17/09/29 up

非アルコール性脂肪肝疾患を有するHIV感染患者におけるエファビレンツからラルテグラビルに切り替えた後の肝臓脂肪変性の変化

Changes in Liver Steatosis After Switching From Efavirenz to Raltegravir Among Human Immunodeficiency Virus-Infected Patients With Nonalcoholic Fatty Liver Disease.

Clinical Infectious Diseases 65 (6), 1012-1019

Background

HIV感染において肝脂肪変性を誘導する可能性の低いARTが同定される必要がある。我々はエファビレンツ(EFV)とヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)2剤との併用治療を受けている非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)のHIV感染患者における肝脂肪変性に対し、EFVをラルテグラビル(RAL)に切り替えた効果を比較した。

Methods

EFV+テノフォビル/エムトリシタビンまたはアバカビル/ラミブジンによる治療を受けているNAFLD の合併したHIV感染患者がNRTIは変更せずにEFVからRAL(400mgを2回毎日)に切り替えるか、EFV +NRTI2剤を継続するかで1:1でランダム化された。対象患者は、ベースラインの制御減衰パラメータ(CAP)値が≧238 dB / mを示すものとした。フォローアップ時48週時点での脂肪変性変化もCAPで測定された。

Results

全体で39人の患者が対象となり、うち19人がRALへの切り替わり群に無作為化された。 48週時点で、RAL群のCAP中間値は250(Q1-Q3,221-277)dB / m、EFV群では286(Q1-Q3、269-314)dB / m(P = 0.035)だった。 CAP値減少の中央値は、RAL群で-20(Q1-Q3、-67〜15)dB / m、EFV群で30(Q1-Q3、-17〜49)dB / mだった(P = 0.011)。 48週時の <238dB / mのCAP値は、RAL患者で9名(47%)およびEFV患者で3名(15%)(P =0.029)だった。

Conclusions EFVをRALに切り替えたHIV感染患者はEFV継続群と比較して、48週間後CAPにより測定された肝臓脂肪変性の程度が減少していた。さらに、48週間後に有意な脂肪変性がなかった患者の割合はRALに切り替えた群の方が多かった。

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B型肝炎、C型肝炎およびHIV陽性例の死亡率について

原題:Hepatitis B, hepatitis C and mortality among HIV-positive individuals;

出典:AIDS (Sep 2017)

目的:

HBV、HCVと共感染した人とHIV感染例と、HIV単独感染例との間で、全原因、肝臓関連およびAIDS関連死亡率を比較する。

研究デザイン:

観察コホート研究で、英国のHIV治療センターに受診しているHIV陽性者の臨床データを収集した。

方法:

2004年以降受診し、HBVおよびHCVについて検査された症例を対象とした。 HIV単独感染者およびHIV、HBVおよび/またはHCVに同時感染した症例の間で、原死亡率(全原因、肝臓関連およびAIDS関連)が計算された。ポアソン回帰を用いて交絡因子を調整し、死亡率の独立した予測因子を同定し、このコホートにおける死亡率に対する肝炎ウイルス共感染の影響を推定した。

結果:

HIV陽性の25486例を対象に、追跡期間の中央値は4.5年であった。HBVの同時感染は、多変量解析における全原因および肝臓死亡率の増加と有意に関連していた:調整率比(ARR)[95%信頼区間(95%信頼区間) CI)]はそれぞれ1.60 [1.28-2.00]および10.42 [5.78-18.80]であった。 HCV共感染は、全原因の増加(ARR 1.43,95%CI 1.15-1.76)および肝臓関連死亡(ARR 6.20,95%CI 3.31-11.60)と有意に関連していた。 HBVおよびHCVの同時感染は、ARR(95%CI)1.07(0.63-1.83)および0.40(0.20-0.81)のAIDS関連死亡率の上昇と関連していなかった。

結論:

このHIV感染コホートにおける肝炎感染者の全死亡率および肝臓死亡率の増加により、HIV感染者においては、肝炎ウイルスの一次予防および、有効な肝炎治療へのアクセスが重要と考えられた。

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HIV感染男性と非感染男性のBMI範囲と関連した代謝健康

Metabolic health across the body mass index spectrum x HIV-Infected and HIV-Uninfected Men; AIDS (Sep 2017)

OBJECTIVES

一般人口においては代謝健康がしばしばBMIの増加に伴い減少するが、一部の肥満者は代謝健康を維持している。HIV感染とARTによる治療は代謝異常と関連しており、我々はすべてのBMI範囲においてHIV非感染男性よりもART治療を行っているHIV感染男性のほうが代謝健康が低いと仮定した。

DESIGN/METHODS

the Multicenter AIDS Cohort Studyで登録された1018人のHIV感染男性と1092人の非感染男性の断面解析で、ロバスト分散を用いたポアソン回帰分析を用い、HIVの血清状態と代謝健康に関連した有病率(NCEP/ATP III metabolic syndrome基準で5項目中2項目満たすものと定義) との関係について、年齢・人種・BMI値、喫煙、C型肝炎ウイルス感染状況で調整し、同定した。

RESULTS

HIV陽性男性はより若く(54歳対59歳)BMI中央値がより低かった(25 対 27 kg/m)。 非肥満HIV感染男性はHIV非感染男性よりも代謝健康有病率が低かった(BMI ≤25 kg/m: 80% vs 94%, p<0.001; BMI 25-29 kg/m: 64% vs 71%, p = 0.05)が、肥満男性ではHIV血清状態による差はなかった(BMI 30-34 kg/m: 35% vs 39%, p = 0.48; BMI ≥35 kg/m: 27% vs 25%, p = 0.79)。調整後のモデルでは、非肥満HIV感染男性は非肥満HIV非感染男性よりも代謝健康がみられにくかった。HIV感染男性においてはダルナビル、ジドブジン、スタブジンの使用がより代謝健康の低さと関連していた。

CONCLUSIONS

代謝的に健康な肥満の率はHIV血清状態により違いはなかった。しかし、非肥満男性ではHIV感染が代謝健康がより低いことと関連しており、代謝健康の欠如とダルナビル、チミジンアナログ核酸系逆転写酵素阻害剤への曝露との関連が認められた。

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