07/09/02配信分
ECCATH: Stavudine Extended Release Formulation as Safe and Efficacious as Conventinal Stavudine in HIV Patients

ATHENS, GREECE-October 31, 2001-


NRTIであるstavudineの新しい拡張型放出剤型は,食餌に関わらず長期間良好な
血中濃度を維持することが示された.

拡張型放出剤型は,より長期間血中濃度を維持し,
HIV患者においてはコンプライアンスを改善ひいては治療効果をあげるのに
重要な要素である1日1回服用を可能にするために開発された.
第8回ECCATHでカナダ,ブリティッシュコロンビア大学のJulio Montaner医師等は,
未治療のHIV患者において従来の剤型のstavudineと拡張型放出剤型のstavudineの
有効性を48週間にわたり検討した.
検討は無作為抽出二重盲検での比較対照試験で行われ,
150名未治療HIV患者が登録された.従来剤型群(stavudine 1日2回服用)と
拡張型放出剤型群(1日1回服用)の2群に割り付けられ,
共通してlamivudine(150mgを1日2回)とefavirenz(600mgを1日1回)が使用され
48週間治療が行われた.両群の平均年齢は34歳で,拡張型放出剤型群では74%が,
従来剤型群では76%が男性であった.ベースラインでのCD4細胞数に両群間で
僅かな差が認められたが(拡張型放出剤型群では平均CD4細胞数が354/mL
であったのに対して従来剤型群では261/mLであった),ウイルス量は両群とも
5000コピー/mL以上であった.拡張型放出剤型群では91%が,
従来剤型群では82%が治療を完遂した.
48週の時点ではウイルス学的効果も免疫学的効果も両群で同様で差はなかった.
ウイルス量が400コピー/mL以下にまで減少した患者の割合は,
拡張型放出剤型群は78%,従来剤型群は67%であり,
さらに50コピー/mL以下にまで減少した患者の割合は,
拡張型放出剤型群は50%,対照群は49%であった.安全性についても同様で,
両群で有意な差は見られなかった.
同医師等は,拡張型放出剤型は安全に1日1回投与でき,
有効性も従来のものと同等であると結論している.

IDSA: Simple Diagnostic Guide Helps Predict Lactic Acidosis in HIV Patients

SAN FRANCISCO, CA-October 31, 2001-


簡単な臨床そして生物学的インデックスを用いると,
HIV患者において致死的治療副作用である乳酸アシドーシスの発症の危険性を評価
できるらしい.

HAARTで治療されているHIV患者の臨床そして検査データの記録からある知見が
明らかになってきた.
あるインデックスを用いると高い精度で乳酸アシドーシスの発症を予測できた.
インデックスの中身はLDHレベル(正常値の2倍以上の上昇),
AST,ALTレベル(正常値の2倍以上の上昇),嘔気/嘔吐からなる.
乳酸アシドーシスの発症は稀だがHIV患者において起こると致死率が高い.
最初の症候は軽度で非特異的であり結果として診断が遅れる可能性がある.
第39回IDSAで米国,ノースカロライナのTriangle Pharmaceuticalsの研究者達が
この検討結果を発表した.
3つの臨床試験に登録されている1003名の患者を対象にそれぞれ検討を行ったところ,
8名で高乳酸血症が認められ,うち2名は乳酸アシドーシスを来していた.
治療開始から症状が発現するまでの平均期間は,41.5週(27-61週)であった.
1名は劇症型乳酸アシドーシスで死亡した.他の全例では治療中止によって改善が
認められた.
地勢学,臨床データ,検査値の統計学的検討が行われたが,年齢,LDHレベル,
重炭酸レベルが乳酸アシデミアの発症と有意に相関していた.
ウイルス量とCD4細胞数は関連が認められなかった.
これらの知見に基づいて同研究者達は診断のためのインデックスを作成した.
この検討におけるインデックスの診断特性は感度100%,特異度98%,陰性的中率100%,
陽性的中率50%であった.これらの結果は前向き検討で確認される必要があると
コメントしている.

 

Antiretroviral Adherence Declines With Increasing Complexity In
HIV/AIDS A DGReview of :
"Antiretroviral Regimen Complexity,
Self-Reported Adherence, and HIV Patients' Understanding of Their Regimens: Survey of Women in the HER Study"

11/05/2001By Mark Greener

HIV/AIDSの女性の場合、レジメンが複雑になると抗ウイルス薬のアドヒアランス
が低下する。
多くの慢性疾患では、治療の煩雑さがコンプライアンスの低下を来すことが知られている。
Harvard Medical Schoolの研究者を中心として、抗レトロウイルス薬を内服している
女性においてこの関係がやはりみられるのか確認するため研究が行われた。
75%の女性は薬剤の回数を理解していた。80%が内服の必要性と食事制限のことについて
理解していた。
しかし63%しか食事と薬剤の相互作用を理解していなかった。
しかも、内服のレジメンを理解した女性の割合は煩雑さが増すことにより減少した。
実際、少なくとも一日に3回抗ウイルス薬を内服する患者、
あるいは空腹時に少なくとも1回内服する患者は、より単純なレジメンの患者より
内服のミスが多かった。 
Multivariate logistic regressionでは抗ウイルス薬を一日2回あるいは
それ以下のレジメンの場合や食事制限の必要のないレジメンの場合ではより
複雑なレジメンの患者よりやはりミスが少ないと思われた。
結果としてオッズ比は0.4であった。 
より若年者、よりCD4細胞数が多い患者は内服のミスが少ない傾向があった一方で、
人種、現在あるいは過去の麻薬使用、学歴はアドヒアランスには影響しなかった。 
自己申告によるアドヒアランスの調査で、抗ウイルス薬のアドヒアランスの低下は
レジメンがより複雑になるほどみられる。
一部で、レジメンの複雑さによりアドヒアランスが低下することは、
治療内容の理解の低下にもつながる。
レジメンをより単純にすることがアドヒアランスを改善させる最も重要なことである。

J Acquir Immune Defic Syndr 2001;28:124-131 "Antiretroviral Regimen Complexity,
Self-Reported Adherence, and HIV Patients' Understanding of Their Regimens:
Survey of Women in the HER Study"

Success of Human Immunodeficiency Virus Therapy May Discourage Safe Sex
WASHINGTON, DC -- November 2, 2001 -

最近のサーベイからゲイとバイセクシュアルの
男性の中に抗ウイルス療法を受けていれば、HIVの性感染の危険度が減少することを
信じている人が少なからずいて、このことがunprotected sexの増加に関係があることが
わかった。もしHAARTを受けていてHIVの伝搬が減少するとすれば、
ゲイとバイセクシュアルの男性はcasual partnersとunprotected sexを行う傾向がある
ことが、Annals of Behavioral Medicine.11月号に報告された。
 伝搬の予防はゲイとバイセクシュアルの男性の危険な性行動を理解することが
中心となるとArizona State UniversityのDavid M. Huebner, M.A.とMary A. Gerend, M.A
が述べている。
治療が性感染の危険を下げるかどうかは現在、進行中であるが、ウイルス量の減少により
性感染のリスクは下がると予想されているが、まだthe scientific communityでは
議論がある。しかし、危険が減少するとしても依然として感染のリスクは存在することの
方が重要である。
今回の報告ではその他に、危険な性行動をとる男性はよりHIVに敏感であるため
感染の不安があり、治療により感染の危険率が減少するという考えで自分自身の不安を
打ち消そうとするのではないかという仮説も今回の報告で述べられた。
なぜならHIV/AIDSはもはや死という事実をあらわす言葉ではなくなったため、
あたらしい考えが必要となってきた。コストとアドヒアランスである。
新しい治療の成功が病気を新たに広げない様にするため危険な性行動から人々を
回帰させるというさらなるチャレンジを産みだした。

今回の研究ではPhoenix 地区に在住する575人のゲイとバイセクシュアルの男性の回答が
得られている。93人がHIV陽性と理解しており、379人はHIV陰性だと言った。
そして103人はHIVの検査を受けたことがなかった。

多くの人々はHIVの治療により健康状態が改善すること、内服が複雑であること
そして治癒は得られないということはわかっている。
しかしこれらがコンドーム使用の増減には関係していない。
たとえ将来の研究報告でHAARTが伝搬の危険を減少させるとわかったとしても
これらの危険な男性群が完全にコンドームをする必要がなくなるかどうかということを
さらに研究する必要がある。
SOURCE: Center for the Advancement of Health

Interferon/Ribavirin Mix Safe In Haemophiliacs With Hepatitis C And HIV.

HAART施行中の18人を含む20人のHIV及びC型肝炎を合併した血友病患者を対象に
IFN-α2b(3MU,週3回)とリバビリン800mg/dayをウイルス量に応じて6ヶ月から
12ヶ月使用する臨床試験の結果が発表された。全ての患者のHIVウイルス量は
検出限界以下で、CD4細胞数は安定して推移していた。
忍容性と4, 8, 12, 24, 36, 48週での反応および以降は1ヶ月毎のモニターを続けた。
20人全員が、脱落するような大きな副作用なく、少なくとも6ヶ月の治療を終了でき、
HAARTの減量や変更を要した症例もなかった。
8人(40%)が治療終了後6ヶ月までウイルス学的効果を保持していた。
レスポンダ?は、HCV-RNAレベルが低いという以外は、
ノン?レスポンダーとなんら変わりないデータであった。
レスポンダーのHCV-RNAは少なくとも最初の2ヶ月で1logの低下が認められ、
最終的に6ヶ月後に検出限界以下になっていた。
これらの結果は、血友病患者でもCD4数が安定していて、
HIVウイルス量が検出限界以下であれば、
このコンビネーションは安全で、40%有効なウイルス排除を示すと結論づけた。
         HEPATOLOGY 2001; 34:1035-1040

Formula Feeding Helps Infants of HIV-1 Mothers Survive to Two Years.

発展途上国におけるHIV感染した母親から生まれた新生児が、
人工乳で育てられた場合、母乳栄養に比べて2年生存率が良好なことが報告された。
371名の病状が比較的揃った両者での比較の結果である。
人工乳の児の予後はHIV非罹患の母親からの児ともそう変わりないらしい。
HIV感染または死亡という転帰をとる原因のうち28%の要素をクリアできると
見積もられるとも言っている。さらに母親自体も母乳栄養を避けることで、
予後が良くなるようだ。妊娠時教育と良質の水の供給、人工乳の供出とそれへの
アクセスの確保ができれば、母子感染を防ぐのには人工栄養は安全かつ有用な
オプションといえる結果だとしている。
今回の対象が、それらの条件がそろっていたから出た結果であることも強調している。
著者らは、WHOも薦めている環境に応じた人工乳の必要性のカウンセリングが
重要となることも主張したいと述べている。
ちなみに、一般にHIV罹患児の死亡危険率は健康児に比し9倍高いという。
               JAMA, 2001;286:2413-2420