12/16/02配信分

DT-HIV: Metabolic Complications on Rise in HIV-Infected Patients Treated with Antiretrovirals

By Alison Palkhivala


抗レトロウイルス薬の治療を受けたHIV感染者の代謝性副作用について

HIV感染者の増加とともに、抗レトロウイルス薬の使用も増加し、脂肪織萎縮のような代謝性副作用が問題となってきている。喫煙、HCV重複感染がさらにその副作用を増強している可能性がある。

このレトロスペクティブなコーホート研究では、1991年から2001年まで南アルバータ州にて治療を受けたすべてのHIV感染者と抗レトロウイルス薬治療を受けた 患者のデータを収集し、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTIs)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTIs)、プロテアーゼ阻害剤を含むすべての抗レトロウイルス治療を行った患者の累積を集計した。

研究期間中、NRTIsを使用した患者数は約4倍に、プロテアーゼ阻害薬は1.8倍に増加した。患者の平均年齢は1991年の35歳から2001年には41歳へと高くなった。
これらの患者のなかで、42%の患者が喫煙者であった。HCV感染者は1991年から1997年まで着実に増加し、15%に達した。高TG血症に関しては、1998年には検出されていなかったが、2001年には48.5%と上昇した。

全体としては、南アルバータ州の総患者数は1991年の268人から2001年の558名まで増加した。抗高脂血症薬の使用(特にフィブラート系、スタチン系)は劇的に増加し、1999年では1%以下であったが、2000年には6.9%となった。

筆者らは、抗レトロウイルス治療の慢性使用による二次性の代謝性副作用は、高喫煙者、HCV重複感染のHIV感染者に関し、年齢的な背景において重大な問題になってきていると述べている。

DT-HIV: Double Boosted Protease Inhibitor Regimen Shows Promise in Heavily Pretreated Patients

By Alison Palkhivala


すでに治療を受けた患者へのDouble boosted protease inhibitor治療の見込み

Double boosted protease inhibitorの indinavirとlopinavir/ritonavirを組み合わせたレジメンは、既に大量のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs)とプロテアーゼ阻害剤で治療されたHIV患者の治療に有効である。

nucleoside analogue-sparing boosted double protease inhibitorのレジメンを、既に大量の治療と交差耐性のためNRTIのオプションを受けたHIV患者に調査を行った。

患者は18人のHIV患者で既に治療を受け、プロテアーゼ阻害剤の治療を経験していた。すべての患者はHAART療法の施行下で進行するウイルス学的失敗を経験しており、レジメンをindinavir 600mg bidとlopinavir / ritonavir 400mg / 100mg bidに変更した。更に4人はnon-nucleoside reductase inhibitors (NNRTIs)、8人はtenofovir,1人はNNRTIとtenofovirを使用した。

24週後患者のCD4+細胞数は平均で235 cells/mm3から410 cells/mm3に上昇した。9人の
患者は48週後もfollowされており432 cells/mm3まで上昇していた。ウイルス量は平均で135000 copies/mlであったが24週で2.86 log、48週で3.10 logであった。50%の患者は24週でウイルスが検出できなかった。(50 copies/ml以下)9人中の6人が(67%)48週後で検出されなくなった。

中性脂肪の濃度は平均で187mg/dlであったが24週で297mg/dl、48週で306mg/dlに上昇した。T-choは173mg/dlから24週後には240mg/dl、48週後には255mg/lまで上昇した。Lactate濃度は2.28mmol/Lから24週後は1.87mmol/L、48週後は1.76mmol/Lに低下した。

この研究からは総合的な結果は導き出せないが、ウイルス学的、免疫学的な結果からindinavirとlopinavir/ritonavirを組み合わせたdouble protease inhibitor のレジメンは 既にNRTIsとpurotease阻害剤の治療を受けた人には有用でありそうだ。

DT-HIV: Atazanavir Safe and Effective in Presence of Hepatitis B or C Co-infection

By Alison Palkhivala


B型またはC型肝炎ウイルス混合感染HIV感染患者へのatazanavirの使用は、安全であり、
効果的である。

研究者らはatanazavirに関する2つの48週間の臨床試験を行った。最初の調査では、
無作為抽出で、atanazavir 400mg 1回/日の治療を181人のHIV感染患者に、atanazavir
600mg 1回/日を195人の患者に、lamivdine/stavudine(3TC/d4T)使用下にnelfinavir
1250mgを加えた治療を91人に行った。2回目の調査では、無作為抽出で、405人の患者に
atanazavir 400mg/日を、405人にzidovudineと3TC使用下にefavirenz 600mg/日を使用
した。
どちらの調査でも、患者はHIV-RNA levelが少なくとも2000 copies/ml, CD4 cells数が
100 cells/mm3, liver transaminase levelが正常上限の3倍以下だった。
atanazavirを含むregimenを行われたうち、103人の患者がHBVs抗原陽性またはHCV抗体
陽性であった。HBVまたはHCV混合感染患者でも、atanazavir 400mgを内服している間、
HIV-RNA抑制率は同程度であった。(両調査で、混合感染者と非混合感染者において
-2.46〜-2.83 copies/ml)
混合感染患者は、baseline・atanazavir内服中ともに、HIV単独感染患者より
liver transaminase levelの上昇が大きかった。しかし、これらの増加はnelfinavir・
efavirenzでも同様にみられた。
さらに、bilirubinのgrade 3-4の上昇は、atanazavir内服HBVまたはHCV混合感染患者と
非混合感染患者の間で同等であった。
また、これらの上昇は、同時期のALT・AST level grade 3-4の上昇として定義される、
肝毒性とは関係なかった。
atazanavirはB型またはC型肝炎ウイルス混合感染HIV感染患者に対し、安全であった。
Transaminase上昇は、atanazavir, nelfinavir, efavirenzで同程度みられた。
HIV-RNA抑制はHBVまたはHCV混合感染患者と非混合感染患者で同程度であった。

DT-HIV: Tenofovir Salvage Therapy Useful in Treatment-experienced HIV Patients

By Alison Palkhivala 
GLASGOW, SCOTLAND -- November 21, 2002 --


Tenofovirをベースにしたサルベージレジメンは、治療経験のあるHIV感染患者にとっても有益である。

プロテアーゼ阻害剤は、短期間ではM41L変異(*注1)によって、その反応に影響を受けることが第6回HIV感染における薬物治療の国際会議で発表された。

 Tenofovirの効果は、ヌクレオチド関連の遺伝子変異(特にM41Lと210W)によって減弱することが知られている。
 マドリードのInstituto de Salud Carlos IIIのAna Barriosらは、139人の重症な治療前のHIV患者(平均年齢40歳で、そのうちの78%が男性)に対してtenofovirの効果とHIV genotypingを調べ、評価した。

 患者はtenofovir開始前に84週間にわたってHAARTを受けており、その60%以上が少なくとも1種類以上のサルベージレジメン(プロテアーゼ阻害剤など)を受けていた。ベースラインの平均の血清HIV-RNAは3.9 logsでCD4数は313 cells/μlだった。

 治療3ヵ月後 のHIV-RNAは、ベースラインより1.03 logs下がり、CD4数は51 cells/μl増加していた。54%の患者が、この時点でウイルス学的応答を達成していた。
 6ヵ月後には、68%の患者でHIV-RNAが0.79 logsの減少、 CD4数で28 cells/μlの上昇を示しており、この時点でのウイルス学的応答の率は46%であった。

 治療3ヵ月後で調べると、ヌクレオチド関連の遺伝子変異が3つ未満の患者では血清HIV-RNAの減少が1.17 logsであったのに対し、3つ以上の場合では0.82 (p=0.13)であった。M41Lの変異があった場合では、3ヵ月後のHIV-RNAの減少が0.57 logsであったのに対し、M41Lの変異がない場合では1.34 logs下がった。6ヵ月後では、M41Lの変異によるHIV-RNA量の違いは認められなかった。

 Tenofovirと共に新しいプロテアーゼ阻害剤を使った患者では、HIV-RNAで1.39 logsの低下を認めたが、プロテアーゼ阻害剤を含まない患者では0.53 logsにとどまった。(p<0.001) 
 M41L変異がある場合、新しいプロテアーゼ阻害剤を加えることは ウイルス学的応答に3ヶ月は影響を与えるが、6ヶ月ではウイルス学的影響は与えない。 短期間での血清HIV-RNA量はM41L変異がなければ顕著に下がると結論づけられている

(*注1)M41L...HIV-1ウイルスゲノムのヌクレオチド関連領域の41番目のアミノ酸
がM(メチオニン)からL(ロイシン)へ変異してしまっていることを表す。同様に210Wは
210番目がW(トリプトファン)に変異してしまっていることを示す。

DT-HIV: Structured Treatment Interruptions Help Control Viral Replication
By Alison Palkhivala

GLASGOW, SCOTLAND -- November 21, 2002 --


STI(Structured Treatment Interruptions...計画的な治療中断)は、短期間抗レトロウイルス治療を受けたHIV患者のウイルス複製に対するコントロール力を増す。
 オスロのUllevaal大学病院のArild Maelandらは、急性HIV感染あるいはセロコンバージョンに続き6〜8ヶ月間抗レトロウイルス治療を行い、少なくとも3ヶ月間、完全にウイルス抑制がかかった状態(HIV-RNA under 50 copies/mL)になった患者14人を選んだ。

 14人に対し、1週間毎にウイルスレベルをモニターしながら最大で12週間STIを行った。ウイルス量が50,000 copies/mLを越えた時、あるいは3週間連続して5,000 copies/mL以上の値を示したときは、治療を再開した。2回目の中断は、少なくとも3ヶ月以上治療を行い、2ヶ月間完全にウイルス抑制がかかってからとした。


2回目の治療は前回と同様のクライテリアに基づき行った。最初の12週間のレジメンが終了した段階で、完全な形で2回のSTIを行えたのは10人だった。残りの4人のうち2人は12週以内にクライテリアを再開することが出来なかった。1人は治療を再開しない選択をし、最後の1人は最初のSTI後に薬の変更をした為にstudyから除外された。

 治療中断からウイルスが血中に検出できるまでの時間を比べると、1回目と2回目とで、10人のうち8人で2回目の方が延長していた。残りの1人は変わらず、1人は短縮していた。(p=0.039)治療再開までの時間では9人が延びていた。(p=0.004)The area
under the viraemia curve、ウイルス血症のピークは10人全員で減っていた。(p=0.002)
 このstudyは、STIが患者が家庭でfollowするのに適していることを示している。余計な手段を使うことなく家庭で行えるのだ。
「1回目より2回目の中断の時の方がウイルス血症が低く抑えられたが、これは患者にとって、より良いコントロール状態を作り出すある種の自己ワクチンのようなものが存在したのだろう。」
とDr. Maelandは述べている。