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女性・妊娠・母子感染・小児2003.9月
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
AIDS 17(14):2053-2061,2003 Chenadec J L (France) et al Perinatal antiretroviral treatment and hematopoiesis in HIV-uninfected infants
[周産期抗ウイルス治療とHIV非感染出生児の造血]
AZT母児感染予防投与は出生児貧血を起こすが、さらに持続的造血障害が示唆されている。予防投与(ATZ単剤/併用)+/-のHIV感染母親からの非感染出生児4000人以上を18ヶ月追跡。AZT暴露を受けた新生児ではHgb値が一過性に低下。年齢等を考慮した多変量解析で、それ以外の血小板、好中球、リンパ球(総・CD4+/CD8+)もわずかに低かった。暴露期間と各血球系との間に負の相関を認めた。併用療法では単剤よりも15ヶ月例にわたり血球減少が大きかった。
AIDS 17(14):2089-2098,2003 Bertolli J (CDC, USA) et al Decision analysis to guide choice of interventions to reduce mother-to-child transmission of HIV
[HIV母子感染(MTCT)抑制のための介入の選択のガイドのための決断分析]
MTCT予防として周産期短期AZT投与、出産時及び新生児短期NVP投与、授乳禁止及び早期授乳中止の4手段による子供の死亡の差、授乳児と比較した授乳介入児の死亡リスク比(R)等を検討、R≦1.5では予防投薬+授乳介入が出産時早期死亡抑制に最も効果的。R>1.5及びR>1.9では早期授乳中止と授乳禁止は介入なしより死亡が多かった。授乳禁止と比較した出生後予防投与の比較効果はRの値により差があった。1つの介入がどのRにおいても授乳を介したHIV感染を25%低下させるとすれば、早期授乳中止単独よりも効果的だろう。今回の評価モデルは簡便で地域ごとに適用可能である。
JAIDS 34(1):37-44,2003 Pasquale M P D (Vanderbilt Univ Med C, USA) et al Differences in HIV-1 pol Sequences From Female Genital Tract and Blood During Antiretroviral Therapy
<抗ウイルス治療中の女性の生殖器及び血液のHIV-1polシーケンスの違い>
治療中の女性性器でHIVは増殖しているか、子宮頸内膜は優勢なウイルスソースかどうかを検討。治療失敗患者の膣頸部分泌液及び血漿両者で、薬剤と一致する耐性変異を検出。しかし変異はしばしば両試料で異なり、系統発生学的分析で系統の違いが示され、性器での増殖が示された。膣頸部洗浄液と子宮頸内膜分泌液のウイルスは明確に異なり、子宮頸内膜は膣頸部洗浄液中ウイルスの唯一のソースでないことが示唆された。
J Infect Dis 188(6):850-855,2003 Biggar R?J?(S Africa) et al The Risk of Human Immunodeficiency Virus-1 Infection in Twin Pairs Born to Infected Mothers in Africa
<アフリカの感染した母親から生まれた双子におけるHIV-1感染のリスク>
母子感染のリスクファクターとしての誕生順及び出産経路を、マラウイで1994-1998年に誕生した双子315組で検討。抗ウイルス薬投与なし。子宮内感染は誕生順で差なし。経膣出生児の周産感染も誕生順で差がなく、帝王切開では感染リスクが有意に低かった。

 

女性・妊娠・母子感染・小児2003.8月
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JAIDS 33(5):585-593,2003 Watts DH (Ntl Inst Child Hlth Hum Devlop, USA) et al Progression of HIV Disease Among Women Following Delivery
<出産後の女性におけるHIV病期進行>
AZT+免疫予防薬の母子感染予防試験参加の497女性の出産後12,26,48,78週後の病状を調査。免疫予防薬(高IG vs IG)により病期進行に差なし。HIV RNAは、妊娠時は定常的で、出産後は治療継続にもかかわらず12週まで有意に増加し、その後も徐々に増加した。18ヶ月にわたるCD4割合は出産後AZT継続例と中止例で差なし。出産後無治療と比較したAIDSまたは死亡ハザード比は、単剤治療で0.52、併用療法で0.17、HAARTで0.24。
JAIDS 33(5):608-613,2003 Wilson TE (State Univ NY, USA) et al Contraception Use, Family Planning, and Unprotected Sex: Few Differences Among HIV-Infected and Uninfected Postpartum Women in Four US States
<避妊、家族計画及び無防備セックス:米国4州におけるHIV感染及び非感染の出産後女性におけるわずかな差>
1996-1998年に米国4州の産科クリニックでHIV陽性258例、陰性228例を対象に、出産後24-40週及び6ヶ月にインタビューを実施。6ヵ月後の調査で膣性交78%、妊娠2%。68%がコンドーム使用、うち65%は常時使用。HIV陽性では陰性と比しコンドーム使用報告が高く経口避妊薬使用報告は少なかった。多変量解析で非常時コンドーム使用は出産後アルコール消費、妊娠は一次的感情によるものではないとの回答、もし妊娠したとしたら中絶する意思と関連。1人以上のHIV陽性児を有する陽性女性は陰性女性と比しコンドーム非常時使用の報告が少なかった。両群とも非防御セックスが見られたが、わずかな違いも認められた。出産前あるいは出産後早期のカウンセリングが必要である。
JAIDS 33(5):635-641,2003 European Collaborative Study (UK) Are There Gender and Race Differences in Cellular Immunity Patterns Over Age in Infected and Uninfected Children Born to HIV-Infected Women?
<HIV感染女性から生まれた感染/非感染児における年齢を通じた細胞免疫パターンに性及び種差はあるか>
HIV陰性・陽性児各1,488、186例を対象に、年齢関連免疫マーカー(CD4、CD8、リンパ球数)の性・種差を検討。非感染児では、3マーカーは初期数ヶ月に2度ピークを迎え8歳までに成人レベルに低下、性差は黒人で顕著。感染児では低値で明らかに異なったパターンを示し、性・種差が認められたが、性差は非感染児と逆パターンだった。
AIDS 17(12):1769-1786,2003 Barret B (France) et al Persistent mitochondrial dysfunction in HIV-1-exposed but uninfected infants: clinical screening in a large prospective cohort
<HIV暴露を受け非感染の乳児における持続性ミトコンドリア障害:大規模プロスペクティブコホートにおける臨床的スクリーニング>
HIV陽性の母親からの非感染出生時4,392例中2,644例が母子感染予防抗HIV療法を受け、12例にミトコンドリア障害を認めた。全例に神経障害が見られ、10例でMRI以上が、全例で高乳酸血症が認められた。11例でrespiratory chain complexの1つの明らかな不足が、2例で典型的な病理学的パターンが見られた。全例、出生前に抗HIV薬暴露。ミトコンドリア障害による周産期死亡なし。18ヶ月での発症率は0.26%で、一般人口でのミトコンドリア神経障害発症率0.01%と比し高値。この12例以外もミトコンドリア障害が原因のひとつに考慮される症候群が14例に発症。
AIDS 17(12):1841-1846,2003 Loeff MFS(Gambia) et al Regional differences in HIV trends in The Gambia: results from sentinel surveillance among pregnant women
<ガンビアにおけるHIVトレンドの地域差:妊婦の標識調査の結果>
93-'95の26,670妊婦についての産科サーベイでは、HIV-1/2の有病率は0.6/1.1%。'00-'01に4地区で8,054妊婦を調査したところ、1地区でHIV-1有病率が0.6%から3.0%に急上昇したが、他地域では上昇は小さいか有意ではなかった。HIV-2は有意な上昇なし。'00-'01のHIV-1/2全般有病率は1.0/0.8%。HIV-1感染関連因子は国籍、年齢の高さ、HIV-2はparityの高さと地域だった。
AIDS 17(12):1853-1855,2003 Jo?o EC (Brazil) et al Vertical transmission of HIV in Rio de Janeiro, Brazil
<ブラジル リオデジャネイロにおけるHIV垂直感染>
HIV陽性妊婦297例を'96から'01にかけ追跡コホート。全体の垂直感染率は3.57%で、毎年ほぼ一定。出生時低体重が垂直感染リスクと独立的に相関し、妊娠時の抗ウイルス薬投与期間の長さが感染の低リスクと相関。垂直感染抑制のために、妊婦への早期からの予防投与を勧めるべきである。

 

女性・妊娠・母子感染・小児2003.7月
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
AIDS 17(11):1659-1665,2003 Stringer JSA (Univ Alabama, USA) et al Timing of the maternal drug dose and risk of perinatal HIV transmission in the setting of intrapartum and neonatal single-dose nevirapine
[分娩時及び新生児単回NVP投与時の妊婦投与タイミングと母児感染リスク]
ザンビアの公立産院2施設でのプロスペクティブコホート調査。NVPは分娩時産婦に200mg経口、新生児に24時間以内にシロップ2mg/kg投与。6週目での新生児感染率は11.2%、関連因子はウイルス量中央値以上及びNVP投与から出産まで1時間以下。1時間以内出産例では母親のNVP血中濃度が低かったが、血中濃度100ng/mL未満が以上に比べて感染関与が強いわけではなかった。血中濃度閾値は決定できなかった。
Int J STD AIDS 14(6):404-410,2003 Bhatta MP (Univ Alabama) et al Mother-to-child HIV transmission prevention in Thailand: physician zidovudine use and willingness to provide care
[タイにおける母児感染予防:医師によるAZT使用とケア提供の意思]
1999年にタイの産科医を対象に、HIV妊婦へのAZT投与状況と治療提供意思をメール調査。845回答中、57%がAZT使用、1997年の20%から上昇。中南部では使用が少なく、北部では多かった。AZT不使用に関わる因子は、AZT入手ソースの不知、小規模病院勤務、東/中/南部在住、HIV妊婦への帝王切開施行意思なし、1998年の出生前ケア数100未満及びPACTG-076試験不知だった。HIV妊婦への骨盤内除去術、経膣出産、帝王切開実施の意志なしは各15、29、37%。39%がHIV妊婦の人工妊娠中絶を擁護。HIV母児感染予防投与、HIV妊婦のケアに対する意思は向上しているが、availabilityとaffordabilityがまだ主要な障壁であった。
JAIDS 33(3):393-404,2003 Ng'weshemi J (Tanzania) et al HIV Impact on Mother and Child Mortality in Rural Tanzania
[タンザニア郊外の母子死亡率に対するHIVの影響]
4,273人の母親のHIVデータとそれにリンクした6,049出産児(1994-2001年)のデータを調査。乳児死亡率は母親HIV+で158/1000人、母親HIV-で79/1000人、5歳までの小児死亡リスクはそれぞれ270、135/1000人。母親死亡は51人、うちHIV+は14例で、それらの子供の死亡率は489/1000人、生存している母親の子供の死亡率は84/1000人。母親HIV+の場合の小児死亡ハザード比は2.3で、母親死亡に伴うハザード比は4.8。小児死亡のうちHIVに起因する割合は8.3%。
J Infect Dis 188(3):406-413,2003 Montano M (Harvard Sch Pub Hlth, USA) et al Comparative Prediction of Perinatal Human Immunodeficiency Virus Type 1 Transmission, Using Multiple Virus Load Markers
[多種ウイルス量マーカーを用いた周産期HIV-1感染の比較的予測]
妊婦血中ウイルス量は母子感染に重要な役割を果たしているが、感染例と非感染例の値はしばしばオーバーラップしているので、種々のウイルスマーカーを検討した。ボツワナでの検討で、対照群の母子感染率は35.7%で、血漿HIV RNA値との相関が見られたが、HIV DNA値の方が相関性が高かった。血中HIV DNA値と腟頸管動脈中HIV DNA値を組み合わせると、相関性はさらに高まった。
AIDS 17(11):1667-1674,2003 Yang C (CDC,USA) et al Genetic diversity of HIV-1 in western Kenya: subtype-specific differences in mother-to-child transmission
[西ケニアにおけるHIV-1遺伝学的多様性:母子感染のサブタイプ特異的な差]
妊婦414例中80例が母子感染。感染率はgp41領域又はp24領域のサブタイプAに比べDで高値。103例の母親でサブタイプコンビネーションの不一致が認められ、それらは母子感染率が高値。多変量解析で、サブタイプA/Aと比しD/D,D/A,A/Dで母児感染リスク高値。
AIDS 17(11):1702-1704,2003 Cejtin HE (Cook County HP, USA) et al Effect of hormonal contraceptive use on plasma HIV-1-RNA levels among HIV-infected women
[HIV感染女性における血漿HIV-1-RNA量に対するホルモン避妊薬の効果]
ホルモン避妊薬使用有無でのHIV-1-RNA量及びCD4値に対する影響を検討。ホルモン避妊薬はHIV-1-RNA量に影響しないようだった。避妊薬使用者でCD4の微増が見られたが、臨床的有意性は明らかではない。
AIDS 17(11):1698-1700,2003 Morris L (South Africa, USA) et al Low frequency of the V106M mutation among HIV-1 subtype C-infected pregnant women exposed to nevirapine
[NVP投与を受けたHIV-1サブタイプC感染妊婦における低頻度のV106M変異]
母児感染予防NVP単回投与は一過性変異を誘導することが報告されている。141例の南ア妊婦の調査でNVP投与6週後に5%でV106M変異を認めた。V106MはEFV投与のサブタイプCで見つかった新規の変異である。この変異はNVP単回投与を受けたサブタイプCでも低頻度に誘導された。
AIDS 17(11):1639-1647,2003 Verweel G (UK) et al Nevirapine use in HIV-1-infected children
[HIV-1感染小児におけるNVP使用]
英国において1997-99年にNVP投与を受けた小児74例をレビュー。年齢中央値5.2歳、ウイルス量5.1log、CD4 13.4%。NVP忍容性は良好。12,24,48,96週でウイルス量検出限界以下は30,40,36,33%。PI非投与でNVP300mg/m2/d投与例は96週で60%が検出限界以下だったが、推奨用量投与例では17%のみ。NVP1日1回と2回投与群の転帰は同等。CD4%も有意に上昇。体重及び身長に関するZスコアは96週間中有意に増加。皮疹は20%、うち4例は重篤。SJSなし。推奨用量以上の投与が勧められる。
AIDS 17(11):1631-1638,2003 Ioannidis JPA (Greece) et al Effects of CCR5-Δ32 and CCR2-64I alleles on disease progression of perinatally HIV-1-infected children: an international meta-analysis
[周産期HIV-1感染小児の病期進行に対するCCR5-Δ32及びCCR2-64I対立遺伝子の効果]
10試験での周産期HIV-1感染小児1,317例の遺伝子を調査し、AIDSへの進行、死亡及びAIDS診断後の死亡との関連を検討。病期進行速度は試験により大きく異なっていた。AIDSへの進行に関し、CCR5-Δ32及びCCR2-64Iの両者は全般に非有意な防御傾向を示した。しかし生存分析では有意な時間依存性が認めら、CCR5-Δ32キャリアの防御効果は生後3年までだったが、CCR2-64Iでは生後6年及びそれ以降でも効果が認められた。両者ともAIDS発症後は防御効果は認められなかった。
J Infect Dis 188(2):202-208,2003 Archibald LK (CDC, USA) et al Epidemiology of Bloodstream Infections in a Bacille Calmette-Gu?rinVaccinated Pediatric Population in Malawi
[マラウイのBCGワクチン接種小児における血液感染の疫学]
BCGワクチン接種の小児229例の血液感染(BSI)について調査。BSIは15.3%に見られ、1.5才より大きな小児の30%がHIV感染。主な感染菌は非チフスサルモネラで、結核及びM.bovisは検出されず。栄養不良又は敗血症の診断がBSIの予測因子で、栄養不良は死亡とBSI両方と関連していた。

 

女性・妊娠・母子感染・小児2003.6月
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JAIDS 33(2):153-156,2003 Mirochnick M (Boston Univ Sch Med, USA) et al Predose Infant Nevirapine Concentration With the Two-Dose Intrapartum Neonatal Nevirapine Regimen: Association With Timing of Maternal Intrapartum Nevirapine Dose
[2ドーズの分娩時新生児NVP療法を受けたNVP投与前の乳児におけるNVP濃度:母親の分娩時NVP投与のタイミング]
母親に分娩時NVP投与し、臍帯血及び生後NVP投与48-72時間前の新生児血液を採取。臍帯血NVP濃度は7%の新生児で目標値(100ng/mL)未満。NVP投与前血中濃度は15%の新生児で目標値未満。NVP投与前血中濃度の低い例は、臍帯血濃度が低く、母親への投与から分娩までの時間が短かった。NVP濃度が検出限界以下だった新生児のほとんどが、母親への投与から2時間未満で生まれており、このような例には出生後すぐにNVPを投与すべきである(通常出生48-72時間後に投与)。
JAIDS 33(2):175-183,2003 Poirier M C (NCI, USA) et al Long-Term Mitochondrial Toxicity in HIV-Uninfected Infants Born to HIV-Infected Mothers
[HIV感染女性から生まれた非感染児における長期ミトコンドリア毒性]
HIV陰性女性の出生児20例、未治療HIV陽性女性のHIV陰性出生児10例、AZT投与HIV陽性女性のHIV陰性出生児10例を対象に、臍帯血及び生後1/2年の小児末梢血のmtDNAを検査、核18S RNA遺伝子コピーに対するmtDループ遺伝子コピーの比で評価。全ての測定ポイントで、HIV陽性女性の出生児と陰性女性の出生児とで有意差が見られ、AZT投与女性と非投与女性の出生児でも有意差が見られた。AZT投与により持続的mtDNA枯渇が医こることが示唆された。
JAIDS 33(2):232-238,2003 Dominguez K L () et al Increasing Trend of Cesarean Deliveries in HIV-Infected Women in the United States From 1994 to 2000
[1994-2000年に掛けての米国におけるHIV感染女性における帝王切開出産の増加傾向]
1998年に帝王切開でHIV母児感染が有意に減少するという多変量解析無作為試験の結果が報告された。小児感染関連のPSDコホート(n=6467)及び国内小児HIV/AIDS報告システム(HARS,n=8306)での帝王切開施行を調査したところ、1998年までは20%で横ばい、2000年ではPSDで44%、HARSで50%と増加、帝王切開数は上記試験の発表、4つのPSD試験実施地区での出産、個人医療費返済有及び母親に対する出生前ケア有と関連していた。
AIDS 17(9):1377-1382,2003 Stringer E M (Univ Alabama, USA) et al Prevention of mother-to-child transmission of HIV in Africa: successes and challenges in scaling-up a nevirapine-based program in Lusaka, Zambia
[アフリカにおける母児感染予防:ザンビアLusakaでのNVPベースプログラムの拡大における成功と挑戦]
NVPプログラム導入初年度の費用は$221000、178人の医療者に自発カウンセリング/検査の研修が可能だった。妊婦17,263人がHIVカウンセリングを受け、72%が検査を行い、24%にHIV感染が認められた。その妊婦の57%及び出生児の40%がNVP投与を受けた。少なくとも190人の出生児が感染を免れたと推測される。
AIDS 17(9):1389-1392,2003 Pinto L A () et al HIV inhibitory activity generated by antigen-stimulated cord blood leukocytes [Letter]
[抗原刺激臍帯血白血球により生じたHIV抑制活性]
成人末梢血中白血球はインフルエンザAウイルスまたは同種白血球で刺激するとHIV抑制可溶性因子を産生する。新生児と成人の白血球には免疫学的な差が認められる。臍帯血白血球を調べたところ、抗原刺激後のHIV抑制因子の産生が認められ、HIV垂直感染の宿主防御機序の理解とワクチン補助剤開発の可能性が示唆された。
AIDS 17(10):1493-1501,2003 Leroy V (France) et al Postnatal transmission of HIV-1 after a maternal short-course zidovudine peripartum regimen in West Africa
[西アフリカにおける妊婦への短期AZT出産前投与後の出生後HIV-1感染]
出産前予防投与後の母乳を介した感染を、AZTvsプラセボ比較試験参加者で調査。24ヶ月齢での出生後累積リスクはAZT、プラセボ両群で差なし(9.8、9.1%)。多変量解析で治療の関連は認められず、母体のCD4及びウイルス量の関与が認められた。
AIDS 17(10):1570-1572,2003 Giuliano M (Uganda) et al Selection of resistance mutations in pregnant women receiving zidovudine and lamivudine to prevent HIV perinatal transmission
[周産期HIV伝播予防のためにAZT+3TC投与を受けた妊婦における耐性変異の選択]
母児感染予防AZT+3TC 2レジメンの出産婦での耐性出現を調査。分娩前/分娩中/分娩後投与例では出産後1週間で12%にM184Vが認められ、3ヵ月後は消失した。分娩中/分娩後のみ投与例ではNRTI関連変異は出現しなかった。周産期母児感染リスクとの相関は認められなかった。

 

女性・妊娠・母子感染・小児2003.5月
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JAIDS 33(1):56-65.2003 Buchacz K (Harvard Sch Med, USA) et al Delayed Onset of Pubertal Development in Children and Adolescents With Perinatally Acquired HIV Infection
[周産期HIV感染した小児及び青年における思春期の始まりの遅延]
6-18歳の周産期HIV感染児983例を対象に、思春期徴候についてプロスペクティブに非感染者と比較。年齢等背景因子を調整した多変量解析で、女児では高度免疫抑制のある例で、ない例と比し副腎皮質性思春期及び思春期に入る数が有意に少なく、男児では前者が有意に、後者は少ない傾向が認められた。質的比較によりHIV患児は思春期及び副腎皮質性思春期が遅い可能性が示唆された。
JAIDS 33(1):66-73.2003 Feldman J G (State Univ NY, USA) et al Serum Albumin Is a Powerful Predictor of Survival Among HIV-1-Infected Women
[血清アルブミンはHIV-1感染女性における強力な生存予測因子である]
アルブミン単回検査がHIV-1感染女性の病期特異的マーカー非依存的な生存予測因子であることを報告した。今回一連検査及びHAART開始に先立つ単回アルブミン価に拡大することを検討した。その結果、血清アルブミンはすでに知られている病期マーカーで調整後HIV-1女性の死亡の強力な独立的予測因子であり、臨床モニタリングに有用である可能性が示された。
JAIDS 33(1):74-81.2003 Friis H (Denmark) et al Iron, Haptoglobin Phenotype, and HIV-1 Viral Load: A Cross-Sectional Study Among Pregnant Zimbabwean Women
[鉄、ハプトグロビンフェノタイプ及びHIV-1ウイルス量:ジンバブエの妊婦におけるクロスセクショナル試験]
HIV-1感染妊婦526例を対象に調査したところ、鉄蓄積、Hp2-2及びACT(α1-antichymotripsin)がHIV-1ウイルス量予測因子だった。血清鉄とウイルス量との間の正の相関は急性期反応または進展HIVに伴う鉄蓄積の結果ではなかった。HIV感染において鉄が有害な役割を果たす可能性がある。
AIDS 17(8):1195-1199,2003 Kosel BW (UCSF, USA) et al Pharmacokinetics of nelfinavir and indinavir in HIV-1-infected pregnant women
[HIV-1感染妊婦におけるNFV及びIDV薬物動態]
妊婦ではCYP450活性増加のためPI動態が変化している可能性がある。NFV、IDV、IDV/RTVの妊婦での動態を検討。IDV単独投与例ではAUC上昇、CYP450活性の指標の6β-OHF/F比も上昇。IDVの動態変化はRTV併用で打ち消された。NFVは明確な変化が認められず、バラツキ大。
AIDS 17(8):1239-1242,2003 Temmerman M (Belgium) et al Mother-to-child HIV transmission in resource poor settings: how to improve coverage?
[リソースの乏しい状況下での母児HIV感染:カバー範囲をどのように改善すべきか]
ケニアの産科クリニックでは健康情報の提供後、HIV検査前自発的カウンセリングと検査(VCT)が提供される。自宅出産が多いので、妊婦/出生児用薬剤を渡している。健康情報提供を受けた初診妊婦3564人を調査したところ、71%がカウンセリングを、そのうち97%がHIV検査を受けた。HIV陽性は348例、そのうち106例がNVP服用、全般カバー率は20%。同時期にケニアのCoastProvincialGHでの出産は約6000例、うち21%がVCTを受けた。母児感染予防カバー率は低く、別なモデルを考案する必要がある。
Obstet Gynecol 101(5 Pt 1):982-986,2003 Webber MP (Montefiore Med C, USA) et al Implementation of expedited human immunodeficiency virus testing of women delivering infants in a large New York city hospital
[ニューヨーク大病院における出産中女性のHIV検査促進の実施]
1999年よりNYでは出産中妊婦又は出生児の迅速HIV検査が要求され、出産前に入手可能な検査結果がない場合48時間以内に結果を入手している。2000年11-12月に出産した1,115例について調査したところ、13.6%でこの迅速検査が行われ、HIV陽性なし。迅速検査を受けた女性の27%が周産期にHIV検査を受けたにも関わらず利用されていなかった。迅速検査は96%で48時間以内に結果が得られたが、週末受診者は週日受診者より遅かった。3.3%が出産前に、31.7%出産後12時間以内に得られた。

 

女性・妊娠・母子感染・小児2003.4月
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Clin Infect Dis 36(8):1053-1062,2003 Fawzi WW (Harvard Sch Pub Hlth, USA) et al Effect of Providing Vitamin Supplements to Human Immunodeficiency Virus-Infected, Lactating Mothers on the Child's Morbidity and CD4+ Cell Counts
<乳児の死亡率及びCD4値に対するHIV感染授乳婦へのビタミンサプリメント供給の効果>
タンザニアのHIV-1感染女性患者1078例を対象にサプリメントとしてのビタミンA(ビタミンA+ベータカロチン)あるいは総合ビタミン剤(ビタミンB, C, およびE)を妊娠及び授乳期の間投与し効果を検討。総合ビタミン剤群の出生児は非投与群に比し、下痢のリスクが有意に減少し、CD4値はより高値だった。ビタミンA服用群の出生児では肺炎を疑う呼吸数増加を伴う咳のリスクが有意に減少したが、下痢やCD4値には影響なし。HIV感染授乳婦への総合ビタミン剤補給は新生児の健康を改善する安価な方法と思われる。
AIDS 17(6):867-878,2003 Abrams E J (Columbia Univ, USA) et al Maternal health factors and early pediatric antiretroviral therapy influence the rate of perinatal HIV-1 disease progression in children
<母親の健康因子及び早期出生児抗ウイルス治療は子供の周産期HIV-1病期進行率に影響する>
2,656例の妊婦及び出産婦が試験に登録し、HIV感染児は360例。2歳までのAIDS進行または死亡を検討したところ、多変量解析により、母親の病期がCまたはHIV RNA>10万で子供の病期進行リスクが高かった。年齢が若いほど進行が早かった。未治療患児と比較し、PIまたはNNRTIを含む治療を受けた小児は進行が遅かった。早期からの強力な治療が小児の予後を改善する。
AIDS 17(6):879-886,2003 Brahmbhatt H (John's Hopkins Bloomberg Sch Pub Hlth, USA) et al Child mortality associated with reasons for non-breastfeeding and weaning : is breastfeeding best for HIV-positive mothers?
<非授乳及び離乳の理由に結びつく小児死亡率:授乳がHIV陽性の母親にとって最良か?>
14の発展途上国の調査で非授乳及び授乳終了の理由を検討したところ、自発的に授乳を開始しなかった結果あるいは自発的な授乳中止の結果による小児の死亡率は従来の概算より低く、母児感染予防のための非授乳または授乳終了のリスクに関しHIV陽性の母親をカウンセリングする際にベンチマークとして使用すべきである。
AIDS 17(7):1045-1052,2003 Scotland G S (Scotland) et al A review of studies assessing the costs and consequences of interventions to reduce mother-to-child HIV transmission in sub-Saharan Africa
<サハラ以南アフリカにおける母児感染抑制のためのコスト及び介入の影響を評価する試験のレビュー>
抗ウイルス薬の費用効果を予測するモデリングテクニックを使った9試験をレビュー。試験の比較は、様々な評価変数、試験デザインなどにより困難だった。最も奨励される知見は短期AZT投与とNVP単回投与レジメンだった。これらの知見を一般化することは費用増大により制限される。貧困なサハラ以南では、このような介入提供のためのインフラ強化のコストは、母児感染予防の政策を設立する前に評価される必要がある。
AIDS 17(7):1113-1114,2003 Viani R M (UCSD) et al HIV prevalence during pregnancy in Tijuana, Baja California, Mexico [Correspondence]
<メキシコのティファナ、バハカリフォルニアにおける妊婦のHIV有病率>
1998-2001年の4年間に調査したところ、妊婦のHIV有病率は全体で0.54%で、年々増加していた。
JAIDS 32(5):477-481.2003 Agbaria R (Belgium) et al Phosphorylation of 3`-Azidothymidine in Maternal and Fetal Peripheral Blood Mononuclear Cells During Gestation and at Term
<妊娠中及び出産時の母児PBMCにおける3'-AZTのリン酸化>
HIV陰性妊婦の出生児に採取した末梢静脈血のPBMC、及び出生直後に採取した臍帯から幼児のPBMCを分離、また妊娠14-21週に母児のPBMCと羊膜細胞を採取。AZTとインキュベートしAZTリン酸体を測定。胎児のPBMCではAZTの活性化代謝は充分だった。分娩時及び妊娠17-21週の母親及び胎児のリン酸化レベルに有意差はなかった。AZT一リン酸が主な代謝物で羊膜でのリン酸化レベルは母児PBMCの7倍程高かった。妊娠期間及び分娩時で胎児PBMCでは母親と同じようにAZTを取り込み活性代謝物を産生することが示唆された。
JAIDS 32(5):506-513.2003 Stringer J S A (Univ Alabama, USA) et al Comparison of Two Strategies for Administering Nevirapine to Prevent Perinatal HIV Transmission in High-Prevalence, Resource-Poor Settings
<有病率が高くリソースの乏しい状況でのHIV母児感染予防に対するNVP投与に関する2つのストラテジーの比較>
リソースが乏しく有病率の高い状況下では、universal-NVP治療(HIV検査なしでの薬剤供給)がtargeted-NVP治療(自発的カウンセリング/検査 (VCT)により同定された患者に対する薬剤供給)より優れると報告されている。2施設で2方法のクロスオーバー試験を行った。妊婦受容性は全体で67%、U法で71%、T法で64%。両施設でU法の受容率は差がなかったが、T法には差が見られた。受容性は、T法よりむしろU法を提供された経験、T法受容の高かった施設での受診率及び以前に流産/死産の経験ありと関連があった。非アドヒアランスはU法で39%、T法では26%で、U法への参加及び無学と関連していた。充分なVCTの行われた状況下では受容性はU法/T法で同等。しかしVCTの機能の乏しい施設ではU法の方が受容が高かった。HIV感染有無を知らない女性ではアドヒアランスが低かった。女性の状況に応じて方法を選択する必要がある。
JAIDS 32(5):560-569.2003 Villamor E (Harvard Sch Pub Hlth, USA) et al Pattern and Predictors of Weight Gain During Pregnancy Among HIV-1-Infected Women from Tanzania
<タンザニアのHIV-1感染女性における妊娠時体重増加のパターンと予測因子>
妊娠期の体重増加は母児の予後に強く関連する。タンザニアのHIV妊婦957例で検討したところ、体重増加の割合は妊娠中に進行的に減少した。妊娠12から38週の間に上腕三頭筋部周囲長(MUAC)は平均1cm減少した。第3トリメスターにおける体重減少は低教育レベル及び寄生虫感染と関連していた。第2トリメスターにおける体重増加率の低下には登録時MUAC高値、家族収入へのcontributingなし、血清レチノール及びセレニウム濃度低値、HIV病期進行及びマラリア感染が関連していた。登録時CD4低値は妊娠全体の乏しい体重増加パターンと関連していた。寄生虫感染の予防と治療及び栄養状態の改善がHIV感染女性の妊娠中体重増加パターンを改善すると考えられる。

 

女性・妊娠・母子感染・小児2003.3月
書誌事項・ソース・リンク
報告者
タイトル
サマリー
AIDS 17(4):585-594,2003 Ayisi J G (Keny) et al The effect of dual infection with HIV and malaria on pregnancy outcome in western Kenya
『ケニア西部における出産に対するHIV及びマラリア重感染の影響』
1996-1999年の出産2466件について調査したところ、妊婦のHIV陽性は24.3%、出産時マラリア感染22.0%だった。低体重児、早産、子宮内成長遅延(IUGR)、母親の貧血が各4.6,6.7,9.8,13.8%。マラリア感染無のHIV感染で出生児の体重は99g減少。マラリアはIUGR及び早産と関連し、初妊婦出生児は母がHIV陰性で145g、陽性で206gの体重減少が認められたが、多産婦では認められなかった。HIVとマラリア両者は出産後の母親の貧血の有意なリスクファクターであり、HIV陽性のマラリア感染者はHIV陰性のマラリア感染者または非マラリア感染者と比較し貧血リスクは2倍と考えられた。
AIDS 17(4):595-604,2003 Eijk A M (Kenya) et al HIV increases the risk of malaria in women of all gravidities in Kisumu, Kenya
『ケニアKisumuにいてHIVは経産婦のマラリアリスクを増加する』
第三トリメスターの妊婦5,093人を対象にHIV及びマラリアの検査を実施、陽性率は各20.1,24.9%。当該施設で出産した2,502人中、HIV、寄生虫血症、胎盤マラリアは24..5,15.2,19.0%。HIV陽性者では寄生虫血症が多く、寄生虫濃度が高く、寄生虫血症時の発熱が多かった。HIV陽性で胎盤感染の女性は慢性で中-高度色素沈着の徴候が多かった。HIVに起因するマラリア重感染は初妊婦34.6%、2回目出産41.5%、3回以上50.7%と上昇する。
AIDS 17(4):605-612,2003 Johnson K M (Univ Washington,USA) et al Sexual networks of pregnant women with and without HIV infection
『HIV感染有/無の妊婦における性的ネットワーク』
ペルーのマタニティクリニック受診妊婦を対象に、HIVと性ネットワークの関連を調査。HIV陽性妊婦のリスク行動は少なかったが、彼女らのパートナーの79%がHIV陽性。パートナーのリスクファクターは女性セックスワーカーまたは同性愛男性との接触。二/三次的ネットワークまで調査したところ、一夫一婦制の女性でも大きな性的ネットワークの存在が明らかとなった。
AIDS 17(4):613-618,2003 Alarcon J O (Peru) et al Determinants and prevalence of HIV infection in pregnant Peruvian women
『ペルー人妊婦におけるHIV感染の決定因子及び有病率』
ペルーで1996-1997年に妊婦12,436人を対象に調査。抗体陽性は0.5%、既婚者は22.6%のみ、2人以上のパートナーを有していたHIV陽性妊婦は12%のみ。多変量解析で、短期の付き合い、女性自身の2つのリスク行動(低年齢の初交、過去のパートナー多数)パートナーの2つのリスク行動(womanizer女性化及び不法薬物使用)認知、不十分な出産前ケア、更に4つのリスクがHIV感染と関連があった。
Clin Infect Dis 36(7)922-924,2003 Chakraborty R (UK) et al Viral Coinfections among African Children Infected with Human Immunodeficiency Virus Type 1
『HIV-1感染のアフリカの小児におけるウイルス感染合併』
ケニアの都市に居住のHIV感染児でCMV、HTLV-1,2、KSHV及びHBV,HCV,HGV合併を検査。全例CMVを合併していたが、HGVは5%、KSHVは15%だった。HGVの防御的役割は除外出来ないが、HIV-14感染患児への影響は少ないと考えられる。
J Infect Dis 187(5):725-735,2003 Moodley D (South Africa) et al A Multicenter Randomized Controlled Trial of Nevirapine Versus a Combination of Zidovudine and Lamivudine to Reduce Intrapartum and Early Postpartum Mother-to-Child Transmission of Human Immunodeficiency Virus Type 1
『HIV-1の子宮内及び産後初期の母児感染抑制のためのNVPとAZT+3TCとの多施設無作為割付コントロール試験』
分娩から産後初期の母子HIV-1感染減少に対する短期間NVP単独及びAZT+3TCの多施設オープン比較試験を実施。対象は南アフリカの公的病院11施設を受診した妊婦。72時間以内(子宮内)の感染を除く、生後8週間の新生児における新たなHIV-1感染はNVP群及びAZT+3TC群で各5.7%、3.6%。母子ともに薬剤による重大な副作用はみられず、発展途上国においては、母子感染率を低下させる上で、短期間の抗ウイルス療法は有効で安全であることが確認された。
J Infect Dis 187(5):736-740,2003 Richardson BA (Kenya) et al Breast-Milk Infectivity in Human Immunodeficiency Virus Type 1Infected Mothers
『HIV-1感染の母親における母乳感染性』
HIV-1感染女性の出生児358例を対象に、母乳哺育1日当たり及び母乳1リットル当たりの母乳を介したHIV-1感染を検討。新生児52例に母乳を介した感染が考えられた。母乳感染率は摂取母乳1リットル当たり0.00064、母乳哺育1日当たり.00028。この新生児が摂取した母乳1リットルあたりのHIV-1感染の可能性は異性間無防備性行為1回当たりのHIV-1感染率と同程度であった。母乳感染性は病気が進行した母親ほど著明に高かった。
J Infect Dis 187(5):741-747,2003 Rousseau CM (Fred Hutchinson Cancer Res C,USA) et al Longitudinal Analysis of Human Immunodeficiency Virus Type 1 RNA in Breast Milk and of Its Relationship to Infant Infection and Maternal Disease
『乳汁中HIV-1 RNA及びその新生児への感染と母体疾患への関連に関する縦断分析』
母乳中HIV-1量の経時的変動及び母子感染への関連について、抗ウイルス治療非施行のHIV感染妊婦275例を母乳哺育群と人工栄養乳哺育群に割り付け出産後2年間検討。母親の血漿中ウイルス量が高いほど、CD4値が低いほど、また生殖器分泌中にHIV-1DNAの検出される場合は、母乳中ウイルス量が増加しており著しい関連性が認められた。母乳哺育群の初乳/授乳初期乳汁は、出産14日後までよりウイルス量が有意に高値。新生児感染のあった母乳哺育群の母親は感染のない群と比べ、授乳期乳汁中ウイルス量は有意に高く、また一貫してより多くのウイルス排出がみられた。本試験の結果, 母乳哺育による新生児感染の危険性は出産後初期に最大となる母乳中のウイルス量に影響されることが示された。
JAIDS 32(4):380-387,2003 European Collaborative Study (UK) Exposure to Antiretroviral Therapy in Utero or Early Life: the Health of Uninfected Children Born to HIV-Infected Women
『子宮内または出生後早期の抗ウイルス治療への曝露:HIV感染女性から生まれた非感染児の健康』
HIV感染女性からの非感染出生児2,414人の健康を追跡(中央値2.2年、最長15.9年)。その結果、抗ウイルス薬曝露と先天異常または出生児低体重との間には関連は認められなかった。多変量解析では未熟が併用療法曝露と関連していた。また出生後早期の貧血が抗ウイルス薬曝露と関連していた。ミトコンドリア障害を示唆する臨床徴候との関連は認められず、重篤な副作用もなく、短-中期抗ウイルス薬投与は安全であった。
JAIDS 32(4):370-374,2003 Shiramizu B (Univ South California,USA) et al Placenta and Cord Blood Mitochondrial DNA Toxicity in HIV-Infected Women Receiving Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors During Pregnancy
『妊娠中NTRI投与を受けたHIV感染女性における胎盤及び臍帯血中ミトコンドリアDNA毒性』
HIV感染(垂直感染予防NRTI投与)及びHIV非感染の女性の出産直後の胎盤及び臍帯血を採取しミトコンドリアDNA(mtDNA)を定量したところ、HIV感染女性では有意に少なかった。
AIDS 17(5):673-678,2003 Chakraborty R (UK) et al Persistent non-gastrointestinal metabolic acidosis in pediatric HIV-1 infection
『HIV-1感染児における非消化管性代謝性アシドーシスの持続』
HIV-1感染児202例をレビューしたところ、34例に持続性アシドーシスが認められ、うち16例ではSAG(血清アニオンギャップ)が上昇(1A群)、18例ではSAG正常でUAG(尿中アニオンギャップ)陽性(1B群)だった。アシドーシス群はカリニ肺炎予防薬投与例が多く、非アシドーシス群と比較し身長が有意に低かったが体重は同等。アシドーシス群では免疫不全が大きかった。
AIDS 17(5):779-780,2003 Boniotto M (Brazil) et al MBL2 polymorphisms are involved in HIV-1 infection in Brazilian perinatally infected children [Correspondence]
『MBL2多型がブラジルの母親から感染した小児のHIV-1に認められる』
ブラジルの3-8歳のHIV-1感染児114例を対象に、先天性免疫に対する重要なエフェクターであるMBPと呼ばれるレクチンをエンコードするMBL2の多型の出現頻度を検討。対立遺伝子0の頻度は感染児で有意に高かった。MBP低値はHIV-1垂直感染の重要なリスクファクターである可能性さ示唆された。
Pediatr Infect Dis J. 22(3):216-224,2003 Saez-Llorens X et al Forty-eight-week evaluation of lopinavir/ritonavir, a new protease inhibitor, in human immunodeficiency virus-infected children
『HIV感染患児における新規PI、LPV/RTVの48週評価』
未治療、抗ウイルス薬投与及びNNRTI未投与の6ヵ月-12歳の小児を対照としたオープンラベル多施設phaseI/II試験の報告。LPV/RTV 230/57.5mgまたは300/75mg BID投与、未治療群はd4T+3TCを、既治療群はNVP+NRTI1-2剤を併用。LPV薬物動態は体表面積あたりの投与量計算で年齢に非依存的だったが、NVP併用で低下した。48週でのウイルス量<400コピーは79%(ITT)、CD4増加は未治療群404、期治療群284cells/mL。副作用による試験中止は1例のみ。小児に対し持続的な効果と安全性が確認された。
Pediatr Infect Dis J. 22(1):48-55, 2003 Litalien C (France) et al Pharmacokinetics of nelfinavir and its active metabolite, hydroxy-tert-butylamide, in infants perinatally infected with human immunodeficiency virus type 1
『HIV-1周産期感染した乳児におけるNFV及び活性代謝物の動態』
2.3-8.5ヶ月の垂直感染乳児14例を対象に、NFV及びその活性代謝物M8の定常期濃度を検討したところ、乳児では年長の小児や成人と比較しCmaxやAUCが低かった。