11/25/02配信分

Albumin Concentration May Be HIV-1 Prognosis Marker

Lancet

11/14/2002
By Harvey McConnel


血中アルブミン濃度は、HIV患者において、CD4細胞数やHIVウイルス量などよりも、より予後を推定しうるマーカーで、常に考慮すべきであることが報告された。

この研究の背景には、CD4細胞数が高く、ウイルス量が低くてもエイズを発症し、重篤な感染症を発症して死に至ることもあること、特にC型肝炎を合併したHIV感染者は、単独感染者に比し、より急速に肝不全になりやすいし、平均寿命も短いこと、non-virucidally処理の濃縮抗凝固因子を使用されたほとんどの英国人の血友病患者は、C型肝炎ウイルスに感染しており、また高い率でHIVにも感染していること、などの事実がある。

著者らは、彼らの血友病センターで1980年より測定してきた血中アルブミン濃度を含むルーチンの肝機能検査、及び今回111名の患者で施行してきた肝機能検査と3ヶ月毎に測定してきたCD4細胞数、また1年毎の、さらに1996年より3ヶ月から6ヶ月毎に測定したHIVウイルス量を解析した。

その結果、血清HIVが検出された直後の血中アルブミン濃度が、エイズ発症リスクと15年に渡る追跡の死亡率とよく相関し、CD4細胞数とHIVウイルス量とは独立する因子であった。Time-update covariateとしてCD4細胞数とHIVウイルス量を固定してしまうと血中アルブミン濃度とエイズ発症は相関しなくなったが、短期的な死亡率とは強く相関した。

著者らは、その説明として、血中アルブミン濃度は慢性炎症への反応性をよく反映し、他の臓器機能異常による死亡とよく相関する、またアルブミンは、急性炎症性蛋白分画とは異なり、HIV-1に影響される多くのサイトカインに制御されている結果であろうと述べている。

HIV Not An Independent Risk Factor For Surgical Complications

Mount Sinai Journal of Medicine

11/18/2002
By Mark Greene


HIVの感染状態は、手術の合併症として、独立した危険因子とはならない、と研究者たちは言っている。アメリカの研究者たちは、retrospectiveに1990年から1995年にかけて手術を受けたHIV感染者の記録を検討した。58%のHIV感染患者、30%の非感染患者が緊急手術を受けていた。Crudeな死亡率は2.47とHIV感染患者で高かった。

しかしadjusted odds ratioは0.72と違いがなかった。これらの違いは以前の手術の合併率にもよるのだろう、と言われている。American Society of Anethesiology (ASA)risk class、年齢、体重は有意な相対比を示していた。結論的には、HIV陽性は、手術の合併症として、独立した危険因子とはならないが、(ASA) risk classは手術の合併症として最も重要な独立した危険因子となる。HAARTの影響も検討されるべきである。

DT-HIV: TETRA Study Shows Trizivir(Zidovudine/Lamivudine/Abacavir) Plus Efavirenz Effective in Patients with Advanced Immunosuppression

By David Jack


CD4値が著明に下がったHIV患者に4剤併用療法(Trizivir(zidovudine, lamivudine and abacavir) plus efavirenz)は有効である。

最近のHAARTは、薬の効果と耐性の間でバランスのとれた合理的な治療法ではあるが、いまだに多くの患者で、ウイルス量を低レベルに抑えるには至っていない。
 
この問題の解決に向けての一つの試みとして、4剤併用療法がある。これは利便性と耐性の両面を兼ね備えたregimenでなければならないが、実際のところHAARTでも、CD4が200 cells/mm3未満の超低値のHIV患者においての効果に関するデータはほとんどないのが現状であった。

深刻な免疫抑制状態にある患者で、4剤併用療法のstudyを行った。24週間で、血清HIV-1RNA量が50 copies/mL以内に達したのが最初のend pointで、3 copies/mL以内が2番目のend pointであった。

55人がstudyに参加したが、うち82%のCD4値は100 cells/mm3を下回っていた。

53%が最初の24週間までにHIV-1RNA量50 copies/mLを達成した。研究者たちは、24週を越えて治療を続けることで、更に効果をあげられるのでは。と考えている。

副作用はabacavirに対しての感受性の亢進が16%に見られた。研究者たちは4剤併用療法が、進行した免疫不全患者にとって良いオプションになるかもしれないと結論
づけている

DT-HIV: Salvage Treatment with Lopinavir/Ritonavir Effective in Patients Failing Treatment with Other Antiretroviral Classes

By David Jack


その他の抗レトロウイルス療法が無効であった患者におけるLopinavir/Ritonavirによる救済療法の効果

lopinavirによる治療は、よく治療に耐えられ、他のすべてのクラスの薬剤が無効であった患者において、有意なウイルス学的反応を起こす効力があると考えられる。

この結論は、Liponavir治療の効果を調査するためのStudyで登録された臨床試験外の151人の患者分析に由来する。

Lopinavirは最新のprotease inhibitor(PIs)の一つであり、抗レトロウイルス療法未経験の患者も非nucleoside系薬剤は使用されていないがPI療法は行われた患者も含んだ臨床試験においてその他のPIsより高い有効性がみられた。

分析は12ヶ月完全に経過観察された患者について行った。患者の選択は抗レトロウイルス薬3系統すべてを3ヶ月以上使用され、現在の処方計画ではウイルス学的に無効であった(>500 copies/ml)者に制限された。

An-intent-to-treat analysis(ITT)では、49%が有意な(血漿HIV RNAで最大で1log以上の低下または500 copies/ml以下)ウイルス学的反応を示したことがわかった。On-treatment analysis(OT)が実行された時、この数字は62%にまで上がった。しかしながら、もしウイルス学的反応に、より厳しい定義を使用するとすれば(50 copies/ml)、ITTでは30%、OTでは38%しか反応がなかった。

CD4 cell数の平均増加は134 cells/mcLだった。(p<0.0001)41人の患者がlopinavirの治療を12ヶ月完全には続けることができなかった。

PI変更5剤以下の患者では、71%が血漿HIV RNA levelが500 copies/ml以下へ達したが、PI変更5剤以上の患者では33%しか、そのlevelに達しなかった。

調査者らは、lopinavirは比較的よく治療に耐えられ、彼らの見解によると"有力な抗ウイルス活性を産生する"ということを発見した。彼らは"lopinavirによる救済療法を始めるときのgenotypingは、どのような患者がより高い有効性を得るか予測するかもしれない"と提案している。

DT- HIV: Safety Profile of Extended-Release Stavudine Comparable to Immediate-Release Formulation

By Jay Owen


Stavudine速効性剤と徐放剤の安全性の比較

核酸アナログstavudine(d4T) XR/PRCの2つのトライアルからデータを解析し、d4T XRの安全性を、最近承認された即効性剤のd4Tと比較した。

徐放剤は投薬のレジメンが簡単であるが、血中濃度の上昇と薬の蓄積による毒性が出現する可能性がある。

最近承認された速効性剤のStavudineは1日に2回投与である。しかし徐放性剤は1回投与で効果的であり、アメリカで現在許可の審議中である。

2つのdouble-blind studyと長期のfollow up studyからデータを1つにまとめた。副作用をd4T XR(n=466)投与群と速効性d4T(n=467)投与群で比較した。これらのトライアルでは患者はlamivudine、efavirenzとdT4のいずれかの剤型が投与されるようにランダマイズドされ、平均して56週間の投与をうけた。

副作用の出現率は、治療に関連するかどうかに関わらず2つのグループで86対87%であり、深刻な副作用(両者とも13%)、死亡(両者とも1%以下)で2つの群で同様であった。

副作用のため治療の継続ができなかったものは5%対7%であった。末梢神経障害は20%対22%であり、d4T XR群で治療との関連が低かった。
肝障害、膵炎、症候性高乳酸血症/乳酸アシドーシスはd4T XR群ではそれぞれ1%以下だった。またLipodystrophyは5%であった。

徐放剤は即効性剤と比較しても臨床的な毒性を増加はさせていない。

DT-HIV: Low Rate of Resistance Mutations Related to Tenofovir DF in Treatment-Naive HIV-Infected Patients

By Jay Owens


未治療HIV感染者にたいするTenfovir DF(以下TDF)に関連する耐性遺伝子いついて TDFを含む初治療で、ウイルス量の増加を認めたHIV感染者の耐性検査において、k65R耐性変異の発現はあまり認められなかった。

K65R変異は、TDF特有の耐性変異といわれており、TDFによって治療された患者の3%に認められていた。

現在行なわれているTDF初治療にたいする第3相試験の途中報告:TDF,lamivudine,efavirenzにて治療を行い、最初の48週間でvirologic failureを起した患者(n=29)に対し、遺伝子型と表現型が解析された。 virologic failureとはHIV RNAレベルが400コピー/ml以上、または48週間のうちに何らかの理由により治療を継続不可能の場合と定義した。

TDFの治療を受けたことのある299人の患者において2.3%陽性であったK65R変異は、29人中7人に認められた。efavirenzに関連する耐性遺伝子は4.3%に認められ、lamivudineについては野生株、M184V変異は3.6%に認められている。

表現型では、K65R変異を持つウイルスはzidovudine, stavudine, abacavirに感受性がある。新しいタイプの変異はまだ見つかってはいない。

7人のvirologic failureの患者はレジメンを変更し50週経過を追ったところ、5人がウイルス量の減少を認めた(50HIV RNAコピー/ml)。5人のうち2人はレジメンの中にTDFが含まれていた。