06/18/02配信分
HIV Antiretroviral Therapy Not Associated With Late-Pregnancy Adverse Outcomes

A DGReview of :"Antiretroviral Therapy during Pregnancy and the Risk of an Adverse Outcome"
New England Journal of Medicine (NEJM)

06/13/2002
By Elda Hauschildt


HIV感染女性が坑HIV多剤併用療法を使用することと早産(37週未満の出産)とは関連性はないという妊娠後期に対する逆の結果がでた。

アメリカの研究者らは、HIV感染妊婦において坑HIV多剤併用療法を行っていても、全く抗HIV治療を行っていない妊婦や単剤治療を行っている妊婦と比べて低出生体重児の危険性が上がったり、低Apgar scoreを示したりすることはない。としている。
彼らはプロテアーゼ阻害剤と超低出生体重児の関連性をはっきりさせなければならないとも示唆している。

「坑HIV治療が妊娠に与える危険性は低く、こういった治療を妊娠中に使用することのメリットが重んじられるようになるだろう。」と、BostonのBrigham and Women's hospitalのDr. Ruth E.Tuomalaは述べている。

妊娠中に坑HIV治療を受けたHIV感染妊婦のうち2123人が7つのコホート研究のうちの1つに登録されている。
登録者は1990年から1998年の間に出産している。1590人が単剤療法を、396人がプロテアーゼ阻害剤なしの多剤併用療法を、137人がプロテアーゼ阻害剤を含んだ治療を受け
ており、1143人は坑HIV治療を受けていなかった。

早産の確率は抗HIV治療を受けた人で16%、受けていない人で17%とあまり変わりがなかった。低出生体重児はともに16%であった。
1500g未満の超低出生体重児は抗HIV治療を受けている人で2%、受けていない人で1%であった。
低Apgar scoreや、死産に関しては両者に差はなかったと研究者らは言っている。

この逆の妊娠結果を検討すると、多剤併用療法が単剤治療に比べ、早産や低出生児の危険と関連していない。といえる。
プロテアーゼ阻害剤を用いていた7人(5%)が低出生体重児を出産したのに対し、使用していないグループでは9人(2%)であった。

 

Differences Seen in New HIV Cases Among Whites and Africans in England
A DGReview of :"The changing demographics of new HIV diagnoses at a London
centre from 1994 to 2000" HIV Medicine


レトロスペクティブ調査ではあるが、ロンドンHIV治療センターの1994年から2000年にかけての新規患者数が、白人に関しては減少傾向、黒人に関しては増加という結果であった。
しかし、診断時の臨床的・免疫学的パラメーターは、白人でむしろ悪化、黒人は変化なしということもわかった。1994年は、144名、 1997年は、 136名、 2000年は、110名
の新規患者であったが、この期間中に白人の割合は 72 %から48%に減り、黒人は24%から45%に増えていた。ところが白人の診断時平均 CD4 細胞数が1994年では 475 cells/μLであったのが、2000年には286になっていた一方、黒人では240と 230で横ばいであった。

 

Decrease In Low-Density Lipoprotein Receptor Expression Linked to HIV-Lipodystrophy

A DGReview of : "LDL-receptors expression in HIV-infected patients: relations to antiretroviral therapy, hormonal status, and presence of lipodystrophy"
European Journal of Clinical Investigation

05/30/2002
By David Ball


フランスでの研究によると、Low-density lipoprotein (LDL)レセプターの発現が減少していることは、HIVでのlipodystrophy とは関連はあるが、インスリンの分泌やdehydroepiandrosterone(DHEA) とは関連しない、と言っている。

今までにもHAART療法による脂質代謝の異常や、リポジストロフィーの報告があった。

フランスのDu Bocage 大学病院の研究者は、血漿中のLDLコレステロールレベルは、肝臓の LDL レセプターの発現の調節によって大きな影響を受けると言っている。

 彼等は、LDLレセプターの活動性を支配するホルモンバランスの重要な調節は、HIV 感染やHAART療法に関連しているが、何がこのような副作用を引き起こすかは明らかにされていないと言っている。

 39人のHIV感染者と22人の対照群との研究で、HAART療法の影響とLDLレセプターに関連したリポジストロフィーについての評価が行われた。

 39人中、21人の患者は、PIを含むレジメンで、他の19人はPIを含まずに治療された。
 患者群、対照群ともインスリン抵抗性、脂質量、DEHAとLDLレセプターの濃度について調査された。
 
 リポジストロフィーである14人の患者は、そうでない患者群よりも、中性脂肪の量とインスリン抵抗性が高かった。
 
 LDLレセプターの数は、リポジストロフィーである患者で有意に低かったが、PIの使用群と非使用群との間に差はなかった。
 
 リポジストロフィーでない場合は、患者群、対照群の間にLDLレセプターの数に違いはなかった。リポジストロフィーの患者群では、DEHAレベルは低かった。

 HIV感染者の中でも、LDLレセプターと、中性脂肪とLDLコレステロール濃度の間には、有意な相関があった。しかし、DHEA量とLDLレセプター、もしくはLDLコレステロール濃度の間には、有意な相関がなかった。