08/12/12配信分

Extensively drug-resistant tuberculosis in the United States, 1993-2007.

1: JAMA. 2008 Nov 12;300(18):2153-60.

Shah NS, Pratt R, Armstrong L, Robison V, Castro KG, Cegielski JP.

Division of Tuberculosis Elimination, Centers for Disease Control and Prevention, 1600 Clifton Rd, Mailstop E-10, Atlanta, GA 30333, USA.

背景:

治療選択肢が限定され、死亡率も高い薬剤耐性結核の広がりに対する公衆衛生学的な懸念が世界中で広がっている。

目的:

米国における薬剤耐性結核の広がりと超多剤耐性結核および通常の薬剤感受性結核について比較をおこない、その特徴を明らかにする。

方法、対象患者:

1993年から2007年までの結核症例を記述式で分析した。

薬剤耐性についてはイソニアジド、リファマイシン、キノロンおよびAMK,KM、Capreomycinのどれか一つについて検討し、薬剤耐性結核の症例数、傾向、多剤耐性結核へ進行するリスク因子、全生存率について測定した。

結果:

1993年から2007年までで83症例の超多剤耐性結核が認められた。超多剤耐性結核症例の数は1993年に全25,107例の結核症例の0.07%にあたる18例が超多剤耐性であったが、2007年には13,293例中2例(0.02%)と減少傾向であった。

これらの耐性結核症例はHIV検査を行っており、31例(53%)がHIV陽性であった。多剤耐性結核(MDR)のなかで超多剤耐性(XDR)薬剤耐性の症例はより播種性の症例が多く(有病率比PRが2.06)、塗抹陽性の有無では病変の広がりには相関がなさそうであった(PR 0.55)。また、罹病期間の長さ(培養陰性化まで)は有意にXDRの症例が長かった。(183 days vs 93 days for MDR-TB; P < .001). 

超多剤耐性結核症例の35%にあたる26例は死亡し、そのうちの81%にあたる21例はHIV合併感染症例であった。薬剤感受性結核や多剤耐性結核症例より超多剤耐性結核の方が死亡率は高かった。(MDRvsXDRでPR, 1.82、感受性Tb vs XDRではR, 6.10)

結論:

超多剤耐性結核の比率はHIVのコントロールが改善してことと併せて減少傾向ではあるが、毎年継続して報告されている。

Publication Types:Comparative Study

PMID: 19001626 [PubMed - indexed for MEDLINE]

MDR Tb; INH,RFP両薬剤に耐性の結核菌
XDR Tb;INH,RFPに加えてそのほかの薬剤にも耐性。ニューキノロン系抗生剤(レボフロキサシンなど)の1種類以上に耐性、かつ注射薬である(カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン)の1種類以上に耐性のある菌

HIV感染者における経皮的冠動脈形成術の安全性

Percutaneous Coronary Intervention Safe in Patients Infected With HIV: Presented at AHA

By Lexa W. Lee

2008年11月14日ニューオリンズ

薬剤溶出性ステント(DES)は血管形成術、あるいは経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けたHIV感染者において安全で効果的な手技である、とする研究内容がアメリカ心臓学会で発表された。今回の研究を主導したパシフィック医療センター(カリフォルニア州サンフランシスコ)のレン医師によると、HIV感染者がPCIを受けた場合、典型的にはかなりの心血管系イベント発症のリスクに曝される。レン医師と同僚はHIV感染者と非感染者を対象に、DESとBMSを使用した場合の心血管系イベントの発症率を検討した。この研究結果は、11月12日に発表された。

2000年1月から2007年7月までの期間にPCIを受けたHIV感染者94名と非HIV感染者94名(年齢と性別をマッチ済み)を対象に、レトロスペクティブな研究を行った。HIV感染者と非HIV感染者はさらに、ステントとしてDESとベアメタルステント(BMS)のどちらを使用されたかでサブグループに分類された。HIV感染者のうちでDES使用群53例、BMS使用群41例、非HIV感染者のうちDES使用群が45例、BMS使用群が49例であった。

ベースラインにおいて、HIV群は非HIV群と比較して、冠動脈疾患に先行する糖尿病、高血圧の有病率とアスピリンの使用率が低かった。DESを使用したHIV群の患者は。DESを使用した非HIV群、BMSを使用したHIVと非HIV群にくらべて、ステントの数が有意に多く(P < .001)、またステント留置の期間が有意に長かった(P < .001)。平均追跡期間2.4年間におけるステントの種類と心血管系イベントとの関連を調査した結果、DESの使用は、HIV感染の有無にかかわらず、BMSに比べて心血管系に関する重大な有害事象をきたす率が低いことが示された。

この研究において、HIV感染の有無はPCI後の予後を規定しなかったことから、発表者らは、HIV感染者において、DESの使用は安全で有効な手技と結論づけた。

[演題: Percutaneous Coronary Intervention in Human Immunodeficiency Virus Infection. Presentation 6015]

HIV感染幼児における早期の抗レトロウイルス療法と致死率

Early antiretroviral therapy and mortality among HIV-infected infants.

N Engl J Med. 2008 Nov 20;359(21):2233-44.

Violari A, Cotton MF, Gibb DM, Babiker AG, Steyn J, Madhi SA, Jean-Philippe P, McIntyre JA; CHER Study Team.Collaborators (83) Perinatal HIV Research Unit, University of the Witwatersrand, Johannesburg, South Africa. violari@mweb.co.za

背景:

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の血清陽性率の高い地域では、HIV感染が幼児死亡の明らかな原因となっている。我々は、HIV感染小児での早期抗レトロウイルス治療のトライアル(CHER)によって、抗レトロウイルス治療の戦略を検討した。

方法:

生後6週から12週のHIV感染幼児でCD4陽性リンパ球が25%以上の患者を選び、CD4数が20%未満(1歳未満では25%未満)になるか、治療のクライテリアを満たした時、抗レトロウイルス治療(ロピナビル/レトロビル,ジドブジン,ラミブジン)を開始する群(治療延期群)と、抗レトロウイルス治療を直ちに開始して1歳あるいは2歳まで継続する群(早期抗レトロウイルス治療群)に無作為に振り分けた。 抗レトロウイルス療法を延期された幼児と、早期に治療を開始された幼児を比較した早期転帰の結果を報告する。

結果:

平均7.4週(四分位範囲 6.6〜8.9)、CD4パーセントが35.2%(四分位範囲 29.1〜41.2%)で、125人の幼児が無作為に治療延期群となり、252人の幼児が早期治療群に割り振られた。平均40週間(四分位範囲 24〜58週間)の経過観察の後で、治療延期群の66%が、抗治療レトロウイルス治療を開始されていた。

治療延期群のうち20人の幼児が亡くなった(16%)のに対し、早期治療群では10人(4%) (死亡のハザード比, 0.24; 95% confidence interval [CI], 0.11 to 0.51; P<0.001)であった。治療延期群の幼児の32人(26%)、早期治療群の16人(6%)が、米国疾病対策予防センター(CDC)の基準でステージCあるいは重症なステージB (疾病進行のハザード比, 0.25; 95% CI, 0.15 to 0.41; P<0.001)の疾患を発症していた。

早期治療群の4人の患者でジドブジンの代わりにスタブジンが使用されたが、その理由は3人が好中球減少、1人が貧血のためであった。2度と継続できなくなった薬はなかった。

データ、安全性のモニターリングのレビュー後に治療延期群は修正が加えられ、このグループの全員が抗レトロウイルス治療開始に対しての再評価を受けた。

結論:

早期にHIV感染の診断をつけ、早期に抗レトロウイルス治療を開始することで、幼児の早期死亡を76%減らし、HIVの進行を75%削減する(ClinicalTrials.gov number, NCT00102960.)。

2008 Massachusetts Medical Society

Publication Types:
Clinical Trial, Phase III
Multicenter Study
Randomized Controlled Trial
Research Support, N.I.H., Extramural
Research Support, Non-U.S. Gov't

PMID: 19020325 [PubMed - in process]

FDAは既治療のHIV患者に対してMaravirocを完全承認した。

FDA Grants Full Approval of Maraviroc for Treatment-Experienced Patients With HIV

2008年11月26日 ニューヨーク

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、他の抗レトロウイルス薬を使用している既治療のCCR5向性HIV-1成人患者に対して、Maraviroc(Selzentry)を完全承認した。

新しく、有効でかつ良好な耐容性を示した治療の選択肢は、生存している既治療HIV患者に対して重要な意味を持つ。とCedars-Sinai Medical Center and the David Geffen School of Medicine, University of California, Los Angelesの感染症分野のW.David Hardy医学博士は述べた。

Maravirocは、他の治療に対して耐性を獲得してしまった既治療のHIV患者に対して、最初の経口抑制剤で、有効でかつ良好な耐容性を示し、今後の治療の選択肢となることが証明された。しかしこの新しいクラスの薬剤に対する感受性の問題が残っている。

Maravirocの完全承認は、MOTIVATE(the Maraviroc Plus Optimized Therapy in Viremic Antiretroviral Treatment Experienced Patients)studyより得られた48週間のデータに基づいている。この調査は、既治療のCCR5向性HIV患者を対象に行われ、Maraviroc+最適化された基礎治療群とプラセボ+最適化された基礎治療群にわけて、安全性と有効性を比較した。

48週間のデータ結果では、プラセボ群と比較してMaraviroc群では、ウイルス量においてベースラインからより大きい対数単位での減少を認めた。

既治療のCCR5向性HIV患者において、48週間を超えてMaravirocを投与された患者群では、ウイルス量が検出感度以下(<50コピー/ml)となったのは、プラセボ群と比較して2倍以上であった。加えて、Maraviroc投与群ではプラセボ群と比較して有意にCD4数が増加していた。

また24週間の調査結果では、Maraviroc群とプラセボ群間では安全面において臨床上の差異は認められなかった。共通して認められた有害事象の多くは、上気道感染、咳、発熱、発疹やめまいなどであった。

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