17/07/21 up

早期抗レトロウイルス療法とHIV患者の骨損失との関連

原題:Early Antiretroviral Therapy Linked With Bone Loss in Patients With HIV

Source: DGNews

現行のHIV治療ガイドラインでは、診断時に抗レトロウイルス治療(ART)を導入することが推奨されている。しかし、Journal of Bone and Mineral Researchに掲載された研究によると、早期のART導入は、待機的にART導入した場合と比較して、骨損失がより大きな問題となることが報告されている。

アルフレッド病院とモナッシュ大学(オーストラリア、メルボルン)のJennifer Hoy医師らは、無作為化されたSTART Bone Mineral Density substudyで、骨密度(BMD)の変化を早期ART開始(CD4> 500細胞/μL)群と待機ART導入群との間で比較した。

BMDは、デュアルエネルギーX線吸光光度計(DXA)により、腰椎および股関節部で毎年測定された。

2.2年の平均追跡期間において、早期ART導入群は、待機ART導入群に比べて股関節部(-2.5%対-1.0%; P <.001)および背骨(-1.9%対-0.4%; P <0.001)で、より大きな骨損失を認めた。

BMDの減少は、ART開始後の最初の年で最も大きかった。 早期ART導入群では、脊柱のBMDは1年後に安定したが、股関節のBMDは2年以上にわたり漸減した。

1年目以降、BMDの動態は早期ART群と待機ART群で同様であった。

いずれの群においても、臨床背景、HIV関連、またはARTの特徴に関する項目で、BMDの減少を予測可能な項目は認められなかった。

この研究では、即時型のART導入が骨密度に負の影響を及ぼすことが明らかになったが、基本的にはART によるHIVの伝播の予防や予後の改善といった全体的な利点が優先される。

ARTに関連する骨密度の低下の長期的影響、およびこれらの減少が治療の継続に伴い安定しているかどうか、についての理解は重要である。

「治療開始自体が2〜4%の骨量の減少と関連しているが、治療の最初の2年間で、待機的に治療を受けたHIV陽性者と比較して減速率が遅くなるように見える」と、ホイ博士は言った。

「HIVを治癒させる方法は無く、抗レトロウイルス治療は一生におよぶ」「骨損失の増加が、脆弱性骨折の危険性が高まる中で、重要となる可能性がある」。

文献:Hoy JF, Grund B, Roediger M et al.

Immediate Initiation of Antiretroviral Therapy for HIV Infection Accelerates Bone Loss Relative to Deferring Therapy: Findings from the START Bone Mineral Density Substudy, a Randomized Trial.

J Bone Miner Res.2017

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MSMにおける急性HIV感染スクリーニングの助けとなるリスクスコアの発展と有効性の検証

Development and validation of a risk score to assist screening for acute HIV-1 infection among men who have sex with men;

Dijkstra M, de Bree G, Stolte I, Davidovich U, Sanders E, Prins M, Schim van der Loeff M;

Source: BMC Infectious Diseases 17 (1), 425 (Jun 2017)

BACKGROUND

急性HIV感染(AHI)早期の治療は患者にとって有益であり、さらなる伝播を減少することができる。しかし、誰をAHIとしてHIV-1 RNA検査をするのかガイドラインでは欠如している。

METHODS

文献や専門家の意見に基づいたAHIの可能性に対するリスクスコア- AHI・早期HIV-1感染と関連した症状を含む - がアムステルダムコホート研究からのデータを使用してMSMについて評価された。 その後、我々は2つの多変量ロジスティック回帰モデルを構成してリスクスコアを最適化した。1つは症状だけを含んだもの、もう1つはHIV-1抗体陽転のリスク因子と症状が両方みられるものとして一般化推定法正式を使用した。いくつかのリスクスコアはこれらのモデルから作成され、最適なリスクスコアについてMulticenter AIDS Cohort Study からのデータを使用して有効性を検証した。

RESULTS

アムステルダムコホート研究で175人のHIV-1抗体陽転例と17271例の抗体陰性例の中で1562人のMSM例のデータを使用した。最適なリスクスコアには口腔カンジダ症、発熱、リンパ節腫脹、体重減少の4つの症状と過去6か月間の淋菌感染・コンドーム不使用肛門性交の受け手・5人以上の性交渉パートナーの存在に対する自己報告という3つのリスク因子が含まれ、AUCは0.82と算出された。感度は76.3%、特異度は76.3%であった。

the Multicenter AIDS Cohort Study による有効性の検証ではAUC 0.78、感度56.2%、特異度88.8%であった。

CONCLUSIONS

最適なリスクスコアはアムステルダムコホート研究において総合的性能は良く、有効性確認解析においても同様であった(やや感度は低かったが)。 4つの症状と3つのリスク因子によるAHIのスクリーニング法がAHI検査の有益性を増加させ、早期診断、早期治療をより強化する可能性がある。

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Functional Connectivity in Virally Suppressed Patients with HIV-Associated Neurocognitive Disorder: A Resting-State Analysis;

Chaganti J, Heinecke A, Gates T, Moffat K, Brew B; American Journal of Neuroradiology (AJNR) (Jun 2017)

Source: Am J Neuroradiol

BACKGROUND AND PURPOSE

HIV関連神経認知障害はARTによりウイルス学的に抑制されているにもかかわらず発症することがある。多剤併用療法開発前でHIVの抑制がままならなかった時代にはシナプス-軸索間伝導障害の結果として発症する神経認知障害は注意力散漫、神経伝導速度低下、学習障害といった症状で特徴づけられた。そしてウイルス学的抑制が得られた状態で発症するHIV関連神経認知障害が同様の機序で発症しているのかどうかは明らかではない。

fMRI(脳機能磁気共鳴画像法)による解析で障害された神経ネットワークを検知できることが示されており、今回のパイロット研究では、血液およびCSFの両方でHIVウィルスが抑制されている況において、活動性HIV関連神経認知障害を有する患者で安静時の脳における機能的連結性を評価することを目的とした。

MATERIALS AND METHODS

ARTにより血液およびCSFにおいてウイルスが抑制されているなかで進行する症状によって最近診断された18名の活動性HIV関連神経認知障害患者と9例の背景を調整したコントロール群を設定し脳の安静時fMRI検査を行った。

すでに知られている6つの神経ネットワークの接続性について検討し、局所における有意なROI所見についてHIVとコントロール群で比較するためにシードに基づく解析によってそれぞれの安静時ネットワークについて検討した。

RESULTS

コントロール群とHIV関連神経認知障害発症患者においてsalience(0.26 versus 0.14, t = 2.6978, df = 25, P = .0123)とexecutive networks(0.52 versus 0.32, t = 2.2372, df = 25, P = .034)において有意な変化が見られた。

神経精神スコアについての共分散解析ではsalienceが最も顕著であったが6領域すべての機能的ネットワークで相関がみられた。

CONCLUSIONS

ウイルス学的に抑制がみられた状態で活動性のHIV関連神経認知障害を発症した患者は有意にsalience と executive networksでの神経接続性が低下しており、これが有効なバイオマーカーとなりうる。

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高齢HIV患者におけるART:GEPPO cohort study

Antiretroviral therapy in geriatric HIV patients: the GEPPO cohort study;

Nozza S, Malagoli A, Maia L, Calcagno A, Focà E, De Socio G, Piconi S, Orofino G, Cattelan A, Celesia B, Gervasi E, Guaraldi G, GEPPO Study Group ;

Source: Journal of Antimicrobial Chemotherapy Online (Jun 2017)

Background

GEPPOは前向き観察マルチセンターコホートであり、高齢HIV感染者を含む。我々はGEPPOコホートがイタリアの感染症(ID)内科医の実生活における抗レトロウイルス(ARV)薬処方基準を特徴づけるのに役立つかもしれないと仮説した。

Methods

高齢のHIV人口(≥65歳以上)において現在のARVレジメンを記載する横断研究である。抗ウイルス療法計画は次のように段階化された: (i)多剤併用レジメン(MDRs), 3剤以上で構成されるもの; (ii)より少ない薬剤レジメン (LDRs), 3剤以下のART組み合わせである。 他疾病罹患(MM)は3つ以上の非伝染性疾患の存在として、多剤併用(PP)は5剤以上の慢性的な薬剤使用として定義した。4つの組み合わせ(MM+PP+, MM+PP-, MM-PP+, MM-PP-)がロジスティック回帰分析で評価された。

Results

HIV陽性患者1222人が含まれた(平均70歳)。女性は16%であった。HIV感染期間の中央値は17年だった。335人が20年以上だった。MMは64%、PPは37%だった。治療は3剤併用が66.4%、2剤併用が25.3%、単剤療法が6.5%、3剤以上併用のmegaARTが1.64%だった。多変量ロジスティック回帰分析ではMMとPPがNRTIやTDFを避ける1-2剤の組み合わせへの予測因子となった。女性と年齢はブーストしないARTのレジメンの予測因子となった。

Conclusions

高齢HIV感染者における非一般的なARVレジメンの高頻度使用は、臨床家が年齢、HIV感染期間、MMとPPに関連し、ARVレジメンを適合させようとしていることを示唆する。

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Antiretroviral initiation is associated with increased skeletal muscle area and fat content;

Erlandson K, Fiorillo S, Masawi F, Scherzinger A, McComsey G, Lake J, Stein J, Currier J, Brown T;

Source: AIDS (Jun 2017)

OBJECTIVE

多くのHIV感染成人に身体機能障害が発生しているがARTの影響で筋肉密度量(筋肉の減少と同時に脂質の増加)と筋肉の性質に変化がくるのかどうかはよくわかっていない。

DESIGN

AIDS臨床研究グループのA5260研究および心臓・代謝領域サブ研究であるA5257研究においてHIV感染者でART未施行者をランダム化してTDF/FTC をバックボーンとしてATV/rtv、DRV/rtvあるいはRALを組み合わせた。腹部CTでベースラインと96週目に筋肉領域とその密度について計測した。

METHODS

ベースラインと96週時点の差についてT検定を施行し、線形回帰分析をおこなって変化に寄与する要因や変化率について解析する。

RESULTS

登録患者(n=235)は90%が男性で31%が黒人および非ヒスパニック系で、21%がヒスパニック系であった。96週経過後には少量ではあるが有意差をもって腹斜筋、腹横筋、腹直筋、腰部筋群の総断面積は増加していた。( 0.21 から 0.83 cm; p < 0.05) 一方で小さな筋肉群(lean muscle component)には差がなかった。

すべての筋肉密度は有意に減少し脂肪が増えていた。(-0.87 to -2.4 HU; p < 0.01); 内訳としては腹斜筋、腹横筋と腹直筋のみで減少がみられた。多因子解析の結果黒人であることは筋肉の増加に関連しており、女性は筋肉密度の低下因子であった。治療群全体は筋肉量も密度も変化に関連してなかった。

CONCLUSIONS

ARTに関連して筋肉の断面積は増加しレジメによる差もなかったがその要因としては脂肪の筋肉内の増加に夜と思われた。筋肉内の脂肪の増加により機能の詳細についてはさらなる検討が必要である。

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HIV感染患者の人工股関節・膝関節全置換術後中期間経過後の予後

Mid-term Results of Total Hip and Total Knee Arthroplasty in Patients With Human Immunodeficiency Virus; Chalmers B, Abdel M, Taunton M, Trousdale R, Pagnano M;

Source: Orthopedics 1-4 (May 2017)

ART治療中のHIV陽性患者は人工股関節(THA)・膝関節全置換術(TKA)予備軍として増加している。周術期の合併症に焦点をあてた以前の報告では長期的な予後については不明である。著者らは特に、経過観察中のHIV感染患者における周術期合併症、THA・TKAの人工関節周囲感染(PJI)フリーの生存、などの臨床的予後について解析した。1992年から2012年までに初回人工関節置換術(14 THAs, 15 TKAs)が行われた全21HIV陽性患者が後方視的に再調査された。平均年齢は43歳、平均フォローアップ期間は8年だった。 周術期の平均CD4細胞数は450 cells/mLで2人だけ200 cells/mL以下だった。中期間のフォローアップではTHAとTKAは機能を改善した(平均周術期Harris Hip Score: 87, P<.01; 平均周術期Knee Society Score: 83, P<.01)。周術期合併症率は高かった(17%)。血友病とHIVを合併した患者は特に合併症が33% (P=.04)とリスクが高かった。深部人工関節周囲感染フリー生存は10年間でTHAで100%、TKAで93%であった。周術期CD4数が200 cells/mL以下であった1人の患者だけ(TKA1名:7%)が深部PJIで修復が必要だった。HIV陽性患者ではTHAもTKAも疼痛や機能を改善するのに中期間のフォローアップでは信頼性のある治療である。しかしHIV陽性患者は周術期合併症のリスクが高く、特に血友病合併者では高い。ARTでCD4細胞数が200 cells/mL 以上に維持されている患者は深部PJIフリー生存が100%に近かった。

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Effect of Antiretroviral Therapy on Bone and Renal Health in Young Adults Infected with HIV in Early Life;

Unsal A, Mattingly A, Jones S, Purdy J, Reynolds J, Kopp J, Hazra R, Hadigan C;

Source: Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism (May 2017)

Context

HIV感染症に対するARV療法は腎機能あるいは骨密度への影響が指摘されている。しかし生後早期からARVを受けて成人した患者での影響についてはよくわかっていない。

Objective

生後よりARVを継続してきた若年成人のHIV感染症患者において腎機能と骨の状態について評価する。

Design

横断研究によって骨密度と骨の代謝回転そして腎機能を早期からHIV薬を内服した群(n=65)とコントロール群(n=23)で比較し、さらに縦断的検討をHIVコホートに登録した患者群(n=33)において平均の観察期間4.4年にわたって検討した。

Results

アルブミン/クレアチニン比、アニオンギャップ、NTx(I型コラーゲン架橋N-テロペプチド)、オステオカルシンについてはBMDあるいはBMDのZ-scoreが低いのに、コントロール群に比してHIV患者群で有意に増加していた。 HIV群でTDFの使用期間は高いアニオンギャップに相関していたが骨パラメータについては相関がなかった。長期のdidanosine(ddI)および stavudine(d4T)の使用は低いBMDおよびZ-scoreに相関していた。縦断研究によってBMDおよび骨代謝は時間の経過とともに有意に改善していた。

eGFR<60の患者はいなかったが、eGFRはTDFの使用期間に相関していた。

Conclusions

若年成人においても潜在性の腎機能指標となるマーカーはTDFの使用に相関していた。一方でBMDの低下はddI と d4Tの使用に相関していた。

経年的な骨健康状態の改善傾向と毒性が改善された新たなARVが利用できることになったことは新生児期から感染して成人になった患者の腎および骨の健康が改善していることを示している。

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HIV感染者におけるたばこ使用:28の低所得国と中所得国での人口保健調査

Tobacco use among people living with HIV: analysis of data from Demographic and Health Surveys from 28 low-income and middle-income countries;

Mdege N, Shah S, Ayo-Yusuf O, Hakim J, Siddiqi K;

Source: Lancet Global Health 5 (6), e578-e592 (Jun 2017)

BACKGROUND

HIV感染者のたばこ使用は疾病率や死亡率を上昇させる。しかし、低・中所得国(low-income and middle-income countries (LMICs))でのHIV感染者におけるたばこ使用の程度についてはほとんど知られていない。我々はLMICsでのHIV感染者におけるたばこ普及率について調査した。

METHODS

我々はたばこ使用とHIVテストのデータが公開されている28のLMICsで2003年から2014年の間に収集された人口保健調査を使用した。27のLMICsで6729人のHIV陽性男性(年齢 15-59 歳)と28のLMICsで11495人のHIV陽性女性(15-49歳)について、 その国の特性、地域性、現在の全体的なたばこ普及率(有煙、無煙、なんらかのたばこ使用あり)を算出し、193763人のHIV陰性男性と222808人のHIV陰性女性と比較した。男性と女性で別々に普及率を算出し、サンプルの重みや集積性、階層について説明する解析を行った。我々はランダム効果モデルのアプリケーションを使用しメタアナリシスを通して地域的な使用率と全体の普及率を計算した。国、地域、全体でのたばこ使用、無煙たばこ使用、なんらかのたばこ使用について相対普及比を男性と女性についてHIV陽性者と陰性者の普及率の違いを調査するためにそれぞれ算出した。

FINDINGS

全体の普及率はHIV陽性男性でたばこ使用が24·4% (95% CI 21·1-27·8)、無煙たばこ使用が3·4% (1·8-5·6)、何らかのたばこ使用が27·1% (22·8-31·7)だった。何らかのたばこ使用(リスク比 [RR] 1·41 [95% CI 1·26-1·57])とたばこ使用(1·46 [1·30-1·65])でHIV陰性男性より陽性男性においてより高い使用が認められた(p<0.0001)。無煙たばこの使用率はHIv陽性者と陰性者で有意差はみられなかった(1·26 [1·00-1·58]; p=0·050)。全体でのHIv陽性女性における普及率はたばこ使用で1·3% (95% CI 0·8-1·9)、無煙たばこで2·1%(1·1-3·4)、何らかのたばこ使用で3·6% (95% CI 2·3-5·2)であった。HIV陽性女性のほうが陰性女性より何らかのたばこ使用(RR 1·36 [95% CI 1·10-1·69]; p=0·0050)、たばこ使用(1·90 [1·38-2·62]; p<0·0001)、無煙たばこ使用(1·32 [1·03-1·69]; p=0·030)で普及率が高かった。

INTERPRETATION

LMICsのHIV感染者における高いたばこ使用率は禁煙を促進し健康予後を改善するための政策や研究の実践が要求される。

FUNDING South African Medical Research Council and the UK Medical Research Council.

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Attitudes towards exercise among substance using older adults living with HIV and chronic pain;

Nguyen A, Lake J, Reid M, Glasner S, Jenkins J, Candelario J, Soliman S, Del Pino H, Moore A;

Source: AIDS Care 1-4 (May 2017)

慢性疼痛にたいする薬物使用がHIV感染者によくみられる。 最近のCDCのガイドラインでは慢性疼痛にたいして非薬理学的なオピオイド薬によるアプローチを許容している。

これはとくに薬物依存者には適切な方法である。定型的な運動療法は疼痛軽減に有効であるかもしれない。慢性的な痛みや薬物使用歴のある高齢のHIV感染者の痛み、痛みに関連する障害や薬物使用量を減らし、身体機能を改善するために、認知行動療法(CBT)に運動介入を組み合わせることを考案した。介入のためのCBTプロトコールを確立し、運動介入の開発のために薬物使用者からのフィードドバックを求めた。

50歳以上の27例のHIV感染者について4群にわけて解析を行い、テーマ別に解析を行った。参加者の内訳は平均年齢は54歳で男性が81%、ヒスパニックが48%、黒人が33%、そして薬物使用者が52%であった。

エクササイズ自体は前向きにうけ止められたが、多くの参加者にとって疼痛の増強への恐れや、そもそも体力が低下していることや、安全な空間の確保が難しいようであった。

ほとんどの参加者は痛みの軽減のみならずストレスや不安を軽減し心理的な効果を得ることを期待して今回のエクササイズに望んだ。結果として慢性疼痛および薬物使用を伴う高齢のHIV感染した成人の疼痛管理のための運動が高率に受け入れられることが判明した。

しかし、介入は恐怖や懸念といったこの特殊な層がもつ特徴的なニーズにあわせて調整することが必要である。

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アルコールや他の薬剤を使用しているHIV感染者とウイルス学的抑制

HIV-infected individuals who use alcohol and other drugs, and virologic suppression;

Nolan S, Walley A, Herren T, Patts G, Ventura A, Sullivan M, Samet J, Saitz R;

AIDS Care 1-8 (May 2017)

なんらかの依存物質を使用中のART療法中のHIV感染患者について(a)ウイルス学的コントロールと(b)薬剤使用因子との関連を明らかにするために調査した。

登録患者は成人のHIV感染者でART療法を受けており、過去12カ月の間にDSM-Ⅳ基準による物質依存とされたもの、または過去30日間にアルコールまたは不法な薬物使用を行ったものとした。

薬物使用因子はDSM-Ⅳのアルコールまたは薬物依存診断基準をみたす数と過去30日間に特別な薬物使用があった数とした。

HIVウイルス量(<200 vs. ≥200 copies/mL)との関連はロジスティック回帰分析を使用した。

多変量解析では年齢、性別、無住居、不安またはうつで調整した。患者 (n = 202)は年齢中間値 50歳、66%が男性で、51%が African American、75%が過去セルフレポートで30日間のARTアドヒアランスが ≥90%であった。

HIVウイルス抑制(HVL<200 copies/mL)は78%(158/202)に達したが過去30日間の物質使用はこのグループでも共通であった。

77%がタバコ使用; 51%が重度アルコール使用; 50%がマリファナ; 27%がコカイン; 16%がヘロイン; 15%が不法処方による麻薬使用であった。 共変量で調整後は特定の物質使用がHIVウイルス検出と関連していることはなかった。

しかし、過去12か月間の間にDSM-Ⅳの薬物依存基準を満たす数とは関連がみられた(調整後オッズ比= 1.23 追加基準を1つ満たすにつき)。

ART治療中のHIV感染患者薬物使用群の4分の3はウイルス学的にコントロールされており、ARTのアドヒアランスは≥90%であった。

特定の物質使用に限らない薬物依存基準(特に薬物依存)はウイルス学的コントロールの欠如と関連していた。

最適なHIV患者の予後はアルコールまたは薬物使用者によっても達成することができ、薬物依存の症状に対処することがHIV関連の予後を改善するかもしれない。

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Brain microglial cells are highly susceptible to HIV-1 infection and spread;

Cenker J, Stultz R, McDonald D;

Source: AIDS Research and Human Retroviruses (May 2017)

マクロファージはHIV-1の感染のターゲット細胞であり、CD4陽性細胞を排除した後では重要なリザーバーになっている。

近年、骨髄細胞においてHIV-1感染の抑制因子としてsterile alpha motif and histidine/aspartic acid domain-containing protein 1 (SAMHD1)が同定された。

SAMHD1はHIV-2およびSIVsにおもに存在するVpxによって分解される分子でこのVpxがHIV-1にはみられない。

今回の検討はin vitroで分化させたマクロファージならびに肺、腹部および脳から分離したマクロファージにおいてSAMHD1の関与を評価した。

In vitroでの単球由来培養マクロファージに対する感染成立とそのひろがりは抑制され、Vpxがその機序として予想された。 さらに、単離した末梢血単球ならびに肺(肺胞)および腹腔(腹腔)マクロファージにおいても、ほぼ同一の感染および制限プロファイルを観察した。

対照的に、同じ感染条件下では、他のマクロファージ集団に匹敵する内在性SAMHD1レベルにもかかわらず、脳(ミクログリア)から単離したマクロファージはHIV-1感染に対して非常に感受性であった。

そしてVpxの添加によってさらなるHIV-1感染の増加、ウイルスの広がりを認めこれはSAMHD1の除去の有無に関係なく見られた。

これらの結果は末梢に循環するマクロファージのHIV-1感染はSAMHD1によって効果的に抑制されているが ミクログリアにおいてはSAMHD1の量が多いにもかかわらず高いHIV-1感受性を有することが示唆された。

これらのデータはHIV-1感染者の長期経過観察において他の体組織には滅多に観察されないのにしばしば中枢神経系内のマクロファージ内にウイルスが検出される理由として説明できるかもしれない。

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