09/02/02配信分

AIDS 2002: Adding Tenofovir to Current Regimen Significantly Reduces Viral Load in Treatment-Experienced HIV Patients


By Jay Owens



現在のレジメにTenofovirを追加することで、治療を経験したことがあるHIV患者のウイルス量を減少させる。

Tenofovir disoproxil fumarateは核酸アナログ剤でHIV感染の治療薬として承認されているが、治療を経験したことがある患者に有効である。

プラセボコントロール、double-blind sytudyでは、550人の治療を経験しているHIV患者を2:1の割り合いで現在の治療のレジメに追加してTenofovir DF 300mgを1日1回投与する群と、プラセボ群に分けた。24週後にプラセボ群はプラセボの薬からactiveな薬に変えた。

研究開始時の平均的なHIV-RNAレベルは3.36 log10 copies/ml、CD4細胞の数は427/mm3 、治療の平均は5.4年であった。実験に先立って患者は抗レトロウイルス剤に高率な耐性があり、核酸アナログ剤に94%、プロテアーゼ阻害剤に58%、非核酸系アナログ剤に48%で認められた。

24週間後の結果はTenofovir DFを追加した患者ではプラセボ群に比し明らかにウイルス量が減少した。(-0.61 VS -0.03 log10 copies/ml、p<0.0001) この減少は48週後の研究の終了時まで続いた。(-0.57 log10 copis/ml)また48週後には41%の患者でHIV-RNAレベルが400 copies/ml 以下になった。

Tenoforvirの追加で核酸剤に耐性があるものでも効果がある。
Tenoforvil DFの副作用などは今回の研究ではプラセボ群と一緒であった。

Clinical Tolerance and Immunologic Effects After Single or Repeated Administrations of the Synthetic Immunomodulator Murabutide in HIV-1-Infected Patients

A DGReview of :"Clinical Tolerance and Immunologic Effects After Single or Repeated Administrations of the Synthetic Immunomodulator Murabutide in HIV-1-Infected Patients"Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes

07/15/2002
By Mark Moran


全身性の免疫調節薬であるmurabutideの安全性、効果についての最初のトライアルが始まったが、HIV患者の、より長いサイクルの薬として期待できそうである。

Murabutideを製造しているISTACの研究者も含めたフランスのチームが、抗レトロウイルス治療を行っているHIV患者に対して、murabutideの2つのstudy(phaseT/phaseU)を行った。

最初のstudyでは、6人ずつにそれぞれmurabutideを5mg、7mg、9mgを与え、血清中のサイトカイン、ケモカインを測定。その結果、7mgでプラトーに達していた。

2つ目のstudyでは、12人のHIV-1感染患者に7mgのmurabutideを連続して5日間与えたところ、3週間後まで臨床的に改善が認められた。それにはリンパ球上のco-receptorのdown regulationによるリンパ増殖反応の改善も含まれていた。

この結果はmurabutideが、抗原提示細胞の機能を調節し、HIV複製を抑制する為に選択的にCD4リンパ球を活性化させる。という事を示している。研究者たちは更に長いサイクルでmurabutideを調査する必要があると考えている。

AIDS 2002: Simplified Treatment Switch Maintains Viral Suppression in HIV-Infected Patients

1日に2回の内服を、1日に1回の内服に簡単にしても、長期的にみてもHIV感染患者で同等のウイルス抑制効果があるようである。
バルセルナのGermans Trias I Pujol 病院のBonaventura Clotet博士は、研究結果を第14回国際エイズ学会で発表した。

長期的な抗ウイルス療法においては、患者のアドヒーランスが問題となり、アドヒーランスを保つためには、より単純な内服療法にすることが必要となってくる。
Clotet博士らは、すでに治療を開始している患者で、抗ウイルス療法を単純化できるかについて、検討を行った。

方法として、83人のHIV陽性患者で、1日2回の抗ウイルス療法を、tenofovir、didanosine腸溶剤とnevirapineを用いる1日1回の内服に変更した。対照の84名は、1日2回の治療を継続した。治験前に、両群の患者は、9ヶ月以上の治療を行っており、ウイルス量は6ヶ月以上検出感度以下であった。

24週後、ただ1人の患者を除いては、1日1回の内服でも、ウイルス量は検出感度以下に保たれていた。CD4数も両群で有為な違いは認められなかった。患者のアドヒーランスについても、1日1回の内服群と1日2回の内服群で、それぞれ94%と92%で違いはみられなかった。

この変更で重要なことは、1日1回の内服療法にしても、抗ウイルス効果が保たれることである、とClotet博士は強調した。
1日1回の内服患者では、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪値の減少が認められ、またQOL スコアも改善していた。Didanosineとnevirapineの副作用も認められなかった。

AIDS 2002: Nucleotide Analogue Tenofovir Effective in Initial Treatment for HIV

新たなnucleotide analogue (核酸類似)薬であるtenofovirは初回の抗HIV療法において、効果があるようである。

ドイツのフランクフルトのSchlomo Staszewski 博士は、第14回国際エイズ学会で研究結果を発表した。

Tenofovirは、主にhIV の治療歴がある患者で用いられた結果で、HIVの治療薬として、昨年承認された。HIV感染患者の初回治療で効果があるかについて、Staszewski 博士らは検討を行った。

治療歴がない患者で、lamivudine、efavirenzに加え、299名でtenofovirを、301名でstavudineを加えて治療を行った。
治療前のウイルス量は、81300コピー/mlであり、CD4数は279であった。
48週後の評価では、両方のレジメンで同等のウイルス減少効果が認められた(RNAレベルで3.09log10の減少)。
ウイルス量が400コピー/ml となったものが両群とも87%であった。
また50コピー/mlとなった割合についても、tenofovirを用いた群で82%、stavudineを加えた群で81%と同等であった。CD4数の上昇についても、169と167とほぼ同じであった。

副作用や検査異常値についても、両治療群でほぼ同等であった。stavudineを加えた群では、総コレステロール、中性脂肪値の上昇があり、また、ミトコンドリア関係の副作用が多かった。副作用のため、治療を中断した患者は、ともに1例であった。
今後の抗ウイルス療法を考える際において、臨床の場に重要なデータを示したことになる、とStaszewski 博士は結論づけた。

Early multitherapy including a protease inhibitor for human immunodeficiency virus type 1-infected infants


Pediatric Infectious Disease Journal, 2002; 21: 518-525. 


プロテアーゼインヒビター (PI) を含むHAART施行新生児のgenotype耐性に関連したウイルス学的失敗は高い頻度で起こることが報告された。臨床的・免疫学的に悪化したという所見が見られないにもかかわらず起こりうるという。

フランスの10施設で、31名の周産期感染をきたした平均ウイルス量が5.8log コピーで、平均CD4細胞%が29%であったHIV感染児を観察した結果である。

HAARTは平均生後3.7ヶ月で始められていて、27ヶ月平均フォローアップされた。15人が軽度から中等度の副作用がみられたが、臨床的・免疫学的に悪化した例はなかった。500以下のウイルス量を保持した率が、最初の6ヶ月で53%であったのが、24ヶ月目には18%に落ちていることがわかった。

ベースラインのウイルス量には相関せず、一ヶ月目のウイルス量の減り方の勾配により、6ヶ月目の減り具合を予測できたという。著者らは、PIが至適濃度を保っていないことが、ウイルス学的失敗の要因のひとつではないかと考えている。

The impact of PTSD on pain experience in persons with HIV/AIDS

posttraumatic stress disorderと診断された患者を含む145名の HIV/AIDS患者がrandomized trial of pain communication interventionにエントリーされ、Stressful Life Events Checklist, the Posttraumatic Stress Disorder Checklist-Civilian, the Mental Health Inventory and the Brief Pain Inventoryの3つの方法で評価された結果が報告された。 

それらの患者では、感染までに最高のストレスのひとつに値するとした平均6.3回のトラウマを経験していた。posttraumatic stress disorderの診断クライテリアを満たした患者は53.8%に及んだ。Self-reported pain assessmentsはその患者群で有意によい効果を示していた。
それらの患者はより高いpain intensityを示し、仕事、睡眠、歩行、その他日常生活の活動性において障害を感じる割合が有意に多かった。また痛みは、感情や他者との関係、生活の楽しさに強く影響されていた。