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栄養特集2003.3月号
Clin Infect Dis 36(Supple2):S52-S62,2003 Nerad J (John H Stronger HP, USA) et al General Nutrition Management in Patients Infected with Human Immunodeficiency Virus
『HIV患者の一般的栄養管理』
HIV患者の栄養学的介入が注目されてきている。栄養学的ケアのレベルを定義し、患者が専門家に診療してもらうべきかをディスカッション。抗HIV薬と食事の影響をまとめた表あり。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S63-S68,2003 Knox T A (Tufts Univ Sch Med, USA) et al Assessment of Nutritional Status, Body Composition, and Human Immunodeficiency Virus-Associated Morphologic Changes
『栄養状況、身体構成及びHIV関連形態変化の評価』
栄養状況評価も通常のHIV診療の一部として実施されるべきである。最もシンプルなアプローチは継続的体重測定である。全体的アセスメントには、体型測定、血清蛋白・微量養分・代謝パラメータの生物学的測定、栄養需要の臨床変化や適当な摂取を妨げる社会学的または精神学的要因、食料摂取の測定が挙げられる。肥満や痩身の体型測定の技術には身体計測及び生物電位のインピーダンス分析がある。他に、DXA、hydrodensitometry、全身K測定、cross-sectional CTやMRI等。ウエスト-ヒップ比や部分的DXA、cross-sectional画像を含む身体測定は脂肪再分布症候群の身体変化の検出に最適である。HIV感染児の栄養評価や介入は成長抑制を改善するのに役立つであろう。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S69-S78,2003 Grinspoon S (Massachusetts GP, USA) et al Weight Loss and Wasting in Patients Infected with Human Immunodeficiency Virus
『HIV患者における体重減少と消耗』
HIV患者では体重減少は死亡率の上昇、病期進行促進、筋蛋白減少による力や機能の障害を引き起こす。体重減少には不十分な摂食、吸収不良障害、代謝変化、性機能低下、サイトカイン産生増加が関わっている。最近、栄養学的カウンセリング・サポート、食欲刺激、progressive resistance training、同化ホルモンが体重減少を改善することが示されてきたが、治療ガイドラインはまだ出来ていない。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S79-S83,2003 Dube M (Indiana Univ Sch Med, USA) et al Lipid Abnormalities
『脂質異常』
脂質異常を呈するHIV患者での心疾患増加が示唆されている。HIV患者はNational Cholesterol Education Program GLに基づき評価/治療を受けるべきである。多くの状況では、初めの介入は非薬学的であるべきで、食事や運動、他の衛生リスクファクターの管理をすべきである。薬物治療をが必要になった場合、脂質低下薬の選択は相互作用の少ない薬物に限定すべきである。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S84-S90,2003 Sattler F (Univ South California, USA) Body Habitus Changes Related to Lipodystrophy
『リポジストロフィーに関係する体型変化』
HIV患者の体型変化はしばしば資質異常やインスリン抵抗性異常が関連し、アテローム硬化のリスクを高めるかもしれない。体型変化は進展例で認められるが、感染早期でも起こリ得る。PIやNNRTI、その併用の関与が示唆されているが、病因は明らかではない。脂肪減少の治療法はないが、d4TやAZTの中止が一部改善と関係する可能性が示唆されている。脂肪蓄積に関しては、GH、メトフォルミン、食事管理、運動などが挙げられる。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S91-S95,2003 Gelato M C (Univ South California, USA) Insulin and Carbohydrate Dysregulation
『インスリン及び糖質の異常調節』
HAART施行により、体型変化と共に脂質異常、TG・LDLコレステロール上昇、糖質代謝異常等が起こることがある。体型変化が糖質代謝異常に関与しているかどうかは明らかではない。PI有無のHAARTは糖質異常や体型変化に関係している。PIを含むレジメンではインスリン抵抗性や糖尿病が覆い様である。これら異常の病因はまだ明確ではない。HAARTに伴うインスリン及び糖質の調節異常について考察する。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S96-S100,2003 Carr A (Australia) Lactic Acidemia in Infection with Human Immunodeficiency Virus
『HIV患者における乳酸血症』
HIV患者の乳酸アシドーシスは当初NRTIを含む治療の稀な副作用として同定された。高リスクと認められているのは妊婦のみである。最近では中等度の乳酸値上昇はよりしばしば認められ、多疾患との関連がわかってきた。中等度の非症候性乳酸血症はしばしば見られるが、重篤な疾患への移行は稀なので、乳酸値のルーチン検査は既往歴のある患者や妊婦に限定すべきである。症候性乳酸血症ではNRTIや他の抗ウイルス剤を中止すべきである。非症候性乳酸血症は治療の必要はなく抗ウイスル薬の変更も必要でないと考えられている。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S101-S105,2003 Mondy K (Washington Univ Sch Med, USA) et al Emerging Bone Problems in Patients Infected with Human Immunodeficiency Virus
『HIV患者における骨障害の出現』
近年、HIV患者での骨減少及び骨粗鬆症が高頻度であることがわかってきた。特に強力な治療を受けている患者で高頻度である。他に腰骨虚血壊死、腰椎棘圧迫骨折も報告されている。機序はまだ明確ではない。骨減少や骨粗鬆症のHIV患者は非HIV感染者と同様、適切な栄養サプリメント(Ca、VitD)を使用して治療されるべきである。ホルモン置換や抗吸収治療も可能性がある。
Clin Infect Dis 36(Supple2):S106-S109,2003 Hayes C (Office Sci Epidemiol, USA) et al Food and Water Safety for Persons Infected with Human Immunodeficiency Virus
『HIV患者に対する食物と飲料水の安全性』
汚染食物や飲料水による疾患は年間数百万件ある。免疫力の低下しているHIV患者では通常作られている食物でも重要な問題である。食物等による下痢や嘔気・嘔吐により体重減少が引き起こされる可能性もあるが、適切な予防策が講じられれば、最小化または防御可能である。