17/05/25 up

Metabolic profiles of individuals switched to second-line antiretroviral therapy after failing standard first-line therapy for treatment of HIV-1 infection in a randomized, controlled trial;

Yao A, Moore C, Lim P, Molina J, Madero J, Kerr S, Mallon P, Emery S, Cooper D, Boyd M, SECOND-LINE study group ;

Source: Antiviral Therapy (Apr 2017)

BACKGROUND

1stライン治療に失敗した患者で2ndラインのレジメン選択後の代謝関連データの変化について検討する。

METHODS

2ndラインはオープンラベルの無作為化試験で、登録患者はLPV/rtvと2から3種のNRTIを併用するレジメン(NRTI群)とRALを併用するレジメン(RAL群)に1:1に割り付けられた。

210例についてはDXAをベースラインと48週後、96週後にチェックした。今回登録症例のバックボーンをいくつかにカテゴリー分けした1. AZT+3TC or FTC [ta-NRTI group]; 2. TDF+3TC or FTC [TDF group]; 3. TDF+AZT+/-3TC or FTC [TDF+ta-NRTI group]; 4. RAL.である。

総コレステロール(TC)、LDL-c、HDL-c、TC/HDL比、中性脂肪、血糖値についてベースラインから98週目までの変化を確認した。線形回帰分析をもちいてレジメンとの相関を検討した。

RESULTS

総登録症例は454例であった。RAL群はTCの増加が大きくTDF群都比較すると(adjusted mean difference (aMD)=0.65, 95%CI 0.33, 0.96)、LDL-cは(aMD=0.38, 95%CI 0.15, 0.61)、血糖値は(aMD = 0.47, 95%CI -0.01, 0.92)で、TDF+ta-NRTI群との比較ではTCは(aMD=0.65, 95%CI 0.28, 1.03)、 HDL-c (aMD=0.12, 95%CI 0.02, 0.23) 、LDL-c (aMD=0.41, 95%CI 0.13, 0.69;)であった。

TC/HDL比と中性脂肪はすべての群で上昇しレジメン間の差はなかった。1kgの体幹脂肪量の増加がTCの増加に関連してみられた。

CONCLUSIONS

今回の比較的若年層が多く登録された試験において限定的なデータにはなるが有意な代謝関連指標の上昇がみられた。しかし、代謝関連指標の変化は高齢になるにしたがってHIV患者で顕著になり高齢HIV患者の心血管疾患リスクとなる。

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臨床的管理下にあるHIV感染患者での腎機能低下は少ない

Absence of Decline of Kidney Function in Human Immunodeficiency Virus-Infected Patients Under Routine Clinical Management;

Boucquemont J, Lawson-Ayayi S, Rigothier C, Bonnet F, Proust-Lima C, Neau D, Greib C, Miremont-Salamé G, Dabis F, Dupon M, Dauchy F, for ANRS C03 Aquitaine Cohort Study Group ;

Source: Nephron 136 (3), (Apr 2017)

BACKGROUND

ARTの導入からHIV感染患者は大幅に予後が改善したが、同時に慢性腎疾患のような非HIV関連合併症に、より影響されるようになった。この調査の目的はタンパク尿とeGFRの時間的変化に対するTDFを含むART regimenの影響を評価することである。

METHODS

2008年4月から2012年10月の間にANRS C03アキテーヌコホートから395人の患者が完全な腎機能評価をされた。南西部フランスで定期的な臨床管理下にある病院ベースのHIV感染者の前方視的なコホートである。治療期間に関連したeGFR曲線でTDFによるeGFRの動態を解析するのに線形混合分析が使用された。

RESULTS

患者の56.7%はTDFが含まれるARTレジメンで治療をされていて、糸球体性タンパク尿の有病率は7.9%、尿細管性タンパク尿の有病率は10.8%であった。TDFへの累積曝露1年増加は有意に平均eGFR1.27 mL/min/1.73 m2(95% CI [-2.14 to -0.41])減少と関連していた。 尿蛋白クレアチニン比>100 mg/mmolと尿中アルブミンクレアチニン比>70 mg/mmol だけがeGFR時間曲線(平均傾斜 6.18 mL/min/1.73 m2 per year; 95% CI [2.71 to 9.65])と関連しており、TDFの使用はそのような時制的なeGFRの増悪との関連はみられなかった。

CONCLUSION

腎機能モニタリングやTDFの継続または中止の決断を含む介入など定期的な臨床管理下でみられる腎機能低下は限られている。

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Impact of co-morbidity and aging on health-related quality of life in HIV-positive and HIV-negative individuals;

Langebeek N, Kooij K, Wit F, Stolte I, Sprangers M, Reiss P, Nieuwkerk P, AGEhIV Cohort Study Group ;

Source: AIDS (Apr 2017)

BACKGROUND

HIV感染症患者は加齢関連の非感染性合併症が通常より若年齢で発症する可能性がある。HIV陽性で合併症をもつあるいは年齢を重ねるという状態は健康関連QOL(HRQL)に影響を与えるかもしれない。

我々はHIV感染症と合併症、年齢についてHRQLとの関連について調査した。

METHODS

AGEhIV コホート研究からHIV感染患者と非感染の対照群を抽出し合併症の有無についてスクリーニングした。その後、HRQLの計測として簡易の36種健康調査と鬱関連の9種患者健康質問を施行した。

線形およびロジスティック解析で合併症、加齢、HIV感染が独立してHRQLと鬱に関連があるかを検討した。

RESULTS

HIV感染者(n=541)は有意に身体的、精神的なHRQLが低下し鬱の罹患率がHIV非感染者(n=526)より高かった。

合併症の数も多く、HIV陽性の状態は独立して身体HRQLの悪化に関連し、一方でHIV陽性と若年であることは精神的HRQLの悪化と鬱に独立して関連していた。HIV陽性と陰性とで身体的HRQLの違いは合併症の数や年齢を重ねることで増大はしなかった。

CONCLUSIONS

HIVのコントロールが良好な患者とHIV陰性者を対照とした大規模コホートによる検討でHIV陽性は有意にそして独立して身体的および精神的HRQLの低下と関連し鬱発症の可能性を高るめ可能性が示された。今回の結果は年齢を重ねていくHIV患者の合併症予防とそのマネージメントの重要性を強調するものである。

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HIV感染患者の脆弱性:骨塩量(BMD)減少に対する新たな危険因子

Frailty in HIV infected people: a new risk factor for bone mineral density loss; Bregigeon S, Galinier A, Zaegel-Faucher O, Cano C, Obry V, Laroche H, Trijau S, Saout A, Poizot-Martin I;

AIDS (Apr 2017)

OBJECTIVE

この調査ではBMDとHIV感染患者コホートとの関連を評価することが目的である。

DESIGN

HIV外来患者施設での約1000人の患者をモニターした横断研究

METHODS

BMDが施行されている患者についてCardiovascular Health Study (CHS)と骨粗鬆症骨折研究(the Study of Osteoporotic Fractures (SOF))の基準を使用し脆弱性を評価することが計画された。

脆弱性マーカー(Frailty markers (FM))は体重減少、自己申告による易疲労性、身体活動性、握力、椅子立ち上がり、緩徐歩行であった。患者情報は電子カルテで収集された。BMDでの脆弱性と骨粗鬆症との関連は多変量線形回帰モデルとロジスティック回帰モデルを使用した。

RESULTS

175人のHIV患者を調査し121人 (69.14%)が男性であった。FM、骨減少症、骨粗鬆症の罹患率は性別間で違いはなかった。女性では、より若年者にもかかわらず脊椎と大腿骨頸部のBMDがより低かった (P < 0.05)。女性において、年齢、HIVによる観察期間、BMI、喫煙、骨関節炎、骨粗鬆症の治療、閉経年齢で調整した線形回帰モデルでは、SOF基準による脆弱性と脊椎・大腿部のBMDは、負の相関があった(P < 0.05)。男性において年齢、HIV観察期間、CD4底値、CD4細胞数、たばこ消費量、TDFとPIの使用により調整したSOF基準の脆弱性は骨粗鬆症と関連していた (OR 28.79; 95%IC 2.15-386.4)。 BMDとCHS基準の脆弱性には有意な関連はみられなかった。

CONCLUSION

SOF基準に関連した脆弱性はHIV感染女性において脊椎BMDの低下と関連し、男性においては骨粗鬆症と関連していた。

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HIV-positive men who have sex with men are at high risk of development of significant liver fibrosis after an episode of acute hepatitis C.

J Viral Hepat. 2017 Apr 25. doi: 10.1111/jvh.12707.

Abstract

HIV感染しているMSMでは、急性C型肝炎は健康問題上大きな懸念事項である。新しく開発されている直接作用型抗ウイルス薬(DAA)併用療法は、(慢性C型肝炎には適応が広がっているが、)急性HCV感染に対する治療適応がなく、その結果潜在的にHCVの治療が遅れてしまう。そこで急性HCV感染のエピソードの後、肝障害の経過をみる研究を行った。研究は後方視的単施設コホート研究で、急性HCV感染したHIV陽性MSMを対照に行った。FibroscanとFibrotestを用いて肝線維化を評価し、肝疾患関連もしくは非関連かのアウトカムを考証した。急性期HCV感染エピソードが213件あり、平均追跡期間は38.7か月であった。 自然経過でHCVが排除されたのは10.8%で、急性HCV感染と診断された時点での高齢、HCVRNA低レベル、ALT高値が関連していた。インターフェロンベースの治療は86.3%のケースで開始されており、持続性ウイルス応答(持続HCV陰性)は70.7%であった。3年間の観察後、METAVIR F2ステージもしくはそれ以上の肝線維化が39.4%で認められた。高齢、アルコール依存症、HCV治療に反応しなかった例が高線維化と関連していた。10名の患者は経過観察中に死亡し、4名はインターフェロン治療中に死亡した。インターフェロンによる治療が多く行われ、高い治癒率にもかかわらず、HIV陽性MSMで急性HCV感染後に肝線維化が多くみられた。HCV治療が遅れた場合は特に肝疾患のモニタリングが密に必要である。

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Grey and white matter abnormalities in treated HIV-disease and their relationship to cognitive function;

Underwood J, Cole J, Caan M, De Francesco D, Leech R, van Zoest R, Su T, Geurtsen G, Schmand B, Portegies P, Prins M, Wit F, Sabin C, Majoie C, Reiss P, Winston A, Sharp D, Co-morBidity in Relation to Aids (COBRA) Collaboration ;

Source: Clinical Infectious Diseases (Apr 2017)

Background:

長期経過観察における有害事象として認知障害はHIVの有効な治療が開発された現在でも残された問題である。今回我々はCo-morBidity in Relation to AIDS (COBRA)コホートに登録されたHIV治療が奏功している症例において認知機能障害と脳構造との関連について各種画像検査で検討した。

Methods:

認知機能と脳の容積、白質の微細構造について134例のHIV陽性患者と79例の陰性コントロールとで比較した。すべての患者はHIV RNAはコホートに登録する時点で抑制されていた。voxel解析によって脳の容積を比較し拡散強調画像の解析を機械学習システム(machine learning approach)をつかって認知機能と画像所見の結びつきについて検討した。

Results:

コントロール群との比較で認知機能は6つの領域をチェックする試験で4つ低下していた。(中央値はT-scoreで50.8 vs. 54.2となりp<0.001で有意な差が見られた。)

患者は通常認知機能には関連しない領域の灰白質のボリュームが低下していたが白質のボリューム低下は指摘できなかった。fractional anisotropy(FA:異方性比率)や不等方性拡散といった所見から広範囲な白質の微細構造の異常が指摘できた。ボリューム減少とは対照的に灰白質において拡散の異常で示される微細構造の異常は認知期機能に関連していた。

多変量神経画像処理分析によって、神経画像の所見は認識機能の低下、HIV感染と全身の免疫活性化と関連していることを確認した。

Conclusions:

認知機能の低下、灰白質のボリューム低下と白質の微細構造の異常は完全にウイルスが抑制されているHIV陽性患者にみられた。白質の微細構造の異常はHIVの治療でよくコントロールされた患者でも認知機能の異常の有無に特に重要な所見として現れる。

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HIV患者の認知障害の主要な誘因と考えられる脳梁膨大後部の皮質菲薄化

Retrosplenial cortical thinning as a possible major contributor for cognitive impairment in HIV patients;

Shin N, Hong J, Choi J, Lee S, Lim S, Yoon U;

European Radiology (Apr 2017)

OBJECTIVES

HIV患者におけるHIV関連神経認知障害(HAND)に関係する脳皮質領域を同定すること

METHODS

HIV患者でHAND合併者 (n = 10)、正常認知機能者(HIV-IC; n = 12)、年齢をマッチさせた血清学的に陰性のコントロール(n = 11)が登録された。すべての患者は男性でT1強調3D画像検査が施行された。vertex-wise解析と関心領域画像解析で皮質厚を測定した。

RESULTS

コントロール群との比較で、HIV-IC群もHAND群も主に前頭前野と頭頂皮質に広がる両側一次感覚運動野で皮質厚の減少がみられた。HIV-ICとHAND群を比較した場合、HAND群は左脳梁膨大後部皮質、左背外側前頭前野皮質、左下頭頂小葉、両側上内側前頭前野皮質、右側頭頭頂接合部、左海馬で皮質菲薄化が認められ、左中後頭皮質では皮質の肥厚がみられた。左脳梁膨大後部は有意に情報処理能の鈍化と言語記憶低下、実行機能低下、微細運動機能の低下と関連していた。

CONCLUSIONS

この研究では以前の報告で示唆されているようにHIV感染患者における一次感覚運動野の選択的な脆弱性 と前頭前野・頭頂葉での皮質厚と認知機能障害との関連が支持された。さらに初めて、HIV関連認知障害への主要な寄与因子である可能性として脳梁膨大後部の皮質菲薄化が提示された。

KEY POINTS

• 一次運動感覚野と補足運動野はHIV感染に対し選択的に脆弱性がみられた

• 前頭前野と頭頂皮質の菲薄化はHIV関連認知機能障害と関連があった。

• 脳梁膨大後部の皮質菲薄化はHIV関連認知機能障害への主要な寄与因子であるかもしれない

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Prevalence of Post-Treatment Controller Phenotype is Rare in HIV-infected Persons after Stopping Antiretroviral Therapy;

Perkins M, Bradley W, Lalani T, Agan B, Whitman T, Ferguson T, Okulicz J, Ganesan A;

Source: Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes (Apr 2017)

BACKGROUND

急性期ないし早期のHIV感染期にARTを導入しその後コントロール状態に入るという現象はまれとされている。

METHODS

大規模でよくデザインされたコホートで治療導入後に一旦休薬して6ヶ月以上ウイルス量のリバウンドがみられない治療後コントローラー(PTCs)について検討した。

ART休止後に速やかにウイルスの増加をきたす症例とその臨床的特徴やCD4陽性細胞数、治療中や中止後のウイルス量の動きについて比較した。

RESULTS

6070例を登録したコホートにおいて95例が2年以上のARTをうけてから中止にいたり、その後もウイルス量の推移を観察されていた。95例中4.2%にあたる4例がPTCであった。ART休止後のウイルス抑制期間は267日から1058日で1例はウイルス量が増加したためARTが再開されていた。この4例は慢性期にARTが導入されていた。人口統計学的および臨床的特徴は通常の患者と同様であった。

CONCLUSIONS

治療後コントローラーは治療を早期ないし急性期に導入された患者でよく認められるが今回我々は慢性期に治療を導入した患者でPTCを見つけたことでこの現象は慢性期でも認められることが示唆された。PTCが非常にまれであることはこれまでの報告と同様であった。

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プラスミノゲン活性化抑制因子(PAI-1)は慢性HIV感染での全身のインスリン感受性低下を予測する

Plasminogen Activator Inhibitor -1 (PAI-1) Predicts Negative Alterations in Whole Body Insulin Sensitivity in Chronic HIV Infection;

Wirunsawanya K, Belyea L, Shikuma C, Watanabe R, Kohorn L, Shiramizu B, Mitchell B, Souza S, Keating S, Norris P, Ndhlovu L, Chow D;

AIDS Research and Human Retroviruses (Mar 2017)

プラスミノゲン活性化抑制因子(PAI-1)は負の線維素溶解調節因子であり、インスリン抵抗性の進展と糖尿病の前兆となる可能性があるとして研究されている。慢性的に安定したHIV感染患者はしばしばインスリン抵抗性や糖尿病などの糖代謝異常が進行するため、我々は慢性HIV感染患者でPAI-1はインスリン抵抗性の多要素病原因子のうちの一つであると仮定した。我々の縦断的コホート研究ではベースラインで糖尿病の診断をされていない慢性的に安定しているHIV感染患者(N = 62)を選択的に登録し、ベースラインのPAI-1を含む炎症性サイトカインと全身インスリン感受性との関連をMatsuda Indexを使用して2年間解析した。我々はベースラインのPAI-1とMatsuda indexの間に負の相関(r = -.435 , p = .001)を発見した。またベースラインのPAI-1と2年経過時のMatsuda indexにも負の相関(r = -.377 , p = .005)がみられた。年齢、全身脂肪質量百分率、血清アミロイドA、糖尿病の家族歴を含んだ線形回帰モデルでも、PAI-1は有意に2年経過時のMatsuda Indexと関連がみられた(β = -.397, p = .002)。我々の縦断的研究ではPAI-1はインスリン抵抗性の慢性HIV感染患者における独立の予測因子であると考えられた。

* Matsuda-DeFronzo Index=10,000/[(糖負荷前血糖値×糖負荷前血清インスリン値)×(OGTT中の平均血糖値×OGTT中の平均血清インスリン値)]1/2:インスリン抵抗性の指標 正常値は3.0以上

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Predictors and impact of self-reported suboptimal effort on estimates of prevalence of HIV-associated neurocognitive disorders;

Levine A, Martin E, Sacktor N, Munro C, Becker J;

Source: Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes (Mar 2017)

BACKGROUND

HANDの罹患率は上昇しているようである。最適化されていない神経認知テストをうけた結果をもとに検討されたコホート研究によって評価されることでこの予測がもたらされている可能性がある、さらにHANDの重症度が経時的にふらつくような変化をすることが矛盾する労力(inconsistent effort)と関連している可能性がある。この仮説を検証するために多施設のAIDSコホート研究をデザインした

METHODS

神経認知テスト後に935例(525例がHIV陰性、410例がHIV陽性)に対してthe Visual Analogue Effort Scale (VAES)によって彼らの労力を0-100%で評価した。100%より低かった症例についてその最適化されていない労力の理由を検討した。K-means cluster解析は下記の3つのグループを示した。一つは高値群(mean=97%)、つづいて中間群(79%)、そして低値群(51%)である。HABDの罹患率とその他の特徴をグループ間で検討した、線形regression(Linear regression)、VAESスコアで予測可能か検討した。2回の受診でVAESを完遂した57例についてeffortとHABDの重症度との長期的な相関について行われた。

RESULTS

Effortが100%を下まわっていた52例ではHIVの有無による差はなかった。理由のなかでよくみられたものは'tired'(43%) および'distracted'(36%)であった。低値群ではANいとMNDの診断が中間群や高値群より多くそれぞれ(25 and 33%)、(23% and 15%)、(12% and 9%)であった。Effortの予測因子としてはセルフレポートでの記憶障害、アフリカ系アメリカ人種、コカイン使用であった。 ベースラインと経過観察時のeffortの変化はHANDの重症度と関連していた。

CONCLUSION

Effortを最適化することはHANDの罹患率の上昇やその重症度の変化を説明することができる。Effortを最適化するために研究プロトコールに単純な調整することでこの結果が示される。

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Changes in mortality rates and causes of death in a population-based cohort of persons living with and without HIV from 1996 to 2012;

Eyawo O, Franco-Villalobos C, Hull M, Nohpal A, Samji H, Sereda P, Lima V, Shoveller J, Moore D, Montaner J, Hogg R, Comparative Outcomes And Service Utilization Trends (COAST) study ;

BMC Infectious Diseases 17 (1), 174 (Feb 2017)

BACKGROUND

HIV/AIDS非関連疾患はHIV感染者においてその罹患率や死亡率の増加に関連している。 今回の研究の目的はカナダのブリティッシュコロンビア(BC)におけるコホートでHIVの有無による合併疾患の特徴と死亡率、死亡原因の経年的な変化を比較することである。

METHODS

Comparative Outcomes And Service Utilization Trends (COAST)研究のデータを解析した。

ポピュレーションベースでブリティッシュコロンビアHIV/AIDSセンターと同地域データを比較する後ろ向き研究で、それぞれHIV患者および一般人口のデータが含まれている。

今回は1996年から2012年までの20歳以上のすべてのHIV患者のデータおよびBC在住の非感染者の10%をランダムに抽出したデータが含まれている。死亡はBCのすべての死亡情報が登録されるポピュレーションデータ(BC Vital Statistics Agency dataset)で解析し、死亡原因はICD9/10によってカテゴリー分類した。年齢調整死亡率と総死亡率を計算した。傾向分析をおこなった。

RESULTS

トータルで5,620,150人・年の経過観察(HIVは13,729例、一般は510,313名)で3401例(25%)と47,647例(9%)が死亡している。あらゆる原因を総合して計算する死亡率はHIV感染者が一環して高値で、とくに神経学的な障害でその傾向が顕著であった。年齢調整死亡率は1996年の126.75/1000人から2011~2012年で21.29と83% の減少がみられた(p < 0.001)。 一方で一般人口では7.97から6.87へ14%の減少であった。

HIV/AIDS関連死亡については94%の減少(103.85/1000人から6.72 p < 0.001)がみられた。有意な年齢調整死亡率の減少は肝疾患や薬剤常用による死亡にも見られ、神経学的な障害での死亡については有意に増加していた。エイズ非関連癌はHIV/AIDS非関連死亡の最多で、これはHIV感染、非感染に関係なく同様であった、

CONCLUSIONS

1996年から2012年にかけて有意な死亡率の減少が見られるが、非感染者に比べると依然として高い状態である。効果的なリスク因子のマネージメントと最適なHIV感染患者のスクリーニングが必要である。

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ゲイとバイセクシュアル男性におけるHIV暴露後予防としてのドルテグラビル+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン

Dolutegravir with tenofovir disoproxil fumarate - emtricitabine as HIV post-exposure prophylaxis in gay and bisexual men;

Mcallister J, Towns J, Mcnulty A, Pierce A, Foster R, Richardson R, Carr A;

AIDS (Mar 2017)

OBJECTIVES

HIV暴露後予防(PEP)に対する達成率は多くの場合低い。我々はゲイとバイセクシュアル男性(GBM)における3剤PEPとしてのドルテグラビル(DTG 50 mg 連日)+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300 mg /エムトリシタビン200 mg(TDF-FTC)のアドヒアランスと安全性を調査した。

DESIGN

オーストラリアの3つのsexual healthクリニックと2つの救急治療部での非盲検単一群試験

METHODS

PEPが必要な100人のHIV非感染GBM例がDTG+TDF-FTCによる28日間の治療を受けた。 初回終了点はPEP失敗(PEP早期中断または12週でHIV初感染)とした。追加の終了点は自己申告 (n = 98) と錠剤カウント(n = 55)によるアドヒアランス;安全性;28日時点での血漿薬剤濃度とした。

RESULTS

PEP完了は90%(95%CI 84% から 96%)であった。失敗は(中間値9日で発生。IQR3-16 )フォローアップできなかった例(9%)と薬剤による継続不能な有害事象(頭痛1%)を含んだ。12週でHIVを獲得した症例は見られなかった。PEPへの アドヒアランスは自己申告では98%で55例で錠剤カウントデータと一致していた。もっとも一般的な有害事象(AEs)は倦怠感(26%), 嘔気 (25%), 下痢 (21%), 頭痛(10%)であった。4例だけgrade3-4の主観的有害事象がみられた。もっとも一般的な検査上のAEはALTの上昇(22%)であったが、臨床的肝炎の例はみられなかった。28日時点でのeGFR平均値は14 mL/min/1.73m (SD 17, p = 0.001)減少した。3%が eGFR <60 mL/min/1.73mとなった。

CONCLUSIONS

ドルテグラビル(DTG)+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン (TDF-FTC)は1日1回のPEPとして安全で忍容性のよいオプションとなる。

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Human papillomavirus antibody response following HAART initiation among MSM;

Combes J, Clifford G, Egger M, Cavassini M, Hirsch H, Hauser C, Calmy A, Schmid P, Bernasconi E, Günthard H, Franceschi S, Waterboer T, Scherrer A, Swiss HIV Cohort Study ;

AIDS 31 (4), 561-569 (Feb 2017)

OBJECTIVE

HIV陽性のMSMにおいて高リスクのHPV抗体の反応がHAARTによってどのように変化するか、そしてこの変化が潜在性のHPV関連癌のリスクとどのように関連しているかを確認する。

DESIGN

スイスHIVコホートによる前向き血清疫学調査により1995年から2004年までの間に281例のHIV陽性MSM症例を登録した。

METHODS

それぞれの症例は2つの血清サンプルを採取(一つはHAART導入時、もう一つは24ヶ月後)しHPV6,11,16,18,31,33,35,45,52そして58のL1抗体のチェックとHPV16のE6抗体についてチェックした。HPV関連癌についてはスイス癌登録データとリンクさせた。

RESULTS

HAART導入時は45.2%で高リスクのHPV-L1が陽性でHPV16-L1は32.4%であった。HAART導入時のL1抗体の陽性と相関するのは直近6ヶ月の性行為のみであった。

 

HAART導入後は高リスクHPV-L1血清陽性者が60.5%と上昇 [prevalence ratio versus pre-HAART = 1.34, 95% confidence interval (CI) 1.14-1.57]し、そしてHPV16-L1は48.0% (prevalence ratio versus pre-HAART = 1.48, 95% CI 1.20-1.83)であった。血清陽転化と相関するのはCD4陽性細胞が低いこととCD4/CD8比が低いことであった。 (P < 0.01)

一例のみHAART前にHPV16-E6が陽性でHAART後にその他2種の抗体が陽転化していた。肛門癌の罹患率は3種のHPV16-E6がHAART後に陽性であった場合がHPV16-E6陰性に比較して有意に増加していた。 (incidence rate ratio = 63.1, 95% CI 1.1-1211).

CONCLUSION

HAARTに起因する免疫再構築によってHPV特異的抗体反応が増加し将来の癌発生リスクの高いこの群を識別するかもしれない。

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第2世代成熟阻害薬GSK3532795はプロテアーゼ阻害剤耐性HIV臨床分離株に対する活性を維持する

The second-generation maturation inhibitor GSK3532795 maintains potent activity toward HIV protease inhibitor-resistant clinical isolates;

Ray N, Li T, Lin Z, Protack T, Maria van Ham P, Hwang C, Krystal M, Nijhuis M, Lataillade M, Dicker I;

Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes (Feb 2017)

BACKGROUND

protease (PR)における1次置換とGagにおける2次置換がみられるProtease inhibitor (PI)耐性HIV-1ウイルス株は潜在的に成熟阻害剤(MIs)への交叉耐性をあらわしている可能性がある。我々はPI耐性(長期的な)と関連した遺伝子型、表現型の特徴を持つ臨床株に対する活性について第2世代MIs GSK3532795を評価した。

METHODS

15人のPI治療患者からの長期投与臨床株とメジャーとマイナーなPI耐性関連変異(RAMs)を含む7つの高度PI耐性(非長期投与)を持ったウイルスがGSK3532795への感受性について評価された。表現型の感度はPhenoSense Gag/PR assay (Monogram Biosciences)かin-house single- and multiple-cycle assaysを使用して測定された。ベースラインからの変化(CFB:治療前後のFC-IC50の比(wild-typeウイルスに対する50%阻害濃度比))が<3の場合は影響がないレベルと考えた。

RESULTS

すべての非長期投与ウイルス株はGSK3532795に感受性であった(FC-IC50 range 0.16-0.68)。長期投与ウイルス株ではすべてのPI治療後サンプルがPRにおいて主要なPI RAMsを持っており、21株中17株がGagにおいてPI耐性関連変異を持っていた。21株中19株のPI治療後サンプルでGSK3532795 CFB<3であった。CFB中央値は0.83(0.05-27.4)(Monogram (11 患者))、1.5(1.0-2.2)(single-cycle(4患者))であった。PI治療後2人の患者はGSK3532795 CFB>3 (Monogram)を示し、single- and multiple-cycle を使用して再テストを行った。どちらもthe multiple-cycle assayで意味のある感受性変化は見られなかった。Gag変異はGSK3532795 CFB の増加と関連していなかった。

CONCLUSIONS

GSK3532795はPRやGag変異が出現したPI耐性株への抗ウイルス活性が維持された。この結果は以前にPI治療を受けたことがある場合もない場合も治療経験のある患者におけるGSK3532795の開発継続を支持するものである。

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HIV感染患者における免疫不全、エイズ関連肺炎と肺がんのリスク

Immunodeficiency, AIDS-related Pneumonia, and Risk of Lung Cancer Among HIV-infected Individuals

JL Marcus et al. AIDS. 2017 Mar 01.

OBJECTIVE:

HIV感染患者における肺がんリスクの上昇の免疫不全と肺炎との関係を明らかにする。

DESIGN:

1996年~2011年のカリフォルニアヘルスケアシステムHIV感染、非感染の成人統合コホート研究

METHODS:

ポアソンモデルで、HIV感染と肺がんの関係、全体あるいは直近のCD4数(HIV非感染者をコントロール群として)をカイ2乗検定で層別化してRRを測定した。

人口動態、がんリスク因子(喫煙、薬剤およびアルコールの常習、肥満)そして先行する肺炎について調整した。

RESULTS:

24,769例のHIV感染者および257,600例の非感染者を対象とした。肺がんはHIV感染者(n=80)で100,000人・年あたり66であった。非感染者はn=506で同33人・年/100,000であった。 (RR 2.0, 95% [CI]: 1.7-2.2). しかし、肺炎の有無で調整すると RR 1.2, 95% CI: 0.9-1.6となった。CD4低値は非調整モデルでと人口動態の調整モデルでは肺がんと相関(P < 0.001)があったが、がんリスク因子と肺炎で調整すると有意差が消失した。

HIV非感染者と比較するとCD4数<200のHIV感染者は全因子を調整したモデルで肺がんのリスクは上昇しなかった。

CONCLUSIONS:

HIV感染者の肺がんリスク上昇は人口動態的および肺がんのリスク因子の有無、肺炎の既往で調整した場合、有意差がみられ、免疫不全は肺がんリスクとは関係がないことがわかった。

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Risk factors of high-grade anal intraepithelial neoplasia recurrence in HIV-infected men who have sex with men.

Burgos J1, Curran A, Landolfi S, Guelar A, Miguel L, Dinares M, Villar J, Navarro J, Hernandez-Losa J, Falcó V.

AIDS. 2017 Mar 1.

Abstract

OBJECTIVE:

MSMかつHIV陽性者で、高異型度肛門上皮内腫瘍(異形成)再発のリスクファクターを明らかにする

DESIGN AND METHODS:>

高異型度肛門上皮内異形成に対して電気焼灼術(電メス切除)を行い、治療が成功した100名のMSM、HIV陽性者について、肛門細胞診、HPV(定量)同定検査、拡大肛門鏡検査(HRA)を3-6か月間隔で継続的に行った。HGAIN再発についてはKaplan-Meier 分析で解析した。再発のリスクファクターについてはコックス比例ハザードモデルで解析した。再発を診断する検査方法についても感度特異度をそれぞれ評価した。

RESULTS:

平均フォローアップ期間17.6か月後、100名中39名(39%, 95%CI; 29-49) HGAIN再発所見があった。うち24名が以前治療した部位に再発、他15名は異なる部位に再発していた。12か月後の再発率は23.5%(95%CI; 13.9-33.1)、24か月の時点での再発率は53.3%であった(95%CI; 34.3-72.7)。再発のリスクファクターはHCV抗体陽性、CD4陽性細胞の最低値が200細胞/μl以下、HGAINの病変が肛門周囲径の8分の2以上占める場合が挙げられた。発がん性の高い2系統以上のHPV感染が再発リスクの増加と相関があった(HR 2.3; 95%CI; 0.98-5.42)。HGAIN再発検出については、拡大肛門鏡検査、肛門細胞診、発がん性のあるHPVの検出で感度がそれぞれ100%、79.4%、8.7%、特異度がそれぞれ57.7%、36.6%、34.7%であった。

CONCLUSIONS:

MSM、HIV陽性患者では、HGAIN再発リスクが高い。通常の治療を行った後、これらの対象患者には感度、特異度が高い拡大肛門鏡検査を行うことが望ましい。

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腎移植が必要な腎不全合併HIV感染患者に立ちふさがるハードル

Patients With HIV, Renal Failure Face Hurdles in Receiving Necessary Transplants

SOURCE: American Society of Nephrology

WASHINGTON, DC -- February 24, 2017 –

腎不全合併HIV感染患者が腎移植(とくに生体腎提供によって)をうけることは非感染患者と比較して難しいことが、Clinical Journal of the American Society of Nephrology (CJASN)に報告された。

著者らはHOPE(HIV Organ Policy Equity)の活動が米国内でのHIV患者への移植ドナーの紹介拡大につながっていると予想していた。

HIV感染と腎不全の合併例ではHIV非感染の腎不全患者より19倍も透析での死亡率が高く、腎移植によって79%死亡リスクを減少させる。

今回の研究ではアラバマ大学のJayme Locke医師らのグループが2001年から2012年までの移植患者のデータベースを利用して解析している。このデータベースには米国内のすべてのドナー、移植候補さらに移植を受けた全患者が登録されている。今回の解析では1636例のHIV陽性例、72,297例のHIV非感染例が腎移植候補として登録されていた。 結果としてHIV陽性患者はHIV陰性患者に比べて移植を受ける頻度が28%低く生体腎移植においてはおおよそ50%近く低いことが判明した。 「死体腎は少なく、生体腎移植が現在の腎移植においては重要である。」「 HIV陽性者は腎臓提供ができないと思っている上、HIV陽性者は生体腎移植が少ないこともあまりしられていないため、近年のHOPEの活動はHIV陽性者に対しても生体腎を提供することをみとめている。」「今回の研究結果からHIV陽性者も非感染者と同様に生体腎の提供をうけて生き、健康を享受する権利があり、それはHIV陽性者からHIV陽性者への生体腎移植が安全に行うことができ、効果的であるということを周知することになった。」とLocke医師はコメントした。

エディトリアルであるカリフォルニア大学サンフランシスコ校のSindhu Chandran、Peter Stock医師はHIV陽性の患者からの腎臓の提供を受けることによる道徳的(モラル)危機と臓器提供を必要とする患者の生命維持とのバランスをとる必要があるとコメントしている。

HOPEの活動の枠組みの中で調整される移植のデータはHIV陽性患者からHIV陽性患者への移植(特に生体腎)の安全性と有効性の知識を拡げることになり、量的問題や移植の機会の相違を改善させるための将来の基準策定に役立つだろう。

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近年のHAART療法における高齢HIV陽性患者の脳と肝臓病理、アミロイド沈着、インターフェロン反応

Brain and liver pathology, amyloid deposition, and interferon responses among older HIV-positive patients in the late HAART era;

Solomon I, De Girolami U, Chettimada S, Misra V, Singer E, Gabuzda D;

BMC Infectious Diseases 17 (1), 151 (Feb 2017)

BACKGROUND:

ウイルス力価が抑制されているHAART療法下のHIV+患者はHIV関連認知症の発生が低いが、 軽症のHIV関連神経認知障害(HAND)は増加している。これらの軽症HANDはしばしば極微の組織学的変異と関連しており、その病態生理学は不明である。合併症や異常なアミロイド代謝、加速した脳の加齢化、活性化されたIFN反応などはHAART療法中患者のHANDの病因へ関連していると考えられている。

METHODS:

肝疾患、脳加齢化の加速と近年(2002-2015)HAART療法を行われているHIV+患者のHANDとの関連を調査するためにUCLA (University of California, Los Angeles)やBWH(Brigham and Women's hospital)で評価された53人の高齢者の肝臓と脳の剖検組織を調べた。病理組織学的染色、鋭敏な蛍光アミロイド染色(AmyloGlo)、目的遺伝子表現のプロファイル(NanoString)などを使用した。

RESULTS:

HIV+患者の主要な群では(中間値年齢 56)、HAART療法を89.3%がされており、そのうち81.5%で死の直前の血漿ウイルス力価は<400 copies/mL、50%でCD4+数 <200 cells/μLであった。HIV-のコントロール群と比較して(中間値年齢 65)、 HIV+群はより癌が多く(p = 0.04), 不法ドラッグ使用者が多く (p <0.00001)、HCVの重感染が多かった(p = 0.002)。 冠血管疾患はより少なく(p = 0.03)、同様なものは脳血管疾患(~40%)、高血圧、脂質異常、糖尿病であった。深前頭部の白質は神経膠症の増加がHIV-コントロールに比しHIV+患者に多く見られた(p = 0.09)が、ミエリン鞘の損失や血管の肥厚、炎症に有意差はなかった。HIV+患者の肝臓ではより重症な線維化や肝硬変がみられ(p = 0.02)、 脂肪肝は少なかった(p = 0.03)が、炎症や血管の肥厚、色素沈着に有意差はなかった。 肝臓と脳の病理に有意な関連はみられなかった。1例のHIV+患者(69歳アルツハイマー病の病理像) と2例のHIV-コントロール患者(66歳と74歳)においてAmyloGlo染色で粗大なアミロイド沈着が同定された。HIV+群はHIV-コントロール群に比し白質においてIFN反応遺伝子(ISG15, MX1, IFIT1, IFIT2, and IFITM1)発現が多い傾向にあった (p = 0.06) 。

CONCLUSIONS:

アミロイド沈着の加速化ではなく神経膠症や脳血管疾患が近年のHAART療法下にある高齢HIV+患者の共通な脳病変であった。HIV+患者はより肝硬変が多いが、肝病変では脳病変と関連したものは認められなかった。脳血管疾患、IFN反応、神経炎症は現在のHAARTregimen下にある高齢HIV+患者での脳の加齢化とHANDに関与する可能性のある因子である。

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