) in EuroCoord ; AIDS (Dec 2016)

Source: AIDS

BACKGROUND

HIV/HCV患者のHCV治療後の長期的な臨床予後についてはあまり調査されていない。the multi-cohort study COHERE でHIV/HCV患者においてHCV治療への反応と関連した総死亡と肝臓関連死亡のリスクについて比較した。

METHODS

PEG-interferon + ribavirinを開始され(ベースライン)、ベースラインから72週以上経過観察された全ての患者を調査した。患者は治療期間によって3つの反応グループに分けられ、ベースラインから24-72週の期間でHCV-RNAが測定された。治療を24週以上行われた患者が、ベースラインから24-72週後の間に測定された最終のHCV-RNAが陰性であったらresponders、HCV-RNAが不明の場合はunknown responseとして定義された。Non-responderは治療期間が24週未満かベースラインから24-72週後のHCV-RNAが陽性の場合とした。生存率分析を使用して死亡率が比較され、Cox回帰分析が反応グループ間の死亡のハザード比を比較するのに使用された。

RESULTS

3,755患者が調査され、1031 (27.5%)人が responders, 1,639 (43.6%)人が non-responders、1085 (28.9%)人が unknown responseであった。総死亡率(per 1,000 PYFU, 95% CI)はnon-responders 17.59 (14.88-20.78), responders 10.43 (7.62-14.28) 、unknown responders 11.00 (8.54-14.23) であった。調整後の総死亡、肝臓関連死亡、非肝臓関連死亡に対する相対ハザード比(non-responders vs. responders)は1.53 (95% CI 1.06-2.22), 3.39 (95% CI 1.32-8.75) 、1.22 (95% CI 0.80-1.84)であった。

CONCLUSION

PEG-interferon + ribavirinへのウイルス学的反応が良好なHIV/HCV患者では、総死亡、肝臓関連死亡のリスクを減少させる。一方でresponders とnon-respondersを比較したとき、非肝臓関連死亡のリスクに違いはなかった。

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