10/23/02配信分
T-20 Regimen Well Tolerated by Patients With HIV
A DGReview of :"Long-Term Treatment with Subcutaneous T-20,
a Fusion Inhibitor, in HIV-Infected Patients: Patient Satisfaction and Impact on Activities of Daily Living." 

AIDS Patient Care and STDs 2002 Jul;16(7):327-35


期待される抗HIV薬T-20の自己皮下注射による投与法は、患者によく受け入れられ、
一日の義務として印象づけることができそうとの報告がなされた。
Phase IIトライアルに入ったほとんど全ての患者でT-20は継続できいていた。
70人の、過去にHAARTを施行されていた患者に、平均5剤の経口抗HIV薬と併用して
一日2回自己皮下注射したトライアルの結果である。日常生活の活動度、内服・接種
の難易度、コンプライアンスを48週にわたるPhase II試験後の質問表により解析した。
54から96%の患者が日常生活は妨げられることはない、と答えており、47%の患者は接
種・保管・薬液の詰め込み・針の処理について、簡単、非常に簡単と答えていた。
医学的に必要とあれば続けていきたいとした割合は98%に及び、その効果と副作用の
少なさの所以であると思われた。体調の安定を模索する患者において、本薬一日2回
の皮下注射はアドヒアランスの障害にはなりえなさそうだと結論づけている。

Safe Interruption of Maintenance Therapy for Opportunistic Infection in HIV
Patients at the Start of Antiretroviral Therapy

A DGReview of :"Safe Interruption of Maintenance Therapy against Previous
Infection with Four Common HIV-Associated Opportunistic
Pathogens during Potent Antiretroviral Therapy"
Annals of Internal Medicine

09/05/2002
By Mark Moran


抗レトロウイルス療法を開始したHIV患者における、日和見感染に対する管理治療の安全な中断HIV感染に関連するさまざまな日和見感染に対する管理治療は、抗レトロウイルス治療開始後CD4細胞の総数が100?200×106 cells/L以上を少なくとも6ヶ月以上持続した場合安全に中断できる。

デンマーク、フランス、ドイツ、オランダ、スイスでCMV、MAC,トキソプラズマ、クリプトコッカスに対して治療の中断の安全性に対して調査を行った。

総数で379例の管理治療の中断を調査した。CMV 162例、MAC 103例、トキソプラズマ75例、クリプトコッカスで 39例であった。
結果として、100人の患者が1年間に感染する率は、CMV 0.54(95%Cl、0.07〜1.95/100人-年)、MAC 0.90(CI,0.11〜3.25/100人-年)、トキソプラズマ0.84(CI,0.02〜4.68/100人-年)、クリプトコッカス0.00(CI,0.00〜5.27/100人-年)であった。

781人-年のfollow-up期間中に5例で再発を認めた。CMVとMACの2つの再発例は、CD4細胞が100×106cells/L以下になった時に管理治療が中断された。
他の2つの再発は(これもまたCMVとMACだが)それぞれ10ヶ月と8ヶ月CD4細胞が100×106 cell/L以上続いていた。
5例目はトキソプラズマであり、CD4細胞が200×106 cell/L以上が15ヶ月続いていた後管理治療を中断していた。

ICTS: Solid Organ Transplant Should Be a Treatment Option For HIV Patients

By Candace Hoffmann Special to DG News


HIV患者の臓器移殖に希望が見えた。腎あるいは肝臓移殖を受けた14人のHIV患者
のうち、13人までが2年経った今でも生存しており、かつ移殖臓器は機能していた。

 カリフォルニア大学移殖,一般外科のDr.Stockらによって上記のことが発表され
た。Studyは、HIV感染、移殖臓器、生存に与える免疫抑制の効果について調べられ
た。更に次のことについて解析が行われた。日和見感染や癌の発生率、CD4数の変化、
human papillomavirusに起因する疾患の進行、HHV-8の感染、プロテアーゼ阻害剤、
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤及び免疫抑制剤の薬理学的解析。

 14人の患者のうち10人が腎臓の、4人が肝臓の移殖を受けていた。全員がプレドニ
ゾロン、免疫抑制剤(mycophenolate mofetil、cyclosporine)を含んだ標準的な免疫
抑制を受けていた。

 たった1人の死亡者は15歳の少年で、C型肝炎であった。死因はC型肝炎の急激な再
燃によるもので、Dr.Stockによれば肝移殖に伴って起こりうる事象の1つだというこ
とである。

 患者の少なくとも50%以上が拒絶反応を経験していた。半分が中等度から重症とさ
れ、免疫システムが破綻しているわけではなかったが、重度の調節不全に陥っていた。
これらの患者のCD4数は拒絶反応を経験しなかった患者の平均(514m/L)と比べ、落ち
ていた(84m/L)。HIVのウイルス量について言えば、HAARTを受けている患者では検出
限界以下だった。

 免疫抑制剤使用中では、プロテアーゼ阻害剤は薬剤毒性に対するdoseの変化をもた
らす。プロテアーゼ阻害剤を使用している患者では、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻
害剤を使用している患者に比べ、cyclosporineの標準的なdoseが25%になっていた。

 同種移殖においてHIVが顕著に進行したり、副作用が出たりしたという証拠は何も
ない。と研究者たちは述べている。

ICTS: Liver Transplant in HIV-HCV Coinfected Patients - (DGDispatch)

フランスの研究によると、HIVとHCVの両方に感染した患者は、肝移植を受けるこ
とはできるが、HCVの再感染、薬の相互作用や抗ウイルス薬の毒性をモニターしてい
かなければならない。

 フランスのPaul Brousse 病院のDidier Samuel 博士は、HIVとHCVに感染した患者
6人に関しての結果を第19回国際移植学会で発表した。

研究は1999年の12月から2001年の10月に行われ、全ての患者はChildCの肝硬変であり、
HIVはコントロールされていた。移植前にHIVとHCVのウイルス量が測定され、肝生検が
6、12、24ヶ月前に施行された。

免疫抑制薬として、tacrolimusとステロイドが用いられた。12ヶ月間で、1人は
肝不全で死亡し、2人はacrolimusとプロテアーゼ阻害剤の相互作用が問題となった。

6人中5人はHIV ウイルス量は、検出感度以下で、生活の質も上昇した。4人は体重
も増加した。2人はC型肝炎が再発し、インターフェロンによる治療を受けた。
Samuel 博士は、移植術後のC型肝炎を管理することは難しいが、より良い抗ウイルス
療法とC型肝炎の予防が移植患者には必要だろう、と述べた。

HIV Status Should Not Determine Kidney Transplant Status

By Candace Hoffmann  Special to DG News the 19th International Congress
of the Transplantation Society


末期腎不全のHIV患者の腎移植は、死亡率が高いため一般に禁忌とされる。
あえて移植にふみきる患者の移植施行時の平均年齢は50歳以下であり、HAARTの副作用などで平均余命は10年から20年とされる。20代、30代のエイズ発症前のHIVキャリアーは透析を回避したいばかりに積極的に移植に走る傾向にある。20人のHIV患者を対象としたパイロットスタディで移植を施行した結果が上記学会で報告された。
17人は高血圧を合併しており、2人は糖尿病を、1人はHIV 腎症の診断であった。
全員HAARTと血液透析を施行しており、ウイルス量とCD4細胞数は良好にコントロールされていた。3人は生体腎移植、17人は死体腎移植であった。最も大きな問題点はHAART使用薬と免疫抑制薬の相互作用の問題であった。ひとりは、その相互作用ゆえにグラフトをあきらめていた。一年生存率は85%で、3人はHIVとは関係のない死因で死亡していた。ほとんどの患者は移植前の段階に逆戻りしており、HIV患者は必ずしも良い移植適応者ではないことが示唆された。