03/06/02配信分

CROI: No Differences Seen Between Nevirapine And Efavirenz in 2NN Trial


2NN試験におけるNevirapine と Efavirenz の効果について

nevirapine とefavirenzのHIV患者におけるウイルス学的な、そして免疫学的効果の効果について研究を行なった。2NN研究では、2つの非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 の組み合わせでは副作用のみ増加し、効果の増強は認めなかったと報告している。非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤の組み合わせは好ましくないと2月14日の第10回CROIでJoep Lange医師は述べている。そしてその結果はHIV治療におけるnevirapine とefavirenzの効果の比較によって示されている。2NN研究は、これまでのレトロスペクティブなコーホート研究と異なり、科学的、そして厳密にnevirapineとefavirenzのレジメンをプロスペクティブに比較、検討している。


南極大陸をのぞく全大陸の17国の研究者たちは、nevirapine1日1回、 nevirapine 1日2回、efavirenz1日1回、nevirapine とefavirenzの効果の比較をデザインした。1216人の患者がこの研究に参加し、全患者はさらにヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤のstavudine(d4T)、lamivudine(3TC)のthe highly active antiretroviraltherapy (HAART) を受けた。


治療の分析結果は、nevirapine1日1回を受けた患者では、viral load50コピー以下が70%に達し、nevirapine 1日2回のグループで65.4%、efavirenz1日1回のグループでは70%、nevirapine とefavirenz併用群では62.7%であった。nevirapine とefavirenz併用患者の効果の低下は主に、治療をドロップアウトする患者が多いことによると考えられた。

Lange医師は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、副作用の増加を招いているようであると述べている。2NNのサブスタディでは、833名の患者の脂質のデータで、HDL上昇がefavirenzのレジメンでは24%であったが、nevirapineを含むレジメンの患者では37%であった。nevirapineではHDLコレステロール比の著明な低下を認めた。Robert Murphy医師は、医師たちの間ではnevirapineよりefavirenzのほうがより効果があるという認識があると述べている。また同時に、この2つの薬剤間には副作用に差があり、nevirapineでは肝障害を起しやすく、efavirenzでは中枢神経障害が起こりやすいと述べている。
2NN研究の結果より、HIV感染者の治療について、非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤の選択が必要であることが明らかになったとMurphy医師は述べている。

この研究は、nevirapine 製造元であるBoehringer Ingelheimの協力を得ている。このトライアルのIATECとUNAIDS Collaborating Centerによって支持された。
初治療の患者は、stavudineとlamivudineの治療と、4種類のNNRTI治療レジメンのうち1種類を受けた。研究に参加した患者は最低のvirul loadが5000コピー、CD4細胞数制限はつけなかった。

CROI: Carotid Atherosclerosis in HIV Patients Linked to Traditional and Immunologic Risk Factors


HIV患者の頚動脈硬化症における危険因子

HIV患者では動脈硬化の経過は古典的な動脈硬化のリスクと同様に自身の免疫不全が影響する。
心血管イベントの危険因子、HIV感染症、HIVの治療と動脈硬化の関係ははっきりしていない。この研究では動脈硬化のマーカーとなる頸動脈の内膜-中膜の厚さ(IMT)を予測因子としている。研究では106人のHIV患者に超音波を使い、頸動脈を評価し、そのほか患者の他の危険因子の評価、HIVの罹患期間、患者の年齢なども評価した。 
頸動脈のIMTは1年間フォローした。IMTの経過は古典的な心臓病のリスク:高年齢(p<0.001)、LDL高値(p=0.018)、高血圧(p=0.008)で早かった。以前にCD4陽性細胞が200/mm3より低下したことがある患者ではIMTの経過を早めた。CD4が200/mm3より低下することは頸動脈の厚さに影響を与えるようであった。抗レトロウイルスの治療のタイプに影響をうけるか調べたがPI(プロテアーゼ阻害剤)をベースとした治療では関係はなかった。これらの薬はHIV患者に血管のリスクファクターとして考えられていた。IMTの1年の経過は非HIV患者と比較して10倍以上であった。
そして年齢やPIの使用期間と関連があるようだ。

CROI: Patients on Highly-active Antiretroviral Therapy May Have More Heart Attacks

高活性抗レトロウイルス療法(HAART)を受けている患者には心臓発作が多い

HIVに感染し、HAARTを受けている患者は他の治療を受けている患者に比べ、心臓発作の危険が増加するようである。
Denmark, CopenhagenのDr. Nina Friis-MollerらはHAARTを受けている患者は抗HIV組み合わせ療法をつづけると1年ごとに心臓発作の危険が27%増加すると述べた。これは有意な増加である(P <0.00001)。主任研究者のDr. Jens Lungrenは、一方で決定的な発作の危険性は低いままであり、HIV関連合併症の予防に対するHAARTの有効性とのbalanceで考えるべきであると述べた。研究者らはオーストラリア、ヨーロッパ、アメリカのHIV感染患者23468人のdataを検討した。このなかで、129人に心臓発作が起こり、36人(29%)が致命的であった。

アメリカ、コロラドのDr. Constance Bensonはこのstudyに関与していないが、これが薬剤によるものなのか、冠動脈疾患の誘因となるHIV感染によるものなのか議論が必要と注意した。
 
アメリカ、CDCのDr. Scott Holmbergは、protease inhibitorを含むHAART regimenに伴う心疾患の危険性増加は本当だと思うと述べた。しかし、これらの薬剤はHIVに伴う心疾患を正常化させるのに役立つと注意も促した。Protease inhibitorを含まない他の抗レトロウイルス薬の組み合わせもまたHIVを効果的にcontrolするし、喫煙のような改善可能な危険因子を減らすということは患者を納得させるのに有効かもしれない。


HIV感染患者は50%以上タバコを吸っている。それは他のアメリカの人口と比較し、莫大な喫煙率である。彼らはまた、コレステロールレベルを減少させるために食事変更を促進されるべきである。このstudyでは患者の60%が喫煙者であり、20%にコレステロールの上昇がみられた。心臓発作があった対象の平均年齢は48歳だった。

CROI: HIV-Infected Transplant Recipients Live as Long as Uninfected Recipients

By Ed Susman BOSTON, MA -- February 14, 2003 -


HIV感染者の肝移植者も非感染者のレシピエントと同じくらい長く生きる。

第10回レトロウイルスと日和見感染症研究会での発表

 最新の研究で、肝移植後最初の2年間では、レシピエントがHIV感染者であろうがなかろうが生存率に差が無いことが分かった。これらの見解は、HIV感染が臓器移植の禁忌とならないことを示唆している。とピッツバーグ大学のMargaret Ragni博士は述べている。

肝移植のレシピエントとして肝疾患終末期のHIV感染者23人と非感染者11453人の記録を解析した。移植後12ヶ月で見ると、HIV陽性者で90.3%、陰性者で86.6%の生存率であった。2年後には陽性者で76%、陰性者で82%となり、これらの差は統計学的に有意ではなかった。


Ragni博士は、またHIV感染者の肝不全の主要な原因としてB or C型肝炎をあげているが、Johns Hopkins大学のDavid Thomas博士によればHIV感染者の4人に1人はC型肝炎を重感染しており、しばしばコントロールが上手くいかず肝不全に陥っているという。
肝移植後に抗レトロウイルス治療に耐えられず、CD4低値、血中HIVレベルが上昇するなど上手くいかない場合もあるが、Ragni博士によれば、術前のあらゆる要因をもってしても、患者が良好な結果を得るかどうかを予見することは出来ないという。

Centers for Disease Control and Prevention in AtlantaのScott Holmberg博士
は言う。
「この研究は肝移植に当たって重要な問題を提起した。それは、いかなるコンディションでも手術しなければならない。ということだ。HIV感染が医学的にコントロールされるようになってきた現在、心臓バイパス術を受けるのと同様に肝移植の選択肢を提供されなければならない。」

CROI:Resistance Patterns May Help in Selection of Starting Regimens with Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors


HIVの変異を調べることは、変異を持つウイルスを持つ患者にどのようなNRTI剤を使用するかを決定するにあたり、有用である。サンフランシスコでのデータベースがViroLogicという形でまとめられ、ウイルス学者のRandall Lanier 博士が発表した。

10478個のgenotypesとphenotypes があり、30個の変異型を注目して調べた。
薬剤への耐性があると決める際には、治療開始前に少なくても3個の変異のある必要がある。特に65R184Vと74V184Vがnucleosidesへの交差耐性に関与している。
5個以上の変異があれば交差耐性を示すことが多く、全ての薬は治療の際に効果が減弱する。このような変異が存在することは、治療をしてウイルス学的失敗が出現して、治療の変更をすることよりも早く事態の予測ができる。ViroLogicの結果は、1個や2個の変異を持ったウイルスは、治療前の人にも見られ、3個の変異があるウイルスは、伝播したものでなければ、治療歴がある場合に出現する。
これらのデータは、交差耐性を減少させるfirst-lineの治療指針を作成する際に有用であろう。first-lineの治療では、後の選択を減らすような広い交差耐性の変異を少なくするようにすべきである。そのような観点からは今後、thymidine analoguesが使用されていない場合には、abacavir、didanosine、tenofovirの選択が増えていくであろう。

CROI: Pegylated Interferon Alfa-2b Effective for Treatment-naive Early Stage HIV Infection

By Peggy Peck BOSTON, MA


Early-stageのHIV患者の治療にPeg-IFNα-2bは奏効する。

パイロットスタディの結果、HAART導入前のHIV患者に対し、Pegylated interferon alfa-2b (PegIntron)が抗ウイルス作用、さらには免役賦活作用を示すことが報告された。


10th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infectionsで、24週のPegIntronの治療により有意にCD4細胞数は増加し、HIV RNA量が減少したことが明らかにされた。PegIntron 80mgを24週にわたり皮下注された10人のHAART導入前の患者のトライアルで、CD4細胞数は治療群で平均149 cells/mcLの増加であったのに対し、control groupは85 cells/mcL (p<0.001)の減少にとどまっていた。
血漿HIV-RNAコピー数は、治療群で、0.9 logの増加であったのに対し、control群は、0.8 log (p<0.05)の増加と、こちらは有意差を認めなかった。2名の患者はインフルエンザ感染様の疲労感を訴えた。これらの副作用は主に使用量にデペンデントで、十分な忍容性はあると考えている。低用量でさらに長期に治療されるトライアルも進行中だという。