04/03/02配信分

Triple Therapy Should Remain Treatment of Choice for HIV Patients


54の無作為化比較試験の結果から,未治療のHIV患者の治療には3剤併用療法が選択されていることが明らかになった.
同時に,(今後)4剤併用療法と特定の併用療法の有効性が検討される必要があることがわかった.

検討は20000人以上の患者数を含む,系統的レビュー,メタアナリーシス,無作為化比較試験の結果に基づいて結論された.4剤併用療法と3剤併用療法の比較,3剤併用療法と2剤併用療法の比較,2剤併用療法と単剤療法の比較,単剤療法と偽薬または無治療の比較試験すべてが検討の対象に含まれた.

検討されている主な結果は,臨床転帰,CD4陽性細胞数,血清ウイルス量の変化であった.
臨床転帰,CD4陽性細胞数,血清ウイルス量の変化は,3剤併用療法までは併用数が増えるに従って有意に有効を増した.有効性のばらつきは使用された薬剤と検討の質に関連していた.

この検討で,3剤併用までは薬剤数増加による治療効果の改善が見込めることが明らかになった.今後は3剤併用療法と現在種々検討されている4剤併用療法以上の多剤併用療法が,同等に有効なのかどうかを検討していくことが重要である.
薬剤数が増えると相対的にQOLと安全性の確保が問題になり,現時点では結論は出ない.

今後の検討はより厳密であまり変化に富まないやり方で実施される必要がある(具体的には検討期間,使用薬剤,登録時の臨床病期などをできるだけ統一して実施していくべきであろう).またCD4陽性細胞数,血清ウイルス量の変化のみを指標にしたやり方も避けるべきである.
BMJ 2992l 324:757-60

Significant Association Found With Simian Virus 40 And Non-Hodgkin Lymphoma


SV40と非ホジキンリンパ腫(NHL)の間には有意な関連が認められた.

 SV40は,NHLのあるタイプと有意な関連があることが判明した.
 NHLは,生物学的に多様な造血器腫瘍の集合体であり,臨床経過もindolentなものから高度にaggressiveなものまである.この30年間で同疾の罹患率,死亡率が著明に増加してきており,米国においては年間55,000例が新たに本疾と診断され,本疾による死亡は,男性では全悪性腫瘍の4位,女性では5位にランクされている.
本疾の頻度の増加の原因は充分に理解されていないが,ウイルス感染がその原因の1つである可能性が指摘されている.
76例のHIV-1感染NHL合併例と78例のHIV-1非感染例のサンプル,及び79例のHIV-1陽性及び107例のHIV-1陰性非リンパ腫サンプル,更に54例の大腸癌及び乳癌サンプルをコントロールとして,SV40に特異的なpolyomavirus T抗原配列の有無を検討した.
同配列は,154例のNHLのうち64例(42%)に認められ,186例の非リンパ腫サンプル全例,及び54例の大腸及び乳癌サンプル全例には認められなかった.
この差は,HIV-1感染者グループ,非感染者グループいづれにおいても同様であった.
これより,SV40は,HIV-1感染及び非感染NHLと有意に関連しており,腫瘍の発生に関与している可能性があり,ウイルスの腫瘍原性となる因子を同定する
ことにより本疾の新たな診断,治療,及び予防法につながる可能性がある.

(Lanset 359: 817, 2002)

Abacavir Effective In Treating HIV-1 Positive Children

A DGReview of :"Comparison of dual nucleoside-analogue reverse-transcriptase inhibitor regimens with and without nelfinavir innot previously been treated:
the PENTA 5 randomised trial" Lancet

02/28/2002 By Harvey McConnell


Abacavirは小児でも治療効果があり、安全性も成人と同様である。
英国で行われた、多施設無作為比較試験(Nelfinavirに対しては一部盲検)の結果が報告された。

多剤併用療法が先進国で、HIVに感染し治療を要する成人と小児において、標準的な治療法であることは、明白である。
しかしながら、小児における治療の選択の自由は、不適切な剤型と薬剤の薬物動態が不適合であるために制限されており、また高い血中HIV-RNA濃度をコントロールし得る組み合わせとして、量、味、そして内服回数すべてを考える必要がある。
小児でPIを使用したデータは、この研究が始まったときはほとんどなく、未治療の小児における、第一選択の治療としてのこの薬剤のリスクと利益は、明確にされていなかった。

Abacavirは液剤もある新しいNRTIであるが、成人や小児で、2つのNRTIとして、lamivudineとAbacavirを用いたデータは、この研究の開始時はほとんどなかった。
しかしながら、両方の薬剤が少量ですみ、味がよく、液剤があり、食事の影響なしに一日2回の投与ですむことが可能であるため、この組み合わせは小児に適していると考えられた。

Dr Gibbらは、9カ国の128名の未治療小児を対象に、PIを併用した場合としなかった場合の、3つの異なるNRTIの2剤併用療法を効果と安全性で比較した。
無作為に、36名の小児が2剤のNRTI:zidovudine/lamivudine 、45名zidovudine/abacavir、47名がlamivudine/abacavir を割りふられた。
無症状の55名の小児は、無作為にPIとしてnelfinavirかプラセボが割り振られ、73名のより進んだ病態の小児には、nelfinavirが与えられた。
最初のエンドポイントは、24週目そして48週目の血中ウイルス量の変化と、重大な有害事象の発現とした。

調査登録時のHIVウイルス量は、平均5.0 log copies/mLであったが、48週の時点で、 zidovudine/lamivudine投与群の平均HIVウイルス減少量は1.71 log copies/mL、zidovudine/abacavir投与群は2.19、そしてlamivudine/abacavir投与群は2.63であった。

この調査結果によると、未治療の小児においては、2剤のNRTI療法として、zidovudine/lamivudineより、abacavirを含んだ処方の方がより効果的である。
"小児は成人より治療の選択肢が少ないため、有効かつ忍容性の良い初期治療のレジメンが至急に必要とされている。Abacavirを用いたこの研究結果は、小児における安全性が成人におけるものと同等であることを示唆している。"

CROI: TMC125 Shows Antiviral Effect in Non-nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor-Resistant HIV

SEATTLE, WA -- March 1, 2002--


次世代のNNRTIといわれる TMC125は,NNRTI耐性のHIV患者やNNRTIでの治療に失敗した
患者においても優れた抗ウイルス効果を示す.第9回CROIで発表された.

16名の患者で検討され,7日間の治療した後のウイルス量の減少は
中央値で87%であった(範囲37-98%).8日目にもウイルス量の減少は持続していた.
TMC125はベルギーのTibotec-Virco社によって開発中である.

薬剤耐性は現在治療失敗の原因で最も多く,HIV患者では重要な問題になっており,
これらの結果は重要な意義をもっている.現在使用されているNNRTIでは,
いったん耐性が生じると同系統の他剤に対しても交叉耐性を生じる.今回の検討結果からは,
TMC125はNNRTI耐性のウイルスに対しても活性を保ち続けており,既存のNNRTIとは
まったく異なるらしい.薬剤耐性ウイルスの出現は,治療失敗の大きな理由の1つである.
北米での最近の検討では,血液中にウイルスが検出されるHIV患者の80%近くに
薬剤耐性ウイルスが認められるとの結果であった.

この検討(C207)は第U相(phase IIa)のオープンラベルで行われた.NNRTIに耐性を示し,
治療に失敗した16名の患者を対象に,TMC125が1週間投与された.
NNRTI治療は変更しないまま行われた.
NNRTI耐性変異は,L100I,K103N,Y181C,Y188L,G190A/Sが認められ,
12名では複数の変異を認めた.

1週間の投与では患者全てで(薬剤中止のための)リバウンドによるウイルス量の増加は
認められず,TMC125に対する耐性も生じなかった.認容性も良好であった.
TMC125はDAPY誘導体の1つで,in vitroでのNNRTI耐性ウイルスに対する抗ウイルス活性に
基づいて臨床開発が始まった.

検討結果は,TMC125が次世代のNNRTIとして有望であることを示しており,
将来的にはより効果的なHIV治療の主役になりうるだろう.

SOURCE: Tibotec-Virco

A DGReview of :"Association between presence of HLA-B*5701, HLA-DR7, and HLA-DQ3 and hypersensitivity to HIV-1 reverse-transcriptase inhibitor abacavir"

HLA-B*5701, HLA-DR7, 及びHLA-DQ3の存在とHIV-1逆転写酵素阻害剤であるabacavir
に対する過敏症との関連. 遺伝子テストにより,抗レトロウイルスであるabacavirによる致死的な過敏反応を起こす可能性のあるHIV-1患者を同定できる. 
abacavirは,HIV-1に対して強力な抗ウイルス活性を持つ,一般的に用いられている逆転写酵素阻害剤であるが,abacavirで治療された患者の約5%が多臓器を侵す過敏反応を発症し,まれに死亡することもある.症状は,通常治療開始後6週以内に出現し,発熱,発疹,胃腸症状,無気力あるいは倦怠感などを認める.治療を継続すると過敏反応に関連する症状は増悪し,abacavirを中止すると通常24時間以内に改善する.abacavirで治療された200例のHIV患者について,免疫反応に関連することが知られているMHC遺伝子を解析した.abacavir過敏症は,18例に認められ,167例については6週間の治療後に忍容性が確認された.
HLA-B*5701アレルは,18例のabacavir過敏患者のうち14例(78%)に認められたのに対し,167例の対照例の4例(2%)に認められたにす ぎなかった.HLA-B*5701, HLA-DR7, 及びHLA-DQ3の組み合わせ(57.1 ancestral haplotype)は,abacavir過敏患者の13例(72%)に認められたが,対症例には存在しな かった.abacavir暴露群全体において,同遺伝子の組み合わせが存在する場合, abacavir過敏症の予測値は100%であり,同組み合わせが存在しない場合,過敏症を認 めない予測値は97%であった.(Lancet 359: 727, 2002)