07/04/19配信分

「感染早期がHIV感染のリスクがもっとも高い」

Risk of HIV Transmission Highest Early in Infection


2007年3月7日アレクサンドリア、VA−感染早期がHIV感染のリスクがもっとも高い可能性があるということを新しいエビデンスが示唆している。Journal of Infectious Diseaseの4月1日号に記載されているスタディによると、カナダのケベックでのHIV感染人口ののすべての感染のうちの約半数が感染早期に起こっていた。

モントリオールにあるMcGillエイズセンターのブルマ・ブレナーPhDとマーク・ワインベルグPhDと、いくつかの病院やクリニックの共同研究者は、系統的な分析―とくにウイルス系図を通じてHIV感染を調査した。感染個人のウイルスの遺伝子材料の進化を調査することで人から人へ伝播や、ウイルスの系図をフォローしている。

ブレナーとワインベルグと共同研究者は、感染早期の49%が系統的な集団( 系統図での極めて近い枝) を形成していることを発見した。これは、ウイルスが変異をする前の感染早期にウイルスを感染させている個々に、HIV獲得の大部分がいきつくことができうることを示していた。そして、感染早期( 一時感染としても知られている) は、“総サンプル数の10%未満であり、それに引き続く感染イベントの約半数にしか過ぎない。”ことを示していた。

高いウイルス量は、早期のHIV感染が新しい個人に感染することに関連していた。

編集上の付随的な記事では、著者のロンドン大学の健康保護機関のディーナン・ピレイMDと、ブライトンーサセックス大学病院のマーティン・フィッシャーMDが、HIV診断が感染リスクを低下させることを指摘していた。しかし、彼らは、初期のHV感染の症状は非特異的であることを述べている。感染者のうちの少数のみが感染早期に診断されるため、感染早期に感染を予防することが困難であることが含まれていた。

“感染早期は完全に無症候性となりうる。”とワインベルグは付け加えた。“これは最近感染したことを人々がなぜ知らないかという理由となる。そして、おそらく、しばしば通常の抗体スクリーニング検査が陰性になっている。それ故、もしわれわれが、彼らにハイリスク性行動を改善し、ウイルス感染を予防するようカウンセリングができるならば、最近の感染者を同定する、よりよい仕事ができるに違いない。”

彼は、ウイルスの存在の直接モニターするためには、これまでの抗体スクリーニングのかわりに、PCR法などの入手可能な試験法の開発を提案した。
加えて、ピレイやフィッシャーは、初期の間でHIV伝染をとどめ、薬剤耐性ウイルスの拡大を防ぐためには、革新的で効果的な予防戦略が必要であることを断定していた。


薬剤耐性HIVの患者にRaltegravirが有望である:CROIでの発表

Raltegravir Shows Promise in Patients With Drug-Resistant HIV: Presented at CROI

By Norra MacReady  LOS ANGELES, CA -- March 6, 2007 -


第14回レトロウイルスと日和見感染症学会(CROI)での発表:2つのstudyの調査結果によれば、多剤耐性HIVの患者にとってRaltegravirが利用できる治療オプションになるであろうとの発表があった。

Raltegravirは、HIV-1のインテグラーゼを抑制する薬で、多剤耐性HIV-1やCCR-5,CXCR4指向性のHIV-1に対して効力を発揮する。とDavid Cooper博士(director, National Centre in HIV Epidemiology and Clinical Research, University of New South Wales, Sydney, Australia)は述べた。

2月28日の発表で、Cooper博士がヨーロッパ、アジア、大西洋諸国およびペルーの患者を含んだstudy?治療経験のあるHIV患者に対してのインテグラーゼをブロックする治療:MeRcK,MK-0518(BENCHMRK)-1--について論じた。
加えてRoy T. Steigbigel博士(professor of medicine, State University of New York at Stony Brook)が、北アメリカと南アメリカの残りの諸国を対象にしたBENCHMRK-2での見解を発表した。

Studyは両方とも無作為二重盲検試験で行なわれ、プラセボが比較として用いられた。Enfuvirtideとdarunavirを含んだ適切な治療(optimised background therapy (OBT))に加え、raltegravir 400mgを日に2回服用する群とプラセボの群である。

2つのstudyは合わせて、raltegravir服用が462人で237人がプラセボ群であった。クライテリアを満たすのはHIV RNA量が>1000コピー/mlでジェノタイプあるいはフェノタイプでの耐性検査でPI、NRTI及びNNRTIに各々1つ以上の耐性変異が認められることであった。患者は16週にわたってウイルス量、CD4値および副作用を評価された。

2つのstudyは16週の時点で、ほとんど同様のウイルス学的反応を示した。HIV RNA量が<400コピー/mlになったのはraltegravir群で77%、プラセボ群で42%であった(P < .001)。CD4数はraltegravir群でベースラインより85 cells/mm3上昇し、プラセボ群では36 cells/mm3の上昇(P < .001)であった。

副作用に関してはどちらのstudyでもコントロール群と比べ際立った違いを見せたものはなかった。両方のstudyで副作用の為に治療を中断したのはraltegravir群で1.7%、プラセボ群ではBENCHMRK-1では3.4%,BENCHMRK-2では0.8%であった。下痢、注射部位の反応、悪心、頭痛がもっとも一般的な訴えであった。
別の抗ウイルス治療で失敗したり、耐性HIVの患者は、OBTとraltegravirの組み合わせでは、プラセボ群に比べ優位な効果を持ち、良好な耐用性であることを示唆していると研究者は述べた。

[Presentation title: Results of BENCHMRK-1, a Phase III Study Evaluating the Efficacy and Safety of MK-0518, a Novel HIV-1 Integrase Inhibitor, in Patients With Triple Class-Resistant Virus. Abstract 105a. Results of BENCHMRK-2, a Phase III Study Evaluating the Efficacy and Safety of MK-0518, a Novel HIV-1 Integrase Inhibitor, in Patients With Triple Class-Resistant Virus. Abstract 105b]


HIV陽性者は心血管イベントのリスクが高くなっている。CROIでの発表

HIV+ Patients Have Increased Risk of Cardiovascular Events: Presented at HIV+ CROI


2007年3月6日LAにて〜冠動脈心疾患と心筋梗塞の比率は、10年間のフォローアップ期間でHIV陰性者コントロールよりもHIV陽性者で高率となっている。とCROIで発表された。

この過剰なリスクの大部分はプロテアーゼインヒビター投与と関連しているようであり、多くのHIV感染者は脂質低下療法も受けることが確立されてきてるかもしれない。とKaiser Permanente Northern Califorinia(KPNC)の感染症の主任であるダニエルクラインMDは述べた。

Dr.クラインは5000人のHIV陽性男性患者集団を1996年から2006年まで調査した。
ベースラインでは、男性らは冠動脈心疾患は証明されていない。その後の10.5年間で、彼らは162の冠動脈心疾患イベントがあり、101が心筋梗塞で、年間1000人あたり6.1回の心筋梗塞を含んでいた。冠動脈心疾患イベントの比率は、同年齢のHIV陰性男性では年間1000人あたり2.9回だった(P=0.001 )。このグループの心筋梗塞を比較すると、それぞれお年間1000人あたり3.7回、2.2回だった(P=0.001)。

PI使用への関連性を分析したところ、PI暴露前の冠動脈心疾患発生率(年率)は4.5回、暴露後は7.1回だった(P=0.02 )。心筋梗塞の発生率はPI前が2.9回、後が4.4回だった(P=0.09)。PI暴露に対する心筋梗塞の1年あたりの相対リスクは1.16(P=0.10)だった。

研究者らはまた、KPNCの男女ともに35歳から64歳までのHIV患者を、HAART前(1994-1995)、HAART早期(1996-2000)、HAART晩期(2001-2006)の3期間に分けてサーベイランスを行った。彼らの冠動脈心疾患と心筋梗塞の発生率をHIV陰性集団と、年齢、性別を適合させて比較した。

HAART前には、HIV陽性患者の心筋梗塞の関連リスクは0.85で、これはHIV陰性者よりもわずかに低かった(P=0.65)。HAART早期の時代には、関連リスクは1.96に上昇し(P=0.0001 )、HAART晩期の時代には、リスクは高値だがわずかに減少して1.78だった(P=0.0001)。

しかし、性別で分けて分析をすると、HIV陽性女性間の関連リスクは3.99で、男性では1.78だった(P<0.0001)。

よりよいリスクマネジメントは、脂質低下療法を行い、心血管リスクファクターを増加させることが知られているHAARTの影響を少なくすることを含んでおり、これらの所見がそれを示している。しかし、このリスクはいまだに女性では高いまmであり、冠動脈心疾患サーベイランスとHIV感染者に対するリスクマネジメントの継続が保証されることを指摘した。

[Presentation title: Surveillance Data for MI Hospitalizations Among HIV+ and HIV-Northern Californians: 1994-2006. Poster 807]


髄液中のHIVは精神神経障害との関連がある:CROIでの発表

HIV in CSF Associated with Neuropsychological Impairment: Presented at CROI

By Norra MacReady   LOS ANGELES, CA -- March 5, 2007 --


明らかな治療不足がない場合でも、血清のHIVレベルに比し、髄液中のHIVレベルが高値である患者では、神経心理学的テストで悪い結果がでることが分かった。ということが第14回レトロウイルスと日和見感染症学会(CROI)で発表された。
「我々は、血清中より髄液中のHIV量が多い場合、神経心理学的検査で、より悪い結果が出ることを確認した。」
と、ドイツのデュッセルドルフ大学病院のThorsten Nolting, MDが3月1日のポスターセッションで発表した。
Dr.Noltingらは144人の無症候性のHIV患者を連続して調査した。彼らのうち、33人(29%)は血清中より髄液中のHIVレベルが高かった。各々のグループは感染時期、HAARTの有無、ドラッグユーザーかどうかで、6つのサブグループに分類された。

患者は簡単な運動試験を含んだ、運動、認知テストを受けた。Trailmaking Test A,B、Degital Symbol Test、Grooved Pegboard Test、AIDS認知症テストなどである。(注;脳の高次機能テスト)

血清中より髄液中の方が高いHIVレベルを示した患者で、感染後期でありながらHAARTを受けていないサブグループは、運動試験やTrailmaking, Grooved Pegboard、認知試験にて深刻な障害を示していた。HAART施行中の初期感染者の中でさえ、軽度から中等度の障害を示したものがいた。

対して、血清中の方が髄液中より高いHIVレベルを示したものでは、HAART未施行で感染後期のサブグループでTrailmaking Test Bでのみ深刻な障害を示したが、他のカテゴリーの患者では軽度から中等度の運動障害を示すのみであり、認知障害の患者は一人もいなかった。

これらのことは、次のことを示唆していると、Dr.Noltingは言った。すなわち、HIV感染者の中にはウイルスに脳血液関門を越えられてしまうサブグループが存在し、彼らは認知徴候を露呈しやすい。彼は、新規患者に対して、髄液中のウイルス量を決定する為に腰椎穿刺を推奨している。

ウイルスがどのようにして髄液中に侵入するのかははっきりしていない。単球やマクロファージの様な免疫細胞が媒介しているのかもしれないし、あるいは別の解釈が発見されるのかもしれない。20年の研究を経てもなお、ウイルスが脳血液関門を越えるメカニズムは分からないままである。と、彼は述べた。

[Presentation title: Distinct Neuropsychological Deficit Pattern in HIV-1+ Patients with Higher CSF Than Plasma Viral Load. Poster 385]


インテグラーゼ阻害剤は、HIV量を減らし、認容性も良好である。

Integrase Inhibitor Reduces HIV Load and Is Well Tolerated: Presented at CROI

By Ed Susman


LOS ANGELES, CA -- March 2, 2007 第14回のレトロウイルスと日和見感染症学会で報告された。

最も実用的なインテグラーゼ阻害剤(elitegravir: GS-9137)は、その最大投与量によって、プロテアーゼ阻害剤と同様にHIVの量を低下させる。

第2相試験:盲検ランダマイズ試験。GS9137を20mg, 50mg, 125mg/日の3つのドーズで試験が行われた。適切な背景治療と組み合わされて行われ、プロテアーゼ阻害剤との組み合わせと比較された。治療歴があり、1つのプロテアーゼ阻害剤に耐性をもっている患者で行われた。

このプレゼンテーションは、2-28日にスタンフォード大学のAndrew Zolopa, MDによって行われた。50mg、125mgの量で、比較された群よりもウイルス量が減少したが、125mg群において、統計学的な有意差が認められた。(P =.02)
20mgの群では有効性が認められず、ウイルス増殖がコントロールできないため、早期に中止された。

Zolopa医師はこの24週の治療では望みがもてると述べた。インテグラーゼ阻害剤は、HIV治療の新しい領域を証明してくれた。 私は、一臨床科として、現在耐性をもった治療歴のあるHIV患者にシンプルな治療オプションを提示することをよく思っている。
インテグラーゼ阻害剤は、ヒト細胞の染色体への結合を妨げることにより、HIVの複製を阻止する抗レトロウイルス薬である。この研究は48週間続けられる予定である。
この研究では、GS9137が278人に患者は割り当てられた。71例が20mg、71例は50mg、73人が125mgに当てられ、これぞれはリトナビルをブースターとして投与された。

63人は背景のレジメンで2種類かそれ以上のNRTIを投与され、他にフュージョン阻害剤のenfuvitide(T-20)が投与されたが、これらの患者は治療アームとは分けられた。
エントリーの時点では、患者群のウイルス量は最低でも1000コピー/mL以上あり、少なくとも一種類のプロテアーゼ阻害剤の変異が見られた。この研究ではエントリーのためのCD4細胞の基準は設けていない。

プライマリエンドポイントは、24週時点でのHIV-1-RNAの時間的な変動である。
迅速で効果的な抗ウイルス活性は、50mg群、125mg群で見られた。50mg群での平均的な変化は、-1.4 log10 copies/mL で、比較群は-1.2 log10 copies/mLであった。(P = .27).
125mg群では1.7 log10 copies/mL低下し、有意差を認めた。(P = .02).

Gilead Sciences, Foster City, California, developed GS 9137 and sponsored the study.


Tenofovir-Ritonavir Combination Therapy Linked to Nephrotoxicity in HIV Patients: Presented at CROI

By Ed Susman


LOS ANGELES, CA -- March 5, 2007 ?HIV患者に対してTDFとRTVを含むレジメンは腎障害の発現と関連し、RTVを含まずTDF単独の場合は相関しないことが14th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections (CROI)で報告された。

「Tenofovir disoproxil fumarateはこれまでの報告で腎障害との関連が指摘されていた。」とOwen Clinic の医師でUniversity of California San Diego (UCSD)の教授でもあるChristopher Mathews医師は述べ、「しかしOwen Clinicの患者記録から少量RTVとTDFを含むレジメンが入っている患者においてtwo Modification of Diet in Renal Disease Study Group (MDRD)のGFR計測法を行ってを解析してみると事前に明らかな腎障害を認めない患者において関連がしめされた。少量RTVは抗ウイルス活性を示さない容量で他の薬剤の血中濃度(特にPI)をあげる目的で広く使用されている。なぜ、TDFとRTVの併用が腎障害に関連しているかについてはまだ明らかではない。」とposter presentationで示した。

the Owen Clinicのデータベースを検索するときに4,271例を抽出しそのうち1,766例は抗ウイルス薬を使用していなかったので除外しさらに1,735例はベースラインのCreを測定していなかったので除外した。そしてその他91例は当初からCcrが低かったためこれも除外した。その結果残った635例で検討した。

380例はTDFを含まないレジメンで治療されていた。91例はTDFを含むがRTVを含まないレジメンで、184例はTDFとRTVを含むレジメンであった。
2剤を含むレジメンの場合は二つの標準的なGFR測定において機能低下が統計的に増加したことが示された。 (P = .0067; P = .0053)

[Presentation title: Risk Factors for Tenofovir-associated Nephrotoxicity Identified in an HIV Clinic Cohort. Abstract 833]