HIV/AIDS関連文献情報
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耐性2005.4月
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JAIDS38(5):545-552,2005 Descamps, D et al French National Sentinel Survey of Antiretroviral Drug Resistance in Patients With HIV-1 Primary Infection and in Antiretroviral-Naive Chronically Infected Patients in 2001-2002.
<HIV-1一次感染者および抗レトロウイルス薬未経験慢性感染者における、抗レトロウイルス薬薬剤耐性に関するフランス国内センチネルサーべイ(2001-2002)>
HIV-1一次感染者(303名)および抗レトロウイルス薬未経験慢性感染者(363名)において、抗レトロウイルス薬遺伝子型薬剤耐性の出現率および非Bサブタイプ罹患率を調査した(フランス)。2001-2002年の期間、未治療患者でのHIV-1耐性出現率は以前の調査に比較し有意に高いものではなかったが、非Bサブタイプの罹患率は増大し、急性感染者の24%(1999-2000年;19%)、慢性感染者の33.2%(1998年;10%)が非BサブタイプHIV-1株を有した。
AIDS19(6):630-632,2005 Wirden, M et al Clonal analyses of HIV quasispecies in patients harbouring plasma genotype with K65R mutation associated with thymidine analogue mutations or L74V substitution.
<チミジン類似体変異またはL74V置換に関連した血漿遺伝子型K65R変異を持つ患者におけるHIV準種のクローン解析>
(手紙)血漿遺伝子型検査でチミジン類似体変異(TAM)またはL74V置換を伴うK65R変異を有する患者において、HIV準種のクローン解析を実施した。K65RとTAM(M41L、D67N、T215Y/D、L210W、K219Eなど)は同一ウイルスに提示されることが示された。K65RとL74V置換双方が認められたクローンは皆無。さらに、S68GとV75I変異は必ずしもK65Rに関連してはおらず、それら自体の特異な耐性効果を有する可能性がある。
AIDS19(7):653-661,2005 Schenal, M et al Distinct patterns of HIV-specific memory T lymphocytes in HIV-exposed uninfected individuals and in HIV-infected patients.
<HIV曝露非感染者およびHIV感染者におけるHIV特異記憶Tリンパ球の明瞭なパターン>
HIV曝露非感染者とHIV感染者において、HIV特異記憶Tリンパ球のパターンが異なるのか検証した。観察から、HIV曝露非感染者において非感染細胞と中枢記憶(CM)とが非対称的であり、ハイリスクのセロネガティブ者への曝露がCM/効果記憶比を変化させるほどに大きいことを示唆。後期エフェクターおよびナチュラルキラー細胞の増大をHIV曝露非感染者で認め、感染予防に関してこうした細胞の役割が示唆される。
AIDS19(7):731-733,2005 Johnston, E et al Panel of prototypical infectious molecular HIV-1 clones containing multiple nucleoside reverse transcriptase inhibitor resistance mutations.
<多数の核酸系逆転写酵素阻害薬耐性変異を含む感染性分子HIV-1クローンのプロトタイプのパネル>
(手紙)個々の核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)への耐性に関わる逆転写酵素変異の共通パターンを含むHIV-1組換え体感染性クローンのパネルを作成し、米国公衆衛生研究所AIDS Research and Reference Reagent Programmeに提出した。新たな抗レトロウイルス製剤の活性をこの薬剤耐性クローンのパネルに対して試験することで、多くのNRTI耐性ウイルスへの相対的活性を同定可能。

耐性2005.2月
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AIDS19(2):119-126,2005 Tee, K K et al Body Composition and Metabolic Changes in Antiretroviral-Naive Patients Randomized to Didanosine and Stavudine vs. Abacavir and Lamivudine.
<ジダノシンとスタブジンvs アバカビルとラミブジンに無作為化した抗レトロウイルス療法未経験患者における体型と代謝変化>
HIV-1の分子疫学を研究し、クアラランプールでのインターサブタイプ組換え体の出現をスクリーンした。結果、プロテアーゼ遺伝子および逆転写酵素遺伝子はサブタイプ/CRFの評価に有用であると考えられる。CRF01_AE/Bインターサブタイプ組換え体が出現し(罹患率22%)、クアラランプールで新たな組換え体が蔓延している可能性を示唆。
AIDS19(2):218-219,2005 Schake, D et al Molecular significance of tipranavir related codon 33 protease gene mutations.
<Tipranavir関連コドン33プロテアーゼ遺伝子変異の分子的重要性>
(手紙)L33Fはプロテアーゼ阻害薬耐性の原因となるプロテアーゼ関連変異の1つであるとの報告がある。Tipranavirはin vitroで主としてI84VとともにL33Fを選択し、結果in vivoでL33F/I/Vが出現する。Tipranavirへの感受性の喪失に33位での変異が主な役割を有する可能性について考察した結果、33位で発生したロイシンの変化はI84Vとともに、プロテアーゼでのtipranavir結合を低減するというよりも、むしろプロテアーゼの自己分解を防御するものと思われる。

耐性2005.1月
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AIDS18(18):2437- Heggelund, L et al Soluble toll-like receptor 2 in HIV infection: association with disease progression.
<HIV感染における可溶性トール様レセプタ2:疾患進展との関連>
(手紙)可溶性トール様(toll-like)レセプタ2(sTLR2)の血清レベルが低いAIDS患者と、健康コントロールおよびHIV感染低進展患者とを比較。経時的検査期間中、sTLR2レベルは感染非進展者に比し感染進展者で比較的低レベルで安定。sTLR2レベルとCD4/CD8T細胞数またはウイルス量との間に相関は皆無。観察結果は、sTLR2レベルが主に構成的に決定され、HIV感染の病因においてsTLR2が役割を有する可能性を示唆。
AIDS19(1):35-43 Lisziewicz, J et al Control of viral rebound through therapeutic immunization with DermaVir.
<DermaVirでの治療免疫法によるウイルスのリバウンドのコントロール>
局所的DNAベース治療免疫法(局所新型ワクチンDermaVir使用)を慢性SIV感染マカクで単独および抗レトロウイルス薬併用で試験したところ、免疫不全宿主においてさえ治療免疫法の実行性が示唆され、DermaVirがHIV-1複製抑制維持のため抗レトロウイルス薬を補完できることも示唆された。
AIDS19(1):53-61,2005 Thiebaut, R et al Immunological markers after long-term treatment interruption in chronically HIV-1 infected patients with CD4 cell count above 400 X 106 cells/l.
<CD4細胞数400 x 106個/Lを上回る慢性HIV-1感染患者における長期治療中断後の免疫学的マーカ>
CD4陽性Tリンパ球数(CD4数)の変化に関連した免疫学的マーカを治療中断後12カ月間の追跡調査においてCD4数400 x 106個/Lを上回る慢性HIV-1感染患者で解析したところ、結果は、CD4数最低値を治療中断後のCD4数の変化予測に利用することを支持するもので、さらに治療中断後1カ月のCD4数(の検討)では単に12カ月間のCD4数レベルが反映されるにすぎないことも支持された。

耐性2004.12月
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JAIDS37(5):1570-1573,2004 Pao, D et al Long-Term Persistence of Primary Genotypic Resistance After HIV-1 Seroconversion.
<HIV-1血清変換後の一次遺伝子型耐性の長期持続>
(短報)薬剤耐性ウイルス感染患者を追跡し、耐性関連変異の持続性を検証したところ(14名の患者を3年間追跡)、ある種の耐性関連変異(特に逆転写酵素中のM41L、T69N、K103N、T215変異株および多剤耐性)は高度に安定し変化しにくいことを観察した。「一次耐性発生の可能性のある地域での全ての新規AIDS診断は、血清変換日の判明/非判明に関わらず遺伝子型タイピングを実施すべきである」とした推奨が本データから支持される。

耐性2004.11月
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AIDS18(16):2153-2161,2004 Panidou E T et al Limited benefit of antiretroviral resistance testing in treatment-experienced patients: a meta-analysis.
治療経験患者では抗レトロウイルス薬剤耐性試験によるベネフィットは限定的:メタアナリシス
各種薬剤耐性試験評価を利用した治療を対照群(薬剤耐性試験評価非実施群)と比較した臨床試験10件(患者総数2258名)のメタアナリシスを行い、治療経験HIV-1感染患者管理における薬剤耐性評価の有用性を検証した。遺伝子型抗レトロウイルス薬剤耐性試験(GART)を利用した治療では、3カ月および6カ月時点でウイルス量検出限界以下を達成した患者割合が対照群に比べ11%増大。しかしCD4細胞数の改善はいずれの時点でも観察しなかった。表現型抗レトロウイルス薬剤耐性試験(PART)を利用した治療では、対照群に比べ明確なベネフィットは認めなかった。バーチャルPART (vPART)では間接的比較で対照群に比べわずかなベネフィットを認めた。現行ガイドラインでは抗レトロウイルス薬剤耐性試験評価を実地臨床で利用することを幅広く推奨しているが、こうしたエビデンスが示すものとはその影響の程度において一致したものではない。
AIDS18(16):2205-2208,2004 Gianotti N et al Impact of a treatment including tenofovir plus didanosine on the selection of the 65R mutation in highly drug-experienced HIV-infected patients.
薬剤経験豊富なHIV感染患者において、ジダノシン併用テノフォビル治療が65R変異選択に及ぼす影響
(手紙)救済レジメンの一環としてジダノシンに併用してテノホビルを服薬した薬剤経験豊富なHIV感染患者20名におけるデータを解析。ベースライン時、1名を除く全患者に最低1つのヌクレオシド除去変異(NEM)を有するウイルスを確認し、13名(65%)では3つ以上のNEMが検知可能であった。治療中央値26週後、2名の患者(10%)で65R変異が選択された。こうした結果はNEMが65R変異の選択を阻害するとした仮説を支持するものであった。

耐性2004.10月
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JAIDS37(3):1340-1350,2004 McColl, D J et al Patterns of Resistance Emerging in HIV-1 From Antiretroviral-Experienced Patients Undergoing Intensification Therapy With Tenofovir Disoproxil Fumarate.
<フマル酸テノホビル ディソプロキシルを用いた強化療法を受療する抗レトロウイルス療法経験患者から分離したHIV-1に出現する耐性パターン>
48週間の強化療法試験で、抗レトロウイルス療法経験患者に既存のレジメンに加えフマル酸テノホビル ディソプロキシル(tenofovir DF)300mgを1日1回投与して、HIV-1耐性出現パターンとそれに対応するウイルス学的応答を評価した。プラセボ対照群に比べ、テノホビルDF群の患者では全クラスのHIV-1阻害薬に対して耐性変異の出現度合が低下し、新規プロテアーゼ阻害薬(PI)関連変異の低下においては統計的有意性が認められた。K65R変異が8名の患者(3%)に出現したが、これが唯一直接的テノホビルDF関連の変異。テノホビルに対する遺伝子型および表現型耐性の新たなパターンは皆無。
AIDS18(15):2019-2028,2004 Fikkert, V et al Multiple mutations in human immunodeficiency virus-1 integrase confer resistance to the clinical trial drug S-1360.
<HIV-1インテグラーゼの複数変異は治検薬S-1360に対し耐性を賦与>
初のHIV-1インテグラーゼ鎖伝達阻害薬ですでに臨床開発段階に入っている、ジケト類似体S-1360に対するHIV-1耐性発現を研究。複数変異がインテグラーゼの触媒ドメインに選択過程で順次発現した。これらにはT66IとL74Mがあり、両者ともジケト酸L-708、906への耐性に関連。S-1360存在下での30、50、70回の継代後IIIB/S-1360resはそれぞれ、4倍、8倍、62倍以上の感受性低下を示した。L-708、906への表現型交叉耐性は50回の継代中に選択されたIIIB/S-1360res株に対しては弱かったが、70回の継代中に選択された株に対しては甚大。興味深いことにはすべてのIIIB/S-1360res株が、インテグラーゼDNA結合阻害薬であるピラノジピリミジンV-165に対して完全な感受性を維持。インテグラーゼ-キメラウイルス技術で変異体のインテグラーゼ遺伝子を野生型に組入れた組換え体では、IIIB/S-1360res株の耐性プロフィールが完全に再現された。
AIDS18(15):2094-2096,2004 Valer, L et al Predictors of selection of K65R: tenofovir use and lack of thymidine analogue mutations.
<K65R選択の予測因子:テノホビル使用とチミジン類似体変異の不在>
(手紙)過去5年間にわたり、HIV感染患者1846名の薬剤耐性試験を行った。K65Rは、抗レトロウイルス薬未経験被験者216名では皆無であったが、経験患者1630名中53名で観察し(3.3%)、これら53名中10名はテノホビル暴露経験はなかった。K65Rの発生割合は1999年の0.6%から2004年には11.5%に増大。K65Rはチミジン類似体変異の存在に負の相関、Q151Mに正の相関を有する。

 

耐性2004.8月
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AIDS18(12):11-19,2004 C-S F, et al Identification of the minimal conserved structure of HIV-1 protease in the presence and absence of drug pressure.
薬剤圧の有無におけるHIV-1プロテアーゼの最小保存構造の同定
薬理学的圧力の有無における in vivo でのアミノ酸プロテアーゼ(PR)の保存度合を、HIV-1感染患者1096名(薬剤治療未経験457名/PR阻害薬を含む抗レトロウイルス療法受療中639名)から血漿誘導完全タンパクPR配列を入手し同定した。未治療患者では99残渣中68(69%)でPR配列が保存され、PR阻害薬治療患者では主に薬剤耐性に関連した変異出現でアミノ酸不変の度合は 99残渣中45(45%保存)に低下。未治療患者のPR配列と比較したPR阻害薬治療患者の全体的な酵素保存度合については、N-およびC-末端領域では維持されていたが、一方、未治療患者で観察したその他の大きな保存領域はより小さなドメインに低下した。結果、HIV PRにおいてアミノ酸は99残渣中最低45(45%保存)が保存。二量体の安定性、タンパク質のフレキシビリティ、触媒作用活性に重要な役割を持つこうした不変残渣の同定および三次元的酵素構造のマッピングは、新たな耐性回避薬剤における開発上の指標となると思われる。
AIDS18(12):1653-1660,2004 Brenner B, et al Persistence of multidrug-resistant HIV-1 in primary infection leading to superinfection.
一次感染における多剤耐性HIV-1の持続で重複感染がもたらされる
HIV-1一次感染研究で患者31名を登録し、流行ウイルス準種の遺伝子型変化を1.5?7年間評価した。野生型(WT;n=15)/薬剤耐性(n=10)/多剤耐性(MDR;n=6)ウイルスのHIV-1一次感染患者において、準種は感染ルートとは無関係に1.5年以上ほとんど出現せず。感染した耐性変異(184V以外)は2-7年持続。2名でMDRが持続し、彼らのパートナーでのMDR感染が治療中断で急速にWTに復帰したのと対照的であった。低レベルのウイルス血症を示す1名のMDR感染者では、別なパートナーからの第二の異種MDR株の再感染後、元来のMDR感染が一掃された。感染源およびインデックスパートナーの系統発生的およびクローン解析から重複感染を確認。双方のMDR種が、感染源パートナーから分離した異種WT株に比較して、約13倍の複製力低下を示した。
AIDS18(12):1683-1689,2004 Barbour J D, et al Persistence of primary drug resistance among recently HIV-1 infected adults.
HIV-1 早期感染成人における一次薬剤耐性の持続
(短報)未治療患者で、一次薬剤耐性が急速に消失し、ウイルスの pol 複製能力が増大するかを、22名の早期HIV-1感染患者で検証。6名の患者が最低1クラスの薬剤に対する一次薬剤耐性のエビデンスを有した(プロテアーゼ阻害薬耐性3名、非核酸系逆転写酵素阻害薬耐性3名、核酸系逆転写酵素阻害薬耐性4名)。観察期間中6名の患者全員が薬剤耐性のエビデンスを維持。ベースライン時一次薬剤耐性を有する患者では pol 複製能力が長期間増大しなかった。治療中断で急速に増殖する二次耐性感染とは異なり、一次薬剤耐性は長期間持続し、感染当初1年間はサーベイランスおよび臨床的検知が可能と思われる。
AIDS18(12):1691-1696,2004 Ross L, et al Phenotypic impact of HIV reverse transcriptase M184I/V mutations in combination with single thymidine analog mutations on nucleoside reverse transcriptase inhibitor resistance.
HIV逆転写酵素M184I/V変異が単一のチミジン類似体変異と合同し核酸系逆転写酵素阻害薬耐性に及ぼす表現型の影響
(短報)M184I/V変異と個々のチミジン関連変異(TAM)が核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)の表現型感受性に及ぼす影響を分析し、結果を民間および公共アルゴリズムを用いて得られたものと比較した。結果、in vitro では個々のTAMはNRTI耐性に同等の影響をほとんど及ぼさなかった。M184I/V変異の存在下で、TAMがあるにも関わらず、ジドブジン、スタブジン、テノフォビルなどの薬剤への再感作を観察した。ジダノシンおよびアバカビルにおいては、M184 V変異と単一TAMの存在で、薬剤感受性低下に関連したフォールド変化増大という結果には至らなかった。これら変異の影響および観察された表現型データは、民間および公共アルゴリズムを用いた解析とは不一致。

耐性2004.7月
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AIDS 18(10):1393-1401,2004 Richman D D, et al The prevalence of antiretroviral drug resistance in the United States.
<米国における抗レトロウイルス薬剤耐性の罹患率>
米国でHIV治療中の成人集団におけるHIV薬剤耐性の罹患率を検証した。ターゲット集団の132500名(63%)が500コピー/mL以上のHIVウイルス血症を有し、ウイルス血症を有する患者の内76%が1種類以上の抗レトロウイルス薬に耐性を持つと推定された。自己申告で、抗レトロウイルス薬使用歴および進展したHIV疾患を有し、血漿中HIVウイルス量がより高く、CD4細胞数が最も低い患者において、耐性オッズは有意に高かった。
AIDS 18(10):1471-1473,2004 Bhaskaran K, et al Do patients who are infected with drug-resistant HIV have a different CD4 cell decline after seroconversion? An exploratory analysis in the UK Register of HIV Seroconverters.
<薬剤耐性HIV感染患者はその他HIV感染者に比べ、血清変換後のCD4細胞数減少に相違があるか? 英国HIV血清変換者登録での予備的解析>
(手紙)英国HIV血清変換者登録データを用い、薬剤耐性感染(TDR)のエビデンスを有する/無い抗レトロウイルス薬未経験者において、CD4細胞数の減少割合を比較した。血清変換後の最初の年はTDRを有する者においてCD4細胞数の減少速度が早いという示唆が得られたが、その後の減少割合の相違を示すエビデンスは得られなかった。こうした現象を説明するウイルス学的および宿主の決定因子について、今後さらなる研究が必要である。
AIDS 18(11):1503-1511,2004 Kantor R, et al Evolution of resistance to drugs in HIV-1-infected patients failing antiretroviral therapy.
<抗レトロウイルス療法が奏効していないHIV-1感染患者での薬剤耐性の出現>
薬剤耐性変異の出現を定量化し、免疫学的/ウイルス学的パラメータの変化を同定するため、患者106名(ウイルス量400コピー/mL以上、ウイルス学的失敗に関わらず2カ月以上同一の抗レトロウイルス療法(ART)を継続)において、2つの連続したpolの塩基配列、CD4細胞数、ウイルス量を解析した。ART継続中央値14カ月後、75%(80/106)の患者が新たな薬剤耐性変異を獲得し、有意に低い遺伝子型感受性スコアを得た。新たな薬剤耐性変異の出現は2つの塩基配列間の時間と一致し、最初の塩基配列における薬剤耐性変異数に反比例した。しかし、薬剤耐性変異の出現はCD4細胞数あるいはウイルス量の有意な変化を伴ってはいなかった。長期にわたりCD4細胞数あるいはウイルス量が一定値に維持されている場合でも、奏効しない治療の継続は薬剤耐性を増大させ、将来の治療選択肢を制限する可能性がある。
AIDS 18(11):1539-1548,2004 Lucas G M, et al Relationship between drug resistance and HIV-1 disease progression or death in patients undergoing resistance testing.
<耐性試験を受けた患者における薬剤耐性とHIV-1疾患進展および死亡との相関>
遺伝子型抗レトロウイルス耐性試験(GART)で検知された薬剤耐性に関連する要因を評価し、耐性度合とその後のヒト免疫欠損タイプ1(HIV-1)の進展あるいは死亡との関連性を検証した。GARTを受けた患者572名での耐性変異割合は、50%が0-2個、33%が3-6個、17%が7個以上。多変量解析では、不完全なウイルス抑制を伴う長期HAARTの受療は、より多い薬剤耐性変異に有意に関連。耐性変異が少ない患者では、多い患者に比べ有意なウイルス抑制達成傾向を示した。追跡調査15カ月の中央値では、2個以下の耐性変異を有する患者に比べ3-6個あるいは7個以上の患者で、HIV-1疾患進展あるいは死亡リスクがより高いということはなかった。逆に、GART後のHAART継続は、特にCD4細胞数が低い患者において、疾患進展の遅延に強く関連。ウイルス血症やHIV-1薬剤耐性は持続するものの、HAART継続で臨床的ベネフィットが得られる可能性がある。

 

耐性2003.9月
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AIDS 17(13):1889-1896,2003 Sirivichayakul S (Thailand) et al Nucleoside analogue mutations and Q151M in HIV-1 subtype A/E infection treated with nucleoside reverse transcriptase inhibitors
[NRTI治療を受けているHIV-1サブタイプA/E患者におけるヌクレオシドアナログ変異及びQ151M]
d4T/ddI(A)試験又はAZT/3TC(B)vsAZT/3TC/ddI(C)試験で48週後に無作為化又は治療失敗により他の治療に変更した症例の耐性変異を検討。A,B,Cとも初期の変異はなし、48週後はNAMが各12,20%,1/8、Q151Mが18,0,0%、M184Vが0,100%,3/8、V75Tが18,0,0%、L74Vが18,0,0%。A→AZT/3TC,B→d4T/ddI,C→d4T/3TC/ABCの96週後はNAMが57%,4/7,1/3、Q51Mが19,0%、1/3。4つ以上のNAMがAで高率だった。
AIDS 17(13):1925-1932,2003 Bangsberg D R (CDC, USA) et al High levels of adherence do not prevent accumulation of HIV drug resistance mutations
[高率アドヒアランスは薬剤耐性変異蓄積を防止しない]
都市部貧困患者148例でアドヒアランスと耐性変異の関連を検討。アドヒアランス高値は治療期間、ウイルス抑制と有意に相関。定常的治療でウイルス量>50の57例において、新規薬剤耐性変異集積は以前の治療期間及び錠数カウントアドヒアランスと正相関。ウイルス量<50の患者では耐性がないことから、全薬剤耐性の23%はアドヒアランス最高(92-100%)で起こり、耐性の50%以上はアドヒアランス高値(79-100%)で起こると見積もられた。
AIDS 17(14):2126-2129,2003 Daniel N (France) et al Emergence of HIV-1 mutated strains after interruption of highly active antiretroviral therapy in chronically infected patients [Letter]
[慢性患者におけるHAART中断後のHIV-1耐性ウイルスの出現]
HAARTを中断し長期にウイルス抑制が得られた後に耐性が出現した4例を報告。2例は中断前よりプロウイルスDNA中に耐性が存在。全耐性はNRTI関連で、3例は長い1-2剤治療期間あり。治療中断前にプロウイルスDNAが主に野生型の患者においても、耐性ウイルスは早急に再出現する可能性がある。
JAIDS 34(1):1-6,2003 Bi X (ACC, Japan) et al Emergence of Protease Inhibitor Resistance-Associated Mutations in Plasma HIV-1 Precedes That in Proviruses of Peripheral Blood Mononuclear Cells by More Than a Year
[血漿中HIV-1のPI耐性変異はPBMCのプロウイルスのPI耐性変異より1年以上前に発現する]
耐性変異早期検出に血漿とPBMCどちらを使用すべきかを、PI投与中の患者の両サンプルを用いて検討。両サンプル107ペア中70で耐性変異が異なり、PBMCのプロウイルスより血漿のウイルスで変異が多かった。血漿中ウイルス量が1万未満の場合、血漿サンプルではPBMCサンプルより約425日早く一次耐性が検出できた。PBMCプロウイルスの遺伝子ターンオーバーは血漿ウイルスよりも遅く、そのタイムラグはウイルス量と反比例することが示唆された。耐性の早期検出には血漿ウイルスサンプルを選択すべきである。
JAIDS 34(1):114-116,2003 Reynes J (France) et al Low CD4+ T-Cell Surface CCR5 Density as a Cause of Resistance to In Vivo HIV-1 Infection
[in vivo HIV-1耐性の原因としてのCD4陽性T細胞表面のCCR5密度低値]
以前、CD4陽性T細胞表面のCCR5コレセプター数がHIV-1 in vitroライフサイクルに強く影響すると報告した。HIV-1感染者と非感染者のCCR5密度を比較したところ、感染者で有意に低かった。CCR5密度はin vivo感染性、ウイルス量、病気進行及び治療反応性に影響する。
HIV Med 4(4):305-
[インデックス]
Gilleece Y?(UK) et al The prevalence of reduced zidovudine susceptibility in zidovudine-naive, antiretroviral-experienced HIV-1-infected patients
[AZT未投与抗ウイルス剤既治療HIV-1患者におけるAZT感受性低下の有病率]
AZT未投与でd4T治療失敗67例のAZT感受性を調査。3剤以上NRTI投与23%、NNRTI1剤以上投与42%。d4T感受性低下ウイルス検出22%、AZT感受性低下ウイルス検出25%。d4T感受性とAZT感受性、d4T耐性とAZT耐性との間に有意な相関あり。交叉耐性が示唆された。
HIV Med 4(4):338-
[インデックス]
Dupuis ML?(Italy) et al Saquinavir induces stable and functional expression of the multidrug transporter P-glycoprotein in human CD4 T-lymphoblastoid CEMrev cells
[SQVはヒトCD4Tリンパ芽球CEMrev細胞において多剤輸送P糖タンパク(P-gp)の安定した機能的発現を誘導する]
CEMrevにSQV10μg/mLを暴露し培養すると機能的P-gp分子発現が誘導され、更にSQC15μg/mLで数ヶ月培養したところP-gp発現と機能は劇的に増加した。これらP-gp分子はクラシカルな170-kDaと同様75-kDa分子も含むことから、P-gpの特別なisoformの誘導はmini-P-gpで終了することが示唆された。逆にRTV及びIDVはCEMrevの少ない一部で一過性P-gpを誘導した。
J Infect Dis 188(5):653-660,2003 Wang D (UK) et al Enhanced Prediction of Lopinavir Resistance from Genotype by Use of Artificial Neural Networks
[人工ニューラルネットワークを用いたジェノタイプからのLPV耐性の予測の促進]
2種の新たなニューラルネットワークモデルを作成。1つはLPV耐性に有効と認知されているプロテアーゼにおける11部位の変異に基づき、他方はperforming category prevalence analysisにより同定された28変異のあたらなセットに基づくものである。両モデルを1,322臨床検体で試験したところ、後者のほうがより正確にLPV耐性を予測できた。

 

耐性2003.8月
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AIDS 17(12):1795-1802,2003 Brun-V?zinet F (France) et al Clinically relevant interpretation of genotype for resistance to abacavir
<ABC耐性に関するジェノタイプの臨床的に適切な解釈>
Narval TrialでABC投与を受けた全175例について、ABC臨床耐性とジェノタイプの関係を検討。ウイルス量低下と変異数の間に最も強い相関があり、41,67,270,215,74,184での変異セットが認められた。変異数<4の患者ではウイルス量低下は-1.64Log、変異数4、5-6では各-0.69、-0.19Log。多変量解析でこのスコアは反応の独立的予測因子だった。
Antiv Ther 8(2):173-182, 2003 Roge BT (Denmark) et al K65R with and without S68: a new resistance profile in vivo detected in most patients failing abacavir, didanosine and stavudine
<K65R±S68:ABC+ddI+d4T治療に失敗例のほとんどでin vivo検出された新たな耐性プロフィール>
臨床試験で未治療患者にABC+ddI+d4Tを投与。治療失敗(ウイルス量>400)は8例。試験開始時は5例が野生型、3例はNEMsを保有していたがフェノタイプは正常域。野生型保有5例は全例K65R、4例が同時にS68G変異を発現、フェノタイプ感受性はABC、ddI、3TC、TDFに対し各8.9、3.2、14.2、4.0倍低下したがd4Tは不変。試験開始時より変異を有したうちの2例は更なるNEMs集積とV75TまたはL74Vを発現、1例はQ15M発現。K65Rは容易に出現可能。S68Gは予想外だったが、K65R保有者で機能的役割を果たしていることが示唆される。
Antiv Ther 8(2):143-154, 2003 Selmi B (France) et al Nucleotide analogue binding, catalysis and primer unblocking in the mechanisms of HIV-1 reverse transcriptase-mediated resistance to nucleoside analogues
<HIV-1逆転写酵素を介したNRTI耐性機序におけるNRTIの結合、触媒作用及びprimer unblocking>
逆転写酵素活性部位での働きにおける化学反応の分析による判定での耐性の分子機序を総括する。機序のひとつは、結合過程または触媒過程におけるヌクレオシド系薬の識別であり、後者は非常に多い機序である。ほかには薬剤により終了されたDNA鎖の修復がある。この機序は、純化逆転写とフェノタイプを酵素データに相関させる目的の生物学的分析により説明される。
Antiv Ther 8(2):111-120, 2003 Ait-Khaled M (GSK) et al HIV-1 reverse transcriptase and protease resistance mutations selected during 16-72 weeks of therapy in isolates from antiretroviral therapy-experienced patients receiving abacavir/efavirenz/amprenavir in the CNA2007 study
<CNA2007試験でABC+EFV+APV投与を受けた既治療患者からの分離株において治療16-72週の間に選択されたHIV-1逆転写酵素及びプロテアーゼの耐性変異>
ABC+EFV+APVを16週以上投与した74例で耐性検査実施。48週までに51%がNNRTI耐性保有、K103Nが最も多く、ほかにG190A/S/E/T、L100I及びV108I。L100IとG190A/S/E/T同時検出例は稀。初期Y181C保有例ではL100IよりもG190変異が多かった。NRTI変異はABCで既知のものでTAMs出現なし;新規L74V/Iは39/16%に出現したが新規M184Vは2例のみ。試験開始時にはM184Vは55%に見られ81%はそのまま持続。プロテアーゼ変異はAPV由来が多かった。試験開始時のNNRTI/NRTI治療経験がEFV耐性変異の出現に影響した。

 

耐性2003.7月
書誌事項・ソース・リンク 報告者 タイトル サマリー
Clin Infect Dis 37(1):113-128,2003 Hirsch MS (Harvard Med Sch, USA) et al Antiretroviral Drug Resistance Testing in Adults Infected with Human Immunodeficiency Virus Type 1: 2003 Recommendations of an International AIDS Society-USA Panel
[HIV-1感染成人における抗ウイルス薬耐性検査:2003年IAS-USAパネル推奨]
耐性検査の利益と限界についてのIAS-USAによる新たな情報。適切に使用された耐性検査はHIV患者のウイルス学的転帰を改善することができる。急性/最近の感染例、感染から治療開始までに2年以上経過している症例、抗ウイルス治療失敗例及び妊婦では耐性検査が推奨される。耐性検査の限界は依然として存在しており、適切な使用及び解釈に関する更なる試験が必要。
AIDS Review 5(2):80-86, 2003 Lafeuillade A (France) et al Stavudine in the face of cross-resistance between HIV-1 nucleoside reverse transcriptase inhibitors: a review
[NRTI交叉耐性に直面するd4T:総説]
d4Tは例えばNAMのように他のNRTIと耐性を共有するが、臨床的影響については種説がある。いくつかの研究ではNAM誘導頻度はAZTより低く、特に3TCとの併用ではそれが顕著で、12ヵ月以上の治療での誘導頻度は5%未満と報告されている。in vitroでも同様に、フェノタイプ、ジェノタイプとも耐性に対する影響はAZTより低いことが報告されている。臨床的カットオフ値は試験により結果が異なる。それでもこれら研究結果はd4T使用ストラテジーの明確化、NRTIの最良の使用順序選択の決定に役立つ。
Antimicrob Agent Chemother 47(8):2714-2715,2003 Nicastri E (Italy) et al Human Immunodeficiency Virus Polymorphisms and Zidovudine Resistance [Letter]
[HIV多型とAZT耐性]
SturmerらによりAZTのクラシックな変異と208,211,214,333位の追加変異を報告した。NRTI2剤療法失敗の19例で検討したところ、208,211,214変異(+TAMs)にM184Vが組み合わさって多剤耐性が発現することを見出した。
J Infect Dis 188(2):194-201,2003 Torti C (Netherlands) et al Comparison between Rules-Based Human Immunodeficiency Virus Type 1 Genotype Interpretations and Real or Virtual Phenotype: Concordance Analysis and Correlation with Clinical Outcome in Heavily Treated Patients
[ルールに基づいたHIV-1ジェノタイプ解釈とリアル/ヴァーチャルフェノタイプとの比較:一致性の分析と既治療患者における臨床効果との関連]
2種のルールに基づいたジェノタイプ解釈システムとリアル/ヴァーチャルフェノタイプとを比較。ジェノタイプはVircoGEN IIで決定しRetroGram 1.4又はTRUGENE HIV-1又はオリジナルヴァーチャルフェノタイプで解釈した。188標本を検査し、2種のルールに基づいたシステムはほぼ一致したが、それらとリアル/ヴァーチャルフェノタイプ解釈とはd4T、ddI、ddC、ABC、APVについて著しく不一致だった。173患者のサブセットの臨床評価によると、ルールに基づいた感受性スコアは両方とも治療中の16週目のウイルス量<400と関係があったが、リアル/ヴァーチャルフェノタイプとは反対に生物学的カットオフによる解釈はウイルス量と関係が見られなかった。
Antimicrob Agent Chemother 47(7):2376-2379,2003 Diallo K (Canada) et al The M184V Substitution in Human Immunodeficiency Virus Type 1 Reverse Transcriptase Delays the Development of Resistance to Amprenavir and Efavirenz in Subtype B and C Clinical Isolates
[HIV-1逆転写酵素(RT)におけるM184V置換はサブタイプB/C臨床分離株におけるAPV及びEFVの耐性発現を遅らせる]
3TCに対する高度耐性をもたらすM184V置換の結果、ウイルス複製能低下、RT processivity減少及びRT fidelity増加が起こる。EFV、NFV、APV耐性発現に対する影響を検討。EFVによる変異はサブタイプBではK103N、CではV106Mと異なり、両方ともワイルドタイプと比しM184Vを有する株で出現が遅かった。同様にAPV耐性(I54M/L/V)もワイルドタイプと比しM1847V保有のサブタイプB株で出現が遅かった。
JAIDS 33(4):439-447,2003 Monno L (Italy) et al HIV-1 Phenotypic Susceptibility to Lopinavir (LPV) and Genotypic Analysis in LPV/r-Naive Subjects With Prior Protease Inhibitor Experience
[PI投与歴がありLPV/r未投与患者におけるLPVに対するHIV-1フェノタイプ感受性及びジェノタイプ分析]
PI投与LPV/r未投与患者におけるLPVフェノタイプ/ジェノタイプ分析結果の関連性を検討。100検体中34でLPV感受性低下(2.6-75.9倍)、耐性倍率は全及びLPV/r変異数に相関。単変量解析でのLPV耐性関連因子は現在のPI治療・IDV投与、5倍より大きなLPV/r耐性、L10FIRV,K20MR,I54VL,A71VT,G73SA,V82AFTS,I84V及びM90Lだった。LPV耐性独立相関因子はK20MR,I54LG73SA,I84V及びPI耐性>9だった。LPV>10倍及び<10倍耐性は34検体中各16,18検体。各LPV変異とI54L組合せで耐性が増した。PI耐性で治療変更を要した場合、LPVへの変更は変異数及び54の変異の有無に基づき考慮すべきである。
J Clin Virol 27(3):252-262,2003 Tsuchiya K (ACC, Japan) et al Primary nelfinavir (NFV)-associated resistance mutations during a follow-up period of 108 weeks in protease inhibitor na?ve patients treated with NFV-containing regimens in an HIV clinic cohort
[あるHIV施設コホートにおけるNFVを含むレジメンによって治療されたPI未投与患者の108週追跡でのNFV関連一次耐性変異]
NFV長期追跡における臨床的/ウイルス学的効果と耐性出現の時期/率について、PI未投与患者51例で検討。108週にわたり同じ治療を続けた患者と、108週抗ウイルス効果の持続した患者は、各78、63%。12週でウイルス量>400コピーが持続していた30症例中11例で、108週までにNFV一次変異が出現。逆転写酵素治療歴あり、AIDS診断歴あり、開始時CD4<200及びウイルス量>3万は、NFV耐性の予測因子ではなかったがその傾向がみられた。このコホートでは12週でのウイルス量を治療成功の予測因子として使用することができた。
JAIDS 33(3):336-342,2003 Ariyoshi K (Ntl Inst Infect Dis, Japan) et al Patterns of Point Mutations Associated With Antiretroviral Drug Treatment Failure in CRF01_AE (Subtype E) Infection Differ From Subtype B Infection
[サブタイプB感染と異なったサブタイプEにおける抗ウイルス薬治療失敗に関連したポイント変異のパターン]
非サブタイプBの耐性情報は少ない。日本における性感染のサブタイプB及びEの耐性変異を調査。216例のプロテアーゼシーケンスを検討したところ、サブタイプB162例、サブタイプE45例が同定され、NRTI失敗例は各82、24例、PI失敗例は各69、19例。サブタイプBとEの治療薬歴は同等。サブタイプBと比しEではT69N及びV75M(逆転写酵素)、L10F、K20I、L33I及びN88S(プロテアーゼ)が高頻度、D30N、A71V及びN88DはサブタイプBのみ。ほとんどがNFV関連変異。サブタイプにより変異パターンが異なった。

 

耐性2003.6月
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サマリー
J Infect Dis 187(12):1934-1943,2003 De Luca A (Italy) et al Variable Prediction of Antiretroviral Treatment Outcome by Different Systems for Interpreting Genotypic Human Immunodeficiency Virus Type 1 Drug Resistance
[ジェノタイプHIV-1薬剤耐性解釈に対する異なるシステムによる抗ウイルス治療結果の可変的予測]
サルベージ療法を開始した261例を対象に11種の耐性解釈システムを比較したところ、ジェノタイプ感受性スコア(GSS)は高度にばらついた。5システムでは治療6ヵ月後のHIV RNA変化と独立的な相関が認められた。ほとんどのGSSはddI、ABCまたはNFVを含む治療の反応を予測できたが、ブーストされたPIの効果を予測できたものはなかった。GSSはアドヒアランス良好例でウイルス量変化予測が可能だった。
JAIDS 33(2):134-139,2003 Roman F (Luxembourg) et al Uncommon Mutations at Residue Positions Critical for Enfuvirtide (T-20) Resistance in Enfuvirtide-Naive Patients Infected With Subtype B and Non-B HIV-1 Strains
[サブタイプB及び非B感染T-20未投与患者にけるT-20耐性に決定的な残基ポジションにおける稀な変異]
in vitro及び臨床試験でgp41のHR-1ドメインにおける耐性変異が報告されている。サブタイプB及び非B感染者における一次変異を検討したところ、典型的耐性変異は認められなかったが、サブタイプBでは37,39,42残基に、非Bでは42残基に稀な変異が認められた。
AIDS 17(9):1351-1361,2003 Halfon P (Belgium) et al Kinetics of disappearance of resistance mutations and reappearance of wild-type during structured treatment interruptions
[STI中の耐性変異消失及び野生タイプ再出現の動態]
多数のHAART失敗後3が月のSTI試験に参加した11例で耐性変異の変化を検討。ジェノタイプ評価にDNAシーケンシングとVERSANT HIV-1耐性アッセイ(LiPA)を使用したところ、ウイルスポピュレーションの野生タイプへの復帰時期は測定法によって異なった。ほとんどの患者におけるウイルス量の増加は、変異が少ないか全くないウイルスの自然経緯と一致していた。
AIDS 17(10):1463-1471,2003 Shao X-W (Sweden) et al Use of HIV-1 reverse transcriptase recovered from human plasma for phenotypic drug susceptibility testing
[フェノタイプ薬剤感受性試験のためにヒト血漿から回収されたHIV-1逆転写酵素(RT)の利用]
RTのフェノタイプ薬剤感受性プロフィールと薬剤耐性パターンは高度に一致していた。薬剤耐性に関連する変異のないビリオンのRTのNVP、EFV、DLV、AZT三リン酸、d4T三リン酸に対するIC50はそれぞれ1.5、0.21、7.1、0.42、0.059、0.018μMだった。置換と関連した薬剤耐性を有するRTに対するIC50の増加はNNRTIに対しては3-6倍以上、チミジンアナログに対しては2-30倍以上だった。HIV患者の血漿から回収されたビリオン由来のRTはフェノタイプ分析に利用可能だった。
AIDS 17(10):1568-1570,2003 Baldanti F (Italy) et al Nevirapine-selected mutations Y181I/C of HIV-1 reverse transcriptase confer cross-resistance to stavudine
[NVP選択の逆転写酵素のY181I/C変異はd4Tに対する交叉耐性をもたらす]
d4T投与によりNNRTI治療患者におけるY181I/C変異の頻度は増加しなかった。しかし組換えY181C HIV-1ではd4T感受性の低下が見られた。更に組換えY181I逆転写酵素はd4Tに対する感受性が低下した。

J Med Virol 70:337?342 ,2003
(BMCサイト)

Beddows S (UK) et al Performance of two commercially available sequence-based HIV-1 genotyping systems for the detection of drug resistance against HIV type 1 group M subtypes
[HIV-1グループMサブタイプに対する耐性発見のための2種の市販のシーケンスを基礎としたジェノタイピングシステムの性能]
現在の市販ジェノタイプ検査はサブタイプBを対象としているが、医療現場ではサブタイプA,C,Dなども認められている。ViroSeq Genotyping SystemとTruGene HIV-1 Genotyping Kitを用いグループM(サブタイプA-J)35株の検査を行った。full-length consensus sequence生成は前者が83.8%、後者では53%、サブタイプBより成績が悪かった。

 

耐性2003.5月
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報告者
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JAIDS 33(1):8-14.2003 Ravela J (Stanford Univ, USA) et al HIV-1 Protease and Reverse Transcriptase Mutation Patterns Responsible for Discordances Between Genotypic Drug Resistance Interpretation Algorithms
[遺伝学的薬剤耐性解釈アルゴリズムの間の不一致の原因であるHIV-1プロテアーゼ及び逆転写酵素変異パターン]
HIV-1遺伝学的耐性結果を解釈するいくつかのアルゴリズムが開発されているが、必ずしも一致しない。4つのアルゴリズムを2,045例から得られた検体に当てはめたところ、4.4%が完全不一致、29.2%が部分的不一致、66.4%が完全一致。原因は、NRTIでは数種のシンプルでしばしば起こる耐性パターン、PIでは多数の更に複合的な耐性パターン、NNRTIでは不一致は稀で、少数の個々の薬剤耐性変異によるものだった。解釈不一致の原因である耐性パターンの決定により、一致率改善及び解釈正確性を改善できるだろう。
JAIDS 33(1):15-21.2003 Margot N A (Gilead Sci, USA) et al Extended Treatment With Tenofovir Disoproxil Fumarate in Treatment-Experienced HIV-1-Infected Patients: Genotypic, Phenotypic, and Rebound Analyses
[既治療HIV-1患者におけるTDFによる治療拡大:ジェノタイプ、フェノタイプ及びリバウンド分析]
既治療患者を対象とした48週PhaseII試験後、135例が更に48週の試験に登録。ジェノタイプ分析で48-96週に41例が新たな変異を獲得、33例はd4TまたはAZT併用例でチミジンアナログ関連一時変異を、2例はK65R変異を有していた。48-96週にHIV-1 RNAが0.5log以上上昇した21例中8例では、PIまたはNNRTI関連変異がリバウンドに関与しているようだった。変異なし3例及びNRTI関連変異獲得10例ではTDF関連フェノタイプ変異は認められなかった。全体的に見ると、48週及び96週での試験開始時からのウイルス量低下は同等だった。
AIDS 17(8):1127-1137,2003 Matsumi S (NCI, USA) et al Pathways for the emergence of multi-dideoxynucleoside-resistant HIV-1 variants
[ジデオキシヌクレオチド系薬多剤耐性HIV-1株の出現経路]
Q151M変異出現メカニズムと出現に長期かかる理由を検討。HIV-1(Q151L)は複製能が比較的低くHIV(Q151M)は複製不能。HIV-1(Q151L)が更に増殖したとき3経路を取った;HIV-1(Q151L)が (1)HIV-1(Q151M)に変化 (2)HIV-1(WT)に復帰 (3)更にM230Iを獲得。薬剤なしの複製フィットネスはHIV-1(Q151M)>HIV-1(WT)>HIV-1(Q151L/M230I)>HIV-1(M230I)>>HIV-1(Q151L)>>>HIV-1(Q151K/M230L)。HIV-1(Q151M)は薬剤感受性がより低く、HIV-1(Q151L/M230I)はHIV-1(WT)と同等の感受性あり。酵素アッセイでHIV-1(Q151L)は薬剤存在下でHIV(WT)やHIV(Q151K)よりも充分な複製能を有することが明らかになった。
AIDS 17(8):1256-1258,2003 Chan KCW (Canada) et al Prolonged retention of drug resistance mutations and rapid disease progression in the absence of therapy after primary HIV infection [Letter]
[初期感染後未治療での長期に保持される薬剤耐性変異と急速な病期進行]
症例報告。PIまたはNRTI高度耐性の異なる2例を報告。抗ウイルス治療を行なわず、これらの耐性はほとんど変化することなく持続したが、感染源の患者では治療中断後野生株に変った。更に新たに感染した患者では急激なCD4消失が見られた。
AIDS 17(8):1258-1261,2003 Schnell T (German) et al Distinct cross-resistance profiles of the new protease inhibitors amprenavir, lopinavir, and atazanavir in a panel of clinical samples [Letter]
[臨床サンプルパネルにおける新たなPI、APV、LPV及びATVの明らかな交叉耐性プロフィール]
治療歴のわかっている245臨床サンプルのパネルを用いて、新規PIの交叉耐性を評価。すでに承認されているPIに対する耐性サンプルは、ATVに対し高度の交叉耐性を示したが、APV交叉耐性はかなり低かった。高いカットオフ値を適用すれば同じような交叉耐性プロフィールがLPVでも認められた。
J Virol. 77(10):5685-5693,2003 Garcia-Lerma JG (CDC, USA) et al A Novel Genetic Pathway of Human Immunodeficiency Virus Type 1 Resistance to Stavudine Mediated by the K65R Mutation
[K65R変異を介したd4Tに対するHIV-1耐性の新規遺伝学的経路]
d4TとAZTは同じような耐性獲得機序を有することが示唆されている。今回、AZTによっては選択されないK65Rを介した新しいd4T耐性機序を同定した。フェノタイプ分析ではd4T選択K65Rへ似におけるd4T耐性を検出できなかったが、他のNRTI交叉耐性を検出した。
J Biol Chem 278(18):15469-15472, 2003 Blanca G (Italy) et al Nevirapine resistance mutation at codon 181 of the HIV-1 reverse transcriptase confers stavudine resistance by increasing nucleotide substrate discrimination and phosphorolytic activity
[HIV-1逆転写酵素コドン181におけるNVP耐性変異はヌクレオチド基質識別及びリン酸活性化の増加によりd4T耐性をもたらす]
コドン181にNNRTI耐性変異を有するHIV-1は、取り込みの低下とd4Tの加リン酸分解的除去の高い効果を示す。これらの結果より、異なるクラスのHIV-1逆転写酵素阻害剤の交叉耐性の新たな機序が明らかになった。
Antiv Ther 8(2):173-182, 2003 RAcge BT (Denmark) et al K65R with and without S68: a new resistance profile in vivo detected in most patients failing abacavir, didanosine and stavudine
[K65R±S68:ABC+ddI+d4T失敗患者のほとんどでin vivo検出された新たな耐性プロフィール]
デンマーク多施設試験でABC+ddI+d4T3剤NRTIを未治療患者に投与し、8例が治療失敗。試験開始時、5例が野生型、3例がNEMsを保有していたがフェノタイプ感受性は正常域。野生型保有5例は全例K65Rを発現し、うち4例は予想外にS68Gも獲得した。フェノタイプ感受性はABC、ddIで低下、d4Tは不変。3TC及びTDF感受性も低下。試験開始時から変異を有した2例では更なるNEMs及びV75TまたはL74Vの蓄積が観察され、1例でQ151Mが発現した。
Antiv Ther 8(2):111-120, 2003 Ait-Khaled M (GSK) et al HIV-1 reverse transcriptase and protease resistance mutations selected during 16-72 weeks of therapy in isolates from antiretroviral therapy-experienced patients receiving abacavir/efavirenz/amprenavir in the CNA2007 study
[CNA2007試験でABC+EFV+APV治療を受けた既治療患者からの分離株において治療16-72週に選択された逆転写酵素及びプロテアーゼの耐性変異]
ABC+EFV+APV治療を受けた既治療患者における耐性変異出現を調査。その結果、EFV耐性に関しては以前のNNRTI及びNRTI治療の影響が見られた。この試験でのEFV耐性は、他の抗ウイルス薬治療歴の少ない患者を対象とした試験とは内容が異なっていた。試験開始時のY181Cは190位での変異出現と関連したが、L100IやK103Nとは関連しなかった。今回の患者群ではEFVとの併用でABCはL74Vを選択したがチミジンアナログ変異は選択しなかった。M184V選択は稀で3TCまたはddIを追加しなかった症例の77%のみで維持された。APVについては明確な耐性プロフィールが認められた。
AIDS Read 13(4):166-171, 2003 Boyle BA (Cornell Univ, USA) Resistance Studies From the 10th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections
[第10回レトロカンファレンスからの耐性試験]
第10回CROIでの耐性関連の発表のまとめ。新規感染者における耐性、PI耐性、ウイルス適応性、ウイルス学的失敗にも関わらず維持される免疫機能、サルベージ療法としての治療中断、サルベージ療法以前の治療中断、フュージョン阻害薬耐性。

耐性2003.3月
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Antimicrob Agent Chemother 47(4):1324-1333,2003 Colonno RJ (BMS, USA) et al Activities of Atazanavir (BMS-232632) against a Large Panel of Human Immunodeficiency Virus Type 1 Clinical Isolates Resistant to One or More Approved Protease Inhibitors
『1つ以上の既存のPIに耐性のHIV-1臨床分離株に対するATVの活性』
『1つ以上の既存のPIに耐性のHIV-1臨床分離株に対するATVの活性』種々のPI耐性プロフィール及び遺伝子パターンを示す551の臨床分離株からなるパネルを用いて、ATV及び他のPI(APV,IDV,LPV,NFV,RTV,SQV)の交叉耐性を検討。一般にATVの感受性低下にはいくつかのアミノ酸変異が必要で、感受性低下の程度は比較的少なく、既存のPI1-2剤に耐性の株に対する感受性は保持されていることが示されている。多くのPIに対する交叉耐性のレベルが高い株に対してはATV感受性も低下する傾向が示されている。ATVは試験した他の6剤のPIとは異なる耐性プロフィールを有しているようである。ジェノタイプ分析により10I/V/F,20R/M/I,24I,33I/L/V,46I/L,48V,54V/L
,63P,71V/T/I,73C/S/T/A,82A/F/S/T,84V,90Mの変異がATV感受性低下と関連していることが示された。ATV感受性の3倍以上低下を予測できる単置換あるいは置換の組合せはないが、これら置換が5つ以上存在することがATV感受性喪失と強く関係することが示された。
AIDS 17(5):663-672,2003 Menzo S (Italy) et al Processivity and drug-dependence of HIV-1 protease: determinants of viral fitness in variants resistant to protease inhibitors
『HIV-1プロテアーゼのprocessivity(伸長性)と薬物依存性:PI耐性変異株におけるウイルスフィットネス(適応性)の決定因子』
『HIV-1プロテアーゼのprocessivity(伸長性)と薬物依存性:PI耐性変異株におけるウイルスフィットネス(適応性)の決定因子』",HIV患者32例(PI治療失敗27例、PI未投与5例)のプロテアーゼシーケンスを評価したところ、HIV-1プロテアーゼprocessivity低下が早期の一次変異の選択と並行して起こっており、その回復は代償変異によって起こっていた。更に、PIは耐性に加え薬物依存的HIV-1プロテアーゼ変異を選択する可能性がある。プロテアーゼのprocessivity及び薬物依存性の変化はPI耐性ウイルスの複製能に関わっている。
JAIDS 32(3):292-297,2003 Parker M M (NY State Dpt Health,USA) et al Prevalence of Genotypic Drug Resistance Among a Cohort of HIV-Infected Newborns
『HIV感染新生児のコホートにおけるジェノタイプ薬剤耐性有病率』
『HIV感染新生児のコホートにおけるジェノタイプ薬剤耐性有病率』",NY州で1998-1999年に91例の感染新生児(60日令以下)のジェノタイプをレトロスペクティブに検討。11例で耐性変異を有するプロウイルスが検出され、全3クラス薬剤に耐性だった。2クラス薬剤に耐性の変異は2例で検出。周産期の薬剤使用と耐性変異の存在は相関しなかった。出産前に薬剤曝露を受け薬剤耐性のジェノタイプエビデンスを有する新生児では、変異は出生前の少なくとも1剤と関連があった。新生児でもなるべく早い時期に耐性検査を行うことの必要性が示唆された。