09/10/13配信分

HIV患者の大半は梅毒の治療に良好に反応する

2009年7月24日、南アフリカケープタウン、Ed Susman

Most Patients With HIV Respond Well to Syphilis Therapy:Presented at IAS

この第5回国際AIDS学会HIV病原・治療・予防集会にて発表された後ろ向き研究によれば、HIVに同時感染した梅毒の患者は梅毒の治療に対して良好に反応するという。

この試験は1986年から2005年にかけて、米国軍職員のHIV陽性者4282名のうち、梅毒の治療を受けた患者の96%が良好に反応したというものである。

米国軍はHIV陽性の職員を1986年から追跡調査している。

以前までの報告とは違って、我々のHIV感染患者集団では梅毒抗体陰性化は一般的で、梅毒治療失敗はまれであり、治療への開かれたアクセスがこの治療への反応の良さに関係しているのかも知れないとAnuradha Ganesan博士(メリーランド州ベセスダ、国立海軍医学センター・健康科学大学)は7月20日に述べた。

Ganesan博士らはHIV陽性者の中で147名の梅毒患者を見出し、そのうち6例のみが梅毒治療失敗と判定され、108例(78%)が抗体陰性化し、33例は梅毒抗体の力価が実質的に低下した。全ての患者は男性(平均年齢33歳)であり、その大半はアフリカ由来アメリカ人であり、約25%は以前に梅毒と診断されたことがあり、128例は1年以内に梅毒と診断されていた。

HAARTを受けたのは半数以下であった。8ヶ月以内に梅毒と診断された患者の70%以上は6ヶ月以内に抗体が陰性化した。梅毒を8ヶ月から16ヶ月患っていた場合、約26%が6ヶ月以内に、72%が36ヶ月後に抗体陰性化した。その他の24%も治療に反応した。

「12ヶ月でなく24ヶ月時点で治療効果を評価すれば、治療反応群に該当する割合が増える。」とGanesan博士は述べた。

[Presentation title: Syphilis Treatment Responses in a Cohort of HIV-Infected Patients With Open Access to Care Are Similar to Those Reported in HIV-Uninfected Patients.Abstract MOPEB017]

Abacavir Does Not Appear to Increase MI, Stroke Risk in Most HIV-Positive Patients: Presented at IAS

By Charlene Laino

CAPE TOWN, South Africa July 23, 2009

多くのHIV患者においてAbacavir(ABC)は心筋梗塞と脳卒中のリスクを高めないことが第5回IASにおいて報告された。

以前の研究でABC内服中のHIV患者において他のNRTIsを使用している患者より心筋梗塞が高率に発症することが示唆された。

しかし、テキサス大のSouthwestern Medical CenterのRoger Bedimo医師により行われた研究では、相反する結果が報告された。

今回の新しい研究では米国退役軍人症例情報の心筋梗塞や脳血管イベントの症例解析を行った。

患者は1996年から2004年までの治療内容により1から4のカテゴリーに区分された。

(1) ABCを含んだHAART

(2) ABC以外のNRTIを使用したHAART

(3)HAARTとは定義できない抗HIV治療

(4)無治療

患者総数は19,424例で平均4年の経過観察期間であり統計上76,376人・年の経過観察ということになる。

この間で278例の心筋梗塞があり、868例の脳血管イベントが報告されていた。

心筋梗塞を発症した人々は腎障害を含めてより基本的なリスクファクターをもっているように見えた。トータルで心筋梗塞の罹患率は3.69/1000人・年で、脳血管障害は11.68/1000人・年であった。

未調整の解析でそれぞれでのABCの使用は27%の心筋梗塞リスクであり(p=0.57)、脳血管障害は17%であった(P=0.081)。これらはいずれも有意差は検出されなかった。

しかし、多変量解析で、年齢、高脂血症、高血圧、2型糖尿病、喫煙について解析すると、ABCと心筋梗塞、あるいは脳血管障害の相関は弱く、統計学的有意差は検出されなかった。

特に各年ごとのABCの使用は18%の心筋梗塞のリスクで(P=0.191)、脳血管イベントについては16%のリスクであった(P=0.096)。

 腎障害を併発している患者の場合は心筋梗塞のリスクはより高く、ABC使用により有意に高くなった。これはTDFの腎障害に関係して、腎障害のある患者はABCの処方が多くなる傾向があることが影響していると思われた。

このことは、腎機能はより重要な指標になりうるということを示唆しているかも知れない。一般人においても腎障害が心筋梗塞のリスクになりうるということが知られている。

[Presentation title: Abacavir Use and Risk of Acute Myocardial Infarction and Cerebrovascular Disease in the HAART Era. Abstract MOAB202]

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