09/07/13配信分

マラウイで、抗レトロウイルス治療を開始している痩せた成人男性に対して、サプリメントとして、すぐに使用できて栄養価を高めた食物あるいは、小麦と大豆のブレンドを与えた場合:無作為盲検のコントロール試験

1: BMJ. 2009 May 22;338:b1867. doi: 10.1136/bmj.b1867.Related Comment in: BMJ. 2009;338:b932.

Supplementary feeding with either ready-to-use fortified spread or corn-soy blend in wasted adults starting antiretroviral therapy in Malawi: randomised, investigator blinded, controlled trial.

Ndekha MJ, van Oosterhout JJ, Zijlstra EE, Manary M, Saloojee H, Manary MJ. Department of Community Health, College of Medicine, University of Malawi, Blantyre, Malawi.

目的:

抗レトロウイルス治療を開始しているマラウイの成人男性のbody mass index (BMI)において、2つの異なったサプリメントの及ぼす影響について、調べる。

デザイン:

無作為盲検のコントロール試験

セッテイング:

マラウイのブランタイアの紹介病院関連の規模の大きい大衆クリニック

参加者:

成人491人でBMIが<18.5のもの

介入:

サプリメントとして、すぐに使用できて栄養価を高めた食物(245人)か小麦と大豆のブレンド(246人)を与える

主要判定基準 :

プライマリーアウトカム(最も主要な指標) : 3.5ヵ月後のBMIと除脂肪量の変化

セカンダリーアウトカム(副次的な指標) : 生存しているか、CD4数、HIVウイルス量、QOL、抗レトロウイルス治療の遵守度

結果:

試験参加時の平均のBMIは16.5であった。14週間後、栄養価を高めた食物を受けた患者は、小麦と大豆のブレンドを受けた患者より、BMI及び除脂肪量が顕著に増加していた:2.2 (SD 1.9) v 1.7 (SD 1.6) (difference 0.5, 95% confidence interval 0.2 to 0.8)、2.9 (SD 3.2) v 2.2 (SD 3.0) kg (difference 0.7 kg, 0.2 to 1.2 kg)。致死率は、栄養価を高めた食物ほうの群で27%、小麦と大豆のブレンドを受けた群で26%であり、CD4数やHIVウイルス量、QOL、抗レトロウイルス治療の遵守度でも両群とも有意差は認められなかった。

結論:

栄養価を高めた食物のサプリメントを受けると、小麦と大豆のブレンドを受けるより、BMIや痩せた体重を増やす

TRIAL REGISTRATION: Current Controlled Trials ISRCTN67515515.

Publication Types:Research Support, U.S. Gov't, Non-P.H.S.

PMID: 19465470 [PubMed - in process]

HPV DNA Testing Plus Cryotherapy Effective Approach in Reducing Cervical Lesions in Women With HIV: Presented at IPV

By Bruce Sylvester MALMO,Sweden May 15, 2009

ヒトパピローマウイルス(以下HPV)DNA検査とHPV感染に対する治療は、HIV感染女性における子宮頸癌発症を減少させるための有効なアプローチであると、第25回国際パピローマウイルス学会(IPV)にて、研究者らは報告した。

HPVDNA検査法は、HIV感染女性における子宮頸癌リスクの減少の有効的な手段となると我々は考えている。と5月11日にLouise Kuhn医学博士(Mailman School of Public Health, Columbia University, New York)は述べた。

研究者らは、南アフリカ、ケープタウンの35〜65歳のHPVのスクリーニング検査を受けていない女性6553人を、(1)HPVDNA検査(Digene Hybrid Capture II法)陽性の場合に凍結療法を行う群、(2)VIA法(酢酸染色による直接視診法)で陽性の場合に凍結療法を行う群、(3)治療遅延評価群(コントロール群)に無作為に割りつけた。ベースライン時は、956人(14.6%)がHIV陽性であった 。

無作為化後6か月の時点で、すべての患者はコルポスコピーと生検を施行された。そのうちの3分の2は12、24、36か月で評価をおこなった。コルポスコピーと生検は36か月の時点で再度行われた。CIN(子宮頚部上皮内腫瘍)分類2/3(CIN2+)と組織診断された時をエンドポイントとした。ベースライン時HIV感染女性の45.9%はHPVの重複感染を認め、対して非感染女性は17.2%であった(P < .0001)。コントロール群において36か月の時点でCIN2+であった症例は、HIV感染女性では14.9%、対して非感染女性では4.6%であった(relative risk [RR] = 3.27; 95% confidence interval [CI],2.21-4.83)。

HPV検査の感度は、感染女性、非感染女性ともに同等であった。

スクリーニング検査と治療実施群のITT解析(intent-to-treat analyses)において、36か月の時点でCIN2+症例は、HIV感染女性では3.05%、対して非感染女性は1.43%であった。

コントロール群では、36か月の時点でCIN2+症例は、HIV感染女性では14.9%、対して非感染女性は4.6%であった。特にHPVDNA検査でスクリーニング検査を行い、治療を行った群では、HIV感染女性においてCIN2+症例の割合が80%減少した(RR= 0.20; 95% CI, 0.06-0.69)。これはHIV非感染女性においても同等の減少が認められた。HIV感染女性はHPV重複感染しているリスクが高く、重複感染患者の3分の1は生検にて36か月以内にCIN2+と確定診断されている。さらにHPVDNA検査によるスクリーニング検査と治療の実施は子宮頚癌の前癌病変減少の有効な手段で、HIV治療計画の一つとして考慮されるべきであると研究者らは結論づけた。

この研究は、Alliance for Cervical Cancer Prevention(ACCP)のためにBill and Melinda Gates Foundationより資金提供を受けた。

HIV感染若年者により良い肛門細胞診スクリーニング検査が必要とされる:PASでの発表

Better Anal Cytology Screening Practices Needed for HIV-Infected Youth: Presented at PAS

研究者らは、このPediatric Academic Societies (PAS)年次集会において発表された研究に対応して、若年のHIV感染患者の肛門異形成に関するスクリーニングガイドラインの改良を要求している、とJill Steinは2009年5月4日、ボルチモアで発言した。

彼らはまた、この集団にスクリーニングを指導する者のトレーニングも要求している。George K.Siberry博士(メリーランド、ベテスダ、国立衛生研究所、国際小児健康発達研究所、小児青年AIDS部門)により推進改良ガイドラインが5月3日作成された。

Siberry博士のチームは、米国の多くのセンターからHIV感染青少年の観察群のデータが提供されている、疾患管理センターの肛門異形成スクリーニング検査結果を評価した。

「青少年のHIVとAIDSに関する長期疫学コホート研究(LEGACY)」では13から24歳の、2006年に1回以上は受診した10人以上の患者を含んでいた。

研究者らは、肛門部パパニコロー細胞診(AP)スクリーニングにおける異常が高率であること、スクリーニングの受診率にばらつきが大きいことと、APスクリーニングにおける性差を発見した。「肛門管のHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)感染は肛門部異形成と癌を導くかも知れず、HIV感染の男性および女性では、肛門部HPV感染率と肛門癌の確率率は上昇するようだ。」と著者らはポスター発表にて記載している。

「肛門部異形成の早期診断は肛門癌を減らすかも知れないが、APスクリーニングと細胞診異常に関する米国の公式ガイドラインはない。」と研究者らは追記した。さらに、若年のHIV感染者の肛門部異形成のスクリーニング法に関しては良く知られていない。

適切な17施設のうち4施設(24%)では全ての患者に1回以上のAPスクリーニングが施行された。APスクリーニングを実行した施設(AP施設)と実行しなかった施設(非AP施設)の比較によれば、各施設のAP施行率(異常率?)は2%から37%の範囲であった。HIVに感染した若年者をできるだけ謹慎するように注意した施設では、より高率にAPスクリーニングを施行している傾向にあった。

801例のうち32例(4%)は1回以上のAPスクリーニングを施行され、このうち10例(31%)は複数回のAPスクリーニングを受けた(2〜4回の範囲で、中央値2回)。

AP施行施設では、性的に活発な場合に、より多くAPスクリーニング、子宮頚部細胞診を受け、他の性感染症を有し、より高いCD4細胞率をもち、CDCの小児HIV臨床カテゴリーAに傾向があった(40%対16%)(全てP<.01)。

これらの施設では男性、女性それぞれ専門にAPスクリーニングを行われた。この所見から、APスクリーニングに関するより明確なガイドラインの必要性が強調される、と研究者らは述べた。

肛門癌は全く診断されなかったなか、施行されたAPスクリーニングの40%以上が異常であることは、AP検査を受ける若年者があまりに少ないことを示唆している。

Siberry博士らは、肛門細胞診の異常所見を有する患者の最終的な予後は明らかにされておらず、今後の研究が待たれると記載した。

 [Presentation title: Anal Cytology Screening Practices in HIV-Infected Youth in the LEGACY Cohort. Abstract 3865.240]

ドラッグユーザーの長期間にわたる血清HIV-1 RNA濃度とHIV-1の割合:前向きコホート研究

1: BMJ. 2009 Apr 30;338:b1649. doi: 10.1136/bmj.b1649.

Longitudinal community plasma HIV-1 RNA concentrations and incidence of HIV-1 among injecting drug users: prospective cohort study.

Wood E, Kerr T, Marshall BD, Li K, Zhang R, Hogg RS, Harrigan PR, Montaner JS.British Columbia Centre for Excellence in HIV/AIDS, Vancouver, Canada. uhri-ew@cfenet.ubc.ca

目的 :

コミュニティーでの血清HIV-1 RNA濃度とドラッグユーザーのHIVの割合との関連を調べる。

デザイン :

前向きコホート研究

セッティング :

カナダ、バンクーバーでの都市のコミュニティー

参加者:

1996年5月1日から2007年6月30日にかけて、HIV陽性と陰性の注射薬によるドラッグユーザーを各々6ヶ月間にわたって経過観察した。

主要判定基準 :

6ヶ月間の経過観察前にHIV陰性であった参加者の血清HIV-1 RNAの数、HIV患者の割合との関連

結果:

HIV陽性の注射薬によるドラッグユーザー622人の血清HIV-1 RNA 12435検体が観察された。1429人のHIV陰性のドラッグユーザーのうち155人でHIVが陽性化しており、2.49/100人年(95% confidence interval 2.09 to 2.88)という結果であった。 セーファーセックスではない振る舞いや、シリンジを共有するといった事柄を調整したコックスモデルでは、コミュニティーの血清HIV-1 RNA濃度は、HIVのセロコンバージョンまでの時間とは独立していた(hazard ratio 3.32 (1.82 to 6.08, P<0.001), per log(10) increase)。経過観察期間を1988年1月1日からに限定した場合(平均の血清HIV RNA濃度は<20 000 copies/ml)では、HIVの割合とウイルス量に統計学的な相関はなかった(1.70 (0.79 to 3.67, P=0.175), per log(10) increase)。

結論 :

長期間にわたるコミュニティーの血清HIV-1 RNA濃度はコミュニティーのHIVの割合と関連していた、またHIVの割合はセーファーセックスではない振る舞いや、シリンジを共有するといった事柄とは独立した事象であった。これらの見解が確かならば、HIVの予防と治療介入の両方に情報を与える事ができるであろう。

Publication Types:

Research Support, N.I.H., Extramural

Research Support, Non-U.S. Gov't

PMID: 19406887 [PubMed - in process]

PMCID: PMC2675696

Human Papillomavirus Associated With Higher Risk of New HIV Infection

SAN FRANCISCO May 1, 2009

肛門のHPV感染はHIV陰性MSMにおいて新たなHIV感染の高リスク因子となることがAIDS誌に報告された。

「MSMでHIV感染の高リスク群で各種のリスク因子をもつHIV陰性男性を経過観察しHPVの感染がHIVの新規感染に関して独立した危険因子であることを示した。」カリフォルニア大学サンフランシスコ校のPeter V. Chin-Hong医師がコメントした。

 

1400例の協力者が今回のEXPLORE trial,に参加し、HIV陰性MSMにたいして行動介入することの効果を検討した。

危険因子は今回の試験期間に血液検査でHIV陽性となり感染が判明した男性から計算した。

HCV感染がHIVの感受性を高める理由として、二つのメカニズムが考えられる。

解剖学的にHPVが肛門の粘膜のびらんを誘発することと、この病変が血管に近接していることや皮膚自身が菲薄化しており、容易に皮膚が破れて出血することである。

このような粘膜面の防御機構が破綻することで容易にHIVが体内に侵入することになる。

さらに加えて、HPVは免疫系を活性化し炎症細胞(樹状細胞、マクロファージ、そしてCD4細胞)をHPV病変に誘導する。そしてこれらの細胞はHIV感染に対して感受性をもっている。

HPVワクチンは女性に対しては感染の防御に有用であることが判明したがMSMに対する効果については現在まだ臨床試験が継続中である。

「HPV感染はSCCの発症に関する重要事項として考えられてきた。そして今回の研究のポイントとしては、もう一つの重要な点がある。それはHPV感染がHIVにおける死亡率や罹患率に関連することである。」と肛門新生物クリニックのJoel Palefsky医師がコメントした。

HPV感染とHIVとの関連についてはさらなる研究で確認していく必要があり、次の研究ではHPVとHIVとの関連についてその機序についての理解が必要であろう。

しかし、HPV感染の進行が本当にHIVのリスクを高めるなら初期防御としてワクチン接種がこのリスクを低減することを強調しておく。

SOURCE: University of California at San Francisco

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