05/20/01配信分

Anti-Cytomegalovirus Therapy Does Not Predict Mortality in AIDS Patients

A DGReview of : "HIV and cytomegalovirus viral load and clinical outcomes
in AIDS and cytomegalovirus retinitis patients: Monoclonal Antibody
Cytomegalovirus Retinitis Trial" AIDS


エイズ患者においてはサイトメガロウイルス(CMV) DNA が検出されたりCMV網膜炎が発症することは、HIV ウイルスの量よりも、死の危険とより高い関係があるように思われている。


 さらに、CMVに対する治療は、CMVによる網膜炎の悪化や致死の両方とも関連しない
ようである、とJohn Hopkins 大学と Minnesota 大学の研究者は、言っている。

 モノクローナル抗体によるCMV網膜炎治検の第1相に登録されたCMV網膜炎をもつAIDS患者83名に、CMV網膜炎の補助的な治療として、MSL-109 とプラセボが使用された。
 MSL-109による治療によっても、CMV網膜炎の悪化や致死に対しての影響はなかった。最初の時点における血漿中のCMV DNA の検出は、致死を予測させる因子であったが、CMV antigenemia には、致死との相関がなかった。CMV DNAの検出は、高いHIVの血中ウイルス量よりも致死の良い指標となる。CMV DNAもantigenemiaも、CMV網膜炎の進行を予測するものとはならなかった。
 新たに診断された患者においては、抗CMV療法により、検出されるCMVのウイルス量とantigenemiaは、低下傾向を示していた。しかし、6ヶ月でCMVのウイルス量で25%、CMV antigenemiaで54.6%の反動があった。再発患者では、経過を通じて、抗CMV療法は、検出されるCMVのウイルス量、CMV antigenemiaの値に変化はみられなかった。
 研究者は、抗CMV療法は新たに診断されたCMVウイルス血症を一過性に減らすことはできるが、CMV網膜炎の再発患者には効果がないと結論づけた。MSL-109による補助療法は、血漿からCMV DNA やCMV 抗原を排除することはできないといっている。

Higher Dose Of Fortovase (Saquinavir) With Lower Dose Invirase (Ritonavir)
Maintains Viral Suppression In HIV
3rd International Workshop on the Clinical Pharmacology of HIV Therapy April

FortovaseR (saquinavir soft gel capsules) と ritonavir (Fortovase/r) の合剤の有用性に関する研究発表である。FortovaseR 400 mg/ ritonavir 400 mg の合剤を一日2回内服、少なくとも6ヶ月継続し、 400 コピー以下のHIV-RNA レベルを達成したコホート21名でFortovase/r 400mg/400mgを続けた群11名とFortovase/r 1000 mg/100 mg一日2回内服にスイッチした群10名で血清脂質レベルの変化を比較した。

前者では、中性脂肪が平均210 mg/dlから237 mg/dlに上昇、コレステロール値は206 mg/dlから 231 mg/dlに上昇していたのに対し、後者では、逆に中性脂肪が488 mg/dlから 329 mg/dlに、コレステロール値は259 mg/dlから227 mg/dlに下降していた。
24週内服後のデータだが、その時点で、前者のうち4名でウイルス量が400コピーを超えていたが、後者は全員400コピー以下を保っていた。従来の治療量で、リトナビルによる副作用で忍容性が確保できなかった患者で、Fortovase/r 1000 mg/100 mgのリトナビルを減じた内服法が有用である可能性が示唆される。
ただし、1000 mg/100 mg群の2名が膵炎の発症で継続不能に、400mg/400mg群では、中性脂肪、コレステロール値の激増により6週後neuroleptic malignant syndromeを発症した1名が継続不能になっていた。

Invirase/r 錠でsaquinavirが負荷された 2つの臨床試験では、一日一回ないし二回の Fortovase/r内服と少なくとも有効性において差を認めなかった。
錠剤が小さい、冷蔵保存が不要、消化器症状が少ないなどの点でむしろ優位な結果を得て おり、 Fortovase/rででた消化器症状で内服継続出来なかった例でInvirase/r錠に変更 して飲むことができた例もあった。

最初の研究はタイ人患者を対象にしたもので、Fortovase/r1600 mg/100 mgをHAARTの 一剤として48週内服し、Invirase/r 1600 mg/100 mg 一日一回内服に変更して一週間継続、 その後Fortovase/r内服に戻して、pharmacokinetic substudyを行ったものである。
それぞれ変更後1週間の時点での比較でsaquinavirのCmaxで6.30 mg/L と5.27 mg/L, AUC 24h で49.95 mg/L.h と35.48 mg/L.h Cminで 0.21mg/L と0.07 mg/Lで、 Invirase/r内服後の方が、saquinavir血中濃度が高く保たれている傾向にあった。下痢が 両者内服時通じて継続した例が一例、Fortovase/r内服時のみみられた下痢例が一例あった。
 
2番目の臨床研究は、24人のドイツ人正常ボランティアにInvirase/r内服と同量同用法の Fortovase/rのどちらかを内服させて、pharmacokineticマーカーを比較したもので、 一日2回 Invirase 1000 mg またはFortovase 1000 mgを半分のボランティアに、Fortovase/r を先行させて10日間、その後 Invirase/rに変更させて10日間内服、またはその逆で評価した。 それぞれ10日後のsaquinavirのCmax はInvirase/r先行群、 1228 ng/L に対し、 Fortovase/r先行群983 ng/L, AUC 24h は、15798 ng.h/mL と11655 ng.h/mL Cminは、 232 ng/L and 166 ng/Lであった。消化器症状は、8人対23人、下痢は、4人対15人でInvirase/r 先行群で少なかった。その出現は、saquinavir血中レベルと相関はみられなかった。
以上より、FortovaseでHAARTがウイルス学的にはうまくいっている副作用例で、 Inviraseに変更してうまくいく例が稀ながら存在する可能性が示唆された。

Nutritional Intervention May Improve Immune, Intestinal Function in Children With HIV

イタリアの研究者等によれば,栄養学的介入は,特に終末期に至る以前に実施されると,
HIV感染小児における消化器系および免疫系の機能を改善する可能性がある. 経腸栄養を行われているHIV感染小児では,CD4陽性細胞数,キシロースレベル,
体重の有意な増加が認められた.有意ではないが同様の傾向が完全静脈栄養を行われて
いる患者でも認められた. 62名の栄養補助を受けている患者を対象に検討された.
46名が完全静脈栄養で,16名が経腸栄養を行われていた.
3名を除いて全員がAIDSを発症し,全員が極度の栄養障害の状態にあった.ベースライン
の状態は,経腸栄養を行われている患者に比べて完全静脈栄養を行われている患者で悪い
傾向にあった.経口的にキシロースを投与されている小児では,全員が消化器機能不全
を指摘された.完全静脈栄養を受けていた27名と経腸栄養を受けていた3名が死亡した.
完全静脈栄養を受けていた14名と経腸栄養を受けていた8名では,経口摂取に変更が可能
になった.完全静脈栄養を受けていた5名と経腸栄養を受けていた5名は,
観察期間中栄養補助が継続された.栄養学的介入の有効性が強調されるべきであると
検討を行った研究者等は述べている.Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition 2002;34:366-371.
"Effects of Nutritional Rehabilitation on Intestinal Function and on CD4 Cell Number
in Children With HIV"

 
No Adverse Event Surprises From HIV Drug Abacavir

03/04/2002 By Mark Greener


拡大されたプログラムの間のABCの副作用は、これまでの研究と似ている。ABCは他の抗HIV薬と併用される、新しい炭素環式のNRTIである。

アメリカのGlaxo Wellcomeの研究者たちは、HIVに感染した13000例以上の成人を対象
に行われたABCの拡大されたプログラムによる結果を報告した。
患者たちは承認されている処方では長くは反応しなかった。
ABCを含んだ治療の2ヵ月後に、31.4%の患者のウイルス量は少なくとも0.5 log10減少
しており、さらに、5.6%の患者でウイルス量は400 copies/ml未満に減っていた。このプログラムは、ABCの忍容性が高いことを示唆しており、全体で7.7%の患者が重大な有害事象を報告した。
嘔気、発疹、下痢、倦怠感か疲労感、そして熱発が一般的な重大な副作用であった。
さらに患者の4.6%に、ABCに関連したと思われる過敏反応がみられた。
著者たちは、全体として、このプログラムの間に出現したABCに関連した副作用の種類
と発現率は、phase II とphase IIIの治験で報告されたものに似ているとまとめている。

Clinical Infectious Diseases 2002;34:535-542. "Abacavir Expanded Access Program for Adult Patients Infected with Human
Immunodeficiency Virus Type 1"