08/03/11配信分

Boosted Interferon Achieves Sustained Virologic Response With Reduced Liver Complications in Patients With HIV/Hepatitis C : Presented at CROI

By Maria Bishop


February 8, 2008

 リバビリンを併用しインターフェロンを使用することでHIVと重感染したC型肝炎において長期間のウイルス学的抑制が得られ、肝機能の改善や予後の改善が得られる。この結果は2月4日に行われた第15回レトロウイルス学(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections (CROI))にて報告された。スペインのマドリードのGregorio Maran~o'n病院のHIV担当のJuan Berenguer医師はEstudio del SIDA (GESIDA) グループに属し3603 Studyを担当した。

 GESIDAスタディは2000年1月から2005年の12月までの間にHIV/HCVの重感染の患者に対してIFN+リバビリン療法を行った症例をエントリーして行われた。重感染患者711例について検討した。多くの患者はPegインターフェロンとリバビリンを使用して治療をおこなった。(44% が pegylated interferon alfa-2aで 38% がpegylated interferon alfa-2b)残りの18%が通常の(PEG処理されていない)IFNで治療された。

 すべての患者は治療後6ヶ月毎に経過観察され、平均20ヶ月の観察期間となった。Cox回帰分析ではCDCの臨床カテゴリーであるHCV遺伝子型や肝線維化の分類で調整した。IFN+Ribavirinによりウイルス学的抑制が得られた患者は肝臓に関連するイベントの発症リスクがウイルス学的な効果がえられなかった患者に比して減少していることが示された。肝臓関連死は100人あたり年間0.23でコントロールでは1.65であった。
非代償性肝不全症状が見られる率も 0.23 対 4.33であった。肝細胞癌は0対0.83であった。全体の死亡率は0.46 対 3.12であった。

 HIVと重感染したHCVは通常より進行が早いことがわかっており、今回の結果からウイルス学的に治療が奏功しウイルスを排除ないし検出感度以下におさえることができれば、肝障害の進行をおさえることがあきらかになった。長期的効果についてはまだまだ不明な点があるが、今回の研究の観察を継続することが重要であると研究グループでは考えている。

[Presentation title: Sustained Virological Response to Interferon Plus Ribavirin Reduces Liver-Related Complications and Mortality in HIV/HCV Co-Infected Patients. Abstract 60]

 


重度の免疫不全を持つHIV感染患者で、IL-2はCD4陽性細胞を増加できなかったが、T-20は効果的であった

IL-2 Fails to Boost CD4 Cells, But T-20 Proves Effective in Severely Immunocompromised HIV Patients: Presented at CROI


2008年2月7日、ボストン

融合阻害剤エンフビルチド(T-20)は、免疫能低下をきたしたHIV感染患者において、CD4陽性細胞数を増やす上で、IL-2にくらべてCD4細胞数を増やすうえで有用であることが、第15回レトロウイルスと日和見感染症学会(CROI)で示された。

「高度に免疫が障害され、複数の治療が無効であった患者において、CD4陽性細胞はIL-2によって増えなかった」とフランスNecker大学のJean-Paul Viard 博士は語った。
「T-20の使用は、背景治療が最適化されていない場面であっても、治療の成功と大きく関わっており、救済療法における新しい重要な薬剤であることが明確に示された」。

「 IL-2をレジメンに加えることによって、他の抗ウイルス治療によってもCD4陽性細胞が改善しなかった患者の免疫システムが回復可能かどうか、研究者たちは追求してきた」 。Viard博士と同僚は、CD4陽性細胞数が200未満の患者56名を募集した。この研究への参加にあたり、患者はウイルス量が10,000コピー/mLより多く、遺伝子検査の結果、使用可能な薬剤が2剤以下であることが条件であった。

患者らは最適化された治療のみを受ける群と、さらにIL-2を 4.5 MUIを1日2回x5日間、第2週から第42週まで計8サイクル受ける群に、28名ずつ無作為に割り当てられた。
「背景となる治療は、遺伝子スコアに基いて可能な限り最適化され、侵入阻害剤を未使用の患者にはエンフビルチドが追加された」と、Viard博士らは2月6日のポスター提示で語った。

患者の平均年齢は46歳で、CD4陽性細胞数は平均63個/mm3であった。患者の43%で遺伝子スコアが0であり、これは有効な薬剤が存在しないことを示していた。

背景となる治療は23名で最適化され、うち9名でエンフビルチドが唯一の有効な治療薬であった。33名では治療は最適化されず、融合阻害剤を未使用の患者に
エンフビルチドを追加した他は、治療薬は変更されなかった。

治療開始後1年で、CD4陽性細胞数が200個/mm3以上の患者はIL-2使用群で14%、コントロール群で18%であった(P=1.00)。CD4細胞数の増加が少なくとも50個/mm3であった患者はIL-2使用群で25%、コントロール群で32%であった(P=.56)。いずれの群においても、HIVウイルス量の変化は見られなかった。

しかしながら、 多変量解析の結果においては、エンフビルチドの使用は免疫学的な治療成功に関与した唯一の因子であったと Viard博士は語った。CD4陽性細胞が200個/mm3以上となった患者は、エンフビルチド使用群では50%であり、エンフビルチド未使用群では2.5%であった(P=.004)。また、CD4陽性細胞数が少なくとも50個/mm3増えた患者はエンフビルチド使用群で75%であったのに対し、エンフビルチド未使用群では5%であった(P<.001)。

 


ブーストしたサキナビル/ロピナビルは治療抵抗性の小児に安全であり、有効である。

Double-Boosted Saquinavir/Lopinavir Combination Safe and Effective for Treatment-Resistant Children With AIDS: Presented at CROI

By Maria Bishop


ボストン/2008年2月7日 

第15回のレトロウイルスと日和見感染症学会でのマリア.ビショップ氏のプレゼンテーション

ブーストしたサキナビル/ロピナブルの治療は、NRTI/NNRTIの治療に抵抗性の小児のAIDS患者において、著名にCD4陽性細胞の増加と96週でのウイルス量を低下させる。前向き研究でこの研究は行われた。

NNRTI/NRTIで前治療の行われているバンコク(20人)とホンコン(30人)の患者計50人がエントリーされた。リトナビルでブーストされたサキナビルとロピナビルが1日2回投与された。小児科医のTorsak Bunuparadah医師が報告した。オランダ/オーストラリア/タイのHIV共同研究グループで行われた。

症例のもとのウイルス量はバンコクの症例で香港のグループよりもウイルス量が多かった( 4.9log10 vs 4.7lod10; p=.037)。平均のCD4細胞数は、96週の時点で14%増加し、558/mm3であった。ウイルス量は平均で2.8log10(P<.001)低下した。この研究期間で病状の悪化した症例はみられなかった。

ウイルス学的な治療の失敗は、バンコクの症例20例うちの1例、香港の症例30例の内の5例でみられた。6人の失敗症例のうちの3名は治療アドヒアランスの低下がみられた。3人は細菌感染で死亡し、2例でレトロウイルス治療が中止された。

治療に伴う副作用は10人(20%)でみられた。そのうちの61%はグレード1?2の副作用であった。39%は、グレード3または4であった。最も多い副作用は下痢、嘔吐、中性脂肪の増加であった。

リポアトロフィーは腕で12%、顔面で8%であった。腹部の脂肪蓄積は2%で認められた。半分以上の症例では体格の変化が認められなかった。HDLコレステロールレベルは12上昇した(p=.004)。

 


治療抵抗性のHIV-1患者で、エトラビリンの安全性と有効性が証明された:CROIでのプレゼンテーション

Trial Results Show Etravirine Safe and Effective in HIV-1 for Treatment-Resistant Patients: Presented at CROI

By Maria Bishop      BOSTON, MA -- February 7, 2008


 エトラビリンは、安全で効果が長持ちし、かつ治療経験者で非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs)に耐性のHIV-1患者に対しても、ウイルス学的、免疫学的に優れていることが、第15回レトロウイルスと日和見感染症学会(CROI)で報告された。

 サンディエゴのカリフォルニア大学感染症科教授Richard H. Haubrich博士による第3相DUET-1試験が96週を経て進行中である。Haubrich博士らは、治療経験のある612人のHIV患者を、二重盲検試験でエトラビリン200mgかプラセボに無作為に振り分けた。

 DUET-1試験では、NNRTIs耐性の患者と、少なくとも3つのプロテアーゼ阻害剤(PI)に対する変異が認められる患者がいた。どちらのstudyとも、併用薬としてリトナビルでブーストされたダルナビア(DRV/r)と研究者によって選ばれたNRTIが使用され、オプションとしてエンフビルタイドが使用された。

 低ウイルス量(<50 copies/mL)に関しては、48週終了時点で、エトラビリン群で94%がプラセボ群で89%が達していた。

 軽症〜中等症の皮疹を除いては、エトラビリンとプラセボは、ほぼ同等の忍容性であった。

 別に行なわれ、96週経過した、591人の患者を用いて解析された第3相DUET-2試験でも同様の結果が示された。低ウイルス量(<50 copies/mL)に関して、24週終了時点で、エトラビリン群で90%が、48週終了時点でプラセボ群で89%が達していた。

 DUET-2の筆頭著者 Margaret Johnson博士(ロンドン ロイヤル.フリー.ホスピタル(王立施療病院)の医療サービス部長)はDUET-2の有害事象についてプラセボと同等であったと述べた。軽症から中等症の皮疹は早期に発症し、治療継続中に解決された。
皮疹によって治療が中断されたのは、エトラビリン群で2.4%、プラセボ群で0%であった。神経精神的疾患に関しては特に差を認めなかった。

 最後に、Thomas N. Kakuda 薬学博士(Director of Clinical Pharmacology, Tibotec Inc, Yardley, Pennsylvania)によって24週時点でのDUET-1と-2の薬力学的、薬物動態学的にフォーカスを当てて、解析がなされた。

 DUET-1、-2で使用可能な574人のエトラビリンのデータを599人の無作為な薬剤データから使用したところ、薬力学的変動にもかかわらず、共分散分析やPK/PD関連なしでの分析ではエトラビリンは、量の調節が必要でなかった。と、Kakuda博士は述べた。

 米国食料品薬剤局(FDA)は、昨年エトラビリン錠を承認したが、これはNNRTIや他の抗レトロウイルス薬に耐性な治療経験のあるHIV成人患者に対し、最初に証明されたNNRTIであった。

[Presentation titles: DUET-1: Week 48 Results of a Phase III Randomized Double-Blind Trial to Evaluate the Efficacy and Safety of TMC125 vs Placebo in 612 Treatment-Experienced HIV-1-Infected Patients. Abstract 790. DUET-2: Week-48
Results of a Phase III Randomized Double-Blind Trial to Evaluate the Efficacy and Safety of TMC125 Vs Placebo in 591 Treatment-Experienced HIV-1-Infected Patients. Abstract 791. Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of the NNRTI TMC125 in Treatment-Experienced HIV-1-Infected Patients: Pooled 24-Week Results of DUET-1 and DUET-2. Abstract 762]

 


NelfinavirはHIV感染の新生児に対し、大人に対するのと同じ薬物動態で作用する。薬物モニタリングが必要。(CROIでプレゼン)

Nelfinavir Acts in HIV-Infected Neonates as in Adults, But Individual Drug Monitoring Still Required: Presented at CROI

By Maria Bishop


マサチューセッツ州ボストン 2008年2月7日

 
第15回レトロウイルス日和見感染症会議(CROI)での研究発表によると、HIV感染2週間以内のNelfinavirの適切な投与量はまだ決められない、とのことであった。標準的な治療薬モニタリングが、これらの若年患者に対し推奨される、と研究者たちは述べた。

Nelfinavir投与量を体重あたりで決定による治療レジメンが、22人のブラジル人のHIV感染の幼児に対し、試験された。この試験は、マサチューセッツ州ボストンのボストン医療センターの新生児学部門のMark H. Mirochnick医学博士により率いられた。体重当たりによる投与量の中間値として、58.3mg/kgが選ばれた。この値は母子感染を防止するための合剤レジメンの一部として使われた。

12時間にわたる一連の血漿サンプルのnelfinavir濃度は、生後4日〜7日もしくは、10〜14日目の2つの群の患者について、HPLCで測定された。
Mirochnick医師と共同研究者たちは薬物動態のパラメーターの違いを、その群どうしで認めなかった。付け加えると、濃度―時間グラフで、時間軸で0〜12時間の間で、
かつ12時間でのトラフ値濃度で囲まれた部分の中間面積は、新生児のそれと成人のそれとでほぼ同等であることが確認された。しかしながらnelfinavir投与量は個々の患者間の変動であり、試験研究対象の41%の新生児では低いものであった、
と著者たちは述べている。

Nelfinavirn投与量の幅広さを本研究で仮定すると、nelfinavirをさらに投与することはある群の新生児たちに対しては毒性が現れ、ある新生児群では、濃度が低すぎる結果に終わる可能性がある、と論文著者たちは述べた。そのため、nelfinavir投与量は研究期間中、増量されなかった。そのため、新生児に対する標準投与量は決定されず、薬物動態モニタリングが推奨されることになった。最適な、母子感染を予防するための、妊娠中ARTなしで過ごした母親から出生後の抗レトロウイルス薬治療レジメン(ART)は、まだ決定できない、と論文著者たち述べている。

[プレゼン題目: Nelfinavirの薬物動態は生後2週間で増える. Abstract 571]