08/14/02配信分

AIDS 2002: Sustained Response Seen in HIV-Infected Patients with Severe Immune Impairment after Antiretroviral Treatment

By Jay Owens


免疫能が低下しているHIV患者への抗レトロウイルス療法後の持続する反応

3年における長期の研究により、プロテアーゼ阻害剤であるlopinavir,ritonavirの固定服用量の評価を行い、CD4+細胞の低下した患者における持続する免疫反応を認めた。

HIV治療の主要な目標の一つは免疫反応の持続である。Lopinavir/ritonavirの効能および安全性を評価する進行中の研究で、100人の抗レトロウイルス未治療HIV患者に、最初は2つのnucleoside inhibitors(stavudineとlamivudine)にlopinavir/ritonavirを3種類のdoseに分け、その中から1つを加えたものを1日2回のレジメで治療を開始した。
48週後すべての患者はlopinavir/ritonavirの量を 400/100mgとし、nucleosideの量は変更しなかった。

患者の平均のHIV-1RNAレベルは4.9 log10 copy/mLで、CD4+は338 cells/μL であった。
3年後、78人の患者が治療を続け、明らかなCD4+の量の増加を認めた。156週でCD4+の増加は平均で356 cells/μLであり、その反応はよりCD4+の数が少ない患者で見られた。
(36%)5%の患者では156週でもCD4+は200以下であった。
患者は3年間の治療でウイルスが抑制された。(75%はHIV RNAレベルが400copy/ml以下
) 

AIDS 2002:Bone Disorders Increased in HIV-Infected Children

XIV International AIDS Conference


骨髄炎、骨塩量低下ないし骨粗鬆症、無血管性骨壊死といった、骨をめぐるトラブルが、HAARTを受けている小児で多いことが報告された。

HIVに暴露され、24ヶ月目まで抗HIV薬を6ヶ月毎に繰り返し内服して、21歳になっているHIV感染小児2,695名および 1,352名の非感染小児のデータベースを利用したレトロスペクティブスタディで、病歴や骨X線所見を比較した。

平均年齢は6歳、1993年4月から2001年10月にかけての観察なので、6,533人年対2,335人年の観察であり、性別や黒人の割合は半分ずつを占めていた。

HIV感染小児38名が骨髄炎、骨塩量低下ないし骨粗鬆症、無血管性骨壊死といった何らかの骨障害を示し、1000人年あたり3.5と、非感染小児の2.6に比し高く、相対危険率は2.6倍であった。感染前のHARRTのレジメンには関係なさそうであり、HIV感染以外の要素には差がないと考えられた。中には落ちている症例もあると考えられ、今後モニターすべき副作用と警鐘を鳴らしている。

AIDS 2002:HAART Patients Can Switch from a Protease Inhibitor to a Non-Nucleoside Drug

XIV International AIDS Conferenc


プロテアーゼインヒビター (PI) を含むHAARTからPIに替えてNNRTIの3剤いずれかを含むレジメンにすることで、効果が得られるとの報告がなされた。

平均年齢40歳、平均CD4細胞数500というHAART施行患者を対象に、そのPIをnevirapine,
efavirenz, abacavirのいずれかに替えて反応をみた。

全例がウイルス量200コピー以下を保っていたので、まずそのエンドポイントは200以下をキープすることにおいた。

12ヶ月後に200以下の目標を達成していた割合は、nevirapine で78%、efavirenzで74%、 abacavir で77%とintent-to-treat analysisでは差がなかった。
しかしabacavir群で、副作用による治療中断の割合が6%と、他の2群に比し、低かった。
(nevirapine 16%、efavirenz 17% (p=0.009))

ウイルス学的失敗を呈した28例中、23例は、一剤ないし二剤のNRTIの不十分な量のケースで、genotypeの薬剤耐性が入っており、そのほとんどは、abacavir群で、実に75 %がM184Vの変異を獲得していた。

240 mg/mL以上のコレステロール値を示した割合は、abacavir群が9%と最も低く、nevirapine 群は24%、efavirenz群は22%とp=0.01で差を示した。

AIDS 2002: Use of Protease Inhibitors not Associated with Sexual Dysfunction

By Michael Smith


プロテアーゼ阻害剤を服用しているHIV患者は、薬剤性の性機能不全を心配することはない。と第14回国際AIDSカンファレンスでカナダの研究者が発表した。

カナダ、オタワの病院で、プロテアーゼ阻害剤(PI)と性機能不全の関係についてstudyが行われた。実験に参加してくれた165人のHIV陽性患者(男性135人、女性30人)のうちPIを使っているのは106人で、そのうちの52人(32%)に性機能不全の経験があった。

患者の性機能についての評価はArizona Sexual Experience Scaleの標準テストを使って行われた。性機能不全の患者のほとんどは、現病に対し良くコントロールされていた...

52人のうちCD4値が200以上なのが40名いた。6人は活動性の日和見感染症に罹っていたが、全体の約半数28人のHIV RNA量は50コピー/ml以下に抑えられていた。
研究者チームは、PIの使用と性機能不全の間には関連性は認められないとしている。
機能不全不全者の割合はPI未使用者の29%に対し、PI使用者で36.8%であった。

しかし、この中には別の薬剤の影響も含まれている。それは抗うつ薬である。抗うつ薬を使用している人の実に63%が性機能不全を患っているのに対し、抗うつ薬未使用者では24%に留まっていた。
よってPI薬と性機能不全の間には関連性がない。ということになるのだが、他の要因、例えばストレス、服薬状況、病歴などなどコントロール出来ないファクターがある上、調査期間の短さやサンプル数の少なさ等、問題も多く、更なる研究が必要であろう。

AIDS 2002: Abacavir Holds Up Better than Other Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors in Children

By Michael Smith


小児における抗HIV治療では、アバカビル(ABC)を含んだレジメンが有効である。

上記の事が、第14回国際AIDSカンファレンスで報告された。Studyはヨーロッパの小児AIDS治療ネットワークに属する128名の子供たちを対象にして行われた。

モデルは、2種類の非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を3つの組み合わせで用い、行われた。その組み合わせはジドブジン(ZVD)とラミブジン(3TC)、ZVDとABC、3TCとABCであった。24週後、48週後ともABCを含んだレジメンが有意にHIV RNA量を下げた。(400コピー/ml以下の割合が上昇した。)

48週間後で内服が継続できていた子供に対しては更にstudyを続けた。96週後の時点で、ZVD+3TCで72%、ZDV+ABCで84%、3TC+ABCで86%の子供が内服を続けていた。
が、HIV RNAに関して48週後と96週後と比べても大して差はなかった。

HIV RNAが400コピー/ml以下になった割合は48週の60%に対し、96週でも61%である。
更に96週後でRNA量が50コピー/mlを切った子供はほとんどいなかった。このことは、子供では完全にウイルスをコントロールするのは難しいという事を示している。
ウイルス量が400コピー/mlを切った子供たちの中でウイルスのコントロールが上手くいかなくなるのに1番時間を費やしたのは3TC+ABCのペアで、逆に治療中止、次のレジメンに至った時間が最も短かったのがZDV+3TCのペアであった。

 ウイルスを制御できずにABCから他の薬に変更した子供はほとんどいなかった。よって、96週間、ABCを含んだレジメンで治療を続けることは効果的である。と述べられている。