HIV/AIDS関連文献情報
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副作用2005.4月号

書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
JAIDS38(5):560-565,2005 Fumaz, C R et al Long-Term Neuropsychiatric Disorders on Efavirenz-Based Approaches: Quality of Life, Psychologic Issues, and Adherence.
<エファビレンツをベースとしたアプローチにおける長期神経精神病学的障害:生活の質、心理的問題、アドヒアランス>
エファビレンツベースの抗レトロウイルス療法を長期受療するHIV感染者において、神経精神病学的障害およびその障害とエファビレンツの血中濃度、生活の質、心理的状態、アドヒアランスとの関連をクロスセクショナル研究で評価した(エファビレンツベース治療群60名/プロテアーゼ阻害薬を含む治療群60名を比較)。エファビレンツ群では平均2年の治療継続後、軽度で臨床上忍容可能な神経精神病学的障害が持続する可能性がある。生活の質と心理的状態は両群ともに良好。アドヒアランスについてはエファビレンツ群60%、プロテアーゼ阻害薬群55%が遵守していると報告
AIDS19(6):585-592,2005 Sulkowski, M S et al Hepatic steatosis and antiretroviral drug use among adults coinfected with HIV and hepatitis C virus.
<HIV/C型肝炎ウイルス共感染成人における肝臓脂肪症と抗レトロウイルス薬服薬>
抗レトロウイルス療法(ART)を受療するHIV/C型肝炎ウイルス(HCV)共感染成人において、肝臓脂肪症の有病率と重症度を確認し、脂肪症がより重症の肝疾患に関連するのか調査し、疾患経過に寄与するファクターを同定することを目的に研究した。結果、脂肪症はART受療のHIV/HCV共感染者の40%に認め、より重症度の高いHCV関連肝疾患に関連。代謝異常(体重過剰と高血糖)とスタブジン服薬が脂肪症の修正可能な危険因子。

 

副作用2005.3月号

書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
JAIDS38(2):115-123,2005 Stein, J H Body Composition and Metabolic Changes in Antiretroviral-Naive Patients Randomized to Didanosine and Stavudine vs. Abacavir and Lamivudine.
<ジダノシンとスタブジンvs アバカビルとラミブジンに無作為化した抗レトロウイルス療法未経験患者における体型と代謝変化>
(レビュー)いくつかの観察研究からHAARTと心血管疾患との関連が示唆されている。本稿ではHAART受療患者での心血管リスクをレビューし、新たなガイドラインの実施についても検討。
JAIDS38(2):238-246,2005 Rauch, A et al Chronic Hepatitis C in HIV-Infected Patients: Low Eligibility and Applicability of Therapy With Pegylated Interferon-[alpha] Plus Ribavirin.
<HIV感染患者における慢性C型肝炎:Pegインターフェロン-αとリバビリン併用療法の適格性および適用性の低さ>
(手紙)Pegインターフェロン(IFN)-αとリバビリン(RBV)併用療法の適格性および適用性について、スイスの代表的HIV/慢性C型肝炎(HCV)共感染患者コホートで前向きに評価した。適用/除外基準はHIV/HCV共感染患者でのpegIFN-αとRBV併用治療で一般的に用いられている治療プロトコールに準拠。治療不適格は77%で、2つ以上の除外基準に該当したのは73%、4つ以上が33%。適格者は女性ではわずか10%、男性では31%。
AIDS19(2):127-135,2005 Rempel, H C et al HIV-1 Tat inhibits neprilysin and elevates amyloid [beta].
<HIV-1 Tatがネプリリシンを阻害しアミロイドβを上昇>
加齢はアミロイドβ(Aβ)の蓄積および痴呆の危険因子である。HAART導入以降HIV-1感染者の寿命は延びており、ウイルスのトランス作用転写活性化因子であるHIV-1 Tatが、ネプリリシン(NEP;神経エンドペプチダーゼ)による脳内Aβ分解に及ぼす影響を検証した。結果、HIV-1感染者の脳内に認められるTatがAβ分解酵素であるNEPを阻害することを観察。Aβはコントロールに比べHIV-1感染者からの脳切片標本で有意に増大。HIV-1とともに老いていく感染者にとって密接な関わりを示唆する結果である。
AIDS19(2):163-168,2005 Grimwade, K et al Effectiveness of cotrimoxazole prophylaxis on mortality in adults with tuberculosis in rural South Africa.
<南アフリカ地方部居住の成人結核患者の死亡に対するコトリモキサゾールを用いた予防法の有効性>
(短報)南アフリカ地方部において、活性ヒト結核菌(TB)を有する成人(HIVステータスとは無関係に)の死亡率低減にコトリモキサゾールが及ぼす効果を評価した。結果、TBを有する成人を対象としたコトリモキサゾールによる予防法は、死亡率低下に実行性が有り、安全で効果的であると考えられる。介入開始時点において、HIV血清学的有病率は78%と推定。コトリモキサゾール投与群の6カ月時点の死亡率は、コントロールに比べ29%低かった。
AIDS19(2):203-204,2005 Nath, A et al Tat and amyloid: Multiple interactions.
<Tatおよびアミロイド:多くの相互作用>
(エディトリアルコメント)効果的な抗レトロウイルス療法の普及に伴い、若い年代で感染した患者の生存が延び高齢化を迎えようとしている。これに伴い、痴呆との関連において今後非常に重要となってくると思われる、Tat(ウイルスのトランス作用転写活性化因子)およびアミロイドの脳の加齢との相互作用について考察。

副作用2005.1月号

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JAIDS38(1):18-22,2005 Mulligan, K et al Fat Distribution in HIV-Infected Women in the United States: DEXA Substudy in the Women's Interagency HIV Study.
<米国のHIV感染女性における脂肪分布:Women's Interagency HIV研究でのDEXAサブスタディ>
(短報)HIVポジティブ/ネガティブ女性271名において脂肪分布を検証/比較した。被験者をHAART治療により4群に分類(ネガティブ、非治療ポジティブ、プロテアーゼ阻害薬を含むHAART受療、プロテアーゼ阻害薬を含まないHAART受療)。結果は男性患者での報告と一致したもので、HAART受療感染者で末梢部(脚)脂肪レベルの低下を認めた。
JAIDS38(1):31-36,2005 Valcour, V G et al Diabetes, Insulin Resistance, and Dementia Among HIV-1-Infected Patients.
<HIV-1感染患者における糖尿病、インスリン抵抗性、痴呆>
HIV-1感染患者においてHIV関連痴呆と糖尿病との関連性をHawaii Aging with HIVコホートで検証したところ(参加者の約半数が50歳以上)、統計的に有意な関連性を見い出した(オッズ比5.43、1.66?17.70)。この知見は年齢あるいは共存する血管危険因子によって完全に説明することはできず、潜在的メカニズムの評価が必要。
JAIDS38(1):53-56,2005 Mynarcik, D et al Loss of Subcutaneous Adipose Tissue in HIV-Associated Lipodystrophy Is Not Due to Accelerated Apoptosis.
<HIV関連リポジストロフィにおける皮下脂肪組織の減少はアポトーシスの加速が原因ではない>
HIV関連リポジストロフィにおける皮下脂肪組織の減少はアポトーシスの加速によるとした報告がある。高感度リガーゼ媒介PCR法を用いてDNAラダーを増幅し、HIVリポジストロフィ患者の皮下脂肪組織におけるアポトーシス割合を、非リポジストロフィHIV感染者および非HIV感染者のそれと比較検証した。HIVリポジストロフィ患者でアポトーシスを観察したが(10/22)、アポトーシスを有する患者出現率にその他比較対象群との差異は認めなかった(非リポジストロフィHIV感染者;13/25、非HIV感染者;13/27)。
AIDS18(18):2391-2400 Haas, D W et al Pharmacogenetics of efavirenz and central nervous system side effects: an Adult AIDS Clinical Trials Group study.
<エファビレンツの薬理遺伝学と中枢神経系副作用:成人AIDS臨床試験グループ研究>
チトクロームP4502B6(CYP2B6)、CYP3A4、CYP3A5、MDR1の多型性がエファビレンツの中枢神経系副作用と薬物動態に関連するのか調査した。CYP2B6対立遺伝子の変異株は、ヨーロッパ系アメリカ人よりもアフリカ系アメリカ人により一般的に認められ、HIV療法中のエファビレンツへの血漿曝露の度合の高さに有意に関連。代謝における個人差がエファビレンツの中枢神経系副作用に対する感受性を一部説明するものである可能性がある。
AIDS18(18):2434- Henry, K et al C-Reactive protein levels over time and cardiovascular risk in HIV-Infected individuals suppressed on an indinavir-based regimen: AIDS Clinical Trials Group 5056s.
<インジナビルをベースとしたレジメンで抑制されたHIV感染患者における長期間のC反応性蛋白レベルと心血管リスク:AIDS臨床試験グループ5056s>
(手紙)インジナビルをベースとしたHAART受療平均42カ月後、永続的抑制を有するHIV感染患者99名において、冠動脈疾患リスクの評価とC反応性蛋白(CRP)レベルの計測を行った。CRPレベルは上昇したが、インジナビルベースの長期HAART受療(平均31カ月の追加受療)で安定または低下傾向を認めた。
AIDS18(18):2441-2449 Martinez, M W et al Intestinal spirochetosis and diarrhea, commensal or causal.
<腸管スピロヘータ症と下痢;片利共生または原因>
(手紙)直腸出血、下痢気味の便通、生検での腸管スピロヘータ症(IS)を認めたHIV感染男性の症例報告。患者は5日間続く腹部激痛を訴え入院したが、メトロニダゾール投薬開始後症状は寛解。その他病因が認められない直腸出血と下痢気味の便通を有する症候性HIV感染患者ではISの評価を検討すべきで、正常粘膜が明視されたとしても、粘膜スピロヘータ同定のため無作為直腸生検の実施を推奨する。
AIDS18(18):2446- Nomura, T et al Plasma exchange; a promising treatment for toxic epidermal necrolysis with AIDS.
<血漿交換:AIDSの中毒性表皮壊死のための期待される治療>
(手紙)中毒性表皮壊死(TEN)を発症し血漿交換が奏効した41歳AIDS男性の症例報告。患者は熱と広範囲の紅斑を有し、その後短期間で弛緩性水泡に進展し体表面の90%に及ぶびらんを形性。ニコルスキー徴候はポジティブで、陰茎と口腔内粘膜のびらんおよび結膜炎も両眼に認め、TENを診断。入院時それまでの治療を全て中止し、メチルプレドニゾロンによるパルス療法を開始。全身性ステロイド療法で水泡形性と皮膚剥離が改善しなかったため、3日連続の血漿交換を実施。その後3日間でニコルスキー徴候はネガティブとなり、2週間で皮膚状態は劇的に改善。
AIDS18(18):2449,2004 Foster, R et al More on abacavir-induced neuropsychiatric reactions.
<アバカビル誘導神経精神病学的反応の症例>
(手紙)アバカビルによると思われる神経精神病学的反応を認めたCD4細胞数高値HIVポジティブ白人男性症例について報告。患者は同性愛者で1993年にHIV感染を診断され、抑うつ症状を有し様々な抗うつ薬およびHIV3剤併用療法を経験。最近、テノホビル245mg/日、ネビラピン200mg1日2回、アバカビル300mg1日2回と共にcitalopram 30mg/日を服薬。リポジストロフィのためジダノシンに替えてアバカビルの服薬を開始後約1週間で、疲労感や無感覚、頭痛、悪夢など神経精神病的症状を訴えた。アバカビルをジダノシンに再変更後24時間以内に頭痛や悪夢が解消し疲労感が改善したと患者は報告。患者はその後1カ月の追跡調査では症状から開放され気分も安定。Citalopramの投薬はその後徐々に減量し中止。
AIDS19(1):15-23,2005 McComsey, G A etal Improvements in lipoatrophy, mitochondrial DNA levels and fat apoptosis after replacing atavudine with abacavir or zidovudine.
<スタブジンをアバカビルまたはジドブジンに変更後、脂肪組織萎縮症、ミトコンドリアDNAレベル、脂肪アポトーシスが改善>
スタブジンに替えて他の核酸系逆転写酵素阻害薬を用いることでスタブジン(d4T)関連ミトコンドリア毒性を改善可能か検証し(脂肪組織萎縮症と/または高乳酸血症を有するd4T>3年の患者16名)、ミトコンドリア毒性の根底にあると思われるアポトーシスおよび電子伝達鎖の活性についても評価した。d4Tに替えてアバカビルまたはジドブジンを用いることで、ミトコンドリア指数および脂肪アポトーシスが改善。
AIDS19(1):45-52,2005 Shiramizu, B et al Circulating proviarl HIV DNA and HIV-associated dementia.
<循環血中プロウイルスHIV DNAとHIV関連痴呆>
HIV-1関連痴呆(HAD)と循環血中白血球のHIV-1感染レベルとの関連を確認するため、末梢血単核細胞(PBMC)およびそのサブセットのHIV-1 DNAコピー数を定量して検証したところ、循環血中プロウイルスとHIV関連痴呆との間に重要な関連性がある可能性が示唆された(HAD患者の中央値9.11 に対し、認知正常者では0.49 HIV DNA/1 x 106 PBMC)。
AIDS19(1):93-95,2005 Mauss, S et al Antiretroviral therapy with tenofovir is associated with mild renal dysfunction.
<テノホビルを用いた抗レトロウイルス療法が軽度の腎障害に関連>
(手紙)テノホビル服薬患者と未経験患者とを比較したクロスセクショナル研究を実施したところ、テノホビル服薬患者でコントロール群に比べ糸球体濾過率平均の低さを認めた(クレアチニンクリアランスまたはシスタチンCクリアランスで評価)。全体的に、テノホビル服薬患者24名vsコントロール患者5名に130mg/日を超える蛋白尿を認めたが、テノホビル服薬患者の大半において蛋白尿は尿細管からのものであった。
AIDS19(1):97-99,2005 Martin, A M et al Predisposition to nevirapine hypersensitivity associated with HLA-DRB1*0101 and abrogated by low CD4 T-cell counts.
<HLA-DRB1*0101関連およびCD4T細胞数低値で排除されたネビラピン過敏症への素因>
(手紙)肝炎、熱または発疹を併発するネビラピン服薬症例においてHLA-DRB1*0101とCD4百分率との間に相互作用を認めたが、孤立性発疹を有する場合関連性は皆無。ネビラピン特異抗原へのCD4T細胞依存性免疫応答と一致して、HLA-DRB1*0101とCD4T細胞数がネビラピン過敏症に対する感受性の決定因子である可能性が示唆される。

副作用2004.11月号

書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
AIDS18(16):2127-2136,2004 Caron M et al The HIV-1 nucleoside reverse transcriptase inhibitors stavudine and zidovudine alter adipocyte functions in vitro.
HIV-1核酸系逆転写酵素阻害薬のスタブジンおよびジドブジンはin vitroで脂肪細胞の機能を変化させる
抗レトロウイルス薬を長期間服薬する患者において、ヌクレオシド類似体が末梢の脂肪減少に影響を及ぼすと考えられている。スタブジン、ジドブジン、ジダノシン、アバカビル、ラミブジン、テノホビルの長期効果を、未分化3T3-F442Aおよび分化した3T3-L1脂肪細胞での分化、脂質蓄積、存続、ミトコンドリア活性について比較。結果、チミジン類似体のスタブジンとジドブジンはin vitroで脂質量、ミトコンドリア活性、脂肪細胞の存続を低下させた。
AIDS18(16):2137-2144,2004 Noor M A et al The effects of HIV protease inhibitors atazanavir and lopinavir/ritonavir on insulin sensitivity in HIV-seronegative healthy adults.
HIVプロテアーゼ阻害薬アタザナビルおよびロピナビル/リトナビルがHIVセロネガティブ健康成人においてインスリン抵抗性に及ぼす影響
HIVセロネガティブ健康成人30名において、アタザナビル(ATV)、ロピナビル/リトナビル(LPV/r)あるいはプラセボを5日間投与して、インスリン誘導ブドウ糖消費に及ぼす影響を評価した。ATV群とプラセボ群ではインスリン感受性に影響は認められなかったが(有意差なし)、LPV/r群ではインスリン抵抗性を誘導。単位インスリン(μU/mL)当たりのインスリン誘導ブドウ糖消費平均値はLPV/r群の場合、ATVに比べ23%低く、プラセボに比べ24%低かった。グリコーゲン蓄積率の平均値は、LPV/r群で、ATVに比べ36%低く、プラセボに比べ34%低かった。

副作用2004.10月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
JAIDS37(2):1221-1227,2004 Henry, D H et al Epoetin Alfa for Treatment of Anemia in HIV-Infected Patients: Past, Present, and Future.
<HIV感染患者の貧血治療のためのエポエチンアルファ;過去、現在、将来>
(レビュー)HIV感染に関連する重度の貧血はHAART導入で減少したとはいえ、低-中等度の貧血はいまだ感染者にとって一般的な症状である。エポエチンアルファはこうした貧血を軽減することで患者のQOLや身体機能の改善、さらには延命などに有用性を発揮してきたが、今後も重要な役割を担うと考えられる。最近の研究では、エポエチンアルファが神経保護および抗アポトーシスの特性を有することから、赤血球造血促進能以外にも治療上の可能性があるとの報告がある。このレビューではHIV関連の貧血治療におけるエポエチンアルファの新たな役割、およびその他HIV関連症状の治療での今後の可能性についても概観。
JAIDS37(2):1245-1252,2004 Berhane, K et al Impact of Highly Active Antiretroviral Therapy on Anemia and Relationship Between Anemia and Survival in a Large Cohort of HIV-Infected Women: Women's Interagency HIV Study.
<HIV感染女性の大規模コホートでのHAARTが貧血に及ぼす影響および貧血と生存との関連性:関係部局間女性HIV研究>
HIV感染女性において、HAARTが貧血に及ぼす影響および貧血と生存との関連を確認するための2056名の患者を対象とした前向き研究。ベースラインで貧血症状のなかった患者中47%が3.5年の追跡期間中に貧血症状を発症。多変量解析では、HAART受療は期間がわずか6カ月であっても貧血の消散に関連(オッズ比=1.45;p<0.05)。HAARTの12カ月以上の受療は貧血発症に対する予防効果に関連(オッズ比=0.71;p<0.001)。貧血は生存低下の独立した危険因子 (ハザード比=2.58;p<0.001)。

 

副作用2004.9月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
JAIDS 37(1):1132-1139,2004 Collins, Michelle L et al Effect of Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors on Mitochondrial DNA Synthesis in Rats and Humans.
<ラットおよびヒトにおけるミトコンドリアDNA合成に核酸系逆転写酵素阻害薬が及ぼす影響>
ラットにおいて核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI;AZT)を1-8週間投与後、ミトコンドリアDNA(mtDNA)合成を安定同位体マススペクトロメトリを用いて直接的に計測した。AZTは水に加え適宜投与。AZT投与による体重および食餌摂取量への影響は皆無。AZT投与群/非投与対照群の両群に4%2H2O(重水)を飲料水として2週間与えた。結果、NRTIは、げっ歯類においてmtDNA合成および酸化酵素を減少させることでミトコンドリアのバイオゲネシスを低下させることが示唆された。予備試験では健康ヒト被験者における濃縮血小板mtDNAと濃縮単核細胞nDNA(完全にターンオーバーした組織のマーカーとして使用)とを比較。血小板中のmtDNAの部分合成は5週間の重水での標識後、98±3%に到達。NRTIがHIV-1感染ヒト組織におけるミトコンドリアバイオゲネシスに及ぼす影響を、原則的にこのアプローチで測定可能であることが示唆された。
JAIDS 37(S1):S30-S35,2004 McComsey, Grace Mitochondrial Dysfunction: Patient Monitoring and Toxicity Management.
<ミトコンドリア病:患者のモニタリングと毒性管理>
ミトコンドリア毒性は種々の核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)に関連した症候群の発症に関与している。特にスタブジンへの曝露に関連し、NRTIで治療した患者の様々な組織において、ミトコンドリアの損傷とミトコンドリアDNA量の減少が観察された。高乳汁血症や乳酸アシドーシス、脂肪肝、脂肪組織萎縮症、末梢神経障害、心筋症などを含む関連症候群を軽微な段階で早期に発見し、原因薬剤の投与をいち早く中止し、適切な治療を開始するためには、慎重なモニタリングと高度な指標が要求される。
AIDS 18(13):1811-1817,2004 The Writing Committee Cardio- and cerebrovascular events in HIV-infected persons.
<HIV感染者における心-脳血管イベント>
(短報)合計23468名のHIV感染患者を擁する11のコホートからなる国際的合同研究であるD:A:Dの最近の結果から、抗レトロウイルス薬併用治療(CART)で心筋梗塞(MI)の発生件数が年間26%増大するとの示唆が得られたが、このリスクはその他の心-脳血管疾患イベント(CCVE)にも当てはまるのか検証した。36145人年に及ぶ追跡調査で、207名の患者が最低1つのCCVEを発症し、23.7%は致死性。最初のイベントがMIの患者は126名で、侵襲性心血管術39名、脳卒中38名、その他心血管疾患による死亡4名。最初のCCVE発生件数は1000人年に付き5.7件で、CARTへの曝露期間が長いほどこの値は増大。CARTはCCVEのリスクを増大させ、この増大はCARTがMIリスクに及ぼす影響と同等であった
AIDS 18(13):1852-1854,2004 Schwarz, Jean-Marc et al Indinavir increases glucose production in healthy HIV-negative men.
<HIVネガティブ健康男性においてインジナビル投与でブドウ糖産生が増大>
(手紙)HIV非感染で脂肪組織および脂質レベルの変化がない場合、HIVプロテアーゼ阻害薬療法で空腹時血糖値が上昇し、肝インスリン抵抗性が示唆された。HIVネガティブ健康男性9名にインジナビルを4週間投与したところ、空腹時ブドウ糖産生およびグリコーゲン分解が有意に増大。正常血糖高インスリン血症クランプ時、インジナビルはインスリンのブドウ糖産生抑制能を低下させた。したがって、インジナビルは肝インスリン感受性を低下させ、内因性ブドウ糖産生を増大。
AIDS 18(14):1956-1958,2004 Lindegaard, Birgitte et al Adipose tissue expression of IL-18 and HIV-associated lipodystrophy.
<IL-18の脂肪組織発現とHIV関連体脂肪分布異常>
(手紙)IL-18はアポトーシス/脂肪傷害の誘導物質である。IL-18メッセンジャーRNA(mRNA)の発現を体脂肪分布異常の有/無HIV患者および健康対照群から入手した脂肪組織(AT)で検証。体脂肪分布異常を有するHIV患者ではIL-18 mRNAの発現がより増大。IL-18 mRNA量は腹部ATに比べて大腿-臀部ATでより増大し、肢部脂肪の損失と相関した。こうしたことからIL-18がHIV関連体脂肪分布異常と関連することが示唆された。
AIDS 18(14):1961-1964,2004 Bonard, Dominique et al High incidence of atypical mycobacteriosis in African HIV-infected adults with low CD4 cell counts: a 6-year cohort study in Cote d'Ivoire.
<CD4細胞数が少ないアフリカのHIV感染成人における非定型ミコバクテリア症の高罹患率:コートジボアールでの6年間にわたるコホート研究>
(手紙)非結核性ミコバクテリア症(NTM)が、サハラ砂漠以南のアフリカのHIV関連疾患において果たす役割について長い間論争されてきた。系統的BACTEC血液培養を有するHIV感染成人721名を登録したアビジャン(コートジボアール)での6年間のコホート研究で、NTM罹患率は全体的に1.8/100人年で、ベースラインCD4細胞数が100個/mm3未満の患者では12.2/100人年であった。サハラ砂漠以南地域ではHAARTを開始するほとんどの患者でCD4細胞数は低く、NTMの診断の向上が実際的に意味のあることと思われる。

 

副作用2004.8月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
AIDS18(12):1741-1742,2004 Saumoy M, et al Proximal tubular kidney damage and tenofovir: a role for mitochondrial toxicity?
近位尿細管腎損傷とテノフォビル:ミトコンドリア毒性に対する役割
(手紙)乳酸アシドーシス関連尿細管損傷を有し、急性腎不全を発症したHIV-1感染患者の症例報告。患者はテノフォビル、ジダノシン、ヒドロキシ尿素、その他薬剤での治療を受けていた。細胞中ミトコンドリアDNA量が著しく減少していたため、ミトコンドリア損傷はテノフォビル誘導腎毒性の補因子である可能性が示唆される。

 

副作用2004.7月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
JAIDS 36(4):935-942,2004 Lonergan J T, et al Lack of Recurrence of Hyperlactatemia in HIV-Infected Patients Switched From Stavudine to Abacavir or Zidovudine.
<スタブジンからアバカビルあるいはジドブジンへ変更したHIV感染患者では高乳汁血症の再発が認められない>
48週間薬剤変更研究(スタブジンに替えてアバカビルあるいはジドブジンを投与)で、118名(内16名がスタブジン治療6カ月以上継続で血中エステル濃度2.2mmol/L以上。その他は正常値を維持)のウイルス学的抑制を有するHIV感染患者を対象に血中エステル値の変化および高乳汁血症の症状/徴候を評価。スタブジンを中止した高乳汁血症患者10名で、エステルは正常値に回復し、血中HIV-1 RNA量はその後31日間継続的にリバウンド。しかしアバカビルあるいはジドブジン投与開始後、ウイルス学的抑制は急速に回復し、また、エステル値は正常値を維持。
AIDS 18(10):1403-1412,2004 Simpson D, et al HIV-associated neuromuscular weakness syndrome.
<HIV関連神経筋衰弱症候群>
核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)使用後のHIV感染患者において、乳酸アシドーシス関連の進行性で重篤な神経筋衰弱を検証した(神経筋衰弱症候群と同定された患者69名の後ろ向き調査)。追跡調査資料のある患者44名中、16名が挿管を必要とし、9名が死亡。神経症状発症時、68名が抗レトロウイルス療法を受療中で、61名(89.7%)はスタブジンを服薬していた。37名中30名(81%)で血中乳酸値が上昇し、高乳酸血症とスタブジン服用との関連傾向を示した。25名で抗レトロウイルス療法中断後、神経症状を発症。電気生理学的研究で(n=24)感覚運動神経障害を20名に、筋障害を3名に認めた。神経生検で(n=9)軸索変性と炎症を3名、軸索と脱髄混合変性を3名、原発性軸索神経障害を3名で観察。筋生検15件中、3名に炎症を、4名にミトコンドリア異常を認めた。
AIDS 18(10):1443-1451,2004 European Paediatric Lipodystrophy Group Antiretroviral therapy, fat redistribution and hyperlipidaemia in HIV-infected children in Europe.
<ヨーロッパのHIV感染児における抗レトロウイルス療法、脂肪分布異常、高脂血症>
HIV感染児における脂肪異栄養症を定義するため、体脂肪分布異常および脂質代謝異常の有病率を推定し関連危険因子を評価した。3歳以上(中央値9.78歳;範囲3?18歳)のHIV感染児477名を初回来院時に調査。有病率は脂肪分布異常全体で26.0%、中心部脂肪肥大8.81%、末梢脂肪肥大7.55%、混合サブタイプ9.64%。脂肪分布異常の独立予測因子は、CDCクラスC疾患、女性、プロテアーゼ阻害薬/スタブジン使用経験の有無。抗レトロウイルス療法開始後経過時間の増大は脂肪分布異常の重症度の増大に関連。
AIDS 18(10):1475-1478,2004 Domingo P, et al Improvement of dyslipidemia in patients switching from stavudine to tenofovir: preliminary results.
<スタブジンからテノフォビルへスイッチした患者における脂質代謝異常の改善:予備的結果>
(手紙)ウイルス抑制を有するHIV感染患者で、核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)中断を余儀無くされる最も発生頻度の高いNRTI関連毒性を検証するための、前向き多施設薬剤スイッチ研究。スタブジンをテノフォビルにスイッチした患者のうち、271名が高トリグリセリド血症、193名が高コレステロール血症を有していた。薬剤スイッチの12週後、トリグリセリド値とコレステロール値は有意な減少を示し、このようなスイッチがスタブジン関連の脂質代謝異常を、少なくとも部分的には、改善する可能性が示唆された。

副作用2003.9月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
AIDS 17(14):2119-2121,2003 Costigliola P (Italy) et al Need for liver transplant in HIV-positive patients: first results of a specific survey in Italy, Project HOST [Letter]
[HIV患者における肝移植の必要性:イタリアにおける特異的調査、プロジェクトHOSTの初報告]
イタリア感染症施設38箇所でChildAグレード以上の肝硬変を有するHIV患者135例が、肝移植待ちリストをシミュレートするために登録。Child-Turcotte-Pughスコア算出のために臨床データを収集し、一般除外クライテリアに当てはめ、統合ネットワーク臓器シェア階層クライテリアを集め、HIV臨床ステータスを評価した。HIV感染選択クライテリアは肝移植に適当なHIV患者を減らすのに強力であり、実験的プロトコール作成の際には注意深く考慮される必要があった。
AIDS 17(14):2141-2142,2003 Aceti A (Italy) et al Alanine aminotransferase decrease in HIV-hepatitis C virus co-infected patients responding to antiretroviral therapy [Correspondence]
[抗ウイルス療法の奏効したHIV/HCV合併患者におけるALT低下]
DiazらはHIV/HCV合併患者で抗ウイルス薬治療後に肝酵素が正常化し、抗ウイルス薬は肝硬変への進展リスクを減らす可能性を報告した。6ヶ月以上の抗ウイルス治療を受けている1,325例のHCV±のHIV患者を検討したところ、HCV合併が肝障害発現のリスクファクターであり、12ヵ月後抗ウイルス治療無効の患者では有効患者より肝障害発現率が高かった。
J Infect Dis 188(6):891-897,2003 Hisada M?(NCI, USA) et al Increased Hepatitis C Virus Load among Injection Drug Users Infected with Human Immunodeficiency Virus and Human T Lymphotropic Virus Type II
[HIV及びHTLV-II感染IDUにおけるHCVウイルス量増加]
1987―1991年に米国9州でIDU6,570人のコホートでHCVウイルス量を検討。HCV検出は性、人種及びウイルスグループ(HIV±/HTLV-II±)とは関連しなかったが、地域差あり。HCV量は女性より男性で高値。HIV又はHTLV-II合併でのウイルス量増加は白人で他人種より高かった。ウイルス量はHIV+/HTLV-,HIV-/HTVL+,HIV+/HTLV+でHIV-/HTLV-と比し、各0.50,0.22,0.56Log高かった。HTLV-II感染は白人ではHCV量を増加させるが、他人種では増加させなかった。
AIDS 17(14):2109-2116,2003 Serraino D (Italy) et al Epidemiological aspects of major opportunistic infections of the respiratory tract in persons with AIDS: Europe, 1993-2000
[AIDS患者の呼吸器の主な日和見感染の疫学的様相、ヨーロッパ、1993-2000年]
1993-2000年のAIDS日和見感染のカリニ肺炎(PCP)、肺結核(PTB)、再発性細菌肺炎(RBP)の疫学。AIDS患者142,447例のAIDS指標疾患181,296件を調査。西欧ではPCPが、東欧ではPTBが最も多かった。西欧のPTBは北部より南部で多く、一定に増加。RBPは1998年まで増加し以後は減少。若年がPTB高リスクと関連。ヘテロと比しホモ男性はPCPリスクが高値。IDU、輸血者はRBPリスク増加。
AIDS 17(14):2129-2131,2003 Sungkanuparph S (Thailand) et al Opportunistic infections after the initiation of highly active antiretroviral therapy in advanced AIDS patients in an area with a high prevalence of tuberculosis [Letter]
[結核有病率の高い地域の進行AIDS患者におけるHAART開始後の日和見感染]
プロスペクティブ多施設試験で、CD4超低値の進行AIDS患者におけるHAART開始後の日和見感染の発現率と種類を調査。HAARTが奏功しCD4が中央値9から48週で168に上昇した60例を検討したところ、14例で日和見感染20件が見られ、種類としては結核、MAC、再発性クリプトコッカス髄膜炎、帯状疱疹、トキソプラズマ及び性器ヘルペスだった。
AIDS 17(14):2063-2070,2003 Churchyard G J (South Africa) et al Efficacy of secondary isoniazid preventive therapy among HIV-infected Southern Africans: time to change policy?
[南アフリカのHIV患者におけるINH二次予防投与の効果:方針変更の時期?]
HIV患者に対するINH二次予防投与有/無(338/221例)での結核(TB)発現率を比較した観察試験。TB総再発率はINH投与で55%減少。INHの効果はCD4及び年齢で補正後も変わらず。CD4が200未満及び200以上の患者でTB再発を1例予防するためのINHは各5、9/人・年。予防効果は特にCD4低値例で大きかった。TB流行地域での二次予防についてガイドラインを拡大する必要がある。
J Infect Dis 188(5):643-652,2003 Fry A?M?(CDC, USA) et al Multistate Evaluation of Invasive Pneumococcal Diseases in Adults with Human Immunodeficiency Virus Infection: Serotype and Antimicrobial Resistance Patterns in the United States
[HIV感染成人における侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の多州評価:米国における血清型及び抗生剤耐性パターン]
AIDSではIPD発現率が高く、長期ST合剤予防投与を受ける。Emerging Infections Program NetworkのActive Bacterial Core surveillanceの1998-1999年のデータからHIV感染者及び非感染者のIPDを比較した。IPD2,346例中HIV/AIDSは18%。ST合剤非感受性株を除いても、決まった血清型が非感染者と比しHIV/AIDSではより普通に見られた。これら血清型の感染のリスクファクターはHIV/AIDS、それ以外の免疫不全状態及び黒人だった。HIV/AIDSはST合剤非感受性のリスクファクターではなかった。
J Infect Dis 188(5):666-670,2003 Gordon S?B?(Malawi) et al Pulmonary Immunoglobulin Responses to Streptococcus pneumoniae Are Altered but Not Reduced in Human Immunodeficiency VirusInfected Malawian Adults
[肺炎連鎖球菌に対する肺免疫グロブリン(Ig)の反応はマラウイのHIV患者で変化しているが減少はしていない]
HIV患者では下気道の抗炎球菌被膜ポリサッカライド(Pn-specific)Ig作用が欠如している可能性がある。気管支肺胞洗浄液中の総IgG及びIgMはHIV患者で非感染者と比し高値。Pn-specific IgG及びIgMは同等。肺炎球菌感染症罹患後、その時点での感染がなくても、気管支肺胞洗浄液中Pn-specific IgG及びIgMはHIV患者で非感染者より高値だった。
HIV Med 4(4):346-
[インデックス]
Crothers K?(UCSF, USA) et al Recurrence of Pneumocystis carinii pneumonia in an HIV-infected patient: apparent selective immune reconstitution after initiation of antiretroviral therapy
[HIV患者におけるカリニ肺炎再炎:抗ウイルス治療開始後の明らかな選択的免疫再構築]
抗ウイルス療法で持続的免疫反応の得られた患者ではカリニ肺炎二次予防の中断は安全との報告がいくつか見られるが、ST合剤中止後3ヶ月以内に再炎した症例を経験した。抗ウイルス薬で3年以上CD4>200を維持しており、同様に播種性MAC及びヒストプラズマに対する免疫再構築を発現し、そのため治療も中止した。
AIDS 17(14):2143-2145,2003 Padte N (Aaron Diamond Res C, USA) et al Sustained viremia during highly active antiretroviral therapy with accelerated proviral DNA decay in the setting of infection with syphilis [Correspondence]
[梅毒感染状態における加速的プロウイルスDNA崩壊を伴ったHAART治療中の持続的ウイルス血症]
症例報告。HAARTで18ヶ月ウイルス抑制後、3ヶ月連続ウイルス検出。その後治療変更なく17ヶ月間ウイルスは検出されていない。耐性変異なし。プロウイルスDNA検査の結果、HIV-1RNA検出限界以上は活性化されたリザーバーから生じた可能性があると示唆された。梅毒感染による免疫刺激による活性化と推測した。
AIDS 17(13):2002-2003,2003 Pearson R D (Canada) HIV (AIDS), maternal malaria and prolactin
[HIV(AIDS)、母親のマラリア感染及び黄体刺激ホルモン]
HIV患者では妊婦のマラリア感染特異的パターンが消失する、また、HIV感染女性のマラリアは非HIV感染者と比し貧血が2倍、と報告されている。著者はマラリア感染における重篤な貧血に黄体刺激ホルモンが関与している可能性を報告した。黄体刺激ホルモンは、母親のマラリア感染の謎の失われたピースなのか?
AIDS 17(14):2133-2136,2003 Fernandes A P M (Brazil) et al HLA markers associated with progression to AIDS are also associated with susceptibility to cytomegalovirus retinitis [Letter]
[AIDS進展に関連するHLAマーカーはCMV網膜炎(CMV-R)に対する感受性とも関連する]
ブラジルでCMV-R±のAIDS患者124例において、AIDS急速進展と関連するHLAマーカーの頻度を検討。AIDS進展関連HLAマーカーはCMV-Rなしと比しありの症例で有意に上昇。これらHLAマーカーの存在はAIDSとCMV-Rの療法に同時に罹患しやすくするのかもしれない。
JAIDS 34(1):84-90,2003 Franceschi S (France) et al Incidence of AIDS-Defining Cancers After AIDS Diagnosis Among People with AIDS in Italy, 1986-1998
[イタリアで1986-1998年のAIDS患者におけるAIDS診断後のAIDS指標癌の発現率]
カポシ肉腫の発現率は1986-1992年と1997-1998年の間に変わらず低下。女性のカポシ肉腫及び男女の非ホジキンリンパ腫の最初の減少は1993-1996年と1997-1998年の間に見られた。HAARTの好ましいインパクトを示すものである。減少は各年齢、感染経路に渡って認められたが、CD4が高度に抑制されたAIDS患者に比しCD4>50のAIDS患者で顕著だった。侵襲性子宮頸癌のAIDS患者に占める割合は1993-1996年から1997-1998年に増加したが、発現率は評価できなかった。
AIDS 17(14): 2136-2138,2003 Uberti-Foppa C (Italy) et al Long-term effect of highly active antiretroviral therapy on cervical lesions in HIV-positive women [Letter]
[HIV感染女性の子宮頸部病変に対するHAARTの長期効果]
治療の変更なく臨床的に安定したHIV女性及びウイルス増加によりHAARTに変更したHIV女性のパピロマウイルス関連子宮頸部病変に対するHAARTの長期効果をプロスペクティブに検討。病変縮小が見られたのは臨床的安定例と同じグループにおけるHAART治療例であり、HAART時代であっても侵襲的病変に対する厳格な予防レジメンの必要性が示唆された。
AIDS 17(13):1963-1968,2003 Gichangi P B (Kenya) et al Impact of HIV infection on invasive cervical cancer in Kenyan women
[ケニア女性における侵襲性子宮頸癌(ICC)に対するHIV感染のインパクト]
ケニアのICC367例、フィブロイド226例を対象としたケースコントロール試験。ICCはフィブロイドより高齢。HIV陽性率は各15,12%だが、35歳未満ではICCで有意に高値。HIV陽性ICCはHIV陰性ICCより平均10歳若年。ICCのHIV陽性の80%、陰性の77%はFIGOステージIib以上。しかし未分化腫瘍を有するオッズはHIV陰性と比し陽性で3倍高値。
AIDS 17(13):1998-2000,2003 Stebbing J (UK) et al Natural killer cells are not infected by Kaposi's sarcoma-associated herpesvirus in vivo, and natural killer cell counts do not correlate with the risk of developing Kaposi's sarcoma
[ナチュラルキラー(NK)細胞はin vivoでカポシ肉腫(KS)関連ヘルペスウイルスに感染されず、NK細胞数はKS発現リスクと相関しない]
生来の免疫システムはKS発症をコントロールしていると考えられるが、KS発現リスクはNS細胞最低値と相関せず、NS細胞数はKS崩壊中の有意な増減が見られない。KS関連ヘルペスウイルス複製はin vivo又はin vitroで証明されず、NK細胞がKS崩壊に貢献しないことが示唆された。それらの役割は感染早期に起こる事象に限定されると考えられる。
AIDS 17(13):2006-2007,2003 Rey J (France) et al Intensive chemotherapy with rituximab is safe and effective in AIDS non-Hodgkin's lymphoma
[リツキシマブによる集中化療はAIDS非ホジキンリンパ腫に安全かつ効果的]
HAARTにより、AIDS悪性腫瘍に対しよりアグレッシブな治療が可能となった。CODE+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブの有用性がすでに報告された。今回の検討は、CHOP1コース→高用量CHOP3コース→高用量MTX→Ara-C、リツキシマブ併用。6例中CR5例、追跡期間は短いが有効性と安全性が示唆された。
AIDS 17(14):2146?-2148,2003 Manfredi R (Italy) et al Rituximab alone proves effective in the treatment of refractory, severe stage III AIDS-related non-Hodgkin's paediatric lymphoma [Correspondence]
[再発性重度ステージIII AIDS関連非ホジキン小児リンパ腫の治療においてリツキシマブ単独は有効]
出生よりHIV感染していた14歳少女の症例報告。非ホジキンリンパ腫を発症し、MACOP-Bを投与したが効果は少なく、リツキシマブ4サイクルで奏効。4ヵ月後再発が疑われ再投与で消失。HAARTをddI+d4T+LPV/RTVに変更しHIVも奏効。
AIDS 17(14): 2117-2119,2003 Maso L D (Italy) et al Lung cancer in persons with AIDS in Italy, 1985-1998 [Letter]
[1985-1998年のイタリアのAIDS患者における肺癌]
HAART導入前後のイタリアのHIV/AIDS患者(PWA)の肺癌発現率を比較。PWA12,104例中、肺癌21例。PWAの肺癌発現率は一般人口より高値だが、HAART導入後は増加なし。
AIDS 17(13):1917-1923,2003 Bruera D (Argentina) et al Decreased bone mineral density in HIV-infected patients is independent of antiretroviral therapy
[HIV患者における骨密度(BMD)減少は抗ウイルス治療とは無関係]
HIV患者の骨密度についての横断試験。調査対象142例、A:未治療患者、B1:PI以外の治療1年以上、B2:PIを含む治療1年以上、C:健常対照群。Cに比しHIV患者ではBMDが有意に低値だが、A,B1,B2間に差なく、抗ウイルス治療とは無関係。骨減少及び骨粗しょう症もCと比し感染者で高く、未治療・治療群で差なし。骨形成・吸収マーカーは各群同等。各部位で感染期間とBMDとの間に有意な相関性あり。
AIDS 17(14): 2142-2143,2003 Yang A (Abbott Lb, USA) et al Lack of correlation between SREBF1 genotype and hyperlipidemia in individuals treated with highly active antiretroviral therapy [Correspondence]
[HAART治療患者におけるSREBF1ジェノタイプと高脂血症との間に関連なし]
SREBF1は脂質代謝遺伝子を活性化する転写因子である。SREBF1ジェノタイプと総コレステロール又はTGとの関連をd4T+3TC+LPV/RTVorNFV初回投与臨床試験で検討したところ、SREBF1ジェノタイプと脂質上昇との間に関連は見られなかった。
AIDS 17(14):2071-2075,2003 Braitstein P (Canada) et al Interventional cardiovascular procedures among HIV-infected individuals on antiretroviral therapy 1995-2000
[1995-2000年の抗ウイルス治療施行HIV患者における介入的心血管処置(ICP)]
抗ウイルス薬投与を受けた5,082例中、63例でICPの記録あり。97イベントがあり72%は1999年以降。1000人あたりの年齢調整イベント率は年々増加したが、一般人口では増加は見られなかった。多変量解析で登録時年齢の10年あたりの増加及び抗ウイルス薬治療期間が有意に関連した。
AIDS 17(13):1897-1906,2003 Eggers C (UCSF, USA) et al Delayed central nervous system virus suppression during highly active antiretroviral therapy is associated with HIV encephalopathy, but not with viral drug resistance or poor central nervous system drug penetration
[HAART施行時のCNSウイルス抑制遅延はHIV脳症に関連するが、薬剤耐性又は乏しいCNS薬剤移行とは関連しない]
HIV患者40例でHAART前後にCSF及び血漿サンプルを採取。CSF中のウイルス減少速度の遅さ及び部位による違いの大きさ(CSF slope/血漿slope)がHIV脳症と相関。CDCステージによる急速なCSF反応、CD4値又は抗ウイルス薬数及びそれらのCSF移行とは関連がなかった。CSF中ウイルス量減少の遅さはCSF又は血漿中薬物濃度低値とも薬剤耐性とも関連がなかった。

 

副作用2003.8月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
Clin Infect Dis 37(3):e41-e4 ,2003 Schaaf B (Germany) et al Acute Renal Failure Associated with Tenofovir Treatment in a Patient with Acquired Immunodeficiency Syndrome
<AIDS患者におけるTDF治療関連の急性腎不全>
AIDS患者におけるTDF関連の近位尿細管壊死による急性腎不全の症例報告。1997-2001年に種々の抗ウイルス薬を投与するも、コンプライアンスが悪くウイルス抑制を達成できず。3TC+d4T+LPV/r+TDF開始4週後にクレアチニン上昇、腎不全発症。
JAIDS 33(5):571-576,2003 Carr A (Australia) et al An Objective Lipodystrophy Severity Grading Scale Derived From the Lipodystrophy Case Definition Score
<リポジストロフィー症例同定(LDCD)スコア由来の客観的重症度スケール>
HIVリポジスロトフィーはLDCDの10パラメータによるスコアを使用し客観的診断可能であるが、重症度は依然として医師及び患者の主観で決定されている。DEXA及びCTは客観的だが性差がある。リポジストロフィー147例及び対照371例で検討したところ、全般臨床リポジストロフィー重症度と最も強力に客観的に相関したものはLDCDスコアだったが、最も強力な画像(DEXAによる胴:腕脂肪比)相関性は有意に低かった。代謝パラメータ8つのうち7つに対し、LDCDスコアは臨床的重症度スコアよりも有意に大きな相関性を示した。LDCDスコアは最良の客観的指標であり、DEXA及びCTとは反対に性差はない。
JAIDS 33(5):653-655,2003 Visnegarwala F (Baylor College Med, USA) et al Changes in Metabolic Profile Among Antiretroviral-Naive Patients Initiating Protease Inhibitor Versus Non-Protease Inhibitor Containing HAART Regimens [Letter]
<PIあるいはNNRTIを含むHAARTを開始した未治療患者における代謝プロフィールの変化の比較>
PI治療開始41例、非PI治療開始38例を対象に代謝パラメータを比較。6ヵ月後、PI治療群ではBMI、ウエスト/ヒップ比(WHR)、空腹時インスリン値及びインスリン抵抗性は有意に増加、非PI治療群ではBMIは有意に増加したがそれ以外は増加なし。両群とも空腹時血糖値は投与前と同等。TGはPI群では有意に増加、総・HDL・LDLコレステロールは両群とも増加したが投与前と有意差はなし。この試験ではコンプライアンスの得られた症例のデータが反映されるが、PIは新血管障害に関連する代謝パラメータを早期に悪化させるようである。
JAIDS 33(5):594-600,2003 Guti?rrez F (Spain) et al Lopinavir Plasma Concentrations and Changes in Lipid Levels During Salvage Therapy with Lopinavir/Ritonavir-Containing Regimens
<LPV/RTVを含むレジメンによるサルベージ治療におけるLPV血漿中濃度と脂質レベルの変化>
LPV血中濃度と脂質レベルの関連性についてのプロスペクティブ試験。22例が登録、24週終了19例、48週終了16例、4,8,12,24,36,48週に血中濃度と脂質値を測定。LPVトラフ濃度は、Grade3以上の脂質上昇あるいはGrade2以上の高コレステロール血症発症の患者で高かった。Grade2以上のコレステロール上昇の全例で、4週目のLPVトラフ値濃度>8μg/mL。LPVトラフ濃度とトリグリセライド及びコレステロールの変化との間に有意な正の相関が認められた。
AIDS 17(12):1857-1858,2003 Woolley I J (Australia) et al Anterior neck fat deposition in lipodystrophy syndrome; a new variant on a theme? [Correspondence]
<リポジストロフィー症候群における前頸部脂肪分布異常:新バリエーション>
前頸部にも脂肪蓄積を呈した稀な症例の詳細報告。初回治療はAZT単独、次にAZT+3TC+SQV、d4T+ddI+IDV/RTV、腎障害のためIDVをLPVに変更後、首の前後に脂肪蓄積。LPVをNVPに変更しても進行。脂肪吸引で改善。同様な症例を他に3例経験したが、治療内容はさまざま(PIなしの症例もあり)。治療薬だけでなく宿主の因子も関与していると考えられる。
AIDS 17(12):1855-1856,2003 Katlama C (France) et al Comparison of metabolic abnormalities 48 weeks after switching from highly active antiretroviral therapy containing a non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor to Trizivir versus continued highly active antiretroviral therapy
<NNRTIを含むレジメンからTrizivirへの切替とそのまま継続との40週代謝異常の比較>
NNRTIレジメンを受けている症例を、継続群とTrizivirへの切替群とに無作為に割り付けた。治療効果は2群同等、総コレステロールは切替群で有意に改善した。
JAIDS 33(5):564-570,2003 Riddle TM (Univ Cincinnati Coll Med, USA) et al Leptin Replacement Therapy But Not Dietary Polyunsaturated Fatty Acid Alleviates HIV Protease Inhibitor-Induced Dyslipidemia and Lipodystrophy in Mice
<レプチン置換療法はマウスにおけるPIによる脂質異常及びリポジストロフィーを軽減するが多価不飽和脂肪酸(PUFA)食で軽減されない>
PIによる脂質代謝異常等は肝及び脂肪組織の細胞核における活性化SREBPsの集積による脂質代謝遺伝子の本質的活性化によることが示されている。マウスでレプチン置換療法及びPUFA食の効果を検討したところ、PUFA食ではRTV治療マウスのコレステロール及びTG値は正常化できず、肩甲骨間脂肪集積及び脂肪肝にも効果はなかった。レプチン投与はコレステロール値を下げ、肩甲骨間脂肪集積及び脂肪肝も改善した。
JAIDS 33(5):605-607,2003 McComsey G (Rainbow Babies Children's HP, USA) et al Effect of Antioxidants on Glucose Metabolism and Plasma Lipids in HIV-Infected Subjects With Lipoatrophy
<リポアトロフィーを呈したHIV患者における糖代謝及び血漿脂質に対する抗酸化剤の効果>
NRTI投与を受けリポアトロフィーまたは高乳酸血症を呈したHIV患者10例に抗酸化剤(ビタミンC,E、N-アセチルシステイン)を投与。24週間の計測ではウエスト-ヒップ比の若干の減少以外体型変化なし。空腹時LDLコレステロールは低下傾向、空腹時グルコースはホメオスタティックモデル評価値の有意な上昇と共に有意に増加、インスリン抵抗性の増加を反映。コントロールトライアルが必要。
JAIDS 33(5):577-584,2003 Mehta SH (Johns Hopkins Univ, USA) et al The Effect of HAART and HCV Infection on the Development of Hyperglycemia Among HIV-Infected Persons
<HIV感染者における高血糖の発現に対するHAART及びHCVの影響>
HAART初回の1,230例を対象としたレトロスペクティブコホート調査。高血糖有病率はHCV非感染者と比しHCV感染者で有意に高値。HAART施行患者ではHCVとPI使用の療法が高血糖発現のリスクファクターだった。高血糖発現率はHCVでPI服用の患者で最も高かった。
AIDS 17(12):1753-1762,2003 Kannisto K (Sweden) et al Expression of adipogenic transcription factors, peroxisome proliferator-activated receptor gamma co-activator 1, IL-6 and CD45 in subcutaneous adipose tissue in lipodystrophy associated with highly active antiretroviral therapy
<HAARTによるリポジストロフィー患者の皮下脂肪組織における脂肪生成転写因子PPAR-γco-activator-1、IL-6及びCD45の発現>
リポジストロフィー有/無のHIV患者の皮下組織を検討したところ、脂肪転写因子(PPAR-γ/Δ及びSREBP-1c)のm-RNA濃度は非リポ(リポジスロトフィー)群と比しリポ群で有意に低かった。PPAR-γco-activator-1はミトコンドリア発生を調節するが、非リポ群と比しリポ群で低かった。リポ蛋白リパーゼ、アセチルco-Aシンターゼ及びglucose transport protein-4のmRNA発現は非リポ群と比しリポ群で有意に低かったが、脂肪酸輸送及び結合蛋白のmRNA濃度は同等だった。IL-6及びCD45のmRNA濃度はリポ群で有意に高かった。
Pediatr Infect Dis J 22(7):668-670, 2003 Rosso R (Italy) et al Fatal lactic acidosis and mimicking Guillain-BarrA(C) syndrome in an adolescent with human immunodeficiency virus infection
<HIV感染成人における致死性乳酸アシドーシス及びギラン・バレー症候群類似症状>
症例報告。垂直感染した17歳HIV患者。d4T+ddI+TDF+APV投与時に、重篤なアシドーシスとギラン・バレー症候群類似の急性の神経筋及び呼吸器障害を発症。
Clin Infect Dis 37(4):476-482,2003 McCance-Katz EF (Med College Virginia, USA) et al The Protease Inhibitor Lopinavir-Ritonavir May Produce Opiate Withdrawal in Methadone-Maintained Patients
<LPV/RTVはメタドン維持患者においてアヘン禁断症状を引き起こすかもしれない>
LPV/RTV及びそれと同量のRTVと、ヘロイン依存患者の治療に用いるメタドンとの薬理動態学的/薬動力学的相互作用を検討。LPV/RTVはメタドンのAUC、Cmax、Cminを低下し、経口クリアランスを増加した。RTV単独ではメタドン上昇はわずかか有意ではなかった。LPVはメタドン代謝を誘導するので、LPV/RTV投与患者では臨床的モニタリングおよび場合によってはメタドン増量が必要である。
JAIDS 33(5):650-651,2003 Stevens RC (Abott Lab, USA) et al Lack of Methadone Dose Alterations or Withdrawal Symptoms During Therapy With Lopinavir/Ritonavir [Letter]
<LPV/RTV治療中のメタドン用量変更不要または中断症状なし>
LPV/RTVはメタドンAUCを低下させる。LPV/RTV投与時のメタドン必要量と中断症状の程度についての観察試験。評価可能18例で、中断症状やメタドン投与量変更はなかった。ルーチンのメタドン用量調整は不要だが、中断症状のモニタリングは推奨される。

 

副作用2003.7月号
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
HIV Med 4(3):293-301,2003
[インデックスページ]
Miller J (Australia) et al HIV lipodystrophy: prevalence, severity and correlates of risk in Australia
[HIVリポジストロフィー:オーストラリアにおける有病率、重篤度及びリスク関連因子]
オーストラリアで1348例をサーベイ。リポジストロフィー有病率は53%、そのうち55%は末梢リポアトロフィー+体幹部リポハイパートロフィー、31%は前者のみ、14%は後者のみ。何らかの体質変化はPI治療群62%、PI未治療群33%、抗ウイルス薬未治療群2%。リポジストロフィー重篤度は肝酵素上昇、テストステロン値低下、皮下脂肪肥厚、DEXAによる総/末梢脂肪減少及びCTによる内蔵脂肪増加と有意に正相関した。リポジストロフィーはまた年齢増加、症候性HIV、ウイルス抑制及びNRTIとPI両方の治療期間の長さとも相関した。少ないながら未治療群でも見られたことから、他の要因の関与の可能性も考えられる。
HIV Med 4(3):235-240,2003
[インデックスページ]
Kosmiski L (Univ Colorado, USA) et al Fat distribution is altered in HIV-infected men without clinical evidence of the HIV lipodystrophy syndrome
[HIV男性ではリポジストロフィー臨床症状なく脂肪分布が変化している]
PI治療でリポジストロフィー発症の14例、リポジストロフィーなしのPI治療患者12例、PI未治療患者5例及び非感染者43人の脂肪分布DEXA及びCTで検討。リポ症例の腹部脂肪%は他群より有意に大きく、四肢脂肪%は他群より小さかった。リポのない患者でも非感染対照群と比較し腹部脂肪が大きく四肢脂肪が小さかった。HIV患者における年齢が独立的予測因子だった。
Int J Antimicrob Agent 22(1):54-59,2003 Calza L (Italy) et al Incidence of hyperlipidaemia in a cohort of 212 HIV-infected patients receiving a protease inhibitor-based antiretroviral therapy
[PIベース治療を受けているHIV患者212例のコホートにおける高脂質血症の発現率]
新たにPIベース治療を開始した212例を12ヵ月追跡。1年後にトリグリセライドとLDLコレステロールが有意に増加。高TG血症及び高コレステロール血症発現率は各38.2、25%。TG増加は他のPIに比べRTV及びLPV/RTV治療群で発現率高値(各66.6、60.7%)。1年では脂質上昇に関連する心臓疾患や膵炎などの副作用は見られなかった。
JAIDS 33(4):544-546,2003 Lafeuillade A (France) et al Evolution of Lipid Abnormalities in Patients Switched From Stavudine- to Tenofovir-Containing Regimens [Letter]
[d4TからTDFを含む治療に切り替えた患者における脂質異常の変化]
d4TをTDFに切り替えた43例についてレトロスペクティブに調査。7例はウイルス学的失敗により、他はリポアトロフィー及び抹消神経障害で変更。切り替えによりコレステロール値は有意に減少、TGも減少傾向が見られたが有意差なし。現在プロスペクティブスタディーを開始した。
Clin Infect Dis 37(2):292-298,2003 Saves M (France) et al Risk Factors for Coronary Heart Disease in Patients Treated for Human Immunodeficiency Virus Infection Compared with the General Population
[一般人口と比較した抗HIV治療を受けている患者における冠動脈疾患のリスクファクター]
35-44歳のHIV患者の冠動脈疾患リスクを検討。PI投与HIV男性223例を非感染男性527人と比較したところ、高血圧有病率は低く、HDLコレステロール値は低く、喫煙率は高く、ウエスト/ヒップ比は高く、TG値は高かった。総/LDLコレステロール及び糖尿病有病率は差なし。女性でも同じ傾向が見られた。非HIV感染者と比較し、HIV感染者は男女とも冠動脈疾患のリスクが高かった。喫煙のリスク寄与は男性で65%、女性で29%と見積もられた。抗HIV治療開始時には冠動脈疾患リスクファクターを検討し介入を考慮すべきである。
JAIDS 33(3):281-291,2003 Thomas J (UK) et al HIV Infection-A Risk Factor for Osteoporosis
[HIV感染-骨粗鬆症の一つのリスクファクター]
HIV感染に関連する骨減少、骨粗鬆症及びミネラル代謝についての総説。骨減少のリスクファクターとして、PI使用、長期感染、ウイルス量高値、乳酸高値、重炭酸低値、AlP上昇及び抗ウイルス治療前の低体重が示唆されている。メカニズムは不明。HIV患者ではTNF及びIL-6産生が増加し、破骨細胞合成に関与しているかもしれない。HIV患者では低Ca血症、高Ca血症及び副甲状腺ホルモン動脈異常が見られ、対照群と比し骨リモデリングが観察される。高齢、低体重、長期感染あるいはPI治療といったリスクファクターを有する症例にはDEXAを考慮すべきである。骨減少等が認められたら、他の要因をスクリーニングし、bisphosphonateや生鮮機能低下があればテストステロン補充などを考慮すべきである。
JAIDS 33(3):405-407,2003 Vescini F (Italy) et al Bone Mass in HIV-Infected Patients: Focus on the Role of Therapy and Sex [Lettre]
[HIV患者における骨容量:治療及び性の役割に対する着目]
HIV患者における骨減少、骨粗鬆症の頻度と抗HIV治療の影響、BMD(骨ミネラル密度)の性差をHIV患者70例で検討。骨減少/骨粗鬆症頻度はTスコアで40/8.6%、Zスコアで33/5.7%。年齢、性、抗ウイルス治療レジメン、PI有無による差なし。女性と比し男性で背骨・腰の骨粗鬆症頻度が高かった。
J HIV Ther 8(2):32-35,2003 Walker UA (Germany) et al Update on mitochondrial toxicity: where are we now?
[ミトコンドリア毒性の最新情報]
ミトコンドリア毒性についての総説。ddC、ddI、d4Tといったdドラッグ、AZT、TDFなどの毒性や、対処方法について。
JAIDS 33(4):461-469,2003 Petit C (France) et al Quantitation of Blood Lymphocyte Mitochondrial DNA for the Monitoring of Antiretroviral Drug-Induced Mitochondrial DNA Depletion
[抗ウイルス薬によるミトコンドリアDNA(mtDNA)枯渇のモニタリングのための血中リンパ球ミトコンドリアDNA定量]
HIV-1患者60例で治療前後のPBMCのmtDNA及び核DNAを定量。未治療患者ではmtDNAは経年的に不変か増加していた。mtDNA変化は特定の3-5剤併用療法に依存、AZT+ddC+RTV及びAZT+3TC+ddIは常にmtDNA枯渇し、d4T+3TC+IDVでは有意な変化は見られず、以前mtDNAを枯渇させた薬剤の中断なくmtDNA数は治療前値あるいはそれ以上に回復した。この分析法は他法と同様PBMCのmtDNA測定に有用だったが、抗ウイルス薬中断なしで自発的なmtDNA回復も認められたので、薬剤のミトコンドリア毒性モニタリングの点では注意を要する。
HIV Med 4(3):287-292,2003
[インデックスページ]
Gourlain K (France) et al Quantitative analysis of human mitochondrial DNA using a real-time PCR assay
[リアルタイムPCRを用いたヒトミトコンドリアDNA(mtDNA)の定量分析]
未治療無症候性HIV患者8例、HAART6ヵ月施行4例及び非感染者6例のPDMC及び皮下脂肪組織のDNAを抽出し、リアルタイムPCRにてmtDNAを定量。再現性のある結果が得られ、健常群、未治療群、HAART群のPBMC中mtDNAはそれぞれ2.94,2.78,1.93log/mL。
Clin Chem 49(7):1154-1162, 2003 Marceau G (France) et al Frequency, risk factors, and outcome of hyperlactatemia in HIV-positive persons: implications for the management of treated patients
[HIV患者における高乳酸血症の頻度、リスクファクター及び転帰:治療患者の管理に関して]
HIV患者282例で3-4ヵ月ごとに血液サンプルを採取。乳酸値の中等度上昇23%、5mM以上が1.8%、うち重篤なアシドーシス2例。危険因子は高齢、d4Tを含む治療又はd4TとddIの併用及びブプレノルフィン使用。中等度上昇の65例中39例は治療継続、26例は変更し臨床症状、乳酸値改善。
Biomed Pharmacother 57(3-4):113-116, 2003 Lopez O (France) et al Could antioxidant supplementation reduce antiretroviral therapy-induced chronic stable hyperlactatemia?
[抗酸化剤補充により抗ウイルス薬による慢性高乳酸血症は減少するか]
NRTIを24ヵ月以上服用している30例を抗酸化剤追加/非追加の2群に割り付け。抗酸化剤はビタミンE、βカロチン、Nアセチルしステイン、セレニウム、イチョウ葉抽出物及び栄養補助剤。血中酸化ストレスマーカー(ビタミンE、A、βカロチン)は抗酸化剤追加群で高値で、乳酸値も有意に低かった(1.37vs1.82mmol/L)。抗酸化剤は無症候性高乳酸血症の乳酸値を改善する。
J Infect 47(2):188-189,2003 Callens S (Belgium) et al Pancreatitis in an HIV-infected person on a tenofovir, didanosine and stavudine containing highly active antiretroviral treatment
[TDF+ddI+d4Tを含むHAART治療患者における膵炎]
TDFはddIの血中濃度を増加させる。併用療法による膵炎の初めての報告。LPV/RTV 400/100mgBID+d4T30mgBID+ddI EC 250mgQDに、発症の1ヶ月前よりTDF300mgQDを追加。抗ウイルス薬を中止し7日後には回復。
AIDS 17(11):1713-1714,2003 Shah MD (Canada) et al A manic episode associated with efavirenz therapy for HIV infection
[EFV治療に伴う躁状態]
症例報告。LPV/RTV+EFV治療1ヵ月後に躁状態で来院。その2週前より気分不安定などの精神症状あり。他の要因や精神病既往歴、家族歴などなし。オランザピンで警戒するが全快せず、バルプロ酸ナトリウム投与で全快。
HIV Med 4(3):302-304,2003
[インデックスページ]
Moreno A (Boston Univ, USA) et al Recurrence of post-traumatic stress disorder symptoms after initiation of antiretrovirals including efavirenz: a report of two cases
[EFVを含む抗ウイルス療法開始後のPTSD症状の再発:2例の症例報告]
EFV+AZTの治療を開始しPTSD症状の再発した2症例の報告。2例ともPTSDを悪化させる他の要因なし。2例とも治療開始4週までに症状は治まった。
JAIDS 33(4):546-548,2003 Verucchi G (Italy) et al Incidence of Liver Toxicity in HIV-Infected Patients Receiving Isolated Dual Nucleoside Analogue Antitretroviral Therapy [Letter]
[単独2剤NRTI療法を受けているHIV患者における肝毒性の発現率]
治療を受けているHIV患者での肝障害は稀でなく(6-30%)、リスクファクターにはHBV/HCV合併、PI/NNRTI/NRTI治療などが挙げられる。NRTI2剤のみの治療を少なくとも24ヶ月受けている患者132例を対象に、NRTIの肝毒性を検討。治療はd4T+3TC(A) 、d4T+ddI(B)、AZT+3TC?、AZT+ddI(D)で、肝酵素上昇は各55.9,57.7,42.4,40%でA,Bで多かった。またHCV合併例でも高率。
AIDS 17(11):1709,2003 Woolley I (Australia) et al Sequential cutaneous drug reactions to protease inhibitors in the context of occupational post-exposure prophylaxis
[職業暴露後の予防薬投与下におけるPI投与に引き続き起こった皮膚薬剤反応]
症例報告。針刺し後にコンビビル+IDVを予防投与。8日後皮疹発現、IDVを中止し回復後NFVを投与したが、6日後に皮疹再発、NFV中止後回復。コンビビルを4週投与し予防投与中止、6ヵ月後現在HIV抗体なし。
AIDS 17(11):1695-1696,2003 Almagro M (Spain) et al Eyelash length in HIV-infected patients [Letter]
[HIV患者における睫毛の長さ]
HIV感染後期ではしばしば長睫毛症がみられる。204例で睫毛長を測定したところ、CD4、ウイルス量、CDC病期及びAIDSとは関連がなかった。恐らく抗ウイルス薬かあるいは免疫状態改善にによるものだろう。

 

副作用2003.6月号
書誌事項・ソース・リンク
報告者
タイトル
サマリー
AIDS 17(9):1319-1327,2003 Bitnun A (Canada) et al Serum lipids, glucose homeostasis and abdominal adipose tissue distribution in protease inhibitor-treated and naive HIV-infected children
[PI治療及び未治療のHIV患児における血清脂質、グルコースホメオスタシス及び腹部脂肪組織分布]
PI治療13例、未治療20例のHIV患児を対象に代謝異常を比較。PI治療群で総コレステロール、LDLコレステロール及びトリグリセライドが有意に高値。HOMA-IR及び腹部脂肪組織分布は両群同等。臨床的及び免疫学的HIVカテゴリー、ウイルス量、CD4値及びd4T治療は血清脂質、インスリン抵抗性あるいは腹部脂肪組織分布と有意に関連しなかった。空腹時血清インスリン及びHOMA-IRと強く関連する予測変数はタナー段階だった。年齢が内蔵:皮下脂肪費の最も有意な予測変数だった。
AIDS 17(10):1503-1511,2003 Vigouroux C (France) et al Serum adipocytokines are related to lipodystrophy and metabolic disorders in HIV-infected men under antiretroviral therapy
[血清アディポサイトは抗HIV薬投与のHIV感染男性におけるリポジストロフィー及び代謝障害と関連する]
PI治療のHIV131例をリポジストロフィーなし(NL)、リポハイパートロフィー(LH)、リポアトロフィー(LA)、混合型(ML)に分け、アディポサイトとリポジストロフィー、代謝障害の関連を検討。インスリン感受性はアディポネクチンと正相関、レプチンと負相関した。アディポネクチンは全代謝パラメータと負相関したが、レプチンは異なった。インスリン抵抗性、代謝異常及び循環器系リスクマーカーはアディポネクチン/レプチン比(A/L)と強く負相関し、sTNFR1と正相関した。LAはより感染期間が長かったが、最も重篤な代謝変化、インスリン抵抗性及び(A/L)減少を示したのはMLだった。アディポネクチンとTNFα系は代謝病態と関連があり、A/L及びsTNFR1が予測因子となり得ることが示唆された。
AIDS 17(10):1435-1441,2003 Vigan? A (Italy) et al Impaired growth hormone secretion correlates with visceral adiposity in highly active antiretroviral treated HIV-infected adolescents
[HAART治療のHIV感染の若者における内臓脂肪症と関連した成長ホルモン分(GH)泌障害]
HAARTによる腹部脂肪蓄積有/無(V+/-、10/15例)の若者におけるGH産生を検討。V+ではV-と比較し、GH-AUC低下、IGF-1低下、インスリン高値が認められれ、また非脂肪組織容積低値、脂肪容積高値だった。脂質プロフィール及び血糖値、IGFBP-3、NO及び遊離脂肪酸は同等だった。GH-AUCはIAT容量及びインスリン値と逆相関した。IAT過剰のリポ小児にはGH治療を考慮すべきである。
AIDS 17(9):1414-1416,2003 Batterham M J (Australia) et al Modifying dietary fat intake can reduce serum cholesterol in HIV-associated hypercholesterolemia [Correspondence]
[脂肪修正食摂取によりHIV関連高コレステロール血症における血清コレステロールを低下させることができる]
かつて低脂肪食によりHIV関連高脂質血症におけるコレステロール及びトリグリセライドを低下できることが報告されたが、効果は完遂例のみでコンプライアンスが悪かった。今回、飽和脂肪を減らし多価及び単価不飽和脂肪及び繊維を増やした脂肪修正食を使用したところ、効果が見られ、低脂肪食よりコンプライアンスが良好だった。
HIV Clinical Trials. 4(3):164-169, 2003 Narayan S (Canada) et al Attenuated T-Lymphocyte Response to HIV Therapy in Individuals Receiving HMG-CoA Reductase Inhibitors
[HMG-CoAリダクターゼ阻害薬投与患者におけるHIV治療に対するT細胞反応の減弱]
PIによる高TG血症治療にスタチン系薬が用いられるが、スタチン系には免疫調整作用を有する。RTV/SQVを5年以上服用の35例をレトロスペクティブに検討した。全例ウイルス量は抑制されており、脂質低下剤を投与する前は抗ウイルス薬の内容によりT細胞反応は同等だった。脂質低下剤投与期は、非投与/フィブラート系薬投与群と比較しスタチン系ではT細胞反応が低下していた。プロスペクティブ検討が必要。
Wiener Klinische Wochenschrift 115(3-4):135-140,2003 Koch RO (Austria) et al Acute hepatic failure and lactate acidosis associated with antiretroviral treatment for HIV
[HIVに対する抗ウイルス治療に伴う急性肝不全及び乳酸アシドーシス]
症例報告。HIV女性でddI+d4T治療18ヵ月後に重篤な急性膵炎で入院。直後に乳酸アシドーシス及び腎不全を伴う急性肝不全発症。血液濾過3日間。引き続きグレードIII脳症及び胸水・腹水。薬剤中止、救急治療で完全回復。肝生検で、ミトコンドリア毒性を示す微小水疱性脂肪変性及び巨大ミトコンドリアが認められた。
Clin Chemist 49(7):1154-1162, 2003 Marceau G (France) et al Frequency, Risk Factors, and Outcome of Hyperlactatemia in HIV-positive Persons: Implications for the Management of Treated Patients
[HIV患者における高乳酸血症の頻度、リスクファクター及び転帰:治療患者の管理]
HIV患者282例を対象に、3-4ヶ月ごとに血液サンプルを採取し、高乳酸血症及び乳酸アシドーシスの頻度及びリスクファクターを検討。軽度乳酸値上昇が65例(23%)、乳酸値]5mmol/Lが5例(1.8%)、うち重篤な乳酸アシドーシスは2例(0.7%)。リスクファクターは年齢、d4Tを含むレジメンまたはd4T+ddI併用及びブプレノルフィン使用。高乳酸血症65例中、39例は同じ治療を継続、26例は治療を変更し改善。
Biomed Pharmacother 57(3):113-116, 2003 Lopez O (France) et al Could antioxidant supplementation reduce antiretroviral therapy-induced chronic stable hyperlactatemia?
[抗酸化サプリメントにより抗ウイルス薬による慢性の安定した高乳酸血症を減弱できるか]
HRTIを24ヶ月以上投与している30例を、抗酸化サプリメント投与/非投与の2群に割り付け乳酸値を追跡。血中ビタミンE,A、βカロチン濃度はサプリメント群で高値、乳酸値も有意に低値。抗酸化サプリメントで乳酸値改善が可能だった。ミトコンドリア毒性に対する効果やカルニチン・リボフラビン・コエンザイムQ・αリポ酸との併用の有用性について検討の必要あり。
AIDS 17(9):1416-1417,2003 Urso R (Italy) et al Bone dysmetabolism in HIV infection: a melting pot of opinions [Correspondence]
[HIV患者における骨代謝異常:意見のるつぼ]
HIV患者における骨代謝異常の原因として、HIV自体、抗ウイルス薬によるミトコンドリア障害、TNF-α、ビタミンDなど種々の知見があるが、我々はPIがCYP450への影響を介し活性型ビタミンD1,25-(OH)2D3経路に影響するという仮説を立てた。
Clin Infect Dis 36(12):1593-1601,2003 Gavrila A (Beth Israel Deaconess MC, USA) et al Exercise and Vitamin E Intake Are Independently Associated with Metabolic Abnormalities in Human Immunodeficiency Virus-Positive Subjects: A Cross-Sectional Study
[運動及びビタミンE摂取はHIV患者における代謝異常に独立的に関連している:クロスセクショナル試験]
HIV患者120例を対象に、運動、食事および代謝異常(体脂肪再分布、脂質異常及びインスリン抵抗性)との関連を検討。全運動及び有酸素運動は、全サンプル及び死亡再分布群で空腹時TG値と有意に逆相関した。全・有酸素運動とインスリン抵抗性には逆相関が示唆されたが有意ではなかった。血圧はビタミンEサプルメントまたは総摂取と逆相関したが、習慣的摂取には逆相関しなかった。運動とビタミンE摂取はHIV関連代謝異常症候群のいくつかと逆相関する。
Clin Infect Dis 36(12):e162-e164,2003 Springer SA (Yale Univ, USA) et al Human Immunodeficiency Virus Infection with Human Granulocytic Ehrlichiosis Complicated by Symptomatic Lactic Acidosis
[症候性乳酸アシドーシスを合併したヒト顆粒球エールリヒア症(HGE)を有するHIV感染者]
リポジストロフィーの既往歴があるHIV患者でHGEに関連する肝障害を発現した症例の報告。急性の合併感染を起こす以前は乳酸値が正常だったが、HE治療中に症候性高乳酸血症を発現。
AIDS 17(9):1329-1338,2003 Nolan D (Australia) et al Mitochondrial DNA depletion and morphologic changes in adipocytes associated with nucleoside reverse transcriptase inhibitor therapy
[NRTI治療に関連する脂肪細胞におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)枯渇及び形態変化]
NRTI治療患者21例、抗ウイルス薬未治療患者11例及び非感染者6例を対象。脂肪組織mtDNA価は非感染者及びNRTI未治療患者で同等。NRTI治療群ではmtDNAが減少し、未治療患者の77.7%だった。またd4T投与例ではAZT投与例と比較し枯渇度が有意に大きかった。ミトコンドリア容量はd4T群でのみ有意に増加していた。
J Med Virol 70:497?505 ,2003
BMSCサイト
Miura T (Univ Tokyo, Japan) et al Depletion of mitochondrial DNA in HIV-1-infected patients and amelioration by antiretroviral therapy
[HIV-1患者におけるミトコンドリアDNA枯渇及び抗ウイルス治療による改善]
HIV-1患者及び健常対照者のPBMCのミトコンドリアDNAを評価。mtDNAは健常者と比し未治療HIV患者で有意に減少。mtDNA値はCD4値と有意に相関しなかったがHIV-1量とは逆相関。対照に、AZT/3TC又はd4T/3TC治療を受けた患者では治療中増加し、対照群と同レベルに回復。逆にAZT/ddCでは開始後すぐに減少。mtDNA値と臨床パラメータとの相関は見出せなかった。mtDNA値はリポジストロフィー有無で有意差なし。末梢神経障害の患者でも差なし。HIV-1自体のミトコンドリア又はmtDNAへの直接作用が示唆された。
J Infect Dis 187(12):1972-1976,2003 Cote HCF (Canada) et al Mitochondrial : Nuclear DNA Ratios in Peripheral Blood Cells from Human Immunodeficiency Virus (HIV)Infected Patients Who Received Selected HIV Antiretroviral Drug Regimens
[選択的抗HIV薬治療を受けているHIV患者の末梢血細胞におけるミトコンドリア:核DNA比]
(1)SQV+RTV+NVP又は3TC、(2)SQV+RTV(±NVP又は3TC)+d4T、ddI、d4T+ddI又はAZT を4ヶ月以上服用している患者214例で末梢血のミトコンドリア:核DNA比を検討したところ、NVP又は3TCだけ併用のレジメンが比の値と関連し、ddI又はd4T+ddIを含むレジメンより高値だったが、d4T又はAZTを含むレジメンとは有意差はなかった。非NRTIレジメン又は3TCのみのレジメンはmtDNA枯渇が少なくddIまたはddI+d4TレジメンではmtDNA枯渇が増加するようだが、いずれも副作用発現頻度は低い。
AIDS 17(9):1418,2003 Singh G (UK) Latrogenic nephrogenic diabetes insipidus [Correspondence]
[医原性腎性尿崩症]
症例報告。1997年よりIDV+d4T+3TCを開始、約3年後に激しい口渇、多尿、衰弱、体重減少を示し、1日4-5Lの水を摂取していた。腎性尿崩症を疑いIDVを中止。
HIV Clinical Trial 4(3):145-9, 2003 Juethner SN (Washington Univ SM, USA) et al Tolerance of Efavirenz-Induced Central Nervous System Side Effects in HIV-Infected Individuals with a History of Substance Abuse
[物質乱用歴のあるHIV患者におけるEFVによるCNS副作用の忍容性]
コカイン・アルコール依存者ではEFVのCNS副作用の頻度が高いかどうかをレトロスペクティブに検討。物質乱用歴の有無で、副作用の頻度及び副作用による投与中止に有意差は認められなかった。
Acta Dermato-Venereol 83(1):1-9, 2003 Rotunda A (State Univ NY, USA) et al Severe cutaneous reactions associated with the use of human immunodeficiency virus medications
[HIV治療薬使用に伴う重篤な皮膚反応]
Medline及びAidsline検索で抗レトロウイルス薬によるスティーブンジョンソン症候群(SJS)及び表皮壊死の発現率を調査。約50症例が見つかり、AZT2例、ddI1例、NVP42例、IDV1例及びAPVだった。発現時期が明確な22例では、86%が4週以内に発現。約50例中10例が、薬剤中止による改善、生検あるいは再投与による陽性反応によって特定の薬剤あるいは併用療法によるSJSまたは表皮壊死と診断された。残りの症例については因果関係等明確ではなかった。
AIDS 17(10):1577-1578,2003 Phillips E J (Canada) et al Digoxin toxicity and ritonavir: a drug interaction mediated through p-glycoprotein? [Correspondence]
[ジゴキシン毒性とRTV:p糖タンパクを介した薬物相互作用?]
ジゴキシンを長期服用し、3TC+d4T+IDVを3年服用している患者にRTV追加後3日目に嘔気・嘔吐増悪で入院。ジゴキシン濃度を測定したところ高値。ジゴキシンを中止し元の3剤を再投与したが、副作用なし。RTVによるp糖タンパクを介した輸送の阻害がメカニズムの一つと考えられた。
Pharmacother 23(6):695-701, 2003 Robbins BL (St.Jude Children's Res HP, USA) et al Metabolism of tenofovir and didanosine in quiescent or stimulated human peripheral blood mononuclear cells
[非刺激または刺激されたヒトPBMCにおけるTDFとddIの代謝]
TDFはddIの血中濃度を上昇させるが、細胞内相互作用を検討。TDFの存在は、非刺激及び刺激ヒトPBMCにおけるddI三リン酸生成量に影響を与えず、またddIもTDF二リン酸生成量に影響しなかった。このことから、両剤併用時はddIの血中濃度を目標にすれば、同じ効果が得られると考えられる。

 

副作用2003.5月
書誌事項・ソース・リンク
報告者
タイトル
サマリー
AIDS Read 13(4):176-187,2003 Dieterich DT (Mount Sinai Sch Med, USA) Long-Term Complications of Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor Therapy
[NRTI治療の長期合併症]
総説。NRTIが引き起こし得る長期合併症(高乳酸血症、乳酸アシドーシス/脂肪肝、その他の肝障害、膵炎、リポジストロフィー/リポアトロフィー、ニューロパチー、血液毒性)、それらメカニズム及び管理について総括。
JAIDS 33(1):22-28.2003 Moyle G J (Chelsea Westminster HP, UK) et al A 48-Week, Randomized, Open-Label Comparison of Three Abacavir-Based Substitution Approaches in the Management of Dyslipidemia and Peripheral Lipoatrophy
[脂質代謝異常及び末梢リポアトロフィーの管理におけるABCベースの置換アプローチ3種の48週無作為オープンラベル比較試験]
d4Tを含む初回治療でウイルス量は抑制され、抗コレステロール血症±リポアトロフィーを発現した患者を対象に、d4T→ABC(1)、PIまたはNNRTI→ABC(2)、PIまたはNNRTI→ABC+AZT(3)の3群を比較。27例が48週試験を終了。重篤な副作用はABC過敏症1例のみ。ウイルスは全例抑制。CD4は(2)(3)では上昇したが、(1)では軽度低下。(2)(3)では総・LDLコレステロールが著明に改善、(2)ではTGも低下。脂肪容量(全体・腕・足)は(1)で有意に増加、(2)(3)では軽度減少。腹部脂肪は全群不変。
JAIDS 33(1):29-33.2003 John M (Australia) et al Randomized, Controlled, 48-Week Study of Switching Stavudine and/or Protease Inhibitors to Combivir/Abacavir to Prevent or Reverse Lipoatrophy in HIV-Infected Patients
[HIV患者におけるリポアトロフィー予防または改善のためのd4T/PIからCombivir/ABCへの切り替えの無作為コントロール48週試験]
d4TまたはAZTと3TC+PI併用でウイルスの抑制されている37例を対象に、d4T→AZT、PI→ABCの切り替え効果を投与継続例と比較。48週後の脂肪変化は切替群+0.009kg/足・月、継続群-0.010kg/足・月。腕の脂肪は切替群で有意に増加(0.014kg/腕・月)、継続群では変化なし。腹部内臓脂肪、血中脂質、血糖インデックス及び乳酸値は変化なし。切替後1例を除き抗ウイルス効果持続、ABCによる副作用が3例。
JAIDS 33(1):34-40.2003 Beatty G (UCSF, USA) et al Quantification of Insulin-Mediated Glucose Disposal in HIV-Infected Individuals: Comparison of Patients Treated and Untreated With Protease Inhibitors
[HIV患者におけるインスリンを介したグルコース処理(IMGD)の定量:PI既治療及び未治療患者での比較]
インスリン感受性及び耐糖能を検討するため、PI投与24例及び未投与27例を対象にIMGDを測定。octreotide、グルコース及びインスリン静注後の定常期血漿グルコース(SSPG)は両群とも6倍の幅があり、平均値は両群に差なし。空腹時血漿グルコース濃度はPI群で高かったが、空腹時インスリン濃度は同等。PI群では経口グルコース負荷に対するグルコース及びインスリン反応が高かった。最初の30分の血漿グルコース反応の増加はPI群で高かったが、インスリン反応増加は同等。インスリン感受性はPI治療に関わらずばらつきが大きく、インスリン感受性に対するPIの作用は軽度と考えられた。PI治療はインスリン分泌抑制作用を有するかもしれない。
JAIDS 33(1):114-116.2003 Domingo P (Spain) et al Effect of Protease Inhibitors on Apolipoprotein B Levels and Plasma Lipid Profile in HIV-1-Infected Patients on Highly Active Antiretroviral Therapy [Letter]
[HAART施行HIV-1患者におけるアポリポ蛋白B及び血漿脂質に対するPIの効果]
初回HAART(PI+d4T+3TC)施行患者159例を対象にApoA,B及び脂質を測定。PIはID,SQV,RTV,NFV,SQV/RTV。RTVは脂質増加作用が大きく、ApoB,TG,LDL,VLDLが他剤より増加した。他はSQVでIDVよりHDLが高かった以外、薬剤間に有意差なし。どの薬剤でもApoB上昇が見られたが、効果は薬剤により異なり、RTVが最も悪影響が強く、SQVが最も弱かった。
AIDS 17(8):1173-1178,2003 Alonso-Villaverde C (Spain) et al High-density lipoprotein concentrations relate to the clinical course of HIV viral load in patients undergoing antiretroviral therapy
[抗ウイルス薬治療施行中の患者におけるHIV量の臨床経過に伴うHDL濃度]
抗ウイルス治療によるウイルス量検出限界以下を継続している患者を3ヶ月ごとに36ヶ月追跡、血清脂質を測定。Coxハザードモデルによると、HDLコレステロール値とウイルス抑制期間の間に強い相関が認められた。他の因子(総コレステロール、トリグリセライド、年齢性別他)とは相関なし。これはアポプロテインA1とp17Gag-HIV蛋白とのシーケンス類似性及び構造相同性と関連すると考えられ、HDLを増加させることにより抗HIV治療効果を高めるという興味深い可能性が示唆される。
Antivir Ther 8(1):9-15,2003 Kosmiski L (Univ Colorado, USA) et al Adipocyte-derived hormone levels in HIV lipodystrophy
[HIVリポジストロフィーにおける脂肪細胞由来ホルモンレベル]
リポジストロフィー発現HIV患者13例、リポジストロフィーなしHIV患者12例及び健常人12人を対象に、血漿レプチン及びアディポネクチン値と脂肪分布びインスリン感受性(SI)の関連を検討。レプチン値はリポジストロフィー例で高かった。またレプチン値は肥満と強く相関していた。HIV患者でレプチン値はSIと逆相関していた。アディポネクチン値はリポジストロフィーありで低値で、脂肪分布と関連していた。HIV患者ではアディポネクチン値はSIと有意に強く相関しSIの独立的決定因子だった。
Compar Biochem Physiol Pt C: Toxicol Pharmacol 135(1):11-29,2003 Mattacks CA (UK) et al Site-specific differences in the action of NRTI drugs on adipose tissue incubated in vitro with lymphoid cells, and their interaction with dietary lipids
[in vitroでリンパ球とインキュベートした脂肪組織におけるNRTIの作用の部位特異的差異及び食物脂質との相互作用]
モルモットに普通食または脂肪添加食(ヒマワリ油または魚油)随時または制限的に与え、膝窩リンパ節にリポ多糖を繰り返し注入し活性化させ、各部位サンプルをリンパ球及び薬剤(AZT,ddI,3TC,d4T)またはIL-10,6とインキュベート。全薬剤は節周囲脂肪細胞からの脂肪分化を増加したが、非節周囲部位及び節のない貯蔵部位からの分解に対する効果は小さかった。ヒマワリ油食はこれらの効果を上げ、魚油及び制限食は効果を下げた。NRTIは節周囲脂肪細胞と活性化されたリンパ球との局所相互作用を調節し、節を含む脂肪貯蔵部位の選択的肥大の結果、局所相互作用は食物により減じられるかもしれない。
Clin Infect Dis 36(10):1324-1328,2003 Bonnet F (France) et al Risk Factors for Lactic Acidosis in HIV-Infected Patients Treated with Nucleoside Reverse-Transcriptase Inhibitors: A Case-Control Study
[NRTI治療HIV患者における乳酸アシドーシスのリスクファクター:ケースコントロール試験]
1996-2000年に9例の乳酸アシドーシスを同定。非発症のコントロールと比較し、乳酸アシドーシス発現前のクレアチニンクリアランス<70mL/min、NRTI治療開始前のCD4最低値低値の2つがリスクファクターだった。NRTI層投与量はリスク上昇と関係なく、試験した4種のNRTI何れでもその結果が得られた。特にCD4最低値の低い症例でのクレアチニンクリアランスのモニターが乳酸アシドーシスリスク軽減に有用と考えられる。
J Infect 2003 (In Press) Callens S (Belgium) et al Pancreatitis in an HIV-infected person on a tenofovir, didanosine and stavudine containing highly active antiretroviral treatment
[TDF+ddI+d4Tを含むHAART施行HIV患者における膵炎]
症例報告。TDFはddIレベルを上げる。今回、併用による膵炎の2例目を報告する。膵炎発症5ヶ月前にLPV/RTV+ddI EC+d4Tに変更、1ヶ月前にTDFを追加。抗ウイルス治療を中止し7日後に全症状は消失。
AIDS 17(8):1266-12,2003 Loutfy M R (Canada) et al Inclusion body myositis: another possible manifestation of antiretroviral-associated mitochondrial toxicity
[封入体筋炎:抗ウイルス薬関連ミトコンドリア毒性の他の可能な症状]
症例報告。抗ウイルス薬によるミトコンドリア障害の症状として、未報告の封入体筋炎の症例。種々の投薬歴あり、副作用発現近くに使用の薬剤はd4T,ddI,NVP,LPV/RTV,APV,T-20。進行性筋疲労及び脱力発現。d4T+ddIをABC+3TCに変更、コエンザイムQ10、チアミン、リボフラビンを開始、9ヶ月後軽度回復。
JAIDS 33(1):41-46.2003 Montaner JSG (Canada) et al Randomized, Controlled Study of the Effects of a Short Course of Prednisone on the Incidence of Rash Associated With Nevirapine in Patients Infected With HIV-1
[HIV-1患者におけるNVP関連皮疹発現率に対するプレドニゾン短期投与の効果に関する無作為コントロール試験]
NVPを含む3剤併用療法138例を2群に分け、1群にプレドニゾン(40mg/d、2wk)を併用。最初の6週間、プレドニゾン併用で皮疹は有意に減少せず、むしろ重度で投与中止の傾向がみられた。皮疹のリスクファクターは治療前CD4高値、HIV-1 RNA低値、女性及びNVPトラフ濃度高値だった。プレドニゾンは抗ウイルス効果、CD4への効果に影響しなかった。NVP投与例にプレドニゾン併用は勧められない。

 

副作用2003.4月
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報告者
タイトル
サマリー
AIDS 17(6):944-945 ,2003 Mauss S (Germany) et al Rapid development of central adiposity after postexposure prophylaxis with antiretroviral drugs: a proof of principle? [Correspondence]
[抗ウイルス薬のウイルス曝露後予防投与後に急性に発現した体幹部脂肪蓄積:原理の証明?]
HIV陰性者における抗ウイルス薬によるリポジストロフィーの症例報告。リスクの高い性的接触後、感染予防目的にd4T+3TC+EFV3週間を10週あけて2コース実施。その後6週間以内に腹部の急速な脂肪蓄積を発症し、2コース目終了から4ヵ月後現在も持続。HIV抗体は陰性。
AIDS 17(7):971-979,2003 Mallon P W G (Australia) et al Prospective evaluation of the effects of antiretroviral therapy on body composition in HIV-1-infected men starting therapy
[治療を開始した男性HIV-1患者における身体組成に対する抗ウイルス治療の影響についてのプロスペクティブ評価]
初回治療を開始した患者におけるHIV関連リポジストロフィー(HIVLD)のナチュラルヒストリーをプロスペクティブに検討。40例を中央値96週追跡した。治療開始24週までに四肢脂肪、腹部脂肪及び非脂肪組織の増加が見られ、その後選択的で進行性の四肢脂肪減少が認められた。24週後の年間脂肪低下率は13.6%。四肢脂肪減少率と相関する因子はd4T、観察開始時HIV高値、試験開始時'T'スコア高値及び24週での非脂肪組織の少なさで、多変量解析ではd4Tの関与が最も強かった。高コレステロール血症は治療早期に発現したが、高トリグリセライド血症や高インスリン血症、骨密度低下はそれより遅かった。早期に見られたCD4やウイルス量の大きな変化は、脂肪減少よりむしろ増加と関連していた。
JAIDS 32(5):482-489.2003 Vigan? A (Italy) et al Increased Lipodystrophy Is Associated With Increased Exposure to Highly Active Antiretroviral Therapy in HIV-Infected Children
[HIV感染児においてリポジスロトフィー(LD)増加はHAART曝露増加と関連]
37例のHIV患児を対象に、HAART開始時と12ヵ月後にDXAでLDを評価し、健康児と比較した。一部でMRIも実施。試験期間中、HAART実施は39.3%から50.9%に増加、臨床的LD患児は6から8例に増加したが、平均BMI、CD4比率及びHIV RNA<50の症例割合は変らなかった。DXAで感染児全例に四肢容積増加、末梢脂肪減少及び体幹部脂肪蓄積が認められた。登録時及びHAART12ヶ月時点でDXAでLD健常児より70及び84%多くが認められた。タイプでは混合型が最も多かった。登録時及び12ヶ月での腹部内臓脂肪(IAT)は健常児より33及び35%多く、LD発現例で大きかった。末梢脂肪減少とIATはHAART期間と相関し、免疫状態及び免疫効果とは関連なかった。小児におけるHAART関連LDは高頻度で早期発現し進行性である。
HIV Clinical Trial 4(2):99-106, 2003 Guaraldi G (Italy) et al Morphologic Alterations in HIV-Infected People with Lipodystrophy Are Associated with Good Adherence to HAART
[リポジストロフィーを呈したHIV患者における体型変化はHAARTに対する良好なアドヒアランスと相関]
イタリアの多施設で体型変化とアドヒアランスの関連を検討。体型変化及びアドヒアランスはいずれも患者の自己評価。2000-2001年に175例が登録。体型変化あり(47%)となしとでHAART期間は有意差なし、アドヒアランスオッズは前者が後者の2.36倍だった。体型変化に関連する因子として高齢かつ女性、ウイルス量検出限界以下、HAART期間及びアドヒアランスが挙げられた。
JAIDS 32(5):490-493.2003 Chironi G (Frace) et al Carotid Intima-Media Thickness in Heavily Pretreated HIV-Infected Patients
[多数の治療歴のあるHIV患者における頚動脈内膜中膜複合体厚(IMT)]
HAARTを受けているHIV患者36例と脂質異常のないコントロール(CG1)及びHIV群と同等の脂質・血糖異常のあるコントロール(CG2)とで頚動脈IMTを超音波で検査した。HIV群のIMTはCG1より8%高かったがCG2とは同等。IMTと総コレステロールに対するHLDの比率及び胴囲の正の相関はHIV群で認められたがCG1,2では認められなかった。HIV群のIMTはHIV感染症のパラメータ及び抗ウイルス治療とは関連なかった。脂質異常、主に低HDL血症はHIV患者での早期アテローム進行に関与する可能性が示唆された。
AIDS 17(6):851-860,2003 Calza L (Italy) et al Statins and fibrates for the treatment of hyperlipidaemia in HIV-infected patients receiving HAART
[HAART施行のHIV患者における高脂質血症の治療のためのスタチン系薬及びフィブレート系薬]
PIによる脂質異常に対するベザフィブラート、ゲムフィブラート、プラバスタチン及びフルバスタチンの効果と安全性を検討するオープンラベル無作為化プロスペクティブ試験。12ヶ月以上PI投与を受けている適格患者106例を1年近く追跡したところ、トリグリせライド及びコレステロールの試験開始時からの低下は、フィブラート系で40.7及び21.9%、スタチン系で34.8及び25.2%で、各群間に有意差なし。忍容性良好。
AIDS 17(6):933-935 ,2003 Palacios R (Spain) et al Factors associated with the development of diabetes mellitus in HIV-infected patients on antiretroviral therapy: a case-control study [Correspondence]
[抗ウイルス治療を受けているHIV患者における糖尿病発現に関連する因子:ケースコントロール試験]
抗ウイルス治療を受けている患者における糖尿病発現に関与する薬剤以外の因子を846例で検討したところ、多因子の存在が示唆された。パーソナル及び遺伝学的因子が他のHIV関連因子と同時に存在することが糖尿病発現に貢献していると考えられた。抗ウイルス治療を開始した全例で初期評価及びグルコース代謝の追跡を行うべきで、家族または個人歴のため糖尿病になりやすい体質の場合は特に注意が必要である。
Scandinav J Infect Dis 35(1):62-66,2003 Huynh TK (Denmark) et al Natural history of hyperlactataemia in human immunodeficiency virus-1-infected patients during highly active antiretroviral therapy
[HAART施行中のHIV-1患者における高乳酸血症のナチュラルヒストリー]
848例の患者の乳酸値を1年間測定。高乳酸血症は178例(21%)、要治療変更は7例のみで171例は治療変更の必要なし。試験期間中に20例で乳酸値が上昇したが、軽度だった。263例ついて薬剤との関連性を検討したところ、d4TとRTVで相関性が認められた。症候性は稀で、非症候はしばしば見られたが、概ね良性でアシドーシスに移行しそうもなかった。
AIDS 17(6):921-924,2003 Garc?a-Benayas T (Spain) et al Replacing stavudine by abacavir reduces lactate levels and may improve lipoatrophy [Letter]
[d4TのABCへの切り替えにより乳酸値が低下し、リポアトロフィーが改善する可能性がある]
プロスペクティブケースコントロール試験において、抗ウイルス治療が奏効している患者でd4TからABCへの切り替えによる乳酸値とリポアトロフィーへの影響を検討した。切り替えは安全で、6及び12ヶ月で乳酸値が有意に低下した。リポアトロフィーの改善傾向も見られた。
Wien Klin Wochenschr. 115(3-4):135-140,2003 Koch RO (Austria) et al Acute hepatic failure and lactate acidosis associated with antiretroviral treatment for HIV
[HIV抗ウイルス治療に関連した急性肝不全及び乳酸アシドーシス]
症例報告。d4T+ddIを含む抗ウイルス治療18ヵ月後に重篤な急性膵炎を発症し来院。更に乳酸アシドーシス及び腎不全を伴う急性肝不全を発現、引き続き脳症と大量胸水・腹水を呈した。抗ウイルス薬中止及びICUで完全回復。肝生検で微小水疱脂肪変性及びミトコンドリア障害を示す巨大ミトコンドリアが認められた。
Am J Human Genetic 72(3):549-560, 2003 Martin AM (Australia) et al Accumulation of mitochondrial DNA mutations in human immunodeficiency virus-infected patients treated with nucleoside-analogue reverse-transcriptase inhibitors
[NRTI投与のHIV患者におけるミトコンドリアDNA (mtDNA) 変異の蓄積]
16例の患者でNRTI投与前及び投与6-77ヵ月後に末梢血サンプルを採取し、mtDNAの変化を検討。16例中5例で新規heteroplasmic DNAシーケンス変化の出現に関連するSSCP変化が認められたが、未治療患者では認められなかった。治療開始からmtDNA変化の認められた5例中4例で試験期間中に有意な末梢リポアトロフィーが認められた。mtDNA変化のない治療を受けている1例でも発現。16例中11例でmtDNAレベルを測定したところ、7例で治療後mtDNAレベルが低下。
Acta Cytologica 47(2):183-187,2003 Allen EA (Johns Hopkins HP,USA) et al Cytopathologic findings in breast masses in men with HIV infection
[HIV感染男性における乳房腫瘤の細胞病理学的知見]
2施設での細胞病理ファイルから乳房腫瘤の穿刺吸引細胞診による評価を行ったHIV男性を調査したところ、259例中15例(5.79%)が見つかった(片側13例、両側2例)。全例乳輪後部性、固定性で柔らかかった。細胞診によると、管状及び間質増殖状態で、しばしば病巣細胞異型性及び多数の剥き出しの筋上皮核背景を伴い、女性化乳房を呈していた。13例はIDV,d4T,SQVを含む治療を、2例はAZTのみを受けていた。穿刺吸引細胞診は病理診断、鑑別に有用。
AIDS 17(7):1094-1096,2003 Brew B J (Australia) et al Lactate concentrations distinguish between nucleoside neuropathy and HIV neuropathy [Letter]
[NRTIによるニューロパチーとHIVニューロパチーとの乳酸濃度による鑑別]
血清乳酸値及び血漿HIV量をd4T関連ニューロパチー発現患者20例、HIV関連末梢感覚神経ポリニューロパチー(DSPN)10例、d4T投与でニューロパチー未発現20例及びd4T未投与ニューロパチー未発現23例を対象にプロスペクティブに検討した。上昇した血清乳酸値により、d4T関連ニューロパチーとHIV関連DSPNとが、感受性90%及び特異性90%で鑑別できた。DSPNはウイルス量が検出限界以下にもかかわらず発現し、鑑別を困難にしている。
Clin Infect Dis 36(8):1070-1073,2003 Karras A (France) et al Tenofovir-Related Nephrotoxicity in Human Immunodeficiency Virus-Infected Patients: Three Cases of Renal Failure, Fanconi Syndrome, and Nephrogenic Diabetes Insipidus
[HIV患者におけるTDF関連人毒性:腎不全、ファンコーニ症候群及び腎性尿崩症の3例]
TDFに関連する腎不全、近位尿細管機能障害及び腎性尿崩症の報告。2例で腎生検を行い、特徴的な核変化を伴う重篤な尿細管壊死を認めた。TDF投与患者では尿細管障害の初期徴候(糖尿、アシドーシス、軽度の血漿クレアチニン値上昇および蛋白尿)をきちんとモニターすべきである。
Clin Infect Dis 36(8):1082-1085,2003 Murphy MD (Oregon Hlth Sci Univ, USA) et al Fatal Lactic Acidosis and Acute Renal Failure after Addition of Tenofovir to an Antiretroviral Regimen Containing Didanosine
[ddIを含む治療にTDFを追加後発現した致死性乳酸アシドーシス及び急性腎不全]
症例報告。HIVに安定した慢性腎不全を合併した患者に、ddIを含む治療にTDFを加えたところ、数週間後に急性乏尿性腎不全及び重篤な乳酸アシドーシスを発現し死亡。TDFの急性腎不全への影響は不明だが、進行性の薬剤蓄積及び相互作用によるddI濃度増加によりミトコンドリア障害、乳酸アシドーシスが引き起こされたのかもしれない。
AIDS 17(6):935-937 ,2003 Cr?put C (France) et al Renal lesions in HIV-1-positive patient treated with tenofovir [Correspondence]
[テノフォビル投与のHIV-1患者における腎病変]
症例報告。60歳ホモセクシャル男性、13年前にHIV感染し6度目の治療変更でddI+d4Tに15日間はRTV/ATV併用、その後TDF投与。TDF開始4週後にFanconi症候群と急性腎不全発現。TDFはアニオントランスポーター1を開始近位尿細管細胞に働く。臨床試験で近位尿細管障害は報告されていないが、動物で腎毒性が報告されている。糖尿検査とクレアチニン測定を含む近位尿細管障害発現の調査が推奨される。
HIV Clinical Trial 4(2):115-120, 2003 MartA-n-Carbonero L (Spain) et al Incidence of liver injury after beginning antiretroviral therapy with efavirenz or nevirapine
[EFVまたはNVPを含む治療開始後の肝障害の発現頻度]
NVP及びEFVの肝毒性をレトロスペクティブに比較。対象は298例、肝毒性指標はトランスアミナーゼ正常値5倍以上、追跡期間中央値10ヶ月で検討したところ、肝毒性発現率はNVPで有意に高く(12vs4%)、両群とも投与開始後平均5.5ヶ月で発現。肝障害のリスクファクターはNVP、HCV合併、アルコール依存及び女性だった。
HIV Med 4(2):139-144,2003 Foster R (UK) et al Antiretroviral therapy-induced psychosis: case report and brief review of the literature
[抗ウイルス治療による精神病:症例報告及び文献レビュー]
症例報告。ABC+NVP+コンビビル治療開始薬1ヵ月後に被害妄想を発現、無言、無動、緊張症を伴った。治療中止及び低用量向精神薬開始で改善し、ABCを除いて再投与したが再発はなかった。
HIV Med 4(2):149-150,2003 Rouanet I (France) et al Cushing's syndrome in a patient treated by ritonavir/lopinavir and inhaled fluticasone [Letter]
[RTV/LPV及びフルチカゾン吸入治療を受けた患者におけるクッシング症候群]
患者は重度の喘息のためフルチカゾン吸入を2年間行っていた。ウイルス再増殖のため治療をABC+ddI+RTV/LPVに変更2ヵ月後にクッシング症候群発症、副腎抑制が認められた。フルチカゾンをモンテルカストに変更後改善したため、フルチカゾンとRTV/LPVとの相互作用が疑われた。文献的にフルチカゾンとRTVの併用によるクッシング症候群が4例報告されている。
Clin Nephrol 59(4):267-272, 2003 Seguro AC (Brazil) et al Effects of hypokalemia and hypomagnesemia on zidovudine (AZT) and didanosine (ddI) nephrotoxicity in rats
[ラットにおける低K血症及び低Mg血症のAZT及びddI腎毒性に対する効果]
ラットに低K/Mg非含有食を与え、AZT及びddIの腎機能への影響を検討。普通食ラットではAZT及びddIは腎機能に作用しなかったが、低K食ラットでは両剤ともGFR及び腎血管狭窄による腎血流量を減少し、尿細管機能に関係した。非Mg食ラットではAZT投与群でのみGFR及び腎血流低下が起こった。低K/Mg血症を伴うAIDS患者ではAZT及びddI長期投与により急性腎不全が起こる可能性があり、血清K/Mg値モニターが必要である。

 

副作用2003.3月
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LANCET 361(9358):726-735,2003 HIV Lipodystrophy Case Definition Study Group and Carr A (Austlaria)

An objective case definition of lipodystrophy in HIV-infected adults: a case-control study

『HIV患者におけるリポジストロフィーの客観的症例定義』

32施設で活動的AIDSのない外来患者1,081例が登録。リポジストロフィー症例群(少なくとも1つ以上の中-高度客観的リポジストロフィー像が、リポジストロフィー特異的身体検査と患者への質問によって同定され、更に医師と患者両方に明確な症例)と、それらの症状のないコントロール群、及び不明確群の3群に分けた。年齢、性別、HIV罹病期間、病期、ウエスト/ヒップ比、アニオンギャップ、血清HDLコレステロール濃度、体幹部/末梢脂肪比、脚脂肪%、腹部内/腹部外脂肪比を含むモデルは、リポジストロフィー診断への感受性が79%、特異性が80%だった。臨床のみの判定あるいは臨床と代謝変数のみのモデルでは感受性も特異性も低かった。今回確立した定義により、今後の研究評価や診断が改善されるだろう。リポアトロフィーや脂肪蓄積、リポマトシスについては純粋例が少なく定義モデルは開発できなかった。
Clin Infect Dis 36(7):909-916,2003 Hadigan C (Massachusetts GP,USA) et al Prediction of Coronary Heart Disease Risk in HIV-Infected Patients with Fat Redistribution

『脂肪再分布を呈したHIV患者における心血管疾患リスクの予測』
脂肪分布異常を発現したHIV患者91例の10年間の心疾患リスクを、背景因子の一致するフラミンガムスタディ参加者273例及び脂肪分布非発現のHIV患者90例と比較した。その結果、特に男性で脂肪分布異常発現者のリスクが高かったが、ウエスト/ヒップ比で調整したところリスクの有意差は認められなかった。更に、リポハイパートロフィまたは混合型脂肪再分布を呈した患者と比較し、リポアトロフィ患者で最もリスクが高かった。脂肪再分布パターンと性別が重要因子である。
Clin Infect Dis 36(6):795-802,2003 Nagy GS (Harvard Med Sch,USA) et al Human Immunodeficiency Virus Type 1Related Lipoatrophy and Lipohypertrophy Are Associated with Serum Concentrations of Leptin

『HIV-1関連リポアトロフィー及びリポハイパートロフィーはレプチン血清濃度と関連がある』
6ヶ月以上HAARTを受けリポジストロフィーなし51例、リポアトロフィー23例、混合型リポジストロフィー29例及びリポハイパートロフィー17例を対象にコホート実施。インスリン抵抗性はリポジストロフィーなしの患者と比較し各カテゴリーのリポジストロフィー患者で高かった。レプチン値はリポアトロフィー患者で最も低く、リポハイパートロフィー患者で最も高く、リポジストロフィーなしの患者と有意差が認められた。このコホートでは、レプチン低値がリポアトロフィーを有する患者におけるインスリン抵抗性と独立的に相関していた。
AIDS 17(5):772-774,2003 Badiou S (France) et al Small dense LDL and atherogenic lipid profile in HIV-positive adults: influence of lopinavir/ritonavir-containing regimen [Letter]

『HIV感染成人における小粒子高密度LDL及びアテローム性脂質プロフィール』  
LPV/RTVの脂質に対する影響を検討するため、脂質パラメータ及びLDLサイズをHIV患者24例を対象に治療前後で測定した。試験開始時の小粒子高密度LDL有病率は正常。治療開始1ヵ月後には、TG及びアポリポプロテインCIIIは増加し、LDLサイズは小さくなったことから、アテローム原性の増加が示唆された。
AIDS 17(5):770-772,2003 Calmy A (Switzerland) et al Glitazones in lipodystrophy syndrome induced by highly active antiretroviral therapy [Letter]

『HAARTによるリポジストロフィー症候群に対するグリタゾン剤』
抗糖尿病薬グリタゾン剤は非HIV関連リポジストロフィーにおいて脂肪分布を改善することが知られている。HAARTによるリポジストロフィー患者11例に対しpioglitazoneを11ヶ月投与し安全性と有効性を検討。重篤な副作用なし。体脂肪容量(全体及び足)は有意に増加したが、脂質は変化なかった。更に大規模な試験が推奨される。
New Engl J Med 348(8):702-710,2003 Bozzette SA (Veterans Affairs SD Health
Care System,USA) et al
Cardiovascular and Cerebrovascular Events in Patients Treated for Human Immunodeficiency Virus Infection

『治療を受けたHIV患者における心血管及び脳血管障害』
1993-2001年に治療施設で治療を受けた36,766例の患者を対象にレトロスペクティブ調査を実施。治療内容はNRTI 70.2%,PI 41.6%, NNRTI 25.6%で期間は各17,16,9ヵ月。約1,000例がPI併用療法を48ヶ月以上受け、同数がNNRTI併用療法を24ヶ月以上受けていた。1995年以降、心血管または脳血管障害及び脂肪は減少。各系統薬剤使用と心/脳血管障害のハザードとの関連は認められなかったが、抗ウイルス薬の使用は何らかの理由による脂肪のハザード減少と関連していた。短期では心配の必要はないが、更に長期の検討が必要である。
JAIDS 32(3):298-302,2003 Justman J E (Bronx-Lebanon Hosp C,USA) et al Protease Inhibitor Use and the Incidence of Diabetes Mellitus in a Large Cohort of HIV-Infected Women

『HIV感染女性の大規模コホートにおけるPI使用と糖尿病の発現率』
1994-1998年に1,785例の糖尿病歴のない感染女性を対象に調査。69例で糖尿病発現、PI使用群では年間2.8%に対し、RTI使用及び未治療群では1.2%、HIV非感染群では1.4%。体重増加はPI及びRTI使用と関連性なし。多変量解析によるリスクファクターは、PI使用、年齢及びBMIだった。PI使用者で特に高齢の場合、ルーチンの糖尿病スクリーニングが推奨される。
AIDS 17(4):513-520,2003 Cozzolino M (Washinton Univ Sch Med,USA) et al HIV-protease inhibitors impair vitamin D bioactivation to 1,25-dihydroxyvitamin D

『PIはビタミンDの1,25-ジヒドロキシビタミンDへの活性化を阻害する』
HIV患者では骨障害が問題となるが、メカニズムや治療は明確ではない。PI投与/未治療患者の肝細胞(H3B;25ヒドロキシラーゼ発現)及び単球(THP-1;1α-ヒドロキシラーゼ発現)を用いてビタミンDの活性体生成を検討したところ、PIによる可逆的で用量依存的な活性体合成障害が認められた。マクロファージの1,25(OH)2D3産生減少がPIによる基本作用と考えられた。
Antiv Ther 7(4):239-244, 2002 Vrouenraets SM (Netherlands) et al Hyperlactataemia in HIV-infected patients: the role of NRTI-treatment

『HIV患者における高乳酸血症:NRTI治療の役割』
223例の非症候性HIV患者を対象に、高乳酸血症及びそのリスクファクターを検討。NRTI投与78%、NRTI未投与5%、未治療17%。軽度高乳酸血症(2-5mmol/L)19%、うちNRTI投与90%。リスクファクターは、単/多変量解析でNRTI投与及びALT上昇。薬剤としてはd4T、AZT、併用療法としてはd4T+3TCとの関連が認められた。
JAIDS 32(3):259-267,2003 Puoti M (Italy) et al Severe Hepatotoxicity During Combination Antiretroviral Treatment: Incidence, Liver Histology, and Outcome

『抗ウイルス薬併用療法中の重篤な肝毒性(SH):発現率、肝組織及び転帰』
新たに治療を開始した755例のHIV患者を対象に調査。SHは26例(4.2%)。肝不全は稀(1.1/100例・年)、肝障害は慢性ウイルス肝炎患者で常に認められた。生検施行の16例全例で肝組織悪化が認められた。SH例ではALT上昇とCD4増加が相関(免疫再構築症候群との関連)。死亡7例は全例肝不全及び初期CD4値200未満だった。
Allergie Immunol 34(10):359-360, 2002 Peyriere H et al Chronic cough induced by abacavir apart from a context of hypersensitivity

『過敏症とは異なるABCによる慢性の咳』
症例報告。HIV感染女性でABC投与中に慢性の咳が発現、過敏症を示唆する発熱や皮疹、消化器症状は認められず。ABC投与中止で急速に消失。初めての報告である。