12/25/02配信分

DT-HIV: Age and High Baseline Triglycerides Are Strong Predictors of Lipodystrophy in Patients on HIV Protease Inhibitor-Sparing Regimens

By Theo Smart
2002/11/25


プロテアーゼ阻害剤抜きのレジメンを用いている患者では、空腹時の高TG血症が、リポジストロフィーを増悪させる最大の危険因子となる。

リポジストロフィーの進行に、年齢が大きく関わっていることは、多変量解析で言われてきた。HAARTを行っている患者で、リポジストロフィーを進行させるリスクファクターは、他にもたくさんあるらしいこと、プロテアーゼ阻害剤だけでなく、他の抗レトロウイルス薬も関連があることなどが、今までに報告されてきた。しかしこれらの患者の異常な脂肪分布の進行に関わるファクターは、よく分かっていなかった。

プロテアーゼ阻害剤(PI)を使ったことがない患者で、リポジストロフィーのリスクファクターの割合を調べた。PIを含まないHAART(PIを少なくとも6ヶ月間中止)を行っている295人の患者を対象に、リスクファクターとして性別、HIV感染状況、血中ウイルス量、CD4数、空腹時血糖値、中性脂肪値、コレステロール値を用い、体の脂肪分布の変化を評価した。解析にはコックスの比例ハザードモデルを使った。

平均して19ヶ月フォローしたところ、45人(15%)がリポジストロフィーと診断された。
そしてこの割合は治療期間中も増加していた。

多変量解析の結果、空腹時の中性脂肪が 200mg/dl以上で、45歳以上という条件のみが、リポジストロフィーのリスクファクターとして明確になった。他の要因、性差や同性愛、ドラッグユーザーなどがリポジストロフィーのリスクを増やすという証拠はなかった。

PI抜きのレジメンを使っているリポジストロフィー患者で、最初に出現してくる兆候は脂肪組織萎縮(56%)で、中心性肥満はまれであった。治療を継続している間に様々な症状が出現してきた。

レジメンのタイプや期間も、リポジストロフィーの進行に影響を与えるファクターと考えられ、そういった事を明確にすることも計画していると、このstudyの中心人物であるDr. Martinezは述べている。

この情報は、治療者が、高齢で高TG血症の患者のレジメンを考える上で一助になろう。

DT-HIV: Solo Trial Shows Promise GW433908 Plus Ritonavir Therapy Holds Promise in Treatment of HIV

2002/11/22


SOLO trialの結果では、investigational protease inhibitorであるGW433908(908)とritonavir の合剤(908/r)の1日1回の内服は、NFVの1日2回の内服と比較して初回治療での有効性と安全性が示された、との発表が、第6回国際HIV Drug Therapyが学会(DT-HIV) で示された。それらは、主にabacavir (ABC)と lamivudine(3TC)との併用で行われた。最終的なデータでは、48週目で、908/r群で68%のHIV陽性患者が、NFV群で65%の患者でウイルス量が検出感度以下であった。

SOLOでの有効性について

649人の患者が1400 mgの908とritonavir 200 mgとの合剤の1日1回の内服か、1250 mgの NFV1日2回の内服を行った。両群とも NRTI剤である、ABCと3TCの内服を併用した。 908/r群では 68%でウイルス量が400 copies/ml以下になり、NFV群では65%であった。48週時点で、ウイルス量増加に伴う治療失敗例は、908/r群で4%、NFV群で15%であった。また、ウイルス量が 50 copies/ml以下となったものは908/r群で56%、NFV群で52%であった。908/r群では治療開始前のウイルス量が500,000 copies/ml以上であった患者の71%が検出感度以下のウイルス量となり、NFV群では53%であった。また908/r 群で治療開始時のCD4 数が50以下であった患者の73%でウイルス量が検出感度以下となり、NFV群では51%であった。
これらの結果は、初回治療において、908/r4錠の1日1回の内服は有効で耐用性があることを示すものである。現在のPI剤は1日少なくても6錠内服のため、この点でも有用であると考えられる。 SOLOは、ICAACで発表されたNEATに続く治験である。

SOLOでの安全性について

 今回の治験では、副作用や重篤な検査異常値は共に少なかった。
有意差があったものとしては、下痢で、NFV群で16%、908/r群で9%であった。908/rの副作用としては、アレルギー 7%、吐き気 7%、嘔吐 6%であった。Grade 3-4の脂質代謝異常は、中性脂肪が908/r群で6%、 NFV群で2%であり、他は1%以下であった。ウイルス量での反応がみられず治療を中断したものは NFV群で 8%、27名であったが、908/r群では1人だけであった。副作用で治療中断となったものは、908/r群で9%、NFV群で 5%であった。

治験の対象

 19ヶ国のHIVの初回治療の人が対象となった。多くの人は進行した状態で、平均のウイルス量は4.8 log10 c/mlで、43%のウイルス量は100,000 copies/ml以上であった。20%で治療前のCD4数は50 cells/mm3 以下であった。CDCのClass C の病気を所持する人は除外された。 
性別では、908/r群は女性が30%、NFV群では女性が24%であった。
人種的には、908/r群で38%がアフリカ系、7%がスペイン系であった。NFV群では33%がアフリカ系、8%がスペイン系であった。
年齢は、18歳から69歳、平均36歳であった。908/r群では48%がheterosexuals、NFV群は44%であった。

908に関した臨床治験についてのまとめ

 908は、amprenavirのcalcium phosphate ester pro-drugであり、SOLOでは、ritonavirとの合剤で1日1回、NEATでは1日2回、 CONTEXTでもritonavirとの合剤で1日1回で治験が行われている。
1,100人がPhase III治験で有効性、安全性の評価が行われている。SOLOもphaseIIIの治験で、48週で、908/r1日1回とnelfinavir1日2回を比較している。NEATもphase III治験で、908を1日2回とnelfinavir1日2回との初回治療での比較をしている。
CONTEXTはPIの治療歴がある場合に対しての治験で、908の700 mg、RTVの100 mg1日2回の群、908を1400 mgと200 mgのRTVを1日1回使用する群を, 1日2回の400mg lopinavir/100 mgRTVと比較した。どの群も2種のNRTI剤と併用した。どの群も24週、48週時点で有効性、安全性が示されており、その結果は2003年に発表される予定である。
承認が得られれば、GlaxoSmithKlined社は、同商品を市場に出す予定としている。


Boosted Indinavir/Ritonavir Regimen at Half Dose Still Highly Effective

Sixth Congress on Drug Therapy in HIV Infection


従来800/100 mgで使用されていたindinavir/ritonavirを 400/100 mg 一日二回、二者のNRTIと併用し、それまでHAARTがなされていない患者で十分に有効性を示したことが報告された。40人のHIV感染患者に対して試行された治験で、使用前の平均HIV RNA量は230,957 コピー/mL、平均CD4数は84 cells/mm3、 13人はAIDSと診断されていた。
最初の判定ポイントは、ウイルス量 <400 HIV RNA コピー/mLになった割合で評価した。
24週の時点で、on-treatment analysisで87% (27/31 patients)、intent-to-treat analysisで82.5% (27/40)が <400 コピー/mLを達成していた。 平均ウイルス量低下数は3.08 log10 HIV RNA コピー/mL、平均CD4細胞増加数は104 cells/mm3であった。血清薬剤濃度は4週の時点で91% (31/34)が適量のインジナビル濃度を保っていた(Cmin >150 ng/mL)。9人 (15%)の患者が結果的に治療中止に至った副作用で治験を中止していた。2人は経過観察ができなくなり、一人は24週での評価価値がなくなっていた。

High Concentrations of Abacavir and Lamivudine in Semen Suggest Antiviral Activity in Genital Tract

Sixth International Congress on Drug Therapy in HIV infection

アバカビルとラミブジン及びあと一剤で治療されているHIV感染患者の精液中で前2者薬剤が十分高い濃度に保たれていることが報告された。10名の男性患者を対象にした研究である。7名は最初のHARRT、3名は前治療歴があった。
アバカビル300mg一日二回、ラミブジン150mg一日二回、とあと一剤については7人の前治療歴なし患者のうち6人はAZTであった。4週から24週の観察期間で精液サンプル中の薬剤濃度を測定し、12週、24週、48週でウイルス量を測定した。
結果はいくらかのtime-lagをもって血中濃度と同等ないしそれ以上の濃度を示し、ラミブジンに関しては血中濃度の2倍から20倍高い精液中濃度を示した。AZTに関しても同等という成績があり、これらの薬剤の組み合わせは生殖器官での高い抗ウイルス効果が期待できることが示された。