09/17/02配信分
AIDS 2002: Antiretroviral Therapy as Effective in Prisoners as in Non-prisoners

By Michael Smit


抗レトロウイルス療法は囚人でより有効である。

囚人ではHIV感染が非囚人より6?8倍も高い。HIV感染は刑務所に入所中に診断され、治療が開始される。しかし、抗レトロウイルス療法が囚人に効果的かは知られていない。

ウィスコンシン州の大学とその関連施設で1996年から2000年にかけて未治療HIV患者の囚人について研究を行い、ウィスコシン州HIV感染囚人の90%がこのクリニックで治療を開始した。

コホート研究を行い囚人と非囚人でHAART療法を行い、少なくとも6ヶ月フォローした。

統計学上、囚人と比較対象である非囚人はほぼ同じであったが、囚人ではAfrican-Americanが多いこと(p<0,001)、ドラッグの使用が高いこと、ホモセクシャルの割り合いが低いこと(p<0,001)があげられた。

囚人は非囚人よりCD4 cellは多く、ウイルス量が低かったが、HAART療法施行後52週後ではCD4の増加とウイルス量の低下は同じようなものであった。(囚人で131 cells/μL、非囚人で117 cell/μL)

ウイルス量の検出限界に達した割り合いは非囚人と比較してもdo同様であった。(囚人で60%、非囚人で53%)

サンプルサイズが小さく(n=160, 囚人=70人、非囚人=90人)で、バイアスがかかっている可能性はある。しかしHIVに感染している囚人は治療により免疫能が改善し、ウイルス量も減った。刑務所は囚人に対して抗レトロウイルス療法を開始する批評の機会を提供できる。

AIDS 2002: Initiating Treatment Earlier Is Better for Primary HIV Infection

By Jay Owens


5年間の観察の結果からみて、HIV初感染の患者に治療を開始するには、より早いほうが良いようである、という結果をオーストラリアのHIV研究所のTim Ramacciotti博士が第14回国際エイズ学会で発表した。

HIVに感染した患者の治療をいつ開始するかに関しては今でも論争となっているが、ガイドラインによる最近の傾向としては、症状のない患者の場合には一定のレベルまでCD4が低下するか、HIV RNA の量が増加するまで治療を遅らす、となっている。

HIV 感染患者で診断確定後6ヶ月以内に抗ウイルス療法を行う群169名、6ヶ月以降に抗ウイルス療法を行う群191名、ウイルス量やCD4数に変化がなければ治療を行わない群52名について検討を行った。HIV の診断から治療を行う日の平均値は、早い群で40日、遅い群で1177日であった。この2群で治療前のHIV RNA量に有意な違いはなかった。

早期に治療を開始した群は、遅く治療を開始した群と比較して、どの時期にも有意にCD4数は高く、HIV RNA量は減少していた。
遅く治療を開始した群と治療をしなかった群を比較した際は、ウイルス量やCD4数に有意な違いはなかった。

この研究は、多種の抗ウイルス療法で行われていて、治療を行っていない群には長期的に治療に反応しにくい人が含まれている可能性もある。

AIDS 2002: Once-Daily Stavudine Found Safe and Effective

By Jay Owens



Nucleotide analogue であるstavudine を、extended-release型で1日1回内服することは、immediate-release型で1日2回内服することと比較して同等の効果があり、より安全である、という研究結果がカリフォルニア大学Davis校のRichard Pollard 博士によって、第14回国際エイズ学会にて発表された。

治療歴がない71ヶ国の患者が、48週のprospectiveの治験を行った。
全ての患者は150mg 1日2回のlamivudineと1日1回600mgのefavirenzを内服し、399名はextended-release型stavudine 100mgを1日1回内服し、398名はimmediate-release型stavudine 40mgを1日2回内服した。
両治療群での治療前の値では、HIV RNA量は、ともに4.8log10 copies/ml であり、CD4数は、285と272であった。

1日1回の群では343名、1日2回の群では332名が48週の内服を行った。
両群でHIV RNA量とCD4数の変化はほぼ同程度であった。(HIV RNA量で、-2.86と-2.83の減少、CD4数で202と182の増加)また、ウイルス量が400以下、50以下となった同じ割合であった
両方の治療法とも副作用のあった4%の人以外は、内服を継続することができた。乳酸アシドーシス、またはそれによる症状が出た人は、1日1回内服の人で2名、1日2回内服の人で6名であった。23名の患者は、efavirenzが内服できないためにnevirapineに変更していた。

統計的な有意差は得られなかったが、stavudine を、extended-release型で1日1回内服することは、末梢神経炎、膵炎、乳酸アシドーシスや高乳酸血症を減らすためにも重要なことと思われる。

New Nucleoside Analogue Shows Promising Early Results in Salvage Therapy the XIV International AIDS Conference (AIDS 2002)

Investigational nucleoside analogue であるMIV-310 (alovudine) 7.5 mgを一日一回、ウイルス学的失敗を呈した15名の、3剤から5剤によるHAART施行患者に加えて4週経過観察したオープン・非比較のパイロット効果試験の結果が報告された。

平均HIV RNA量は3.93 log10 コピー/mL、平均CD4+細胞数は 360 cells/mm3であった。
ベースラインのnucleoside analogue mutationの数は6(3から8のレンジ)、特異的にthymidine analogue mutationの数は4 (2から5のレンジ)であった。
4週までに平均ウイルス量で1 log 以上の減少という結果がみられた。

In 11名の患者は stavudineを併用しておらず、2箇所か3箇所のthymidine analogue mutationがみられた4名は、平均1.60 log10のウイルス量低下、
4箇所か5箇所のthymidine analogue mutationがみられた7名は、平均1.88 log10 のウイルス量低下が認められた。このうち8名は薬剤付加4週後に400 コピー/mL以下を達成していた。stavudineを含んだレジメンで治療されていた4名の平均ウイルス量低下は0.57 log10 コピー/mLにとどまっていた。MIV-310を中止してフォローアップ8週目ではすべての患者でウイルス量のリバウンドが認められた。すべての患者が予定を終了でき、忍容性は総じて良好、5名に無力症、6名に消化器症状が出たが、グレード3、4の副作用は見られなかった。

PMMA Facial Implants for Lipodystrophy Correction Found Safe and Well Tolerated
        the XIV International AIDS Conference (AIDS 2002)

頬のふくらみや、その他の部位の厚さを増やすのに役立つと思われる。
ある患者では抗HIV療法に関連する、あるいは核酸系誘導体に関連すると信じられている脂肪萎縮(lipoatrophy)もある。今回polymethylmethacrylate (PMMA)の植え込みが効果があるとの報告があった。

対象患者の96%以上の患者が3剤以上でHAART治療を受けており、見た目に頬がくぼんだ184人(男161名、女23名、平均年齢43歳)を12ヶ月から36ヶ月経過観察された結果が報告されている。手技が容易で、審美的にも良好な結果で、患者への質問票で全員が満足しており、QOLがあがったという。これまでのところでは重大な毒性が見つかっているわけでもない。184人中176人(93%)が5日以内に頬の腫れが認められた。
36ヶ月が全員継続でき、5名に軽い痛みはあったが治療は必要とせず、肉芽やアレルギー反応、炎症も観察期間中にはみられなかった。