08/01/31配信分

C型肝炎とHIV共感染患者は肝炎治療に反応する

Patients With Hepatitis C and HIV Respond to Hepatitis Treatment: Presented at AASLD


2007年11月5日、ボストン

第58回米国肝臓病学会の年次集会でペグインターフェロンα2aとリバビリンは、C型肝炎とHIVの共感染を起こしている患者にとって安全に使え、十分な効果が得られる、との発表がなされた。

ドイツ、ドルトムント胃腸医療センターのエルマー・ゼンター博士は、HCVとHIVの共感染患者は治療が必要であるが、40%は治療への不安、病気の進行に対する知識不足から治療の同意が得られないと述べた。

ゼンター博士は13596名のHCVとHIV陽性患者を対象に、通常の治療法をオープンラベル多施設試験で評価した。うち5%(679例)は、HCVとHIVの共感染であった。

共感染患者のうち、23%がペグインターフェロンα2a(殆どがリバビリンと併用)による治療を完遂した。一方、HIV共感染が無い例の場合は32%(12917例中3907例)であった。

ウイルス学的効果( sustained virological response ; SVR、訳注:投与終了6ヶ月後のウイルス持続陰性化率)は、共感染156例中61例(39.1%)で、またHCV単独感染3907例中2104例(53.9%)であった。

「治療の利点、必要性を患者に納得してもらうのは非常に重要なことです」とゼンター博士は結んだ。


日常生活におけるトラウマがHIVの進行や、死を早めているのかもしれない

Lifetime Trauma May Speed Progression of HIV, Early Death

CHAPEL HILL, N.C. -- November 2, 2007 -


有効な薬剤カクテル療法によって、多くのHIV患者の予後が改善されたが、AIDS発症から死に至るまでの過程を含む病気の進行は、人によって様々である。現在、北カリフォルニア大学 チャペルヒル医学校によるstudyで、精神的要因が病気の進行に果たしている役割についての新しいエビデンスが発表された。

このstudyは、HAART時代にあって、精神的、性的などのトラウマとなる出来事が、(エイズ関連及び総ての原因からの両方とも)死を早めることと関連があることを示した最初のものである。

「トラウマや鬱は、HIV患者にあってはよくあることで、HIVによる病気の進行や死亡率に影響を与えるのではないか、とみられていた。従って、医療従事者はHIV感染患者にとって鬱やトラウマが、健康上の芳しくない結果のリスクファクターとなっていることを認識し、これらの問題が顕在化したら心理的、精神的な治療を行なうことが重要である。」
と、このstudyの筆頭著者である精神科教授Jane Leserman博士は述べた。

「既知の行動療法や薬物療法を組み合わせて行なうことは、深刻な、あるいは多種に及ぶトラウマを抱えてきた患者にとって非常に有益な結果となるかもしれない。」

このstudyはAmerican Journal of Psychiatryの2007年11月1日号で発表された。
研究者たちは南東部の郊外に住む490人のHIV感染患者のグループにインタビューした。トラウマとなるイベントを多く抱えたと報告された人ほど、AIDSに関連するあらゆる理由のうちでも、死を早めることになっていた。Studyに参加した半数以上が3つ以上のトラウマを抱えており、半数は身体的、性的な問題を経験していた。

HAART時代にあって、その影響が広く研究された鬱と異なり、トラウマではイベントの時間的順序を追うことが可能である。

「我々のstudyではこれらのトラウマは、ほとんどの場合、患者のHIVが進行する数年以上前に起きていた。そして、それはトラウマに影響を与えた原因として説得力のある理由であった。トラウマはほとんどの場合、studyの始まる2年以上前に起きており、これらの患者に強い影響を与え続けていたようにみえる。」

Laserman博士はトラウマを抱えたHIV患者が治療を受けることで、より良い結果に結びつくかどうかのstudyを行いたい希望を持っている。
「我々はこういった人達のトラウマの治療における更なるstudyを行ない、負の出来事が及ぼす影響を調べる必要がある。」
と彼女は述べた。

共同筆者は、デューク大学のBrian Wells Pence博士(Center for Health Policy),Kathryn Whetten博士(Terry Sanford Institute of Public Policy),Dr. Nathan M. Thielman (the division of infectious diseases),Dr. Marvin S. Swartz( the division of social and community psychiatry),Dalene Stangl博士(the department of statistical science)と、Birminghamのアラバマ大学医学部のDr. Michael J. Mugaveroであった。

この研究はNIH(National Institute of Mental Health, the National Institute of Drug Abuse, and National Institute of Nursing Research)よりグラントを受けた。

SOURCE: University of North Carolina at Chapel Hill School of Medicine


1: JAMA. 2007 Oct 24;298(16):1888-99.

Clinical outcomes and CD4 cell response in children receiving antiretroviral therapy at primary health care facilities in Zambia.

Bolton-Moore C, Mubiana-Mbewe M, Cantrell RA, Chintu N, Stringer EM, Chi BH, Sinkala M, Kankasa C, Wilson CM, Wilfert CM, Mwango A, Levy J, Abrams EJ, Bulterys M, Stringer JS.

Centre for Infectious Disease Research in Zambia, Lusaka.


CONTEXT:

zambiaの保健省はLusakaでプライマリーケアクリニックにて、小児に対し抗レトロ ウイルス療法(ART)を提供している。Lusakaでは出生時の予防対策を大規模で行って いるにも関わらず、多くの子供はすでにHIVに感染している。

OBJECTIVE: 

小児科の治療プログラムに登録されている子供たちの早期臨床成績と免疫反応の結果 を調査する。

DESIGN, SETTING, AND PATIENTS:

Lusakaにある18の政府のプライマリーケア施設にて使用されている電子機器による医 療記録システムから、ルーチンで収集した臨床成績のデータを用いて、Open cohort にて評価を行った。 HIV治療は看護師と臨床医(アメリカで言う内科医助手と類似の内科医の教員)により 行われ、患者は2004年3月1日から2007年6月29日の間にHIV治療を受けた16歳未満の子 供を対象とした。

INTERVENTION:

国際治療基準に適した児に対して、3剤併用ART(ジドブジンまたはスタブジン+ラミ ブジン+ネビラピンまたはエファビレンツ)を行った。

MAIN OUTCOME MEASURES:

生存、体重増加、CD4細胞数、ヘモグロビン値で評価した。

RESULTS:

HIV治療中の4975人の児を登録し、うち2938人(59.1%)がARTを開始された。ARTを開始 した年齢の中央値は81ヶ月で(四分位範囲36-125)、1531人(52.1%)は女児、2087人 (72.4%)はWHOのstage分類でstageVまたはstageWであった。解析時、158人(5.4%)は 治療を中止し、382人(13%)は経過観察に少なくとも30日は遅れた。残りのARTを受 けている2398人のうち198人(8.3%)は死亡した (死亡率6.6/100child-year;95%信頼区 間(C.I)5.7-7.5) 。死亡したうちの112人(56.6%)は治療開始90日以内で死亡した (早期死亡率17.4/100child-years、90日後死亡率2.9/100child-years) 。多変量解析に て、死亡率はCD4細胞の不足、年齢に対し低体重であること、年齢がより若いこと、 貧血を伴っていることに関連していた。 少なくとも1度反復測定を行った1561人のART開始時のCD4細胞の平均割合は12.9%(95 %CI、12.5-13.3%)であった。そして、治療後6ヶ月後23.7%(95%CI、23.1-24.3%)、 12ヵ月後27%(95%CI、26.3-27.6%)、18ヵ月後28%(95%CI、27.2-28.8%)、24ヵ月後 28.4%(95%CI、27.4-24.3%)とCD4細胞の平均割合の増加を認めた。

CONCLUSIONS:

看護師や臨床医のような臨床に携わっている人々によってHIV治療は提 供され、それによってサハラ以南のアフリカのプライマリーケア施設のHIVに感染し た児に良い結果をもたらしうる。そして初めの90日間の死亡率が高いことから、早期 介入の必要性が示された。

 


他の抗レトロウイルス薬と併用して使う新規のHIV薬であるラルテグラビア錠がFDAに認可された

FDA Approves New HIV Drug, Raltegravir Tablets, Used in Combination With Other Antiretroviral Agents

BETHESDA, MD -- October 18, 2007 -


米国食品医薬品局(FDA)は、治療経験のある多剤耐性HIV成人患者に対して、他の抗レトロウイルス薬との併用薬としてラルテグラビア錠を認可した。

ラルテグラビアはHIVインテグラーゼ阻害として知られる薬理学的作用を持つ最初の薬で、HIVが増殖するのに必要な酵素を阻害するようにデザインされている。ラルテグラビアはFDAの優先権の下、Isentressによって販売された。

「これは、現在の治療ではコントロール出来ていない多くのHIV患者にとって、重要な新薬だ。」と、Janet Woodcock, MD(FDA's deputy commissioner for scientific and medical programs, chief medical officer and acting director, Center for Drug Evaluation and Research)は語った。

他の抗HIV薬との併用でラルテグラビアは血中のHIVを減らし、CD4陽性T細胞を増加させた。多くの抗レトロウイルス薬の使用歴がある699人のHIV感染成人における2つの二重盲検試験(プラセボコントロール)からのデータを基に、FDAはラルテグラビアを認可した。ラルテグラビアを併用した群とプラセボ群で比べると、血中のHIV量が減少した割合は前者で圧倒的であった。

ラルテグラビア併用群で最も多く認められた有害事象は下痢、悪心、頭痛であった。血液検査では筋原性酵素で異常値を示したものがいた。ラルテグラビアを使用する際、他にも筋肉に影響を与える可能性のある薬を使用している場合は、筋肉に関する問題が生じるリスクが上昇することが注意喚起された。

ラルテグラビアを内服する患者達は、日和見感染やその他の環境も含めて感染が未だに進行している可能性がある。ラルテグラビアの長期にわたる効果は分からないし、16歳未満の子供に対する安全性や有効性の試験はされていない。

ラルテグラビアは妊婦での試験もなされていない。HIVの薬物治療を受けている女性が妊娠したら、この薬の使用について、またラルテグラビア使用中であればAntiviral Pregnancy Registryへの登録について医師や専門のヘルスケアアドバイザーに相談してみるべきである。

Raltegravir is distributed by New Jersey-based Merck & Co., Inc.

SOURCE: U.S. Food and Drug Administration