10/03/02配信分
Data From Cohort Study Showed Better Virologic Response in Regimens Containing SUSTIVA(R) Compared to Viramune(R)-Containing Regimens in HIV Treatment-Naive Patients

        the XIV International AIDS Conference (AIDS 2002)


米国のHIV clinical Trials で発表された報告によると、SUSTIVA(efavirenz)を含むレジメンは、Viramune(nevirapine)を含むレジメンよりも、初回治療において、HIV抑制効果があるようである。他の2個の大きなStudyでも同様の結果であった。

テキサス大学のPhilip Keiser博士らの研究によると、SUSTIVAを用いた方が治療の失敗も少なく、HIVの減少量も多く、検出感度以下になる人の割合も多い。
555人の患者でSUSTIVA を使うレジメン、523人の患者でViramuneを使うレジメンで治療を開始した。治療に失敗する場合、その時期はViramuneを含む場合は303日、SUSTIVA を含む場合は589日であった。また、ウイルスの減少量もSUSTIVA を含む場合で-1.32log、nevirapineを含む場合で-0.51logであった。
ウイルス量が400コピー/ml以下となる割合は、SUSTIVA を含む場合で51%、nevirapineを含む場合で45%であった。
SUSTIVAは600錠を1日1回就寝前の内服でよいとされている。めまいや悪夢、不眠等の副作用があるが、数週間で改善する。うつ状態になる場合もあるし、併用禁止薬もあり、注意が必要である。

The Immune Response Corporation Announces Results From Trial of Remune(R) In Treatment Interruptions for Chronic HIV Infection Results Indicate Approach Allowed for Extended Periods Off Antiretroviral Therapy

抗レトロウイルス療法で副作用を被っているHIV感染患者へのRemuneRの最初のクリニカルトライアルについて報告があった。成人の慢性HIV感染患者で、HAARTを中断した場合RemuneRの効果について、カナダのグループがstudyを行った。

「一連の抗レトロウイルス療法が利用できるようになった今日、薬剤耐性や、副作用に悩まされるHIV感染患者が増えている。RemuneRを使うことによって治療のアプローチが広がり、ウイルス量がコントロールされている間、抗レトロウイルス薬を中断し、免疫システムを押し上げることが可能なのではないか。」と、Dr.Emil Tomaモントリオール大学教授は述べている。

Studyは116週に及び今も続けられている。被験者は36歳から51歳(平均41歳)までの慢性のHIV感染患者で平均して2.7年HAARTを行っている。HIV RNAレベルは検出限界以下(<50 コピー/ml)で、CD4(+)T細胞は抗レトロウイルス療法を中断する時点で385/mlだった。
ddIによるHAART、GM-CSF、ヒドロキシ尿素(抗腫瘍薬)及びRemuneRの初回導入を行った後、抗レトロウイルス療法を中止した。RemuneRだけは3ヶ月毎に続けた。

結果としてみればHAARTは、慢性のHIV感染患者に、臨床的にも免疫学的にも良く効く。しかし、抗レトロウイルス療法を中止した後のウイルスのリバウンドを止めはしない。Dr.Tomaは言う。
「ウイルス量が検出限界以下に抑えられている患者ではHAART(ddI)が休止期の細胞にも良く効き、ヒドロキシ尿素は細胞の活性化を抑え、ddIの活性化を促し、GM-CSFはマクロファージと同様にして抗レトロウイルス薬の活性を高めるのだろう。
更にRemuneRはHAARTなしで長い期間ウイルス血症を部分的に抑えているのだろう。」
 
このstudyを評価するのに次のもの使った。
ウイルス学的(ウイルス量、HIV genotype、感受性)、免疫学的(リンパ球表現型、血清サイトカイン/ケモカイン、IFN-α、CD4、CD8陽性由来のサイトカイン、IFN-α、リンパ増殖反応、胸腺CT)、QOL、栄養状態など。

1人の患者はHAARTを中断した後、再開することなく88週間経っている。別の1人は2回目の中断後44週経過している。他の患者も平均して1回目の中断後は16週間、2回目の中断後は24週間もった。ウイルス量のリバウンドのピークも明らかに低下していた。このことからHIV特異的な免疫反応が増えていることが考えられた。
また、治療中断の際、ウイルス量がピークに達するまでの時間が長くなり、更にHAARTへの反応が早まった。慢性のHIV感染患者ではあるが、ウイルスの部分的なコントロールやHIV特異的免疫など、感染初期のような反応を示した。世界には、この死につながる病に苦しむ人が40万人もいる。このstudyは、RemuneRを使うという新たな治療オプションを加えることによって、希望を灯した。

Valganciclovir for Cytomegalovirus Retinitis Appears as Safe as Ganciclovir
A DGReview of :"A Safety Study of Oral Valganciclovir Maintenance Treatment of Cytomegalovirus Retinitis" Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes

07/29/2002
By Mark Moran


AIDSによるサイトメガロウイルス網膜炎で、ガンシクロビルのプロドラッグであるバルガンシクロビル(valganciclovir)を使ったところ、ガンシクロビルの注射薬や経口薬と同様の安全性を示した。

フランス、アメリカ、カナダのグループが明らかにしたところでは、ガンシクロビルの経口プロドラッグであるバルガンシクロビルは、ガンシクロビルを使用した時に見られた以上の毒性や、検査値の異常は認められなかった。
 
Studyはopen-labelで行われ、212人のAIDS患者のサイトメガロウイルス網膜炎に対し、900mgのバルガンシクロビルの内服が、保存治療としては1日1回、進行例に対しては1日2回行われた。

372日後の副作用は、ガンシクロビルと同様であった。静脈カテーテル関連の副作用が6例あったが、ガンシクロビルの注射薬で報告されているのに比べ低い率であった。
他、下痢が35%、嘔気が23%、発熱が18%、顆粒球減少(500 cells/μl未満)が10%、貧血(Hb 8.0g/dl未満)が12%で認められた。サイトメガロウイルス網膜炎の進行が17%に見られたが、一般的にはCD4の低下した患者であった。
望ましくなかった事象として17%に口腔内カンジダが見られた。

Super-gen's Orathecin Receives Orphan-Drug Designation For Treatment of Pediatric AIDS

Super-gen社の経口の抗癌剤Orathecin は、小児のHIV感染、AIDSの治療に使用されるようにFDAから認可された。Orathecin は、末梢血リンパ球でのHIV増殖を95%以上抑制した。重要なことは、Orathecin は感染していたリンパ球でのみアポトーシスを誘導し、感染していないリンパ球には示さなかった。量を3倍に上げても結果は同じであり、副作用も少なかった。
Orathecin は感染したリンパ球内のHIVの抑制を有意に減少させるため、今後の治療に役立つと思われる。

Antiretroviral therapy in HIV-infected children can stop neurological damage
University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas

小児において神経症状はしばしばHIV感染の初期兆候になりうる。2002面6月号のJournal of Pediatricsで、 children with HIV感染した小児はしばしば発育障害や脳の発達障害、運動神経の未発達がエイズの発症に先立って認められることを報告している

HAARTは正常な発達を促すことも示唆しており、脳内のウイルスRNA量が検出されないケースもあったとしている。成人の中枢神経症状の場合、記憶障害や痴呆といった形でかなり遅い段階で現れる。しかし小児では、免役能の未発達があるためか中枢神経へのウイルスの波及がより多く、とり早く起こる。生後からHIV感染していた23人の7ヶ月から10歳までの小児を対象にしたスタディで、83 %の小児がすでに神経学的異常を呈していた。48週のウイルス治療の後、そのうちの35%の小児しか同様の異常が続かなかった。異常の消えた小児は普通に発育していくという。
HIVに感染した神経細胞が少なくなるということであるし、血中のウイルスと髄液中のウイルスとの治療後の薬剤耐性変異のパターンに違いがみられたことから、中枢神経組織では独自の治療への反応を示すことがわかったという。医師は血液および中枢神経両方をターゲットとした治療薬を選択すべきだし、潜在的にある回復しうる神経症状を見つけ出す標準的なneurologic/neuropsychologic testingの確率が待たれるとしている。