03/12/03配信分

CROI:Investigational Amprenavir Prodrug Appears Superior to Nelfinavir in Year-Long Study"                   

By Ed Susman


長期コントロールスタディの結果、アンプレナビルのプロドラッグ内服薬はネルフィナビルの効果に勝るようだ。

GW433908で登録されているアンプレナビルのプロドラッグ内服により、ネルフィナビル内服よりもよい成績を示したことが報告された。GW43908を含むHAARTに割り付けられた患者の3分の2は、検出限界以下のウイルス量を達成しており、これはネルフィナビルを含むHAART群の51%よりも良好な達成率であった。ウイルス学的失敗を判定された率も、908群が28%、ネルフィナビル群が14%でこれも908群が勝っていた。

908は1400mgを一日2回内服であるのに対し、ネルフィナビルは1250mg、一日2回内服で、いずれもアバカビルとラミブジンをHAART併用薬としたスタディである。
250人の未治療HIV患者を、2:1の割で908群とネルフィナビル群に無作為に割り振った。このことは、908を含むレジメンがかなり安全に施行できるという結果をもたらした。
Students' t-testをしていなかったので信頼性には欠けるものの、治験終了時には副作用のない症例が多数集積されたという。

また、AUC-baselineによって求める平均ウイルス量の経時変化に関するデータは信頼性が高く、治験前のHIV RNA量はほとんどの患者が10万コピーであった。CD4細胞数は、908群で平均201 cells/μgの増加であったのに対し、ネルフィナビル群は216 cells/μgであった。
血漿HIV-RNAコピー数は、908群で、400コピー以下を達成した割合が3分の2、50コピー以下を達成したものも55%あった。
ネルフィナビル群は、それぞれ41%、34%であった。下痢の出現率には有意差を認めた(5% vs 18%、p=0.002)。

Investigational Protease Inhibitor GW433908 Achieves Non-inferiority Against Lopinavir


新しいPI剤であるGW433908と現在認可されているlopinavir(LPV)の比較では、HIV感染患者に対しての抗ウイルス効果は同等であった。フロリダの研究者であるEdwin DeJesus博士の報告では、908/RTVは1日1回内服でも1日2回内服でもLPV/RTVと同等の効果が得られた。

24週時点で効果を表すthe mean average area under the curve minus baseline(AAUCMB)は、1400mg 908/200mg RTVの1日1回で1.48、700mg 908/200mg RTVの1日2回で1.50、400mg LPV/100mg RTVで1.66であり、同等の抗ウイルス効果があったと言える。GW433908は、amprenavirのcalcium phosphate ester prodrugである。GW433908と、amprenavirは、GlaxoSmithKlineとVertex Phamaceuticalsで開発された。抗ウイルス療法が失敗した患者に対する結果も示された。ヨーロッパとアメリカを主体とした13ヶ国で315人の患者に行われた。

PI剤に加えて耐性検査に応じて2種類のNRTI 剤を用いて治療が行われた。治療群を比較したところ、908群で以前により多くの抗ウイルス薬が使用されていた。
50コピー/ml以下のウイルス量となった患者は、LPV群で48%、908の1日1回使用群で42%、908の1日2回使用群で40%であった。CD4+ 細胞の増加は、LPVの1日2回使用群で63cells/mm3、908の1日1回使用群で72 cells/mm3、908の1日2回使用群で62 cells/mm3であった。

CROI: Tipranavir Found Effective in Patients with Multiple Resistant HIV Strains


By Ed Susman BOSTON, MA -- February 16, 2003


多剤耐性となってしまったHIV患者にTipranavirは効果的であった。

Ritonavirの増強効果として調査されていたTipranavirが多剤耐性のHIVに効果があるようである。第10回レトロウイルスと日和見感染症会議でヒューストン、Baylor医科大学のJoseph Gathe博士がBI 1182.52 trialから得られた見解を明らかにした。

BI 1182.52 trialは、多施設、国際的、ランダム、2重盲検で行われた。レジメンの内訳は次のようである。73人にTipranavir 500mg,Ritonavir 100mg、72人にTipranavir 500mg,Ritonavir 200mg、71人にTipranavir 750mg,Ritonavir 200mg。患者の86%が男性で、平均年齢は42歳。大量の抗レトロウイルス治療(特にプロテアーゼ阻害剤)をやってきており、その為、プロテアーゼ阻害剤に対するもの(UPAMs)も含む、多くの薬剤耐性HIV株に感染していた。
37.5%がlopinavirを、もっと多くの患者が別のプロテアーゼ阻害剤を使っており、79.6%にindinavirを使用した経験があった。

Tipranavir/ritonavirは低容量でも、複数のUPAMsを含んだ多剤耐性株でウイルス量を下げた。 2週間のtrial後、総てのレジメンで、耐性変異の数には左右されるものの、ウイルス量を1 log下げることが出来た。従って、Tipranavirは2つの濃度(500mg,750mg)で効果に差は見られなかった。しかし、高濃度では副作用が増えるという側面が浮き上がってきた。最も副作用が起きてきたのは750 mg tipranavir/200 ritonavir doseであった。現在、効果及び副作用についての3つのレジメンが進行中である。Tipranavirは非ペプチド系の始めてのプロテアーゼ阻害剤であり、in vitro、臨床実験の両面で多剤耐性のプロテアーゼ阻害剤に対してウイルス量に反応を示す。

CROI: Emtricitabine Overcomes Resistant Virus Better than Stavudine in HIV-infected Patients


EmtricitabineはHIV感染患者に対し、Stavudineよりも耐性ウイルスに効果がある

研究段階の1回/日内服、核酸系逆転写酵素阻害剤であるEmtricitabineは、HIV感染患者に対し、組み合わせ療法として使用する際、stavudineより効果があり、副作用も少ない。

Cahnらの報告によると、2つのHAART regimenを比較したstudyでは、emtricitabine使用群はウイルス学的失敗を経験したことがある患者において、有意に変異が少なくウイルス学的失敗が少なかった。患者はdidanosine, efavirenzでも治療を行われた。
調査者らはemtricitabineが十分に前治療を受けた患者において有効かどうかを調査した。この薬剤はHIVと同様にHBVに対する効果もみられる1回/日内服の新しい核酸analogである。d4Tとしても知られているStavudineはHIV感染治療としてしばしば使用されるthymidine analogである。Thymidine analog変異はHAART regimenに対するウイルス学的失敗と関係している。

HAARTに基づき、stavudineを使用する患者285人とemtricitabineを使用する患者286人を登録し、placebo controlled double blind trialを48週行った。対象の約15%が女性、平均年齢は37歳で、抗レトロウイルス療法に先入観がなかった。ウイルス学的失敗として、どの変異が薬剤による抑制を回避しているかsequenceされた。


emtricitabine使用患者の5.3%にウイルス学的失敗がみられたのに対し、stavudineでは12.7%にみられ、有意差があった(P < 0.01)。Emtricitabine群の80.2%は、400-copy/ml assayで、ウイルス力価が同定不能に達したが、stavudine群では67%だった( P < 0.0001)。より感度の高い50-copy assayではemtricitabine群では74.2%が同定不能に達し、stavudine群では58%だった( P <0.001)。以前はFTCとして知られていたemtricitabine, didanosine,efavirenz regimenは、忍容性が高く、効果があり、単純に1回/日の内服でよいと
調査者らは述べた。

CROI: Cytomegalovirus Viremia Predictive of Death in AIDS Patients


サイトメガロウイルス(以下CMV)血症は、CMV感染疾患の有無に関係なく、AIDS患者の死因と関連していると新たな研究で明らかにされた。David Wohl医師(North Carolina大学助教授) は第十回CROIで述べている。

 1997年から2002年までのプロスペクティブな観察的研究で、開始時CD4+細胞200cell/mcl以下、またはいかなる時点でもCD4+細胞50cell/mcl以下である187名のHIV陽性患者が登録された。研究開始時、眼底鏡検査、理学的検査でCMV感染症は確認されていない。採血を3から6ヶ月毎に行い、CMV DNA ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、全血CMV DNAハイブリットキャプチャー法、pp67NucliSens法、pp65抗原を調べた。眼球外CMV感染症疾患の眼科的検査はCD4+細胞数により、3から6ヶ月毎に行なった。

 CMV血症は、CMV DNA PCR法で13名、CMV DNAハイブリットキャプチャー法で45名、pp65抗原法で1名確認された。30名(16%) の患者が、研究開始後平均628日で死亡した。一方CMV感染疾患に起因する死亡はなく、死亡した4名と生存している2名は研究開始平均274日後、CMV網膜炎を発症した。生存に関連していたのは血漿HIV-1RNAレベルで、64%死亡危険度が増加した。HIV-1RNAとCD4+細胞のベースラインを調整後、最終のPCR法で評価されたCMVウイルス血症の患者は、そうでない患者に比し、180%死亡率が高くなった。他の2つのアッセイでは、死亡率との明らかな関連はみられなかった。

 David Wohl医師は、次のステップでは、AIDS患者のCMVウイルス血症患者に対し、予防的抗CMV治療が死亡率を減少させると述べている。