08/05/02配信分

AIDS 2002: Directly Observed Highly Active Antiretroviral Therapy with Amprenavir
Effective in HIV Patients at Risk for Noncompliance

By Ed Susman


都市内部のMinority のHIV患者のHAARTに関しては、観察できる環境のもとで治療を行える ことが成功につながる。1日1回の1200mgのamprenavir と200mgのritonavir boosterを含 むHAARTのレジメンを用いることで、薬剤のトラフ値を24週間、一定に保つことができた。
アドヒーランスの悪いことがウイルス抑制を目指すHAART療法が失敗する大きな原因である。
多くの社会的問題を持ち、HIVに関しての知識に欠ける患者に対する治療についての結果が 米国ケンブリッジのVertex社のVarun Garg 博士により、第14回国際エイズ学会で示された。

22人の進行したHIV陽性患者に対して、直接観察のもとで、didanosine 400mg、lamivudine 300mgとamprenavir 1200mg、ritonavir booster 200mgの1日1回のHAARTが行われた。
治療開始1週後、1月後、2月後、3月後、4月後、24週後のamprenavirの濃度が調べられた。
薬物常習者やHIVに関しての知識に欠ける者、定期受診を受けなかったことのある者、 救急室受診歴のある者等は、コンプライアンスの悪い患者と思われた。
14人の患者は、24週の治療を終えた。1日1回の治療レジメンは、24週間、重大な副作用 もなく行えた。

Amprenavirの血中トラフ値は、ritonavirを内服せずにamprenavir 1200mgを1日2回で内服して いる患者の6倍の値であった。これらの値は24週間を通じて維持された。この値は、他の治験 でamprenavir とritonavir を同量内服している患者と同レベルであった。
この研究で、amprenavir を用いる1日1回のHAARTのレジメンは、コンプライアンスの悪い患者 と思われる患者においても、観察下で内服させることにより長期間安全で有効な血中濃度を 維持できる治療法であることが示された。

AIDS 2002: Risk of Staphylococcus aureus Colonization Correlated with Immune Status in HIV-Positive Persons - (DGDispatch)


CD4+ 数を免疫抑制の指標としてみていくと、HIV陽性患者では、免疫状態が低下していくとともに、Staphylococcus aureus がcolonization するリスクが高まってくる。
この結果は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のNicholas Moss 博士により、第14回国際エイズ学会で発表された。
S.aureusによる感染は、HIV陽性患者では頻回に報告されており、患者の死亡につながったり、 抗生物質に対する耐性が出現してきている。

1999年から2000年にかけて、サンフランシスコで823人の患者でS.aureus の鼻へcolonization への検査が行われた。分離された全てのS.aureusについて、 pulse-field gel で解析が行われ 関係について調査された。HIV の状況についても調査され、ほぼ同時にCD4+ 数の調査も行われた。

その結果、17%の140人が、HIV陽性であったが、S.aureus のcolonizationの割合は、HIV陽性患者で33.6%、HIV陰性患者で20.9%と、HIV陽性患者で有為差をもって高かった。
CD4+ 数に注目すると、S.aureus の鼻へのcolonization率は、CD4+ 数が500以上の場合は26.1%、CD4+ 数が50以下の場合は50%と、CD4+ 数が下がるとともに増えていった。また、CD4+ 数が200以下の場合はcolonizationのリスクが高くなっていた。この研究は、免疫能が低い患者でS.aureus のcolonizationの率が高くなり、CD4+ 数が200以下の患者でのS.aureusに対する予防投薬も考慮される結果である、としている。
この際に、以前に抗生物質が使用されていたかについては触れていなかったが、この研究では
MRSAの検出率は低い割合であった。

AIDS 2002: Capravirine Not Associated with Increased Incidence of Vasculitis

By Ed Susman


 バルセロナで開かれた第19回国際AIDSカンファレンスにおいて、抗HIV薬であるCapravirineが、他の薬剤と比べ、特に血管炎を起こすわけではない。ことが示された。
 Capravirineは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤であるが、動物実験にて、高濃度で 血管炎を起こすとの報告が過去にあった。今回の報告は、血管炎を起こす割合はCapravirine とプラセボで変わりがなかったということを示すものである。

 Studyに参加してくれたのは646人。内訳は432人(うち277人がHIV陽性患者、155人は健康体のボランティア)がCapravirineを服用し、残りの214人がプラセボであった。
これらの人々に対し、血管炎、皮膚血管炎の症状が認められるかをモニターした。
プラセボ群はネルフィナビル、ラミブジン、ジドブジンを内服し、Capravirine群は1つのグループはネルフィナビル、スタブジン、ヂダノシンを、もう1つのグループはネルフィナビル、アバカビル、ヂダノシンを併用した。

 通常でもHIV陽性患者の1%には血管炎が認められるが、今回Capravirineを使用したグループ では皮膚血管炎が0.26%、全身性の血管炎は0%であった。以上より、Capravirineが血管炎の 危険性を増加させたりはしていないことが分かった。
 非ヌクレオシド系の抗HIV薬は、ただでさえ薬剤耐性変異が起こりやすいことで知られている。
しかし、このCapravirineはあまり耐性変異を起こさない為、注目をあびている。

AIDS 2002: Investigative Fusion Inhibitor Suppresses HIV Better than Current Optimal Therapy

By Ed Susman


 国際的なトライアルにて、注射剤のenfuvirtideが従来の治療に比べ、およそ2倍の"HIVウイルス検出限界以下"を達成したので報告する。

バルセロナで開かれた第19回国際AIDSカンファレンスで、注射のウイルス抑制剤であるenfuvirtide(公式名T-20)が、従来、最上のHIVコントロールとされてきた方法に比べ、およそ2倍のウイルス抑制を示したことが発表された。(ウイルス検出限界以下の割合で51%:29.1%)

詳細に見ると、ウイルス量400コピー/ml以下は、37%:16.4%、50コピー/ml以下だと従来の方法
の7.3%に対し、enfuvirtideを使用したほうは20%が検出限界以下に抑えられていた。

アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジルなど49箇所で24週間にわたるトライアルを行ったが、ウイルス量が検出限界以下に抑えられる割合は増えている。

 このトライアルでは326人にenfuvirtideを、165人には従来の方法を振り分けた。enfuvirtideを使用したほうでは、免疫機能も向上し、CD4値で76 cellsの上昇を見た。(比較群は32 cellsの増加)
 このstudyでは患者は平均して12の異なった抗HIV薬を使用していたが、調査中にウイルスに耐性変異が見つかったのは5つであった。