17/09/29 up

ビトルテビビル/エムトリシタビン/テノフォビル・アルファフェンアミド対ドルテグラビル/アバカビル/ラミブジン:二重盲検、多施設、第3相、ランダム化制御非劣性試験;

出典:Lancet (Aug 2017)

背景

インテグラーゼ阻害剤(INSTI)は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤2剤との併用により、抗レトロウイルス療法の初回治療として推奨される。ビクテグラビル(Bictegravir)は新規で強力なINSTIであり、耐性への高いバリアと薬剤相互作用が問題となりにくい点が特徴である。ビクテグラビルをエムトリシタビン、テノフォビルと併用投与した場合(ビクテグラビル群)の有効性と安全性について、ドルテグラビル、アバカビルとラミブジン併用療法(対照群)との比較により評価することを目的とした。

方法

ヨーロッパ、中南米、北米の9カ国の122の外来センターで、多施設、二重盲検の無作為化試験を行った。HIV-1感染成人(18歳以上)で、下記の条件を満たす場合を登録した;未治療(HIV-1 RNA≧500コピー/ mL)、HLA-B * 5701陰性、B型肝炎ウイルス未感染、遺伝子型のスクリーニングでエムトリシタビン、テノホビル、ラミブジンおよびアバカビルに対し感受性を示す、推定糸球体濾過率は50mL /分以上。参加者は、コンピュータで生成された割り当てシーケンスを介して、1:1の比率で無作為に割り当てられ(battegravir 50mg、emtricitabine 200mg、tenofovir alafenamide 25mgまたはcoformulated dolutegravir 50mg、abacavir 600mg、ラミブジン300mgとプラセボとを1日1回)、144週間の投与を受けた。無作為化は、HIV-1 RNA(100,000コピー/ mL、100,000〜400,000 copies / mL、または400,000 copies / mL以上)、CD4カウント(50細胞/μL、50-199細胞/ μL、≧200 /μL)、地域(米国または元米国)によって階層化された。 グループ割り当ては、研究の参加者、研究スタッフ(治療、結果の評価、データ収集を担当)には知らされていなかった。主要なエンドポイントは、米国食品医薬品局(FDA)のスナップショットアルゴリズムで定義されているように、48週目に血漿HIV-1 RNAが50コピー/ mL未満の参加者の割合であり、予め指定された非劣性マージンは-12%であった。試験薬物を1回投与されたすべての参加者は、有効性および安全性分析の対象となった。試験はClinicalTrials.gov番号NCT02607930に登録された。

結果

2015年11月13日から2016年7月14日まで、631名の参加者を、無作為にビクテグラビル群(n = 316)または対照群(315名)の2群にわりつけ、そのうち314名および315名の患者に少なくとも1回投与した。48週目にビクテレビル群の92・4%(n = 290 = 314)においてHIV-1 RNAが1mL当たり50コピー未満であった。対象群では、93.0%(315例のうち293例)であった。これらの結果により、ビテログルビル群の対照群対する非劣性が実証された。

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HIV-1感染初回治療におけるビクテグラビル、TAF/FTC合剤とDTG+TAF/FTC併用:無作為化二重盲検多施設第3相非劣性試験

Coformulated bictegravir, emtricitabine, and tenofovir alafenamide versus dolutegravir with emtricitabine and tenofovir alafenamide, for initial treatment of HIV-1 infection (GS-US-380-1490): a randomised, double-blind, multicentre, phase 3, non-inferiority trial;

Lancet (Aug 2017)

BACKGROUND:

インテグラーゼ阻害剤(INSTI)と2つの核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)の併用は、HIVに対する第一選択治療として推奨され、合剤がアドヒアランス向上に望ましい。我々は初回のHIV-1治療で、新しいINSTIでありin-vitroで耐性に対し高い抵抗性を示すビクテグラビルと薬剤相互作用の可能性が低いエムトリシタビンとテノホビルアルファフェナミド(TAF/FTC)との合剤とTAF/FTCとドルテグラビル(DTG)併用について48週間比較した結果を報告する。

METHODS:

この無作為化された二重盲検多施設プラセボ対照非劣性試験では、オーストラリア、ヨーロッパ、中南米、北米の10か国、126の外来センターでHIV感染成人をスクリーニングし登録した。参加者は、推定糸球体ろ過率が少なくとも30mL /分の未治療の成人で(HIV-1 RNA≧500 copies / mL)とした。慢性B型、C型肝炎の共感染が認められる例も含めた。参加者をビクテグラビル50mg、TAF/FTC(25mg/200mg)の合剤群またはDTG 50mg、TAF/FTC (25mg/200mg)併用群に1:1で無作為に分け、マッチングされたプラセボと一緒に1日1回144週間投与した。研究者、参加者、研究スタッフに評価結果はマスクされた。治験薬の少なくとも1回投与を受けたすべての参加者が主要な有効性、安全性分析に含まれた。主要評価項目は、48週時点での血漿HIV-1 RNAが50コピー/ mL未満の参加者の割合で(米国食品医薬品局のスナップショットアルゴリズム)、あらかじめ指定された非劣性マージンは-12%だった。この研究はClinicalTrials.gov、NCT02607956に登録されている。

FINDINGS:

2015年11月11日から2016年7月15日まで、742人の参加者が資格審査を受け、そのうち657人が治療に無作為に割り当てられた(ビクテグラビル、TAF/FTC合剤が327人(ビクグラビル群)とDTGとTAF/FTC併用が330人(DTG群)。ビクテグラビル群320人とDTG群325人が主要な有効性分析に含まれた。48週目にHIV-1 RNA <50コピー/ mLであったのは、ビクテグラビル群320名中286名(89%)、DTG群325名中302名(93%)で(差-3.5%、95.002%CI-7.9〜1.0、p = 0.12)、DTG群に対しビクテグラビル群の非劣性が示された。治験薬に対する治療時の緊急の抵抗性はどの薬剤でもみられなかった。有害事象の発生率と重症度はグループ間で同様であり、副反応により治療を中止された参加者はほとんどなかった(ビクテグラビル群320名中5名 [2%]とDTG群325名中1名 [ <1%])。DTG群よりもビクテグラビル群のほうが治験薬関連有害事象は少なかった(320例中57例[18%]対325例中83例[26%]、p = 0.022)。

INTERPRETATION:

48週目に、未治療の成人においてビクテグラビル群でウイルス学的抑制は達成され、DTG群に対し非劣性であった。 どちらのレジメンに対しても緊急の抵抗性はなかった。 ビクテグラビル、TAF/FTCの合剤はDTGレジメント比較し安全で忍容性が高かった。

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HSV-2感染後のHIV獲得に対する影響:更新されたシステマティックレビューとメタ分析。

Effect of HSV-2 infection on subsequent HIV acquisition: an updated systematic review and meta-analysis;Looker K, Elmes J, Gottlieb S, Schiffer J, Vickerman P, Turner K, Boily M;

Lancet Infectious Diseases (Aug 2017)

BACKGROUND

HIVおよび単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)感染症は世界的な疾病負担であり、疫学的に相関している。HSV-2とHIVとの関連性を検討した過去の2つのシステマティックレビューではHSV-2感染がHIV獲得のリスクを高めることが明らかになった。しかしこれらのレビューからは現在10年以上経過している。

METHODS

このシステマティックレビューとメタ分析のため、我々はPubMed、MEDLINE、およびEmbase(2003年1月1日から2017年5月25日)を用いて、HSV-2に曝露した後のHIV獲得リスクを調査した。HSV-2感染についてはベースライン(HSV-2既感染)とフォローアップ中(HSV-2新規感染)の状況について調査した。 調査したのはコホート研究、対照試験、または症例対照試験であった(コホート研究または臨床研究の中に縮小された症例対照研究を含む)。HSV-2感染後のHIV感染かを評価し、研究参加者のHSV-2感染状況はタイプ特異的分析で評価した。 HSV-2既感染・新規感染とHIV抗体陽転との関連をランダム効果推定で算出した。また、詳細化されたメタ回帰・サブグループ分析により、以前の調査についても拡張して調査した。特に性別およびリスク(一般人口 対 高リスク群)による影響をHSV-2既感染または新規感染によるHIV獲得リスク(RR)として検討した。高リスク群として女性の性労働者、その顧客、MSM、HIV感染不一致のカップル、性感染症クリニック受診者を含んだ。

FINDINGS

HSV-2とHIVとの関連を明らかにする57の縦断研究を同定した。HIVの獲得は一般人口でHSV-2既感染ではほぼ3倍になり(調整RR 2.7、95%CI 2.2-3.4;推定数[Ne] = 22)、高リスク群では約2倍になった(1.7, 1.4-2.1; Ne = 25)。一般人口でのHSV-2新規感染はHIV獲得の高リスクと関連していた(4.7, 2.2-10.1; Ne=6)。交絡因子とは有意な関連はなかった。リスクグループ、地域、およびHSV-2曝露タイプ(既感染 対 新規感染)などにより軽度の相違が認められた。

INTERPRETATION

我々はHSV-2感染がHIV獲得リスクを増加させるという根拠を同定した。この事実はHSV-2感染と診断された個人、特に新規に感染したHSV-2感染個人の管理に対して重要な意味を持つ。新しいHSV-2ワクチンのような HSV-2をターゲットとした介入はHIVに対しても、特に高い共感染が認められる領域において大きな追加利益となる可能性がある。

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糖尿病または高血圧合併HIV陽性患者の服薬アドヒアランスに対する絵画的支援介入。無作為化比較試験

Randomized controlled trial of a pictorial aid intervention for medication adherence among HIV-positive patients with comorbid diabetes or hypertension; Monroe A, Pena J, Moore R, Riekert K, Eakin M, Kripalani S, Chander G;

AIDS Care 1-8 (Aug 2017)

HIV感染患者の年齢や慢性合併症による疾病負担の増加により、HIVや糖尿病、高血圧に対する服薬アドヒアランスは、予後改善のために重要である。我々はHIVと一般的な慢性合併症両方の服薬アドヒアランスを改善するために、絵画的支援介入の事前調査研究を行った。

医療を十分に受けておらず健康状態が予後不良リスクにあるHIVと糖尿病または高血圧を合併した成人患者を調査した。

患者は、絵画的支援介入(薬剤や指示、量、服薬スケジュールなどの写真表示)を受けるか標準的な診療所の服薬リストを使用するか、無作為化された。ARTや糖尿病、高血圧に対するアドヒアランスが比較された。ベースラインでのARTのアドヒアランス予測因子がロジスティック回帰分析で解析された。服薬アドヒアランスは薬剤保持率(medication possession ratio (MPR))として介入前後6か月の期間で評価された。治療群によるアドヒアランスの変化が分散分析で比較された。

46人の対象者のうち、高血圧や糖尿病の服薬に比べ、HIVの服薬アドヒアランスのほうがより高い傾向にあった (ベースラインのARTに対するMPR中央値 0.92; 合併症に対する MPR 中央値 0.79, p = 0.07)。介入は実行可能であり、介入に対する満足度も高かった。サンプルサイズが小さかったためか、HIVに対しても合併症に対しても介入が服薬に対して有意な改善を示すことはなかった。HIV患者はしばしば医学的に複雑であり、服薬アドヒアランスに対し多くの障壁がある。服薬アドヒアランスは 多面的な手順となり、アドヒアランスを改善する介入は患者特有の障壁をターゲットとしてアプローチが必要である。

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HIV感染の進行において、神経認知機能に加齢が及ぼす影響

原題:Effect of ageing on neurocognitive function by stage of HIV infection: evidence from the Multicenter AIDS Cohort Study

出典:Lancet HIV (Jul 2017)

目的:

米国のHIV流行の人口統計は高齢に向かってシフトしている。神経認知障害における老化とHIV感染のプロセスとの関係を確立することを目的とした。

方法:

米国におけるHIVに感染したMSMの自然経過および治療歴に関する長期的な予測コホート研究であるMulticenter AIDS Cohort Studyの縦断的データをもとに、情報処理速度、執行機能、エピソード記憶、ワーキングメモリ、および運動機能の5つの神経認知領域に対する老化、HIV感染(疾患段階による)、およびそれらの相関を調べた。さらにサブ解析として血清HIV抗体結果の経時的推移、認知に影響を与える併存症などの要因を調査した。 縦断的データの線形混合モデルにより解析した。

結果:

5, 086例(47,886回の受診)を解析対象とした(HIV陽性例:2,278例、20477回の受診、HIV陰性例: 2,808例、27,409回の受診)。併存症およびセロコンバージョン以降の時間を含む先験的多変量解析では、すべての神経認知領域において、加齢による直接的な負の影響が有意に認められた(p <0.0001)。また同様にして、HIV感染症の進行も、情報処理速度(p = 0.002)、執行機能(p <0.0001)、運動機能(p <0.0001)、および作業記憶(p = 0.002)に対して負の影響を認めた。エピソード記憶(p = 0.03)および運動機能(p = 0.02)の領域においては、有害な相互作用の影響が認められた。

考察:

「エピソード記憶」と「運動機能」の2つの領域が、進行したHIV症例において予想以上に加齢による大きな影響を受けたことから、これらの2つの領域は、HIV感染例の加齢による神経認知機能障害の進行に対し、最も影響を受けやすいことが示唆された。この欠損パターンは、海馬および基底核(特に黒質線条体経路)の異なる損傷を示唆する。HIV感染した高齢者は、HIV関連神経認知障害、特にエピソード記憶および運動部位について、定期的なスクリーニング検査を行うべきである。

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1996年から2012年までの米国のHIV感染者におけるがんリスク:集団ベースのレジストリ連携研究;

原題:Cancer risk in HIV-infected people in the USA from 1996 to 2012: a population-based, registry-linkage study

著者:Hernández-RamírezR、Shiels M、Dubrow R、Engels E;

出典:Lancet HIV(Aug. 2017)

背景:

現代の抗レトロウイルス療法(ART)時代にHIV感染者の発癌リスクをモニタリングすることは、免疫抑制、ART曝露、および加齢に伴う多くの癌および生存期間の延長を考慮する上で不可欠である。米国におけるHIV感染者の一般的な人口と比較して、発癌リスクを調べることを目的とした。

方法:

米国で、人口ベースのHIVとがん登録のデータ(HIV / AIDSがんの合併研究)を用い、registry-linkage studyを行った。 1996年から2012年にかけて、コロラド州、コネチカット州、ジョージア州、メリーランド州、ミシガン州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、プエルトリコ州、テキサス州のHIV登録者で同定されたHIV感染者のコホートを評価した。フォローアップは、体系的な名前ベースのHIV登録、HIV報告日(またはエイズ診断日)、がん登録の開始、1996年1月1日、の最新のものから3ヵ月後に開始され、死亡、がん登録申請の終了、2012年12月31日のうち、いずれか早い段階で終了した。さらに、対応する癌の登録簿と連動させることにより、この集団における癌の診断状況を把握し、米国人の一般人口と比較して、HIV感染者のがんリスクを測定するための標準化された発生率(SIR)を、HIV陽性者の症例数を期待数で割ることによって計算した(性別、年齢、人種または民族、暦年および登録に基づいて、HIV集団の人口に一般人口がん発生率を適用することによって推定される)。さらに、AIDSの状態によるSIRの差と経時的な推移を、ポアソン回帰を用い算出した。

結果:

HIVに罹患した448,258例(3093,033人年)のうち、1996年から2012年に21,294例が何らかの癌と診断された。これらの集団は、一般集団と比較して、癌全体(SIR 1.69, 95%CI1.67-1.72)、AIDSを規定する癌(カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、子宮頸部)、他のウイルス関連癌(肛門、肝臓、ホジキンリンパ腫)、およびいくつかのウイルス非依存性の癌(例えば、肺)で、リスクが上昇していた。他の一般的な癌については、リスクは上昇していなかった。幾つかの癌のリスクは、エイズ発症後に高く、経時的に減少していた。多変数調整後、SIRは、1996〜2012年にかけて、カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫の2つのサブタイプ、および肛門、肝臓、および肺の癌について有意に減少したが、(一般集団より?)上昇したままであった。SIRはいずれの癌においても、経時的な増加は見られなかった。

考察:

ウイルスに関連した癌と肺癌では、HIV感染者における経時的なリスク低下が認められ、これはおそらく、1996年以降のARTの拡大を反映していると考えられた。HIV感染者における癌の予防とスクリーニングを目的に、さらなる取り組みが必要である。

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適度な持久力トレーニング(マラソントレーニング) - HIV感染患者の免疫および代謝パラメータへの影響:42 KMケルンプロジェクト

Moderate endurance training (marathon-training) - effects on immunologic and metabolic parameters in HIV-infected patients: the 42 KM cologne project; Schlabe S, Vogel M, Boesecke C, Schwarze-Zander C, Rockstroh J, Körner C, Brixius K, Wasmuth J;

BMC Infectious Diseases 17 (1), 550 (Aug 2017)

BACKGROUND

HIVの治療選択肢は改善され、多くのHIV感染患者に定期的な身体活動をもたらした。 しかし、HIV患者におけるスポーツの影響に関するデータは少ない。

METHODS

21名のHIV感染者がマラソンを行う準備をすると同時に、前向きにモニターをされた。免疫や生活の質と代謝に関する複数のパラメータが4つの時点で測定された(ベースラインとしてマラソン開始1年前、トレーニング開始3、6ヶ月後、マラソンをする直前)。

RESULTS

21名の参加者のうち13名がマラソンを完遂した(12名男性、1名女性。中央値 年齢42歳[27-50]; CD4 = 620 /μl [146-1268]; ART治療期間 3.5年間[1-7] )。 8名は早期にトレーニングを中止した。すべての停止理由(1例の既存の中足骨折を除いて)はトレーニングに関連していなかった(時間的な制限n = 3; 新たに診断された肛門癌n = 1;個人的な理由/不明n = 3)。トレーニング後CD4-T細胞の増加(620 /μl[146-1268]対745 [207-1647]; p = 0.001)と同時にCD4-T細胞アポトーシスの減少(53%[47-64] vs。 32%[14-42]); p <0.01)が有意に認められた。ARTと関連しないウイルス量への影響は認められなかった。収縮期血圧およびコレステロールはベースラインの時点でも正常または中等度の上昇ではあったが、トレーニング後有意に改善した。(コレステロール185mg / dl [98-250]対167[106-222]、p = 0.02; RRsys 125mmHg [100-145]対120[100-140]、p = 0.01)。血球数、肝酵素、クレアチニン、CKは変化がみられなかった。

CONCLUSIONS

このパイロットスタディーではHIV感染患者において適度な持久力トレーニングを行うことは代謝および免疫学的パラメータを改善させることが明らかになった。根底にあるメカニズムとしてトレーニングによる効果かARTによる効果かは究極的には分けることはできないが、マラソントレーニングはHIV感染患者にとって安全であり、一般的な健康状態を改善する可能性があると考えられる。

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レビュー:HIV感染例における心血管系リスクおよび脂質異常症

原題: Cardiovascular risk and dyslipidemia among persons living with HIV: a review;

引用元: BMC Infectious Diseases 17 (1), 551 (Aug 2017)

背景

このレビューの目的は、最も適切な抗レトロウイルス療法とは何か、どのスタチンまたはフィブラートがリスクを軽減するか、行動やライフスタイルにどのように影響を及ぼすべきか、といった点を含め、心血管イベントを発症する危険性のあるHIV感染者に注意を集中させることである。

考察

心血管疾患(CVD)リスクの予防は、HIV感染患者に対する医療介入の第一歩であり、必須のステップである。禁煙を含む生活習慣改善、身体活動の増加、体重減少、健康的な食事療法に関する教育が主要な手段である。

スタチンは、高コレステロール血症の治療の基礎となる。スタチンは冠動脈プラークの進行を遅くするか、退行を促進することが示されており、また抗炎症および免疫調節効果を発揮し得る。しかし、一般的な人口を対象としたこれらの薬物の使用に関する現行のガイドラインは、アメリカとヨーロッパの間で大きく異なる。アメリカとヨーロッパのガイドラインの間の議論はまだ開いており、HIVに代表される独立したリスク要因を考慮しても、具体的なガイドラインが必要である。

エゼチミブは、コレステロールの腸吸収を減少させ、単独またはロスバスタチンと組み合わせて有効である。さらに抗レトロウイルスの血漿濃度を変動させない。 高コレステロール血症の治療のための多数の実験的な新しいクラスの薬物が研究されている。フィブラートは高トリグリセリド血症の治療の第一選択薬であるが、フィブラートとスタチンの腎毒性を考慮する必要がある。オメガ3脂肪酸は良好な安全性プロファイルを有するが、その有効性は限られており、高用量が必要である点も懸念される。他の薬剤としては、アシピモックスおよびテサモレリンが挙げられる。

現在の抗レトロウイルス療法は、初期に使用されたレジメンよりも毒性が低く、有効である。 リポジストロフィーおよび脂質異常症は長期毒性の主要な原因である。しかし、全ての抗レトロウイルス薬が類似の毒性を有するわけではない。プロテアーゼ阻害剤は、脂質異常症および脂肪異栄養症を引き起こし得るが、インテグラーゼ阻害剤は、脂質プロフィールに与える影響は最小限であり、脂肪異栄養症の徴候は見られない。臨床現場での新薬の導入については多くの課題が残されている。

結論

HIV感染患者の心血管リスク、行動および生活習慣への介入、リスク低減のための薬物使用、および抗レトロウイルス療法の切り替えは、HIV感染患者の管理における今日の重要な問題である。

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慢性C型肝炎のアフリカ系アメリカ人における肝線維化と脂肪変性に関連した臨床的病理学的リスク因子

Clinical and Pathological Risk Factors Associated with Liver Fibrosis and Steatosis in African-Americans with Chronic Hepatitis C; Afsari A, Lee E, Shokrani B, Boortalary T, Sherif Z, Nouraie M, Laiyemo A, Alkhalloufi K, Brim H, Ashktorab H;

Digestive Diseases and Sciences (Jun 2017)

BACKGROUND AND AIM

慢性C型肝炎のアフリカ系アメリカ人における肝線維化の進展に関与するいくつかの因子についてはあまり調査されていない。我々はこれらのリスク因子を評価することを目的とした。

METHODS

我々はHoward大学の慢性HCV感染アフリカ系アメリカ人603人について、2004年1月から2013年12月まで病理報告と診療記録を再調査した。 臨床的病理学的データはHIVとHCV遺伝子型、HBV、糖尿病、高血圧症、BMI、肝脂肪変性について収集された。

RESULTS

糖尿病が22%、高血圧16%、HIV11%、HBV4%だった。BMIの中間値は27.3 kg/m2だった。線維化ステージの頻度はstage 0が2%、1が48%、2が28%、3が11%だった。 多変量ロジスティック回帰分析では有意に肝線維化ステージ(3-4 vs. 0-2)とHIV感染(OR 2.4, P = 0.026)、高血圧(OR 3.0, P = 0.001)、年齢 (10歳ごとにOR 2.6 , P < 0.001)、体重 (10ポンドごとにOR 1.1, P = 0.002)、脂肪変性のグレード(OR 1.6, P = 0.002)が関連していた。肝の脂肪変性の頻度は73%であった。順序ロジスティック回帰分析では脂肪変性に対する有意なリスク因子は女性(OR 1.5, P = 0.034)と炎症グレード(P = 0.001)であった。

CONCLUSION

今回の調査で脂肪変性は独立してHCV感染アフリカ系アメリカ人の線維化と関連していることが示された。女性は脂肪変性のリスクがより高かった。

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約20年間の観察期間におけるHIV感染女性例の子宮頸がん発症率

原題:Cervical cancer incidence after up to 20 years of observation among women with HIV.

出典:Int J Cancer. 2017 Jul 3. doi: 10.1002/ijc.30866.

浸潤性子宮頸がんの発生率について、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性の女性例を対象とした21年間のフォローアップにより推定し、HIV非感染女性の発生率と比較するために、 6ヶ月ごとにパップテストを受けたHIV感染、非感染女性の米国内の多施設コホート研究を行った。

浸潤性子宮頸がんの発生率を計算し、HIV陰性女性のものと比較した。発生率を計算する際には、年齢、性別、人種、暦年比の層別により標準化した。中央値12.3年間の追跡調査の後、HIV陽性女性では4例の浸潤性子宮頸がんが確認され、過去10年間では1例のみであった。HIV陰性例での浸潤性子宮頸がんの発症は確認されなかった。

浸潤性子宮頸がんの発症率は、HIV感染の有無による有意差を認めなかった(HIV陰性:0 / 100,000人年 対 HIV陽性:19.5 / 100,000人年、p = 0.53)。WIHS(Women's Interagency HIV Study)参加者の浸潤性子宮頸がんの標準化された発生率は3.31(95%信頼区間:0.90 - 8.47、p = 0.07)と推定された。浸潤性子宮頸がんは、予防プログラムによる効果がHIV陰性の女性において一般的であるが、HIV陽性例においても、大きな脅威とはならないものと考えられた。

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